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還暦からのネイチャーフォト

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2017年 02月 04日

ネグロス・ボホール探訪記vol.4

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探訪記vol.4は昆虫編、というか蝶編の積み残しである
具体的にはマダラチョウ、シジミチョウ、セセリチョウが積み残しとなった

コウトウマダラ

マダラチョウは似たような種類が多いので図鑑でも持っていない限りフィールドでは識別ができない
日本のゴマダラチョウに似た雰囲気のマダラチョウだと思ったが、帰国後調べてみるとコウトウマダラだった
日本では西表や与那国に迷蝶として採集記録がある
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シロオビマダラ

後翅に白帯のある茶色のマダラチョウはシロオビマダラだった
この蝶はチョウ類保全協会編「日本のチョウ」に記載されているので、迷蝶ではあるが一応「日本の蝶」にカウントされている
日本の蝶263種のうち撮影済みが257種(国内撮影249種、海外撮影8種)となった


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ヒメシルビアシジミ

フィリピンには日本と共通のヤマトシジミ系の蝶が3種いるようだ
ヒメシルビアシジミ、ハマヤマトシジミ、ホリイコシジミである(もともと南方の蝶で日本には迷蝶として渡来し南西諸島に定着したと思われる)
お互い良く似ていて識別が難しいが写真の蝶は翅裏の亜外縁が波状で断続しているのでヒメシルビアかハマヤマトのいずれかである
それぞれの特徴(ヒメシルビアは後翅黒点列の上から2番目が内側に寄る、ハマヤマトは前翅中央に黒点)がいずれも確認できないので悩ましいところである
タイトル(種名)はとりあえずということで
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ホリイコシジミ

こちらは翅裏亜外縁が波状ではなく線状に連続しているのでホリイコシジミ
断言していいと思う
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ウラナミシジミ

秋になれば関東地方でも見られるウラナミシジミ
この蝶はグローバルな存在で海外で出会うことも多い
食草はマメ科で吸蜜植物もマメ科に偏っている
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シロウラナミシジミ

こちらも日本の蝶ではあるが准迷蝶で西表島など限られた場所でなければ見ることが出来ない珍蝶である
そのシロウラナミがネグロスにはたくさん飛んでいた(雨が降っていても飛んでいるのはこの蝶ぐらいだった)
日本では食草がハナシュクシャ(ショウガ科)などに限定されているが、フィリピンでシュクシャの白い花は見かけなかったので別のショウガ科の植物を食草にしているのだと思う
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クロスジヒナタキマダラセセリ

キマダラセセリそっくりのこの蝶は2年前のフィリピンでも撮影した
その時は名前までわからなかったが、どうやら学名Taractrocera luzonensis、英名Veined Grass Dartまでたどり着くことが出来た日本のキマダラセセリは学名Potanthus flavusでまったく別種のようである
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シロシタセセリ

日本のコウトウシロシタセセリと同じでシロシタセセリ(学名Tagiades) の仲間であることは間違いない
種類が多すぎて断定はできないが斑紋から判断するとオニシロシタセセリのようだ
フィリピンではまだ蝶の研究が進んでおらずセセリチョウに関する分布データは入手不能である
この蝶は必ずナガボソウで吸蜜していた  好みの花(行きつけの店)なのだと思う
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フトオビクロセセリ

日本で見られるクロセセリNotocrypta curvifasciaと同一種かと思っていたが学名が異なるので別種のようだ
クロセセリの白帯は先端が少し細くなるがこちらNotocrypta paralysosは一様に太いので和名をフトオビクロセセリというらしい
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テツイロビロウドセセリ

日本の西表島で見られるテツイロビロウドセセリではないかと推測しているが後翅裏面中央の白点が見られないので別種かもしれない
手持ちの図鑑は情報が乏しく判定不能である
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ユウレイセセリ

フィリピンの蝶図鑑でも確認できているので日本の南西諸島で見られるユウレイセセリ(学名Borbo cinnara)と同一種に間違いないと思う
もちろんフィリピンのほうがオリジナルだ
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APPENDIX バタフライガーデンの蝶

フィールドで撮影した蝶は以上で終わりなのだが「蝶編」には付録がある
実はボホールで3連泊したロッジ(Habitat Bohol)が蝶園(バタフライガーデン)を経営していた
ただバードウォッチングのツアーは早朝(5時半ごろ)に宿舎を出発し夕方6時をすぎないと戻ってこない
蝶園の営業は昼間だけなので3泊しても中を見る機会がないということになる
ところが3日目の日程はフィールドが宿舎の近くだったので1時間ほど宿舎に戻り休憩するという絶好の機会に恵まれた
蝶園は大きなネットを張ったケージで飼育した蝶が中を飛び回っている
1時間あればゆっくり撮影ができると思っていたところ.......10分ほどするとここでもまた無情の雨、夕立のような激しいシャワーでケージには屋根がないので蝶たちはすぐに葉陰に避難してしまった
短時間で撮影した写真はわずかだがご披露させていただく
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キアネハレギチョウは見学者が蝶と一緒の記念写真を撮るための小道具、標本はキシタゲハのオスメスだ

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交尾中のアゲハはアケボノアゲハの1種だと思うが説明がないのでわからない(英語で説明を聞いてもわからないのは同じだが)
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こちらは定番のオオゴマダラ
日本のオオゴマダラと同一種である
人気があるのか飼育しやすいのかバタフライセンターでは常連の蝶である
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個人的にはオオゴマダラよりこちらの方が感動的な対面
この蝶は羽根の白い部分が透き通っているガラスアサギマダラの1種、正確な名前は不明だが前から見たいと思っていた蝶である
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バタフライガーデンで撮影した蝶の最後はトラフタテハ
英名をクリッパーという大型の迫力あるタテハチョウだ
以前東南アジア(たしかマレーシア)で出会っており初対面ではなかったが、大好きな蝶の一つだ

無情の雨は40分以上止まず、雨宿りしたままバードウォッチングの出発時間が来てしまったので蝶園での撮影は残念ながら中途半端で終わってしまった

APPENDIX 2 フィリピンの昆虫たち

今回の旅行は天候に恵まれず鳥の写真がほとんど撮れなかった
雨(上がり)待ち、鳥待ちの間、短いレンズで昆虫なども写してみたが何分フィリピンでは昆虫図鑑などが整備されておらず名前もわからない
とりあえず写真だけアップすることでお許しいただきたい(もしかすると未発見の新種かもしれないので)
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寒い1月の1週間、東京から抜け出して南の国の自然の中で楽しい時を過ごすことが出来た
雨に降りこめられたのは残念だったが、それなりの成果があったことで納得している






by mustachio | 2017-02-04 14:30 | Comments(0)


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