還暦からのネイチャーフォト

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2017年 06月 17日

ロシア沿海州の自然2(野鳥編)



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昆虫編が終わったのでここから野鳥編
参加したツアーそのものがバードウオッチングツアーなのでここからが本論になる
ただ、バードウオッチングに関しては成果が若干期待を裏切った感じがしないでもない
前号でも触れたように日本やさらに南の国で冬を過ごす渡り鳥はロシアなどユーラシア大陸の北部で繁殖する可能性が高い
つまり繁殖期にロシアに行けばいやというほどたくさんの野鳥が見られるのではないかと単純に考えたのが間違いであった

行ってみて改めて認識したのだがロシアは広い
鳥は確かにいるのだが土地が広いので彼らは人間の近くに寄って来ないのだ
日本でも葉が落ちる冬は鳥が見やすいが、葉が茂る今頃の季節は鳥を見るのが難しくなる
つまり、野鳥の数は多くても見やすい、写真が撮りやすいということにはつながらない

弁解じみた説明で申し訳ないが出来の悪い写真もアップすることになるのであらかじめご容赦いただきたい

スズメ
面白くもないがスタートはスズメ
ウラジオストクのスズメは日本と同じスズメ(Tree Sparrow)だった
スズメには英名でHouse Sparrowと呼ばれる種とTree Sparrowと呼ばれる種があり、ヨーロッパなどの街中で見られるスズメはHouseのほうだ
以前イギリスのバードウォッチャーと北欧を旅行した時、彼らが普通のスズメ(Tree Sparrow)を夢中になって追いかけているのに驚いた記憶がある
住んでいる人間はヨーロッパ系だがスズメのほうはアジア系だ
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ツバメ
こちらは渡り鳥
夏鳥として日本に飛来し日本で繁殖するので珍しくもないが、ツバメは北半球に広く分布するグローバルな鳥なのでロシアでも数が多かった
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コシアカツバメ
コシアカツバメも普通に見られた
都会地のアパートの軒下や道路の橋の下などに集団で営巣している
(個人的には)日本でじっくり見る機会が少なかったので、赤い腰や胸の縦斑をしっかり観察した
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ミヤマガラス
日本ほど数は多くなかったがカラス類はまあ普通にいた
写真はミヤマガラス
日本のカラスはカメラのレンズに敏感に反応するが、ロシアのカラスは拒否反応がなく至近距離で撮影することができた
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カササギ
ヨーロッパへ行くと都会地でもカササギが普通に見られる
最近の事情はよく分からないが、日本でも北部九州では普通だった
ただ東京近辺でカササギを見る機会がないので、電線上の空抜けの個体にもレンズを向けてしまう
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ムクドリ
季節にもよるが我が家の近くでも普通に群れが見られるムクドリ
ロシアではたった一度、遠い距離で1羽を見かけただけであった
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キセキレイ
セキレイ類も少ない
ハクセキレイは見なかったような気がする
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シジュウカラ
冬の間は毎日我が家の庭にやって来るシジュウカラもほとんど見かけなかった
考えてみれば今は繁殖のシーズンで外敵から姿を隠すように行動する時期なのだ
写真のシジュウカラも巣材を咥えていた
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ハシブトガラ
コガラに似ているがこちらはハシブトガラ
日本では北海道まで行かないと見ることができない
虫を咥えているところをみると子育て中なのだろうか
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ゴジュウカラ
この鳥も冬の我が家(群馬の山荘)の常連
アップの写真などいくらでも撮れるので撮影には気合が入らない
海外は鳥が近いので良い写真が撮れるという人もいるが、冬でも日本で見られる鳥の撮影なら北の国まで足を延ばす意味はないようだ(とにかくロシアは広すぎて鳥が遠い)
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ルリガラ
もちろんロシアには日本で見られない鳥もいる
このルリガラなどはロシア西部から沿海州まで広い範囲に生息するが基本的にロシアの鳥である
実はこのルリガラ、以前にモンゴルで出会いがあり撮影しているのだが運が悪く顔が隠れてしまった写真しか撮れていなかった(リンク参照)

