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還暦からのネイチャーフォト

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2016年 10月 11日

10月連休群馬の秋1(赤城山・赤城自然園)


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9月から10月にかけて長雨が続いたが、10月の連休は多少好天が期待できそうだったので群馬の山荘に出かけることにした
リタイア後の老夫婦には連休の渋滞を避けて移動できる特典があり、連休前の10月7日、赤城山経由で山荘に向かう
赤城山(覚満淵)では紅葉を期待したのだが、まだ気配が見られず、かといって野草(花)はほとんど枯れてしまっていて自然写真には中途半端なタイミングであった
色彩的に鮮やかなのは木や草の実で、久しぶりに晴れた青空をバックに美しく輝いていた


ズミ
ズミは花の時期が美しいが実も捨てたものではない
まだ葉が落ちる前から実がなり、葉が落ちても実は残る
黄色いものから真っ赤なものまでバリエーションがあるが、やはり赤い実のほうがズミの実らしい

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マユミ
ズミの実が真っ赤なのと対照的にマユミの実はピンク色である
ただこのピンク色の部分は蒴果と呼ばれるいわば皮(ホオズキの袋のようなもの)の部分で中にある種はズミと同じように赤い
冬になると蒴果が裂けて中から赤い実が見えるようになるところが面白い

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マムシグサ
木の実ではなく草の中で一際、赤が目立つのがマムシグサ
遠くからでもすぐに見つけることが出来る
いかにもうまそうなイメージだが、花序の形を思い出せばさすがに食べる気にはならない


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ユキザサ
マムシグサもそうなのだがこのユキザサも花と実のイメージにギャップがある
ユキザサの花は純白で清純なイメージだが、実のほうは鮮烈な赤だ
マイヅルソウなども同じパターンで花は白く実が赤い
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ヤブミョウガ
花が白くて実が黒い植物もある
ヤブミョウガが黒い実をつけていた
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赤城自然園
大沼や覚満淵など山頂に近い部分では野草(花)に期待できなかったので午後から赤城西麓の赤城自然園に移動した
ここではまだ秋の花が残っていて季節を楽しむことが出来た

モリアザミ
アザミの仲間は識別が難しいが管理が行き届いている自然園などでは名札を頼りに名前の確認ができる
赤城自然園のアザミはほとんどがこのモリアザミだった
モリアザミは頭花は直立し、総苞片が発達するのが特徴だが、葉の形が一定でなく、葉からの識別は難しい
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シラヤマギク
園内の白い菊はシラヤマギクがメインだった
秋に咲く白い野菊は種類が多く、こちらも識別に苦労するが基本はシラヤマギクだと思う
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シロヨメナ
園内の名札からこちらはシロヨメナと判断した
見た目ではシラヤマギクよりも花弁(舌状花)が短いようなイメージである
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カントウヨメナ
こちらは花弁(舌状花)が淡紫色なので普通のヨメナ
しかも生育地から判断してカントウヨメナだと思う
とにかく菊の仲間は識別が難しく、自分のような素人には頭が痛い
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シュウメイギク
ついでにシュウメイギクを取り上げてしまったがこの花は野生ではなく栽培種が野生化したいわば帰化植物である
しかも、名前とは違ってキク科の植物ではなく、キンポウゲ科なのだ
ナチュラリストとしては若干引っかかりがあるが、秋の日を受けて美しく輝いていたのでご容赦いただきたい
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ハバヤマボクチ
まだ他にキク科の花があった
アザミの仲間のハバヤマボクチである
実はこのハバヤマボクチ、近似種のオヤマボクチとそっくりで識別が出来ずいつも苦労している
(葉の形が多少異なるのと筒状花の狭筒部がハバヤマボクチのほうが長い)
今回は名札があってハバヤマボクチと明記されていたので楽勝だった
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モミジガサ
もう一つキク科の植物
カニコウモリなどコウモリソウの仲間のモミジガサである
花は特に特徴がない地味な存在だが、葉の形が特徴的で名前の元になっている
10月頃に咲く秋の花だ


