還暦からのネイチャーフォト

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2015年 07月 17日

キタアカシジミを探しに(2015北海道の蝶)

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久しぶりに夏の北海道へ家内と二人で出かけた
バードウォッチングツアーではなく個人旅行である(航空運賃はマイル利用の貧乏旅行だが)
旅行の最大の目的はキタアカシジミ(カシワアカシジミ)、日本のゼフィルス(ミドリシジミの仲間)としては25種目、つまり最も最近に種として認定された蝶の撮影である

詳細については次のカシワアカシジミの項でコメントするが、この蝶の撮影だけで個人旅行を計画するのはもったいないのでこの時期の北海道を楽しむ旅行計画が必要である
キタアカシジミの撮影地は小樽の海岸に絞り、後は家内の希望を入れて大雪山系の旭岳(高山植物とギンザンマシコ)、丸瀬布の林道、オホーツク海沿いの原生花園(ノゴマやオオジュリンなど夏鳥)を回り最終的に帯広空港から東京へ戻るルートである
合計4日間の行程は最初の3日は快晴、最後の日だけが小雨で十勝ヶ丘公園のゼフィルス狙いは不調に追わったが全般的には楽しいドライブ旅行であった(走行1000キロ)

カシワアカシジミ
この蝶は二通りの呼び名がある
最近の図鑑ではカシワアカシジミが使われているようなのでこちらを採用するが、個人的にはキタアカシジミのほうがイメージにあっていてブログのタイトルはキタアカシジミを使った
ミズナラ系を食樹とする普通のアカシジミそっくりの蝶で見分けは難しいが、カシワアカシジミのほうは食樹が柏であることが決定的な差である
北海道や東北北部の柏林に棲息するが飛び地として広島県の一部にも生息するため、ネーミングとしてはキタではなくカシワのほうに落ち着いたようである

日本のゼフィルスは全部で25種、未撮影として残っていたのがヒサマツミドリシジミとカシワアカシジミ
6月にヒサマツの写真が撮れたので、個人的にもこの蝶が25番目のゼフィルスになっていた
過去に十勝地方の柏林を何回も探したが出会いはなく、今年は小樽海岸の柏林を探索することにした
現地へ行ってみると柏の林はたくさんあるのだが、いずれも広大な林で樹高が高くどこに蝶がいるのか見当がつかない
活動時間は午後3時前後ということなのでとにかく歩き回り、海岸寄りの比較的背の低い柏の樹冠にアカシジミが絡んでいるのを見つけることができた
といってもほとんど止まることがなく1枚目の写真のように遠距離からの飛翔写真しか撮れない
それでも粘りに粘って何とか柏の葉に止まるシーンと下草に下りたシーンを望遠で捉えることができた
(この蝶は午後4時を過ぎると活動を停止し姿を消してしまう)