今回は橋の上から下のほうにある木のトップにとまったルリガラを写す状況で、少し距離が遠かったが何とか顔の表情まで写し取ることができた
リベンジ達成である
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ジョウビタキ
日本で繁殖の例もあるようだが、日本では基本的に冬鳥
そのジョウビタキのオスに向こうで再会した
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コサメビタキ
こちらは旅鳥として日本を定期的に通過する鳥
つまり日本で会うのは彼らの旅の途中である
繁殖地はユーラシア大陸の亜寒帯域なのでロシアは彼らの故郷である
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オオルリ
オオルリは東アジアの温帯域で繁殖する鳥で日本では典型的な夏鳥である
そのオオルリが日本を飛び越えてロシアまで、と思ったが、考えてみれば北海道と緯度が同じ地域であり、オオルリがいても不思議ではないわけだ
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ミヤマホオジロ
もともと野鳥については知識がなかったのでミヤマホオジロを知ったのは最近なのだが、ここ数年この鳥には毎年出会っている(冬になると群馬県や軽井沢などでも割と簡単に見ることができる)
頭に冠羽があり顔が黄色と黒の色彩構成で派手なイメージの鳥だ
日本では冬鳥なので夏は北へ渡るが、そのミヤマホオジロにロシアで出会った
日本の冬枯れの中で見るよりも緑一色の中で見るミヤマホオジロは生気にあふれているようだった
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シロハラホオジロ
シロハラホオジロという名前の割には腹が白くないのだが、日本には旅鳥として立ち寄るものの数は多くない
ホオジロによく似ているが、喉が黒く頭の中央に白色の頭央線があるのが特徴
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コジュリン
黒頭巾をかぶったような頭の黒い小鳥というとオオジュリンをイメージするが、コジュリンのオスも同様に頭が黒い(オオジュリンは白い頬線があるがコジュリンのほうは頬の部分も黒い)
オオジュリンはユーラシア大陸に広く分布するのに対しコジュリンのほうは中国東北部から日本にかけてと棲息域が限定的でこちらのほうがレアバードのようだ
そのコジュリンが草原で長い間囀っていた
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アオジ(シベリアアオジ)
アオジは留鳥、漂鳥または冬鳥として日本に生息し繁殖する
アオジの中に亜種が異なるシベリアアオジという仲間がいてこちらはもう少し北まで足を延ばしシベリア方面で繁殖する
旅鳥として日本を通過するのだが立ち寄るのは日本海の島であることが多い
実は今年の春、鹿児島の甑島に出かけそのシベリアアオジに出会っているのだが、沿海州でそのシベリアアオジに再会した  普通のアオジより胸から上が黒っぽいのが特徴である
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シベリアセンニュウ
シベリアアオジに続いてシベリアセンニュウ
この鳥は日本の鳥にもカウントされているがごく少ない旅鳥でまさに希少な鳥のようだ
ムシクイやセンニュウの識別が簡単にできるには程遠い素人なのでガイドの説明を受け売りしておく
写真としてはまあまあうまく撮れたようだ
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コヨシキリ
オオヨシキリとコヨシキリは夏鳥
つまり日本で繁殖するわけだがロシアまで渡って来る者もいる
沿海州ではどちらも見ることができたが、日本では数が少ないコヨシキリのほうが圧倒的に個体数が多くシャッターチャンスはいくらでもあった(オオヨシキリのほうは撮りそこなった)
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ハシブトオオヨシキリ
日本では迷鳥レベルのレアバードであるハシブトオオヨシキリがいた
もちろん自力で識別できたわけではなくガイドの説明によるものだ
嘴が少し短く、顔に眉班がなく、足が黒いなどの特徴があるという

