2015年 04月 23日
野鳥編第3部はカワセミからスタートする フィリピンはカワセミの種類が豊富で固有種も多い 他にもサイチョウ類、キツツキ類など色彩的にも美しい鳥が登場するのでお楽しみいただけると思う ところで、この連載ブログは自分が撮影した写真しかアップしない原則となっている 家内と一緒に旅行することが多いがそれぞれ別のカメラで撮影しているので(似たようなシーンは避けられないが)私はブログ、HPに家内はSNSにそれぞれ自分の写真だけを発表している 今回は一つだけ例外があって、カワセミの写真がいくつかある中でアオヒゲショウビンだけは家内が撮影したものを使わせてもらった 大した問題ではないのかもしれないが一応「写真家の矜持」があるのでお断りしておく アオオビカワセミ Indigo-banded Kingfisher 日本で見るカワセミと色の感じはよく似ているがもっと複雑なデザインの大変美しいカワセミである フィリピン大学の構内の渓流で探したが見つからず、バナウエへ移動する途中の川でも見つけられず、結局バナウエからスービックへ移動する国道の橋の上からこの個体を見つけ、すぐ後ろを通る車を気にしながらの撮影であった セジロカワセミ Silvery Kingfisher 派手さはないが「紺絣」のイメージを持つカワセミ 濃紺のボディに白のアクセントが入り、脚だけは派手なオレンジ色だ こちらも一度は振られて2度目の挑戦で出会うことができた アオオビカワセミはルソンの固有種、セジロカワセミはミンダナオの固有種である アオショウビン White-throated Kingfisher このカワセミは生息範囲が広大でインドでもインドネシアでも東南アジアでは割と普通に見られる フィリピンのアオショウビンは喉の白い部分が小さいので、少し違うイメージではある ナンヨウショウビン White-collared Kingfisher このナンヨウショウビンもアジアからオーストラリアにかけての普通種 サイパンなどではゴルフコースなど人のすぐ近くまで現れるので昔からのおなじみである シロボシショウビン Spotted Wood-kingfisher カワセミはすべて水辺で魚を採っているとは限らない Wood-kingfisherの仲間はまさに森の中で生活しているようで素人ではなかなか見つけられず現地のガイドに探してもらわないとお手上げである 込み合った木々が立ち並ぶ中で限られた角度から何とか撮影ができた 色彩的にも大変美しい固有種のカワセミである アオヒゲショウビン Blue-capped Wood-kingfisher バードウォッチャーに必要な資質に「じっと待つ」能力があげられる 要するにお目当ての鳥が現れるまで一つの場所でただ待つことが必要なのだ 自分以外のグループの皆さんがこの鳥をじっと待っている間、私は蝶の写真を撮るため100メートルほど離れたところにいた このアオヒゲショウビンは7人のメンバーが待ち構える舞台にさっそうと登場し、ポーズをとってくれたようなのだが私は見損なってしまった そんなわけで家内が撮影した写真を掲載するが、非常によく撮れていて自分としては複雑な心境である ルリノドハチクイ Blue-throated Bee-eater ハチクイという鳥は日本ではなじみがないが、ユーラシア・アフリカ大陸には広範囲に生息し割と見やすい鳥だ フィリピンでもスービックの町に近いところに巣穴(土の崖のようなところに集団で穴を作る)があって多数のルリノドハチクイを見ることができた 鳥は、近ければきれいな写真が撮れるものだ ハリオハチクイ Blue-tailed Bee-eater こちらのハチクイは喉の部分が水色ではなく赤茶色だ やはりアジアの鳥でインドからインドネシア、ニューギニアなどに多い 尾が針のように細いので針尾と名付けれれるが、ハチクイ類はみんな針尾のようにも思える ルソンカオグロサイチョウ Luzon Tarictic Hornbill ここからサイチョウが登場する 英名のtaricticという言葉がわからないので辞書を引くが研究社の新英和大辞典などにも載っていない ネットで検索するとVisayan Tarictic Hornbillが出てくるがこれはカオグロサイチョウのこと フィリピンのバードリストでは5種のカオグロサイチョウが出てくるがどうも亜種レベルの分類のようだ 写真はルソン島で撮影したルソンカオグロサイチョウ ミンダナオカオグロサイチョウ Mindanao Tarictic Hornbill こちらはミンダナオ島で撮影したミンダナオカオグロサイチョウ ルソンのサイチョウより全体的に色が黒い いずれにしてもtaricticの意味は不明のままである アカサイチョウ Rufous Hornbill もう1種観察したサイチョウがアカサイチョウ 別名Philippine Hornbillでフィリピンを代表する大型のサイチョウだ 3羽が写っているのはアカサイチョウのファミリーである ムネアカゴシキドリ Coppersmith Barbet 日本ではなじみのないゴシキドリ(バーベット)だが世界的には種類も多く海外のBWでは観察する機会も多い ただフィリピンのゴシキドリはムネアカゴシキドリ1種限定のようで同定に苦労することはなかった フィリピンコゲラ Philippine Pygmy Woodpecker 日本のコゲラとよく似たフィリピンコゲラ 