2015年 07月 02日
気が付いたら7月 2015年はもう半分終わってしまった 6月は前半にモンゴル遠征があったこともあり、ほとんど国内のフィールドへ足を運ばなかった 草津の山荘には1回、それも富山遠征のベースキャンプとして短期間滞在しただけである それでもフィールド日記(還暦からのネイチャーフォト)は季節感がセールスポイント、とりあえず6月の記録を「6月の花」「6月の蝶」の2部作でまとめておきたい 花(植物)のほうは草津山荘から出かけた野反湖がメイン、一部補充の形で富山の帰りに寄った乗鞍高原の花がサブとなる レンゲツツジ レンゲツツジは6月の花 草津山荘近辺では湯の丸山やバラギ湖などレンゲツツジが売り物のフィールドがあるが今年は野反湖へ出かけた 6月15日は曇りのウィークデイだったため観光客は高齢者が大多数だったが、レンゲツツジは満開 写真処理の問題もあるかもしれないが、野反湖のレンゲツツジはオレンジよりさらに赤みが強く、周囲の緑との対比が鮮烈だった ベニサラサドウダン 木本の花ではサラサドウダンが印象的だった 若い花(蕾)はピンク色で、成熟すると深いローズ色になる レンゲツツジのオレンジよりはるかに味わいがあり、大人の魅力を感じた タニウツギ 負けずに濃いピンクで迫ってくるのがタニウツギ とにかく6月の木の花は迫力がある ウコンウツギ ウツギでは色違いのウコンウツギ 派手さはないがこちらのほうがいかにもウツギのイメージである ニッコウキスゲ 野反湖はレンゲツツジよりニッコウキスゲのほうで名が売れている そのニッコウキスゲはこれからというタイミングで、見つけた株は1株、まさに今朝咲いたばかりというところであった もう7月に入ったので今頃は湖の周囲が黄色く染まっていると思う ハナニガナ 数は少なかったが遊歩道の脇にニガナが咲いていた ただのニガナではなく花弁数の多いハナニガナのほうだった ミツバツチグリ ニッコウキスゲの季節の前に野反湖の周辺を黄色く染めていた花はミツバツチグリだった どちらかというと春に咲くバラ科の花だが、なぜかあちこちにまとまって群落をつくっていて意外な感じだった ヤマガラシ ヤマガラシも黄色いアブラナ科の花で群落を形成することが多いが、少しタイミングが早いのか数は多くなかった キンポウゲ 種類が多いキンポウゲ科の花の代表のような花 別名ウマノアシガタ、英名は確かバターカップだったと思う 高山で群落を見ることもあるが、野反湖では数本を確認した程度であまり目立たなかった ムラサキサギゴケ どこでも普通に見られるゴマノハグサ科の植物 なのだが、この名前が思い出せなかった 色や花の形がシソ科のカキドオシに似ているので図鑑ではシソ科を探したが見当たらない 人の名前と違って生物の種名は形態を現すことが多いので、比較的簡単に名前を思い出せるのだが、ムラサキサギゴケはなかなか思い出せなかった(苔でもないのにサギゴケというのはおかしい) 歳をとると普段使わない固有名詞が思い出せないことが多くなる 対策は「弛まぬ復習」あるのみということか オオタチツボスミレ 野反湖周辺のスミレはオオタチツボが多かった 日本海側に多いスミレというが、確かに野反湖の水は日本海側へ流れる ハクサンフウロ どちらかというと7月の花 ニッコウキスゲの頃に黄色に対抗して湖畔の一部をピンク色に染める 当日花をつけていたのは数株程度 イワカガミ 同じピンク系でもイワカガミは最盛期だった この花は花柄や萼までが赤いので全体が華やかに見える オニアザミ こちらも咲き始めのオニアザミ というよりもまだ蕾の状態だが、満開でもあまり形は変わらない とにかく大きくて苞の部分に粘着性の糸が出るのが特徴である コバイケイソウ コバイケイソウは蕾だった この花の蕾の状態は今まであまり見た記憶がないが、何となくトウモロコシの皮をむいた姿を思い出した カラマツソウ カラマツソウも基本的に夏の花 純白の花だが蕾にはピンク色が残っていて初々しさを感じる ツマトリソウ 遊歩道も草原から林の下へ入っていくと小さな白い花が目立つようになる 代表的な白い花がこのツマトリソウだ 花弁の縁に薄紅色の褄取があるのでこの名前があるといわれるが、実際に褄取(縁取り)など見たことがない それよりもこの花は花弁が7枚構成であることのほうが特徴的だ ヒメイチゲ こちらも林床に咲く白い小さな花だが数は至って少ない 群生することはなく、一人静かに咲いている花である (この花を撮影した時は無条件にヒメイチゲだと思い込んでいた 後になって写真と図鑑を見比べてみると少しイメージが違う ヒメイチゲなら花に近い位置に総包葉が写っているはずなのにそれがない いろいろな図鑑をチェックして見たが他に該当する花が見つからないので取り合えずヒメイチゲのままにさせていただくが、間違いであればぜひご指摘いただきたい) マイヅルソウ ネイチャーフォトとしての花の写真は結構制約を受ける 色彩や造形だけの美しさで写真を撮ると前項のように種の同定に支障が生じることになる マイヅルソウは名前が葉の形に由来するので、花をアップで撮るときも葉が写りこむように工夫しなければならない ギンリョウソウ その点、このギンリョウソウは種の同定を意識することなく写真で造形美を追及することができる この個体はまだ若くモデルとしては未熟だった ズダヤクシュ 喘息薬種と書く ズダというのは喘息の(長野地方の)方言で、この植物が喘息に効くそうだ 普通写真の対象にはならないが、無視すると名前を忘れてしまうのでシャッターを押すことにしている ニョイスミレ 花が小さいスミレで湿ったところに多い 葉の形が仏具の如意棒の先に似ているからニョイスミレだというが、如意棒がどんな形かイメージがわかない 別名をツボスミレともいう ヒロハコンロンソウ こちらも渓流沿いなど湿ったところに咲く花 アブラナ科のタネツケバナの仲間で典型的な十字花植物である 漢字は崑崙草と書くが中国原産かどうかは不明 クワガタソウ 続いて渓流沿いに多い花をもう一つ ゴマノハグサ科の花でオオイヌノフグリに近い種類 花の色は白が基調で薄紫の筋が入るところが可愛い シャク 湿り気のある林縁などに生えるセリ科の植物 若葉は山菜として食べられるという セリ科の花は写真にしにくいと思い込んでいたが、シャクの花は割と大きく花弁の大きさが不ぞろいで変化に富むことに気が付いた サンカヨウ イメージとしては夏の高山で出会う花 野反湖の渓流沿いに咲いているのを見つけた 色彩的にはシンプルだが写真写りの良い素晴らしいモデルである オオバミゾホオズキ こちらも標高の高い湿地に多いように思う(個人的には白馬の栂池に多い花のイメージがある) サンカヨウの近くに咲いていたが標高がそれほど高くないので開花が早いのだろうか シラネアオイ 野反湖から少し山を登ったところにシラネアオイの群落がある ただ自然の群生地ではなくある程度人工的な移植が行われているのであまり興味はない 駐車場の近くに一株咲いていたので写真を撮るには撮ったが、この花はもっと高い山の自然の中で見たい花だ ミツガシワ 乗鞍高原を散策したのは6月18日である 「6月の蝶」のところで説明するが6月17日に富山県まで出かけ、帰りは神岡、安房トンネル、松本経由で高速を使わずに草津山荘まで帰った 天候が良ければ蝶の撮影が楽しめたのだがあいにくの梅雨空で、途中乗鞍高原に立ち寄ったが収穫はなかった ミツガシワは5月に白馬で何回か出会った花だが、乗鞍高原では6月に花が残っていた アマドコロ アマドコロとナルコユリはよく似た植物 アマドコロのほうが茎の断面が角ばっていて葉は広い 正直、撮影時に十分なチェックをしなかったが間違いないと思う ゴゼンタチバナ ゴゼンタチバナはツマトリソウやマイヅルソウと同時期に咲く白い花 野反湖では見なかったが乗鞍高原にはゴゼンタチバナがあった 6月では時期尚早なのかもしれない ラショウモンカズラ こちらは春の花なので季節外れかもしれないが、毛むくじゃらな羅生門の鬼の腕(ラショウモンカズラの名前の由来)を見つけた ベニバナイチヤクソウ 深山の樹林下に生える美しいピンクの花 この花が林床に群生しているところは息をのむ美しさである 乗鞍高原ではわずか2~3輪だったが、暗い樹林の中でピンクが際立っていた レンゲツツジ 振出しに戻るというわけではないが、乗鞍高原でもレンゲツツジが満開だった 「6月の花」の締めくくりとして再登場ということにした
by mustachio
| 2015-07-02 21:24
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