2017年 02月 01日
出発前、蝶の写真に関しては大きな期待があった 2年前のフィリピン遠征時にそれなりの成果があり、今回訪問先のネグロス島、ボホール島は蝶に関しては割と有名なフィールドだったからである 参考までに前回フィリピン旅行の蝶に関する記事にリンクを張っておきたい さて、今回のツアーの成果(蝶の写真)だが、鳥の写真があまりにひどかったのに比べるとそこそこの結果が得られたような気がする 何回もコメントしているように旅行中雨が続いた 雨が降れば鳥も蝶も飛ばない(彼らはじっと葉陰に隠れ雨が上がるのを待っている) フィリピンは気温が高いので蝶に関してはちょっとした晴れ間があれば飛び出してくる 特に小型の蝶はチラチラと動いてくれるので何とか見つけることが出来る 今回の基本的な装備は鳥用に150~450の望遠レンズ付きAPS-Cカメラ、蝶用に24~70の標準ズーム×1.4コンバーター付きフルサイズカメラで重量的に負担はあったが常にカメラ2台体制で動いた 鳥のほうは探索を同行の皆さんに任せ、こちらは上を見ず下を見ながら林縁の蝶を探す(もちろん鳥が出ればカメラを切り替える)スタイルを通した 面白いことに前回のフィリピンではアゲハやシロチョウ類が多かったが今回はタテハ類のチャンスが多く意外と重複が少なかったのである 雨が続く中、数少ないチャンスを探りながら蝶を探した結果前回と合わせれば、「フィリピンの蝶」らしいブログが出来上がったので披露したい (好天に恵まれればもっと素晴らしいものができたことは間違いないのだが) キシタアゲハ 野生のこの蝶との出会いはワンチャンスだった ネグロス島のトゥインレイク国立公園の展望台付近、一時的に雨が止んだ瞬間大型のアゲハが飛び出した モンキアゲハのような飛翔だが黄色部分の鮮やかさが違う 樹冠に沿って飛ぶのだが止まってくれる気配は全くない とにかく適当にシャッターを切ったところ、家内と自分と二人で何とか蝶の姿を捉えることが出来た(最初の3枚は家内の撮影) 液晶モニターを確認するとトリバネアゲハの1種キシタアゲハのようだ その後ネグロスでは出会いがなかったが、ボホール島のバタフライガーデン(蝶園...詳細後述)では同じ蝶の静止写真も撮ることが出来た(最後の写真) タイトルバックにも写真を使ったが、今回のツアーでは最も感動的な出会いであった 天候のせいだろうか 前のフィリピン旅行では多くのシロチョウ類を撮影したがどういうわけか今回はシロチョウ類をほとんど見かけなかった たまにキチョウが飛ぶくらいでそのキチョウもすべてミナミキチョウのようであった この蝶との初対面はオーストラリアのケアンズ もちろん名前もわからなったが後で英名Orange Lacewingが確認できた その後北インド(アッサム)やタイでハレギチョウ類との再会を果たし、今では顔なじみになってる 今回はボホール島の林道でほんの一瞬陽の光がさした時に飛び出してくれた 手持ちのフィリピン蝶図鑑(小冊子)によるとネグロス島、パネー島限定の希少種とあるがそんなことはない 2年前のフィリピンで写真を撮影しているがこの時はルソン島とミンダナオ島にしか行っていない 日本語で稲妻と訳されるタテハチョウの仲間は大きくて迫力がある リンクを張ってあるので見ていただきたいが前回のフィリピンでも対面している(フィリピンの蝶02最終項) 今回現れたのはボホール島の林道で我々のパーティに随行し、しつこく汗を吸って行った(止まっているのは自分の手、つまり片手撮りである) フィリピンの人は人懐っこいといわれるがこの蝶もまさに「フィリピン蝶」だった 翅表の写真なのでコノハチョウの雰囲気が出ていないが南方系のコノハチョウである 日本では与那国島などに記録があり迷蝶狙いのマニアにとっては垂涎の的だと思う 黄帯木の葉、この蝶は初対面である かなり高い木の上に止まっていて野鳥撮影用の望遠レンズで撮影した チャイロタテハの仲間は日本ではなじみが薄いが英名はCruiserとかっこいい名前になっている この蝶もマレークルーザーと呼ばれ東南アジアには広く分布するようだ 一見フタスジチョウのような蝶 フィリピンの蝶図鑑に載っていたので学名はわかったが、英名・和名はわからない ネグロス近辺の固有種のようだ この蝶は東南アジアの至る所に出没する「アジアの普通種」 今回は蝶が少なったので一生懸命シャッターを押した こちらもアジアの普通種 日本では以前は希少種で、見つかれば大騒ぎだったが、石垣島のバンナ公園に定着してしまったので有難味が薄くなってしまった 初対面ではなく前回のフィリピンでも撮影している いずれも裏面しか撮影できていないので翅表の様子がわからず種名が特定できない タテハの仲間と推定しているが、日本のイカリモンガにもよく似ているのでもしかすると蛾の仲間かもしれない 最近では外国の蝶図鑑も入手できるようになりインターネットでもかなり情報が入るので、ある程度海外の蝶の同定ができるようになった ヒメワオンというのは英語でFaunと呼ばれる蝶、この蝶は学名がFaunis Phaon なのでパオンヒメワオンというらしい 翅裏には蛇の目が見られるが翅表は単調な茶色一色である シマジャノメというジャノメチョウがいることを今回初めて学習した インドからフィリピンまでに10種類ほどのシマジャノメが生息するらしい ルゾニアという名前からしてこのシマジャノメはフィリピンの固有種ではないかと思う この蝶は翅表にも縞があるようなのだが表の写真は撮れなかった 図鑑で学名はAcrophtalmia yamashitaiとわかったのだが和名、英名はわからなかった webを頼りに調べたところでは和名をイワヒバジャノメ、英名をPale Ringletというらしい 前翅の先端と後翅の後端に大きな蛇の目がある変わったジャノメチョウである 普通のヒメジャノメである 日本のヒメジャノメとどう違うかと聞かれても答えられない(フィリピンのほうが後翅の蛇の目が大きいようだが) さらに難しいのがフィリピンヒメジャノメとネグロスヒメジャノメの違い 日本でもヒメジャノメとリュウキュウヒメジャノメの区分は難しいが生息地が異なるのであまり苦労はない フィリピンでも大雑把な棲み分けがあるようなのでボホールで撮影したものはフィリピン、ネグロスで撮影したものはネグロスと割り切ることにした ウラナミジャノメの仲間は世界中に分布し種類も多い 日本(沖縄を除く)にもウラナミジャノメとヒメウラナミジャノメがいて、ヒメウラナミジャノメのほうが後翅裏面の蛇の目が5輪でウラナミジャノメが3輪と区別ができる フィリピンでも5輪(6輪)と3輪のウラナミジャノメがいた 学名はわかるが和名は不明である こちらは3輪のウラナミジャノメ 学名がYpthima sempera semperaというのでセンペラウラナミジャノメと和訳されているようだ 今回は白い帯のある個性的なクロヒカゲに何回か出会った いわゆるシロオビクロヒカゲ類であることは間違いないが手持ちの図鑑には載っておらず学名も和名もわからない 白帯も蛇の目も鮮明で美しいジャノメチョウだった
by mustachio
| 2017-02-01 20:40
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