還暦からのネイチャーフォト

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2017年 07月 19日

探しています「クロヒカゲモドキ」

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タイトルを「探していますクロヒカゲモドキ」としたので、まずクロヒカゲモドキの説明をしなければならない

クロヒカゲモドキは蝶の名前、ジャノメチョウの仲間で何の変哲もない地味な蝶である
生息域も比較的広く本州・四国・九州に広く分布する
確かにここ10年で数が激減し絶滅危惧種にカウントされているのだが、山梨や長野にはまだまだ生息しているはずなのだ
実はどういうわけかそのクロヒカゲモドキに縁がなく、ここ15年探しているのにまだ一度も出会いがない

過去のブログでも探索経緯に触れているのでご参考までにリンクを貼っておく



そして今年
7月7日と14日、山梨県の韮崎市へ遠征しポイント(過去にどなたかが目撃したり採集したりした情報があるフィールド)と思われるところを探し回った
そして結果は、また空振り三振である
(この蝶が撮れれば国内撮影済の日本の蝶がちょうど250種になり、ホームページもリニューアルを考えていたのだが来年まで繰り延べとなりそうだ)

もちろんあきらめたわけではなく来年以降も探索を続けるが、同じポイントを2回も探して当たりがないので今年は同一場所に3回目の探索に出かける意欲が失せてしまった

今まで蝶の探索はできるだけ人に頼らず「単独行」を基本にしてきたが、さすがに限界を感じるので、ブログ閲覧者の方でクロヒカゲモドキの確実な生息場所をご教示いただける方がいらっしゃったら一言「コメント」をいただきたい(詳細連絡はもちろん公開ではなくメール等を使用します)