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カッコウ
カッコウはユーラシア・アフリカ大陸に広く分布するグローバルバード
いろいろな種類の野鳥に托卵するので適応能力が優れているようだ
日本でも至近距離で撮影できることはめったにないが、ロシアでも遠くの電線の上のものが撮れただけだった
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オオアカゲラ
日本やユーラシア大陸の亜寒帯の森林に生息するキツツキ(留鳥)
森林の鳥を撮影するにはロシアの森は大きすぎる
日本でも結構チャンスがあり、写真を撮るなら日本の森がお勧めだ
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ヤツガシラ
こちらもグローバルバード
ユーラシア・アフリカに広く分布し、渡りもするので海外ではいろいろなところで出会いがある
日本でも旅鳥として特に日本海側の島などは春と秋に出会いのチャンスがある
過去に何枚もアップを撮影しているのだが、出てくると必ずレンズを向ける魅力的な鳥だ
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トビ
日本ではトビは留鳥なのでピンとこないが実は旧大陸(ユーラシア~アフリカ・オーストラリア)を南北に移動する渡り鳥だという
広い範囲を移動するのが鳥の本分のはずなので、日本ばかりにこだわって安住していると日本のトビは退化してしまうのではないか
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アカアシチョウゲンボウ
英名をAmur Falconといい、ロシア南東部、中国北部、朝鮮半島などに生息する東アジアの鳥(冬は南アフリカのほうまで渡るという)
この鳥には以前モンゴルでしっかりお目にかかっており、久しぶりの再会だった
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マダラチュウヒ
マダラチュウヒは比較的数が多かった
実をいうとオスのマダラチュウヒの飛翔も近い距離で撮影したのだが、バスのスモークガラス越しだったので最悪の写真になってしまった
グレーと黒の成鳥オスの飛翔姿は「記憶」に残している
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カンムリカイツブリ
このあたりから先は水辺の鳥が中心になる
ウラジオストクから北へ250キロほど行ったあたりは湖沼が多い地帯である
出かける前のイメージとして湖沼には冬に日本で見られるカモたちがウジャウジャいるのではないかと勝手に想像していた
実際にはカモなどはもっと北のシベリアまで行ってしまうのかほとんど姿が見られず閑散としたものであった
印象的だったのは夏羽のカンムリカイツブリ
今年は日本でも春の千葉の漁港で夏羽に変わりつつあるカンムリカイツブリを観察しているが、広い湖(沼)を悠然と泳ぐ本場のカンムリカイツブリはさすがに「絵」になっていた
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ダイサギ
ダイサギは亜種が分かれていて日本では夏鳥として繁殖するのが亜種チュウダイサギ、もっと北で繁殖して冬に日本にやって来るのが亜種ダイサギなのだそうだ
夏の季節に入ったロシアにいたのは亜種ダイサギの方だと思う
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アオサギ
アオサギも世界中どこにでもいるような気がする(正確な分布域はユーラシア・アフリカの熱帯~温帯)
基本的には南の鳥のようで日本でも北海道などのアオサギは冬には南へ移動するようだ
このくらい大きな鳥は距離が遠くともそこそこの絵を撮ることができる
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ヒドリガモ
ロシア沿海州にカモの群れを期待したのはこちらの勉強不足だったが、それにしてもカモ類の姿はほとんど見ることができなかった
はるか遠くに1羽浮かんでいるヒドリガモを望遠レンズで撮影するのはちょっと寂しかった
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バン
今まであまり気にしなかったがバンは警戒時に尾羽を立て尻の白色部を見せながら移動する
日本では東京の公園などでも普通に見られるが人に慣れてしまっているのか尻の白色部を確認したことがなかった
今回は広いロシアではるか遠くにいるバンがそれを教えてくれた
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ユリカモメ
湖沼地方でユリカモメに出会った
東京でも冬にはたくさん見られるあのカモメである
ただ冬のユリカモメは頭部が白いので迫力がない
日本でも渡りの時期の遅い個体は春に夏羽を見せてくれるが、ロシアのユリカモメは完全な夏羽で毅然とした美しさが感じられた
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クロハラアジサシ
全体的に今一つだったロシア沿海州の野鳥の旅だったが、湖沼地方で見たアジサシは素晴らしかった
アジサシ類は飛翔力が強く南北の移動距離も長いので日本にはまれな旅鳥として立ち寄ってくれる程度である
中国東北部から極東ロシアは繁殖地のようできれいな夏羽と嘴や脚のオレンジ色が印象的だった
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ハジロクロハラアジサシ
ハンカ湖に近い湖沼群はハジロクロハラアジサシの集団営巣地のようで周辺にはこのアジサシがまさに群舞していた
この鳥の繁殖地はユーラシア大陸の中央部といわれるが東端に近い沿海州でも繁殖している
このアジサシは以前モンゴルでお目にかかっており初対面ではなったが、今回はとにかく個体数が多く、飛翔する姿をいろいろな角度で撮影することができた
(飛翔スピードが速いので結構撮影は難しいのだが、楽しい)
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by mustachio | 2017-06-17 17:00 | Comments(2)
Commented by マツ at 2017-06-20 20:54 x
いきなりのコメント失礼します。こちらのブログ、大変興味深く拝見しております。
鳥類への造詣の深さから、質問させていただきたいことがあるのですが、もしお時間など有ればお答え頂けたら幸いです。いきなりで申し訳ありません。
イプセンという劇作家の書いた野鴨、という作品に、野生の鴨を捕まえて家で育てている家族が出てきます。その野鴨がとても象徴的なのですが、種類が判別できません。こちらのブログを拝見し、ケワタガモあたりなのかと見当をつけたのですが、よろしければご意見をお聞かせ願えますでしょうか?
戯曲にかいてある特徴としては、
・ノルウェー
・沼に潜り、水草を噛んでしがみついていた
・トルコがもではない
という程度のことしかありません。なにか推測できることがございましたらよろしくお願いします。
また、この話ではその野生の鴨をとても珍しいものとして見せびらかすのですが、それがどうしてなのかいまいち分かりません。そのことについてもなにかお考えがあればお聞かせ頂けると有り難いです。
唐突に、長々と書いてしまい大変心苦しいですが、もし気がむいたら返答頂けると恐縮です。どうぞ、よろしくお願い致します。
Commented by mustachio at 2017-06-21 16:00
直接メールもいただきましたのでそちらへも返信して置きました
潜水採餌鴨で淡水鴨でノルウエー棲息となるとキンクロハジロ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサが該当するかと思います


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