2016年 12月 16日

北部オーストラリア探鳥旅行記06


b0144049_17545942.jpg

北部オーストラリアの探鳥記録も最終号になる
分類順で写真を整理すると、最終号は必ずスズメ目の小鳥になるのは避けられない
今回の探鳥旅行は乾季の最終段階で猛暑の時期を選んだため、小鳥はあまり期待しなったが、内陸部(アウトバック)ではフィンチなどの小鳥が元気で予想外の収穫があった

オーストラリアマルハシ Grey-crowned Babbler

Babblerは日本語でチメドリ、この仲間は東南アジアで出会いのチャンスが多い
マルハシはその一部を成すグループの呼称で、嘴が丸く円弧のように湾曲するので「丸嘴」という
オーストラリアではそれほどマルハシの種類が多くはないようだが、ちゃんと「丸嘴」を観察することが出来た
b0144049_18223265.jpg

b0144049_18223245.jpg

b0144049_18223180.jpg

オーストラリアゴジュウカラ Varied Sittella

日本名はゴジュウカラだが日本のゴジュウカラとは全く違う鳥のようだ
頭が黒く目や嘴は黄色でイメージは異なるが、樹の幹に直接止まり体を逆さにして移動したりするところはゴジュウカラそのものなので、命名も許容範囲だと思う
b0144049_18370054.jpg


b0144049_18370069.jpg


パプアオニサンショウクイ White-bellied Cuckoo-shrike

オニサンショウクイは日本で見るサンショウクイと近い仲間で少し大型である
オーストラリアにはオーストラリアオニサンショウクイとパプアオニサンショウクイがいてオーストラリアオニサンショウクイのほうが少し大きく腹が黒い
パプアニューギニアと北部オーストラリアは地理的に近接しており生物相も類似している
この2種のオニサンショウクイは名前通り棲み分けているのではなく、それぞれの国に2種が生息している
b0144049_20205519.jpg


b0144049_20205643.jpg


マミジロナキサンショウクイ Varied Triller

自分にはまったく才能がないのだがバーダー(鳥屋さん)が鳥を探す時は鳴き声を頼りにする (こちらはもともとが鳥屋ではなく虫屋なので鳴き声の識別はさっぱりだ  鳴き声で蝶を探したことは一度もない)
ナキサンショウクイも特殊な鳴き方をする鳥で同行のOさんがちゃんと見つけて教えてくれた
写真の鳥はメスで、オスは頭や背中の茶色の部分が黒い
b0144049_20402139.jpg
チャイロモズツグミ Rufous Shrike-thrush

モズヒタキとかモズツグミとかいった鳥は日本にいない
一部のモズヒタキ(オス)のように色彩が黒、茶、黄と個性的な鳥もいるが、基本的には薄茶色でお互いによく似ている
写真の鳥はチャイロモズヒタキかチャイロモズツグミかハイイロモズツグミか迷ったが最終的にチャイロモズツグミと判定した
b0144049_20593954.jpg
メガネコウライウグイス Australasian Figbird

コウライウグイスは広くアジアに分布する黄色い小鳥いわゆるオリオールであるがこの鳥はその仲間である
ダーウィンでは街中にもこの鳥がいてオスの赤いメガネが目立つ(2枚目の写真はメスだが赤いメガネはかけておらず別種のようだ)
英名のFigbirdのFigはイチジクのことで、オーストラリアには野生のイチジク(実は小さい)が多くメガネコウライウグイスはこの実が大好物だそうだ
b0144049_21300604.jpg
b0144049_21300729.jpg
b0144049_21300748.jpg
キミドリコウライウグイス Yellow Oriole

こちらのコウライウグイスはモンスーン林やマングローブに棲む本格的な野生のオリオールだ
ベース色は黄緑(オリーブ色)だが羽根は白と黒、嘴と目が赤い
写真の2枚目はマングローブで見つけた巣にいるキミドリコウライウグイスである
b0144049_21484961.jpg
b0144049_21484952.jpg
b0144049_21484964.jpg
モリツバメ White-breasted Woodswallow

フィリピンからインドネシア、ニューギニア、オーストラリアと東南アジアの森林などに普通に見られる小鳥
頭と背中はグレーで腹部は白いすっきりとしたデザインの小鳥である(ツバメに似ているが尾は燕尾ではない)
飛翔しながら昆虫を捕食するので電線に止まっていることが多い
b0144049_22040505.jpg
カオグロモリツバメ Black-faced Woodspallow

モリツバメよりは薄汚れた感じで顔も黒い
オーストラリアには広く分布するようで希少種ではない
オーストラリアの固有種かどうかは確認できていないが東南アジアでは見たことがない
b0144049_22280363.jpg
クロモズガラス Black Butcherbird

モズガラスButcherbirdはオーストラリア・ニューギニアに固有のカラスに似た鳥を指す
肉食でモズのように獲物を小枝などに刺す習性があるためモズガラスの名前をもらったようだ
図鑑によるとオーストラリアにはモズShrikeはいない
写真の真っ黒な鳥はカラスではなくクロモズガラス
カラスより小型でよく見るとくちばしが青灰色である
b0144049_14065324.jpg
セジロモズガラス Silver-backed Butcherbird

こちらのモズガラスはオーストラリアの図鑑に載っていない
ごく最近、ハイイイロモズガラスから別種として独立したばかりだという
ハイイロモズガラスは背中の後ろ半分が黒いのだがこちらはその部分や肩の部分が白い
ダーウィンからカカドゥへ向かう途中の公園で撮影した
b0144049_14281617.jpg
b0144049_14281654.jpg
b0144049_14281687.jpg
ノドグロモズガラス Pied Butcherbird

北オーストラリアにはもう1種モズガラスがいた
クロとハイイロ(セジロ)の中間型で黒覆面のように頭部は黒く肩の部分からお腹にかけては白い
b0144049_14394913.jpg
オジロオウギビタキ Arafura Fantail

インドネシアやグアムサイパンなどにも仲間がいるのだが、オウギビタキFantail類は基本的にオーストラリアの鳥だと思う
特に「オウギビタキ」という種はオーストラリアの東海岸に分布するかわいい鳥なのだが残念ながらダーウィンなど北部にはいない
代わりに北部海岸にいるオウギビタキはオジロオウギビタキという種で東海岸のオウギビタキに非常によく似ている
主な相違点は尾の先端が白いことで日本名はそこから来ている
英名のArafuraはオーストラリアの北側の海アラフラ海に由来する
b0144049_14580681.jpg
b0144049_14580501.jpg
ムナフオウギビタキ Nothern Fantail

英名からもお判りかと思うが前種と同様こちらも北海岸の固有種である
胸の白い斑点がこのオウギビタキのチャーミングポイントになっている
b0144049_15143785.jpg
b0144049_15143724.jpg
ヨコフリオウギビタキ Willie Wagtail

れっきとしたFantailなのに英名はWagtailという Wagtailは普通セキレイのことだ
とにかくこちらはオーストラリアの普通種でどこにでもいる 昨年タスマニアに行ったときもシドニーの公園でたっぷり撮影させてもらった
b0144049_15292556.jpg
ミナミガラス Torresian Crow

英名のTorresianの意味が分からなかったので辞書で調べてみた
Torresというのは固有名詞でオーストラリアの北端にあるヨーク岬とニューギニアとの間にある海峡の名前だった
いずれにしてもオーストラリアにはカラスが少ない 少なくともNTで見られるカラスはこのミナミガラスだけなのでわかりやすいといえばわかりやすい
b0144049_15393338.jpg
ナマリイロヒラハシ Leaden Flycatcher

ヒラハシというのはヒタキの仲間で嘴が平たい鳥のこと
写真の鳥はノドアカヒラハシかナマリイロヒラハシ(メス)かの判定で苦労させられた
というか、今でも識別できていないのだが、同行のOさんからいただいたバードリストの出現日と撮影日の照合だけで判定したものである
ナマリイロヒラハシのオスのほうは喉や胸が黒(鉛色)なのでわかりやすい
b0144049_15535638.jpg
テリヒラハシ Shining Flycatcher

オスメスの差はこちらのヒラハシも極端である
写真の1枚目はツーショット、2枚目はオス、3枚目はメスだ
オスは全身が光沢のある黒、メスは頭だけが黒く背中は茶色で腹は白い
どう見ても別の鳥に見えるのだが2羽そろってデュエットソングを始められると納得がいく
b0144049_16274584.jpg
b0144049_16274596.jpg
b0144049_16274444.jpg
フタイロヒタキ Restless Flycatcher

ヒラハシの名前はつかないが、前項のテリヒラハシのオスとメスの中間的なデザインの鳥
行動が十分観察できていないので無責任なコメントになるが、英名からして落ち着きのないせわしない鳥なのだと思う
(最新の図鑑によるとこの種はRestless FlycatcherからPaperbark Flycatcherにスプリットされている可能性がある 該当の日本名は不明だ)
b0144049_16453787.jpg
ツチスドリ Magpie-lark