両日のネイチャーフォト撮影記録は下記ブログにまとめる
特に14日は山梨市の高原を経由しヒョウモンやセセリなどの撮影を楽しんだので写真をご笑覧ありたい

ウツボグサ
まずはクロヒカゲモドキを探し回った韮崎市の植物から
ウツボグサはススキの多い明るい林道に咲いていた
クロヒカゲモドキという蝶はどちらかというと暗いところを好む雑木林の蝶なのだが、食草はススキなどで、ススキを棒でたたくと飛び出してくるとの情報(知人の実績)もありここ2,3年はたたき出しもやっている
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イタチササゲ
昔からの馴染みでなく2、3年前に初めて名前を知った
名前のようにイタチのように明るい茶色のササゲ(マメ科植物)である
花の色は最初クリーム色で少しずつ茶色に変わっていくようだ
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クララ
クララというと西洋系の女性の名前のようだが、根を噛むとクラクラするほど苦いのでついた名前だという
同じマメ科のイタチササゲによく似ているがこちらは終始クリーム色のままである
蝶屋さんの間では絶滅危惧種の蝶オオルリシジミの食草として有名で、この蝶を保護している地域ではこのクララを大切に育てている
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ヤブカンゾウ
東京近郊でも普通に見られるヤブカンゾウ
毎年この季節、蝶を探して歩くとあちこちに咲いている
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ヤマホタルブクロ
ホタルブクロの仲間にはホタルブクロとヤマホタルブクロの2種がある
見わけるポイントは萼片で萼片と萼片の間に付属物があって反り返るのがホタルブクロ
写真は付属物がないのでヤマホタルブクロのほうだ
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オカトラノオ
オカトラノオも普通に見られる植物
ただこの花を撮影するには上部(基部)の花が咲き始め下部(先端部)が蕾のころが最も美しいと自分では思っている
毎年クロヒカゲモドキを探すころにタイミングがあっているようだ
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タケニグサ
竹に似ているから竹似草、あるいは竹と一緒に似ると竹が柔らかくなるので竹煮草というらしい
山梨県の韮崎市は10年以上前から毎年通っているが昔はどこにでもあったタケニグサがほとんど見られなくなってしまった
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シデシャジン
ある林道の入り口に目立たない花を見つけた
花弁の色は紫で美しいのだがとにかく糸のように細いので目に入らない
帰ってから図鑑をチェックしてみるとシデシャジン(四手沙参)のようだ
(四手というのはしめ縄などに垂らす連続した四角い紙)
クロヒカゲモドキが飛ぶのを待ってあたりが暗くなっていたので良い写真は撮れなかった
(来年はきっちりマクロで撮るつもりだ)
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クマシデ
四手繋がりでこちらは熊四手
この植物も後で図鑑で名前を知った
こちらは写真のように実が垂れ下がる様子から四手を連想したのだと思う
よく見るとビールの原料であるホップによく似ているが、ホップのほうは実ではなく花のようだ
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オオムラサキ
前にも触れたが、クロヒカゲモドキはナラやクヌギなどの林を生活圏とし樹液にも集まる
発生時期はオオムラサキのほうが若干早いのだが、活動時期が重なるのでクロヒカゲモドキを探していればオオムラサキに出会うチャンスは多い
オオムラサキの発生数は年によってばらつきがあり、今年は個体数が少ないようだった
それよりも気になるのがクヌギなどの樹液、例年は樹液が出ているところにカナブンやスズメバチなどが多く集まっていた
それが、今年は(クヌギやナラを1本1本チェックしたが)樹液の発生が全く見られず(目当てのクロヒカゲモドキは勿論)カブトムシやカナブンなど1頭も見つからなかった
写真は今年のオオムラサキだが木に集まっているのではなく道路の獣糞で吸汁している
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ホソバセセリ
ここ数年、7月に山梨県へクロヒカゲモドキを探しに行くと必ずこのホソバセセリにあう
それほど珍しい種類ではなく本州にも四国・九州にも分布するのだが、なぜか長野県北部や関東北部が分布域から外れている
まったく個人的な話だが、山梨県以外でこの蝶を見た記憶がない
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ツバメシジミ
昔はどこにでもいたような気がするツバメシジミだが久しぶりに対面した
後翅裏面のオレンジ斑がとてもかわいい
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ヤマトシジミ
林道の脇にルリシジミと思われるシジミチョウがいたのでシャッターを切ったが、帰宅してからよく見るとヤマトシジミだった
東京のわが庭にも定着しているのに自宅で撮影した記憶がない
そのヤマトシジミが環境が変わっただけで別の蝶のように見えたのは不思議である
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スジボソヤマキチョウ
車を止めたジュースの自販機の近くでスジボソヤマキチョウが吸水していた
春に見るこの蝶は越冬個体で羽がボロボロのことが多いが、7月になれば世代が変わっている
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ナナフシ
蝶を探していると他の昆虫に出会うことも多い
こちらはナナフシ
ナナフシといっても色々な種類があるようでエダナナフシではないかと思うのだが確証はない
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オオシオカラトンボ
こちらはシオカラトンボ
子供のころから慣れ親しんだ普通のシオカラトンボ(ムギワラトンボのオス)ではなくオオシオカラトンボだと思う
翅の基部までライトブルーに染まっていて貫禄を感じる
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オオヒラタシデムシ
路上に交尾中の黒い甲虫を見つけた
シデムシの仲間と見当だけはついたがフィールドでは名前がわからず、帰宅後の図鑑チェックでオオヒラタシデムシと判定した
シデムシ類は動物の死体を餌にする甲虫で見た目は精悍なイメージだが、触ると臭い液を出すので要注意である
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7月14日の第2回探索は韮崎へ直行せず高速を途中下車して寄り道をした
山梨市にある標高1700mの高原である
ここでは昔のスキー場の跡が人為的に管理され自然が保護されている(鹿の食害から守るためフェンスが設置されている)
観光のためには名前を出したほうが良いかとも思うのだが、希少動植物については撮影地を公開しないのがマナーとなっているので高原の名前は伏せておく