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オトコエシ
オミナエシ科は秋の花限定というわけではなくキンレイカやカノコソウなどは夏の花である
絶滅危惧Ⅰ類の蝶であるウスイロヒョウモンモドキの食草がオミナエシやカノコソウであることから自分にとってはなじみ深い植物だ
「秋の花」のイメージが強いのは、このオトコエシとオミナエシに依るところが大きい
もう終わってしまったのかこの日はオミナエシを見なかったが、花の白いオトコエシのほうは元気に咲いていた
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テンニンソウ
シソ科の花も秋に咲くものが多い
樹林下にテンニンソウが群生していた
個々の花から雄蕊が飛び出しているので「花」というより「花穂」のイメージが強い

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シモバシラ
テンニンソウの仲間のシモバシラ
同じシソ科で雄蕊が目立つ花を付けるが、シモバシラのほうは花を付ける位置が花穂の全周ではなくある方向に偏っている
どちらも花自体は白いのだがシモバシラは葯がピンク色なので全体的にピンクがかった色合いになる
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キバナアキギリ
「秋に咲く黄色い桐」という意味で名前が付けられたようだが、桐の花は筒状花で形状的にはあまり似ているとは思わない
写真でしか見たことがないがアキギリという近似種があり、こちらは色が紫色で雰囲気としては桐の花に似ているのでこのアキギリを経由するとネーミングは何となく理解できる
園芸種のサルビアと同じ仲間なので、黄色いサルビアと思えば判りやすい
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セキヤノアキチョウジ
林縁には紫色のセキヤノアキチョウジも見られた
こちらもシソ科の花でキキョウ科やリンドウ科の花と同じように秋を感じさせる植物だ
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サラシナショウマ
白いアイスキャンディーのようなサラシナショウマの花は遠くからでもよく目立つ
珍しくアサギマダラがこの花で吸蜜していた
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ヤマトリカブト
サラシナショウマと同じキンポウゲ科の花だが形状は全く異なる
トリカブトの仲間はやたら種類が多く素人にとって識別は全くのお手上げだが、特殊な地域のもの以外はたいていヤマトリカブトで良いのだと勝手に考えている
(植物の分類レベルは種のレベル、亜種のレベルがごっちゃになっていて良くわからない)
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レイジンソウ
トリカブトに近い種類だがレイジンソウは区別できる
少し前までレイジンソウを「麗人草」だと思い込んでいて、名前負けの地味な花だと馬鹿にしていたが、レイジンは「伶人」が正解で舞楽の奏者のことだとわかった
鳥兜と同じように奏者の被る冠の形状から来たネーミングである
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ヤワタソウ
あまり聞いたことがない名前の植物  近くに名札があったので撮影した(残念ながら花が終わった状態のようでけして良い写真ではない)
帰宅してからいろいろ図鑑を当たってみたがヤワタソウが載っている図鑑がほとんどない
載っていたのは昭和時代に発行された山渓の「日本の野草」1冊だけで、ユキノシタ科の植物であることが判った
花期は5~7月とのことなのでその時期にもう一度見てみたいと思っている
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シラネセンキュウ
センキュウという植物は漢字で川芎と書き漢方薬の原料となる(日本では栽培種)
シラネセンキュウは野生種で名前は日光の白根山に由来するようだ
セリ科の植物は似たようなものが多く識別が難しいがシラネセンキュウは秋の花なので、花の時期である程度推定が可能である(今回は名札があったので間違いないと思う)
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ミズヒキ
どこにでもある普通の植物で東京の我が家の庭にもある
自然の中で木漏れ日を浴びたミズヒキを見るとハッとするような感動を覚えることがあるが、写真にするのは意外と難しい
この花は萼片、雄蕊、雌蕊はあるが花弁がないのだ
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サワギキョウ
森の中の小さな池のほとりにサワギキョウが咲いていた
