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還暦からのネイチャーフォト

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2016年 04月 01日

春に浸る2016(見沼散歩植物編)

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動物編に引き続き植物編
撮影日は同じ3月29日、撮影場所も同じさいたま市見沼区の自然公園周辺だ
ネイチャーフォトブログもスタートして7年、国内のネーチャーレポートではどうしても「季節感」が最大テーマになる
基本的には季節は気温に支配されるので、鳥のような恒温動物よりは昆虫のような変温動物を、動物よりは植物を扱うほうが季節を表現しやすいように思う
桜を代表にするまでもなく春の花は簡単に春を表現することができる

サクラ
今年の東京の桜は開花宣言の後、季節が冬に戻ってしまったので花期が長い
サクラの花は風景写真家にとっては重要な素材なのだが、生物学的には扱いが難しい
ヤマザクラ、オオヤマザクラなど自然の桜もあるにあるが普通の桜はたいてい園芸用の栽培種である
ソメイヨシノなどは典型的な人工園芸種で、種よりは接ぎ木でつくられたクローン植物そのものである
それでも桜はたいへん美しいので自然保護優先など硬いことを言わず素直に人工園芸種の花を楽しむことにしている
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シデコブシ
こちらも公園に咲く栽培種
コブシ、ハクモクレンなどこの白いモクレン科の花はいずれも大きくかつ清楚で青空をバックに撮影すると素晴らしい「絵」ができる
欠点は花のピークが短いことで、満開になるとすぐに花弁が茶色くなり始め、薄汚くなってしまう
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ヒュウガミズキ
マンサク科の花  トサミズキに近い仲間で穂状花序の花の数が少ないことからヒュウガミズキと判断した
もともと自然の植物であるが庭木や公園樹として見ることが多い
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ユキヤナギ
こちらはバラ科シモツケ属の花
もともとは自然の植物のようだが庭木や公園樹として定着してしまい野生のユキヤナギを見た記憶がない
見沼公園のユキヤナギも手入れが行き届いているせいか花が密集して見事に咲いていた
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ナバナ
普通の菜の花だが人工的な栽培種なので植物図鑑には名前が載っていない
(アブラナ科という科名はあるのだがアブラナという植物名はない)
調整池の周辺の野原に菜の花がたくさん咲いていた  おそらく農業用栽培種の種が飛散した結果によるものと思う
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ナズナ
同じアブラナ科のナズナ こちらはれっきとした自然の植物(野草)である 漢字名は「薺」で読むのも書くのも難しい
ただ子供のころから「ぺんぺん草」として慣れ親しんでいるので懐かしい植物ではある
ちなみに花弁数4枚、雄蕊は6本  アップでよく見ると美しい花の形だ
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カントウタンポポ
タンポポを単純にタンポポと見る人は普通の人
自然好きな人(あるいはうるさい人)は外来種の西洋タンポポと日本の在来種のタンポポとを区別したがる
西洋タンポポは花のつけ根の部分(総苞)が反り返るので花の裏側を見るだけで簡単に区別はできる
ところが植物写真として(花の裏側をいれて)撮影するといかにも不自然な姿になってしまう
西洋だろうが関東だろうが素直に真上から黄色い花を写すほうがタンポポらしいタンポポの写真が撮れるというわけだ
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ノボロギク
こちらも帰化植物
いつまでもツボミのままでいるような地味な花だが生命力は強く世界中に広がっているらしい
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コハコベ
ハコベの仲間も子供のころから慣れ親しんだ春の花
花が小さく目立たないので印象が薄いが60年前の東京の市街地にもたくさん咲いていた
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ヘビイチゴ
ヘビイチゴも昔からの植物
同じバラ科のキジムシロやミツバツチグリなどによく似ているがヘビイチゴのほうが花びらと花びらの間の隙間が広いように思う
この花はやがてイチゴのような真っ赤な実をつけるが「毒イチゴ」ではないようだ
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クサイチゴ
草イチゴといっても草本ではなく小低木
バラ科の仲間は似たような花が多く同定が難しいが、(葉の形状などから)この花は普通のクサイチゴだろうと思う
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カラスノエンドウ
山野に普通に見られるマメ科植物
ただ子供の頃の記憶には全く残っていない
市街地には縁のない植物なのだろうか
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ムラサキサギゴケ
一見カキドオシの花に似てシソ科植物かと思うが、こちらはシソ科ではなくゴマノハグサ科
地面を這うような背丈の低い植物でコケという名前がついているがもちろん苔ではない
全体が小さい割に花が大きく数も多いので遠くからよく目立つ植物である
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スミレ1
今回の散歩ではスミレをほとんど見かけなかった
15年ほど前の仕事現役の頃、フィルム写真で時々野草の撮影をしていたのでスミレの同定には自信があったのだが、最近は全く勘がなくなっている
写真のスミレもタチツボスミレとは雰囲気が違うが帰ってから図鑑を調べればすぐわかると軽く考えていた
帰宅してからいろいろ調べてもぴったりした種名が出てこない(タチツボスミレが最も近い種類のように見える)
詳細部分の写真がないのでとにかく「スミレ1」とさせていただく
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スミレ2
現地で見たもう一つのスミレがこちら
何となくマルバスミレではないかと思うのだが自信が持てない
こちらも詳細な部分写真がないので「スミレ2」ということにしておく
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オオイヌノフグリ
出発前からこの日の植物として予想できたのがオオイヌノフグリ
そして次のヒメオドリコソウ、ホトケノザの3点セットである
オオイヌノフグリはもちろん春の花であるが実は1月には咲き始めている冬の花でもある
しかも花期が長いのでこの時期に屋外に出れば出会える確率の高い野草のナンバーワンだ
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ヒメオドリコソウ
このヒメオドリコソウはヨーロッパ原産の帰化植物だが繁殖力旺盛で日本のたいていのところで見ることができる
個々の花小さく目立たないが普通群落を作るのでシソのように赤紫になる葉と合わせて一面が紫色に染まることが多い
ニリンソウなど雑木林の芽吹き前の林床に群落を作る春の花は多いが、都市近郊では外来種のヒメオドリコソウが最も多いように思う
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ホトケノザ
春の花の最後はホトケノザになった
漢字で書けば「仏の座」だが春の七草にあるホトケノザはキク科のコオニタビラコのことでこの花ではない
前述のヒメオドリコソウは花が小さく日本古来のオドリコソウに比べて見劣りするのだが、こちらのホトケノザは花自体が個性的でしかも美しい
群落を形成しなくても十分にやっていける実力派の野草である
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月も変わり、明後日から2週間ほど海外遠征となる
行先と結果報告は帰ってからのお楽しみということにしていただきたい

by mustachio | 2016-04-01 15:37 | Comments(0)


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