種のレベルでコゲラとは違うようで日本のコゲラは英名をJapanese Pygmy Woodpeckerという (そういえばピグミーという言葉は差別用語ではないだろうか) 旅の途中何回も撮影チャンスがあったが、インパクトが薄いせいかよい写真が撮れていなかった クロボウシゲラ Sooty Woodpecker この真っ黒なキツツキもフィリピンの固有種 日本のクマゲラをずっと地味にしたような印象である スービックの米軍基地跡の森にはキツツキの数が多く、カップルのクロボウシゲラを観察することができた キタタキ White-bellied Woodpecker スービックの森ではキタタキにも再会した 昔、日本にも生息していたことがあるキタタキだが今は日本では見られない 以前出会ったのはボルネオの森、クマゲラをもっと派手にしたような鳥で真っ赤なタテガミ(冠羽)が印象的だった 今回は余裕があったので、クマゲラと違う白いお腹もしっかり撮影することができた ソライロヤイロチョウ Steere's Pitta このヤイロチョウにはミンダナオのピコップの森で出会った もともと低地の森に棲息する鳥だが世界的な傾向として低地の森が開発により急減し、絶滅が危惧される鳥である ヤイロチョウ(Pitta)のイメージは「地表を歩き回る鳥」だったので、ガイドから高い木の上にいる鳥を教えられた時はちょっとびっくりした 写真で見るように空色の美しい、印象に残る鳥だった メグロヒヨドリ Yellow-vented Bulbul 海外へ出かけてもヒヨドリの仲間は普通に見られるのでブルブルという英語はすぐ覚える 何となく「普通種」と上から目線になってしまうのは世界的な傾向なのだろうか このヒヨドリもフィリピンのあちこちで観察できた ヤハズカンムリオウチュウ Balicassiao オウチュウの仲間も日本ではまず出会いがないが、海外に出ると普通に見られる 結構種類が多く、体が真っ黒で尾の先が二つに割れているくらいの特徴は頭に入っているが、それ以上の細かい分類になるとお手上げである チェックリストからこのオウチュウ(フィリピンの固有種)だろうと推定しているが確証はない シラボシガラ Elegant Tit 英名がすばらしい エレガントの形容詞が付く動植物はほかに記憶がない 海外のカラ類には黄色ベースの種類がいてインドのサルタンガラなどもエレガントなのだが、フィリピンのTit(カラ)は黄色ベースに加えて黒い背中に白斑があるデザインで非常に印象的だった キバシリモドキ Stripe-headed Rhabdornis スズメ目キバシリモドキ科にはキバシリモドキとムジキバシリモドキがいるのだが、鳥に詳しい人でもたいていご存じない 両種ともフィリピンの固有種、逆に言えばキバシリモドキ科の鳥はフィリピンにしかいないのだ 写真では、白グレー黒のモノトーンのほうは間違いなくキバシリモドキだが、茶色いほうは別種(別亜種?)のミンダナオキバシリモドキのようだ ホオアカモリチメドリ Chestnut-faced Babbler チメドリの種類は日本ではなじみがないが東南アジアに広く分布し種類も多い 英語のBabblerとは要するにオシャベリのことでぺちゃくちゃとうるさい 基本的には昆虫食で飛翔力も弱いため渡りはせずローカルで暮らしている 外見は結構かわいいものが多く、写真のホオアカモリチメドリ(フィリピン固有種)もたいへん愛くるしい クロボシジツグミ Ashy Ground-thrush ジツグミと名のつく鳥はマニアックな鳥の典型だろう 専門家には人気が高いが専門外の人はまず知らないといったイメージである ツグミ類は普通地面で採食するが飛翔力もあり渡りもする ジツグミ(Ground-thrush)は名前からして森の中の狭い範囲で生活しているのだろうと思う マニラ近郊の公園でこのジツグミを探し2回の挑戦で巡り合えた 雨上がりの後で周囲は暗く撮影条件は厳しかったが、うまく路上に出てきてくれて近い距離で撮影することができた 濃紺と白の組み合わせのシックな鳥である マレーシアセンニョムシクイ Golden-bellied Flyeater ムシクイ類は似たものが多く写真だけでは判定ができないものが多い 現場ではバードガイドが一応説明してくれるのだが、後で写真を整理するときにはごちゃごちゃになってしまう メボソムシクイ Japanese Leaf-warbler メボソムシクイは夏鳥として日本で繁殖し、フィリピンで冬を過ごす渡り鳥である しかもご丁寧なことにフィリピンと日本だけを往復し基本的に他には立ち寄らないようだ 英名にJapanese がついているが、ある意味では非常に親日的なフィリピンの鳥でもある ここでフィリピンパブのかわいいお姐さんを連想するのは不謹慎だろうか? ネグロスムシクイ Negros Leaf-warbler 繰り返しになるがムシクイの仲間は種類が多く皆よく似ているので識別は至難の業である まして海外の初めて見るようなムシクイならなおさらで写真のタイトルは「ムシクイの仲間」とするのが順当であろう たまたま図鑑のイメージと合致し、バードリストでもその日(撮影日)にその鳥が出たことになっているのでネグロスムシクイとしているが「ムシクイの仲間」と読み替えていただいて結構である
by mustachio
| 2015-04-23 17:56
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