マイフィールドの一つである野反湖でも見られる秋(晩夏)の花だが、今年は該当時期に野反湖へ行っていない
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リンドウ
同じ群馬県でもわが山荘周辺のリンドウはすべてオヤマリンドウなのに、赤城自然園はすべてリンドウだった
オヤマリンドウは花が全開せず常に閉じたままだが、リンドウのほうはちゃんと開いてくれるので好ましい(もっとも夜や雨の日はリンドウも花を閉じてしまう)
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ノカンゾウ
夏の花だと思っているノカンゾウが咲いていた
今年もクロヒカゲモドキという蝶を探して夏の山梨県をだいぶ歩いたが道端で見るカンゾウはヤブカンゾウばかりだった
八重咲のヤブカンゾウは一見華やかに見えるがユリ科の花はシンプルな一重のほうが美しいと思う
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ヤマラッキョウ
赤城自然園の花のラストはヤマラッキョウになった
というか、写真の通りまだ花が咲いておらず蕾の状態である
ギョウジャニンニクなど仲間の植物は春に花を咲かせるのに、ヤマラッキョウだけは晩秋に花を咲かせる
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ノシメトンボ
秋の花(植物編)が終わったのでもう一度赤城山へ戻る
覚満淵には多数の赤とんぼが飛んでいたがナツアカネやアキアカネは見かけず、すべて翅の先端に黒色斑のあるノシメトンボだった
池の上では交尾を終えたペアが連結状態のまま飛行し、空中から卵をばらまいていた(打空産卵)
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イカリモンガ
モリアザミでイカリモンガが吸蜜していた
蝶ではなく蛾である
蛾は①夜に活動し②翅を開いて止まり③触覚が太いか羽毛状と思われているがこれは一般論で例外もある
その例外の典型的な例がこのイカリモンガで、花で吸蜜する姿はまさに蝶そのものである
蝶と蛾は単に人間が線引きをしているだけではっきりと区別する定義はない
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ミドリヒョウモン
10月に入ったのでさすがに蝶の姿は少なかった
9月が雨ばかりだったせいかミドリヒョウモンはオスもメスもボロボロでこ高齢者であるわれわれには多少身につまされるものがあった
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ツマグロヒョウモン
アザミに翅の傷んでいない綺麗なヒョウモンが来ていたのでチェックするとツマグロヒョウモンのオスだった
東京の我が家にも飛んでくるのでツマグロヒョウモンはいまどき珍しくもないが、南方系のヒョウモンが10月の群馬北部で見られるというのは60年前の感覚からするとどう考えても不思議である
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クモガタヒョウモン
アザミにはクモガタヒョウモンのメスも来ていた
こちらは北方系のヒョウモンなので10月に新鮮な個体が見られても違和感はない
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キタテハ
キタテハはさすがに夏型から秋型に代わっていた
これから越冬に入るので翅はまだきれいな状態である
冬に備えて夢中で吸蜜活動をしているところだ
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アサギマダラ
最後のアサギマダラの写真は赤城山(覚満淵周辺)ではなく麓の赤城自然園で撮影した
アザミやシラヤマギクなどにアサギマダラが群がっている光景はいつ見ても楽しい(今年は9月の悪天候のためあまりアサギマダラを見ていないように思う)
たくさんいるこの蝶も群馬県では冬を越せずこれから南へ移動していく
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by mustachio | 2016-10-11 16:37 | Comments(2)
Commented by TGokuraku-TOMBO at 2017-11-24 14:05
はじめまして。私も蝶が好きで2~3年前から蝶の写真を撮るようになりました。赤城自然園に今秋初めて行ったので、こちらのブログを訪問させて頂きました。また覘かせて頂きます。
Commented by mustachio at 2017-11-24 14:56
コメントありがとうございます
野鳥、野草などいろいろ撮っていますが、最も愛着を感じるのは蝶類です
これからもよろしくお願いします


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