ツチスドリは土巣鳥 木の上に草などを泥で固めた巣をつくるので土巣鳥だ
ニューギニアにも分布するが、オーストラリアでは町中でも内陸部でもあちこちで見られる普通種だ
ダーウィンの街でも普通の道路を人の存在を気にせず縦横無尽に歩いている
目の周りの黒い縞が横に走り喉が黒いのがオス(写真1)、黒い縞が縦で喉が白いのがメス(写真2,3)である
b0144049_17431145.jpg
b0144049_17431132.jpg
b0144049_17431054.jpg
レモンオリーブヒタキ Lemon-bellied Flycatcher

英名を直訳するのならキバラヒタキくらいの命名でよいと思うが、レモンとオリーブの両方を付けたので西洋料理のメニューのような名前になってしまった
名前はともかく、見た目はいかにも小鳥らしく愛くるしい
2枚目の写真など気に入ったポートレートである
b0144049_18011026.jpg
b0144049_18011067.jpg
タイワンセッカ Golden-headed Cisticola

タイワンセッカは名前が示すようにアジアの鳥  インドから東南アジアまで広く分布しオーストラリアでも見られる
実は日本のセッカもオーストラリアで見られるのだが今回はチャンスがなかった
b0144049_18115152.jpg
b0144049_18115299.jpg
キバラメジロ Yellow White-eye

このお腹が黄色いメジロも北部オーストラリアの目玉商品の一つのようだ
普通のメジロでも少しは黄色い部分があるのだがこちらのメジロは腹全体が黄色い
ダーウィンのマングローブ近辺で見ることが出来た
b0144049_21193985.jpg
b0144049_21193930.jpg
カノコスズメ Double-barred Finch

顔にべったり白粉を塗ったような役者顔のフィンチ
分布域はオーストラリアの北部から東部にかけてなので、10年前に訪ねたケアンズにもいた可能性が高いのだが記憶はない
これだけ個性的な鳥なので今回が初対面だと思う
スズメほど普通種ではないが、ダーウィンの町中でもこの鳥を確認することが出来た
b0144049_21292862.jpg
b0144049_21292865.jpg
オナガキンセイチョウ Long-tailed Finch

アウトバックのユーカリの林にはフィンチ類が多かった
コキンチョウとキバシキンセイチョウと本種(オナガキンセイチョウ)でこの3種は混群を形成し移動して草の実を食べていた
混群なので他の鳥も写っているが目の周りと喉が真っ黒で嘴がオレンジ色なのがオナガキンセイチョウだ
b0144049_21504130.jpg
b0144049_21504201.jpg
キバシキンセイチョウ Masked Finch

こちらのキンセイチョウは喉ではなく顔(特に嘴の周辺)が黒く、嘴は黄色い
ちょっとイカルに似た感じの鳥だがフィンチなのでイカルよりははるかに小さい
食事に飽きたのかユーカリの枝に十数羽が集合して休んでいるところが撮影できた

b0144049_22002308.jpg
b0144049_22002367.jpg
アサヒスズメ Crimson Finch

あらかじめ予習もしていたので肝をつぶすことはなかったが、かなりインパクトのある小鳥だった
オスのアサヒスズメは背中にグレーの部分はあるが顔・嘴・腹と真っ赤なのである(メスはお腹がグレーだ)
こちらはカカドゥ国立公園の水場で撮影したもの
タイトルバックのカノコスズメとアサヒスズメのツーショットの撮影も同じ場所である
b0144049_22103362.jpg
b0144049_22103404.jpg
b0144049_22103510.jpg
b0144049_22103563.jpg
コキンチョウ Gouldian Finch

とにかくカラフルな小鳥
基本は顔が黒いのだが、顔が赤いのも黄色のもいて変化に富んでいる(背中の緑、胸の紫、腹の黄色は共通)
大昔、飼い鳥用として乱獲され数が激減したというが、北部オーストラリアの内陸部にはまだコキンチョウが残っていた
b0144049_22263928.jpg
b0144049_22263917.jpg
b0144049_22264065.jpg
シマコキン Chestnut-breasted Mannikin

北部オーストラリア探鳥記のラストバードはシマコキン
この鳥は旅行の最終日ダーウィンに戻って別荘地のような海岸の草地で撮影した
大群のシマコキンが最初は警戒していたが、そのうち慣れてきてかなり近くまで寄って撮影することが出来た
旅行の集大成となる記念写真である
b0144049_22415936.jpg
b0144049_22420045.jpg
b0144049_22415947.jpg






by mustachio | 2016-12-16 20:00 | Comments(1)
Commented by mustachio at 2017-01-02 15:09
あけましておめでとうございます
今年から「後期高齢者」ですが、まだ体力はあります
あちこちへ出かける計画もありますのでご期待ください
mustachio


<< ネグロス・ボホール探訪記vol.1      北部オーストラリア探鳥旅行記05 >>