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還暦からのネイチャーフォト

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2014年 03月 22日

銚子・波崎の海鳥

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3月14日金曜日、曇り空だったが、車で銚子まで出かけた
野草や昆虫にはまだちょっと早い時期なのでネイチャーフォトの対象はどうしても鳥になる
最近はFLOWER、BIRD、INSECTのFBIがバランスよく撮影できるようになってきたが、中ではどうしてもB(BIRD)が弱い
昆虫は中学高校時代からの蓄積があり、花は仕事現役時代に休日カメラマンとしてアナログ(リバーサル)で野草写真を撮っていたため基礎知識がある
鳥は家内の専門分野で自分の撮影対象ではなかったのだが、リタイア後家内のお伴で海外のバードウォッチングへ出かけるようになったので写真を撮るようになった
ただいつも近くに家内がいるので名前を覚える手間を省略し、写真を撮るだけの対象であったのも事実である
最近になって少しは系統的に鳥の名前を覚えようという気になり、勉強も始めたので今回はその一環として銚子・波崎で撮影した鳥の写真を紹介することとしたい

コガモ
波崎の港ではカモが列をなして飛んでいた
距離が遠く肉眼では識別困難であったが、写真に撮ってじっくり検討して見るとどうもコガモのようだ
そういえば家の近くの石神井公園でも今年はコガモを見ていなかったように思う
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スズガモ
海鳥の撮影は毎年冬のシーズンに何回かけるので、沖合に群れをなして浮かんでいる黒いカモがスズガモであることはわかるようになってきている
今年は割と近い位置で撮影できたのでオスとメスの違いをはっきり確認することができた
オスのスズガモは近くで見ると白い部分の割合がかなり多いのが良くわかる
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ビロードキンクロ
波間に浮かぶ真っ黒なカモをクロガモのつもりで撮影していて目の下の白い三日月斑に気がついた
「黒狐の白い吊り目」は紛れもなくビロードキンクロだ
日本でビロードキンクロを間近に見た記憶は定かではないのだが海外では何回も見ている特徴のあるカモだ
カナダのバンクーバーにはこのビロードキンクロやアラナミキンクロが海岸のすぐ近くに見られるが、日本の海岸でも比較的近い位置で見ることができたのはたいへんうれしい
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クロガモ
クロガモもカナダの海岸で見られるのだがどちらかというと沖合に浮かんでいる
千葉・茨城の海岸でもはるか沖合に浮いていることが多い
この日は天候が悪かったせいか比較的近い距離で泳いでいて、こちらもオスメスの見分けがわかりやすかった(クチバシ上部の黄色以外真っ黒なのがオスで、メスは褐色、頬の部分が白い)
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アカエリカイツブリ
日本にカイツブリの仲間が5種いるが、普通のカイツブリは留鳥、他の4種は基本的には冬鳥である
今回の銚子・波崎遠征はあらかじめ期待したわけではないのだが、その4種のうち3種を見ることができた
アカエリカイツブリは夏羽だと首の部分がオレンジ色できれいなのだが、冬羽は比較的落ち着いた色合いである
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カンムリカイツブリ
大型で特徴あるデザインのためこの鳥は覚えやすい
30年以上バードウォッチングを続けている家内によれば昔は(日本では)たいへんな珍鳥だったようで、自分でも大昔、たしか多摩湖かどこかで何百メートルも先に浮かんでいるのを見た記憶がある
この日、銚子港では比較的近くで遊んでいて連続シャッターで水中に飛び込むシーンも撮影することができた
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ハジロカイツブリ
カイツブリのもう1種はハジロカイツブリ
目が真っ赤で、冬羽は白と黒の地味な色合いである
ところが群れの写真を良く見るとわかるのだが、赤茶色の個体が混じっている
素人なので最初はオスメスかと思ったが、ハジロカイツブリは雌雄同色
赤茶色の個体は換羽が始まって夏羽になりつつあることが分かった
鳥は夏と冬で全くイメージが変わってしまう種類があり、とにかく分かりにくい
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ヒメウ