キンバイソウ
高原ではキンバイソウが花盛りだった
近似種のシナノキンバイのほうが高山植物としてポピュラーだが、こちらのキンバイソウも負けず劣らずゴージャスである
ちなみに写真で花弁のように見えるのは萼片で、内側に細く立ち上がっているのが花弁である(キンポウゲ科の花はこのパターンが多い)
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アヤメ
この高原にはアヤメも多かったが、残念ながらピークを過ぎていて写真のモデルを探すのは一苦労だった
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ノアザミ
高原に咲くアザミはノアザミかノハラアザミなのだが両者はよく似ていて識別が難しい
基本的には春に咲くのがノアザミで夏から秋にかけて咲くのがノハラアザミと思えばいいのだが、夏は混在するのでややこしくなる
もう一つ「ノハラアザミは苞が粘らない」という特徴があり、触ってみると苞が粘る感じがしたのでこちらはノアザミと判定した
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ニガナ
広く山野に生えるニガナ
個人の感覚としては平地よりも高地に多いような感じがする
標高1700mというのは亜高山帯でぴったりの環境なのかもしれない
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シモツケ
濃いピンクの花の塊は木本のシモツケだった
草本のシモツケソウもバラ科で同じような花を咲かせるがこちらは別種である
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チダケサシ
高原の花も春から夏への切り替えが進んでいる
チダケサシはまだ若く数が少なったが、夏が来ていることを感じさせた
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ヒヨドリバナ
こちらはもう秋の花だ
ヒヨドリバナとヨツバヒヨドリもよく似ていて葉が輪生するのがヨツバヒヨドリ、対生すればヒヨドリバナと区別する
すべて葉の生え方がきちんとしていれば問題ないのだが、中には輪生か対生かはっきりしないものがあり苦労させられることが多い
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キバナノヤマオダマキ
分類的には単純にヤマオダマキだけで良いと思うのだが、萼片が赤紫のものと黄色のものがあるので黄色いほうをキバナノヤマオダマキという
自分の経験ではキバナのほうが数が多いようだ
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ハルゼミ/バッタ
高原には昆虫も多い(が、名前のわからないものも多い)
最初のセミはハルゼミの仲間のメスなのだが、ハルゼミ、ヒメハルゼミ、エゾハルゼミなどを図鑑やインターネットで調べてみてもどうもしっくりこない
バッタ(イナゴ)のほうも手持ちのよい図鑑がないのでお手上げだ
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アサギマダラ
数は多くなかったがアサギマダラがいた
この蝶も(夏の間は)標高が高いところが住みやすいようである
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モンシロチョウ/スジグロシロチョウ/モンキチョウ
高原には蝶の数が多く主としてノアザミの花で吸蜜していた
まずは普通種3種を整理しておく
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ウラギンヒョウモン
高原蝶のイメージが強いのはヒョウモン類だ
この高原ではウラギンヒョウモンが最大勢力だった
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ギンボシヒョウモン
ウラギンヒョウモンによく似たギンボシヒョウモンも多い
翅表のデザインもよく似ていてフィールドでの判別は難しいが、後翅裏面を見て上縁の白斑をチェックすればすぐわかる
ウラギンのほうは白斑が多く5個、ギンボシのほうは4個で白斑の存在が疎らだ
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ホシミスジ
ミスジ系の蝶は平凡なコミスジではなくホシミスジだった
この蝶もなぜか山梨県で出会いことが多いような気がする
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コチャバネセセリ
セセリチョウも数が多い
これからは見る機会が増えるがコチャバネセセリは今年の初見である
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ヒメキマダラセセリ
何といっても個体数が多かったのがこのヒメキマダラセセリ
吸蜜植物が多いこの高原は彼らのパラダイスなのだろう
オレンジの強いほう(写真1枚目)がオス、黒っぽいほう(写真2枚目)がメスだ
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ウラジャノメ
この蝶は本州中部の高地(1500~2000m)と北海道に住むどちらかといえば高山性の蝶だ
ここで出会うとは予想していなかったのでサプライズではあった
ただこの後のクロヒカゲモドキにはまた振られてしまったのでハッピーエンドにはならなかった
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# by mustachio | 2017-07-19 19:00 | Comments(0)