エリマキシギというシギをご存じだろうか
チドリ目シギ科の鳥で、北欧からロシアにかけての北極海沿岸で繁殖し、冬はアフリカ南部やインド、オーストラリアに渡る旅鳥である
渡りの途中で日本によることもあり、西日本では越冬することもある
沖縄の南西諸島では見る機会が多いが、関東地方に現れることもある
ただ日本で見るエリマキシギは冬羽で襟巻がない割と普通のシギであまり魅力がない
夏に襟巻というのもアンバランスだが、とにかくオスのエリマキシギの夏羽(繁殖羽)はゴージャスで貴婦人の襟巻そっくりのエリマキを付ける
その色彩も白黒、茶をベースに変化に富んでいて、千変万化である
今回の北極圏旅行の目的の一つは間違いなく夏のエリマキシギを観察することだった
遠距離や逆光など撮影条件がいまいちだったが、いろいろなファッションのエリマキシギを撮影できたので、
VOL.5は「エリマキシギ特集」とした
RUFF (エリマキシギ)
ある種類の鳥は繁殖期になるとオスが集まって求愛ダンスを踊る
人間でいえばマハラジャのお立ち台に上がるダンシングクイーンのようなものだが、鳥の場合、ダンサーはすべてオスだ
そのような共同踊り場はLEK(COMMUNAL LEK)とよばれ、ライチョウやエリマキシギなどがそのような習性を持つ パプアニューギニアで見た極楽鳥(フウチョウ)なども集団で求愛ダンスを踊る鳥の仲間だ
ただ踊り場は常設ステージがあるわけではなく、4~5羽のエリマキシギが集まってディスプレーをするといった程度のものであった (要するに何羽かのオスのエリマキシギが集まっているところがLEKということのようだ)
次の4枚は同じシーン 近くにいてお互いを意識しあっているが、闘争のような気配は全くない
同じ種なのに翅のデザインが全く違うことが分かると思う
次の2枚は同じ個体 黒白2色構成だがシギらしいデザインだ
上から茶・白・黒 3色構成のデザインもある
次の個体は全く離れた別の場所に現れたもの オオソリハシシギがいたノルウェーの海岸だった
茶系主体で込み入った模様の魅力的な個体
メスには人気がないのか、2枚目には知らん顔をして通り過ぎるメスが写っている
黒が主体のデザインの個体はしきりにディスプレイを繰り返しメスを誘っていた
なかなか端正な顔をしたオスだった
全く別の場所で撮影したエリマキシギのメス オスよりはるかに小さく平凡なシギの姿形をしている