北海道限定の蝶は多いが、このカシワ(キタ)アカシジミで全種撮影達成である
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オオミドリシジミ
カシワアカシジミの時間帯は午後なので午前中は小樽水源地の林道を歩いた
北海道の蝶探索を始めた10年前、ここで美しいアイノミドリシジミを撮影したので期待していたが、残念ながらゼフィルスはオオミドリシジミだけであった
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カラスシジミ
丸瀬布の林道でオニシモツケに吸蜜するカラスシジミを見つけた
日本では全国的に本種とミヤマカラスシジミの2種が生息するが、北海道では道南部を除きミヤマカラスがいない(関東近郊ではミヤマカラスばかりでカラスシジミは滅多に出会いことがない)
個人的なイメージではカラスシジミは北海道の蝶である
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カバイロシジミ
このシジミは北海道限定種
クサフジなどマメ科植物を食草とする草原性の蝶で北海道全道に分布するはずだが、最近では草原が減ってしまって完全な希少種になってしまった
数年前にサロマ湖周辺で翅表がブルーのオスの写真撮影に成功しているので、今回の旅行では念頭になかったのだが、カシワアカシジミを探した小樽の海岸でこの蝶に再会した
今回はメスだったが、翅表は完全なこげ茶色ではなく薄いブルーの鱗粉が見えてなかなか美しかった
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エゾシロチョウ
こちらも北海道特産種
本州では高山蝶として人気の高いミヤマシロチョウの近似種なのだが、何しろ数がやたら多いのであまり人気がない
以前、札幌の大通公園で撮影したこともあるように北海道では完全な普通種で、今回は丸瀬布の林道でアザミに群がる多数のエゾシロチョウに出会った
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オオモンシロチョウ
北海道には普通のモンシロチョウ以外に外来種のオオモンシロチョウがいる
最初の発見は1995年というから20年前、アブラナ科作物の害虫として警戒されていたが、結局定着してしまったようだ
モンシロチョウより大型で前翅の先が尖っているのが特徴
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エゾスジグロシロチョウ
昔はエゾスジグロシロチョウという名前の蝶が関東近郊にもいたのだが、ある時期に種がスプリットされ、エゾスジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウに分かれた
その時からエゾスジグロシロチョウは北海道の東部(道南以外)限定種となったわけである
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アカマダラ
北海道にはアカマダラという小型のタテハチョウがいる
関東でも普通に見られるサカハチチョウにそっくりな蝶で、一回り小さく動きは敏捷である
フィールドで見れば大きさの違いが判るので簡単に識別できるが、写真では大きさを表せないので判定は結構難しい
写真の2,3枚目は夏型だが、前翅の先端まで白帯がつながっているのでアカマダラであることが確認できる
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サカハチチョウ
その紛らわしいサカハチチョウがこちら
特に春型なので識別が難しい
写真を撮った本人には大きさの違いが分かっているので判定できるのだが
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シータテハ
林道のタテハはシータテハだった
よく似たキタテハのほうは北海道では南部にしか生息しない
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クジャクチョウ
本州の山岳地帯ではおなじみのクジャクチョウ
今まで意識しなったが、この蝶は東日本限定のようだ
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コヒオドシ
コヒオドシも日本では中部山岳と北海道にしか生息しない
特に本州の中部山岳では高山蝶として珍重されるが北海道に来ると普通種である
丸瀬布の林道のアザミでは多数のコヒオドシが吸蜜していた
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ミスジチョウ
林道にはミスジチョウもいた
この蝶は全国区だが、一回り大きいオオミスジは北海道は南部を除いて生息しない
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ホソバヒョウモン
北海道固有のヒョウモン蝶としてはカラフトヒョウモン、ホソバヒョウモン、アサヒヒョウモン(高山蝶)がいる
カラフトヒョウモンのほうが生息域が広く発生時期は少し早い
今回の探索ではカラフトヒョウモンが全く見られずホソバヒョウモンばかりであった
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ミドリヒョウモン
他のヒョウモン蝶は本州との共通種である
本州と同じようにミドリヒョウモンは数が多く至る所で見られた
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メスグロヒョウモン
こちらも本州との共通種なのだが、普段見ているメスグロヒョウモン(オス)と少し印象が異なる
前翅表面の黒い模様が墨を溶かしたようににじんでいて別種の印象だ
個体差なのか地域変異なのかは不明である
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ギンボシヒョウモン
ギンボシヒョウモンは夏の北海道では普通の蝶
今回の旅行ではなぜかチャンスがなく見かけたのは1回だけであった
然別湖など北海道の中央部分に立ち寄らなかったせいだろうか
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ヤマキマダラヒカゲ
旅行の最終日に足寄の里見ヶ丘公園に立ち寄った
あいにく悪天候だったのであまり蝶はいなかったがキマダラヒカゲは飛んでいた
標高が高い場所ではなかったがサトキマダラヒカゲではなくヤマキマダラヒカゲのほうだった
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クロヒカゲ
もう1種のジャノメチョウ類は普通のクロヒカゲ
そういえば北海道にはシロオビヒメヒカゲというジャノメチョウがたくさんいるのだが、今回は全く出会いがなかった
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オオチャバネセセリ
基本的に北海道のセセリは本州と共通である
オオチャバネセセリは北海道の大きなフキの葉の上で元気よく飛び回っていた
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コチャバネセセリ
オオチャバネが元気ならコチャバネも元気
こちらも地上で吸水したり花で吸蜜したりで忙しく飛び回っていた
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キバネセセリ
キバネセセリとの出会いは小樽水源地の林道
10年近く前北海道定山渓で多数のキバネセセリに出会ったのを思い出したが、今回は一度しか出会いがなかった
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コキマダラセセリ
この蝶の仲間は他にヒメキマダラセセリやアカセセリがいて紛らわしいのだが、幸いなことに北海道には他の2種がいない
安心して種名を表示することができる
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カラフトセセリ
オレンジ色の小型のセセリはコキマダラセセリと思い込んでいたので撮影時にはまったく意識をしていなかった(撮影地:足寄)
帰宅してから写真をチェックして見るとどうもおかしい  翅表の黒色の性標がやけに細い
はたと気が付いたのが外来種のカラフトセセリだった
この蝶は数年前に北海道の北のほう(滝上)までわざわざ撮影に行った当時の希少種だったが、その後勢力範囲を徐々に拡大しているらしい
もともと牧草に紛れ込んで日本に入り込んだ蝶だが、もう北海道の蝶になりきってしまったようだ
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ヒメウスバシロチョウ
いつもはトップに来ることが多いアゲハチョウグループが最後になってしまった
ヒメウスバシロチョウは小樽水源地の林道で撮影
時期的にはピークを過ぎているようで受胎嚢が確認できる
ヒメウスバシロチョウのメスは体毛があまりないのでエゾシロチョウと紛らわしい
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ミヤマカラスアゲハ
過去の何回かの夏の北海道ではミヤマカラスアゲハがやたら多い印象があったが、今回はほとんど見かけなかった
どちらかというと汚損個体が多かったのでピークを過ぎていたのだろうか
あるいは春型と夏型の端境期だったせいかもしれない
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by mustachio | 2015-07-17 11:11 | Comments(0)


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