海外に行くと「なんとかヒメウ」というのが結構多いような気がする
国内の鵜は海鵜と川鵜くらいしか知らなかったが、ヒメウが意外に魅力的な鳥であることを認識した
鵜というのは真っ黒だと思っていたが、良く見ると紫や緑の部分がありカラフルなのだ
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カワウ
当日会ったもう1種の鵜はカワウ
グローバルな鳥で最近の海外遠征で行った南アフリカにもインドにもいた
逆に鵜飼に使うウミウのほうは極東地域限定種で英名はJapanese Cormorantという
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ユリカモメ
東京湾モノレールの愛称にもなっているので親しみやすいカモメ
クチバシと脚が赤く冬羽では目の上と後ろに黒斑があるのが特徴
実はユリカモメの夏羽は頭が真っ黒でインパクトがあるのだが、日本ではあまり見る機会がないのが残念だ
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ウミネコ
カモメの仲間は似たようなものが多く難しい
基本的にはウミネコとカモメは脚が黄色でセグロカモメとオオセグロカモメは脚がピンク色である
ウミネコの特徴はクチバシで、写真でわかるように黄色のクチバシの先端に赤と黒のアクセントがある
なおこの鳥はグローバルな鳥ではなく、樺太から台湾周辺までを含め日本近海にしかいないらしい
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カモメ
ウミネコによく似たカモメのほうはユーラシアからアメリカまで北半球に広く分布する
胸から腹は白く背中がグレイで黄色い脚とクチバシというのがいわゆる普通のカモメのデザインで、カモメのほうはクチバシが黄色一色(若鳥は先端が黒い)、ウミネコのように黒と赤のアクセントはない
今回は幼鳥と集団(一部にウミネコも写っている)の写真でこれがカモメだという図鑑写真が撮れなかった
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セグロカモメ
セグロカモメとオオセグロカモメもよく似ている
成鳥は白とグレーで脚はピンク、クチバシは黄色で先端に赤斑がある 幼鳥同士も似ていて褐色でクチバシは黒い
分布域はセグロがグローバル、オオセグロは極東限定で、両者が分布する日本では判別に苦労することになる
個人的にはセグロカモメのほうが可愛い顔をしているように思える
ダンスを踊るような若鳥のキュートなポーズを見ていただきたい
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オオセグロカモメ
セグロカモメよりも大きく、背中のグレーが濃い
といっても写真ではなかなか判別できないことが多い
さらに幼鳥となると1年目冬羽、2年目冬羽と模様が変わり、識別がしっかりできる人は鳥屋さんの中でも多くはないようだ
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シロカモメ
カモメは世界的に種類が多く奥が深い鳥だと思う
このシロカモメも完全に真っ白な鳥ではなく、カモメによく似ているが背中のグレーの部分が薄く白っぽいという程度の違いしかない
ただ完全に成鳥になりきる前の第3回冬羽くらいまでの若鳥はクチバシがピンク色(先端黒)なので他のカモメとは識別しやすい
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ウミスズメ
ウミスズメは北の海の鳥
といっても北極海には棲息せず、カナダ・アラスカから日本日本近海までアリューシャン列島、千島列島周辺に分布する
雀のように可愛い顔をしているのだが当日ははるか沖合にいてやっと識別できる程度、写真も証拠写真程度のものしか撮れなかった
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by mustachio | 2014-03-22 14:50 | Comments(2)
Commented by 銚子のウミネコ at 2014-03-24 21:24 x
始めまして、銚子に住んでるものです。遠方よりカモメ類の観察にお越しいただきましてありがとうございます。すごく良く撮れていて何回も見させていただいてます。これからも銚子のカモメをよろしくお願いいたします。
Commented by mustachio at 2014-03-25 22:49 x
ご丁寧にご挨拶いただき恐縮しております
カモメは数年かかって成鳥になりますが、その過程で色や模様が変わり識別が難しい鳥です
これからも勉強して行きたいと思います


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