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2012年 02月 29日

カナダの冬鳥(2)

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カナダヅル (Sandhill Crane)
水鳥編はまず大型の水鳥から (といっても鶴は水鳥に分類していいかどうかは疑問が残るが)

アメリカには鶴の種類が少ないようで、このカナダヅルが実質的にアメリカを代表する鶴だ
(他にアメリカシロヅルというのがいるが生息地がピンポイント限定の希少種のようだ)
カナダヅルは北アメリカ大陸の中で渡りをするため、冬場はカナダを留守にするのが基本のはずだが、バンクーバーのライフェル野生動物保護区では餌付もしているため、元気な姿を見ることができた
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ナキハクチョウ (Tranpetter Swan)
ナキハクチョウは長距離の渡りをしないのでアメリカ(北西部)の固有種
日本には2度ほど飛来実績があるようで「日本の野鳥590」という図鑑には載っている
日本のオオハクチョウやコハクチョウはクチバシに黄色い部分が目立つが、こちらのナキハクチョウはクチバシが真っ黒で識別ポイントになっている
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コブハクチョウ (Mute Swan)
こちらはアメリカの白鳥というより、ユーラシアの白鳥
アジアでは中国東部・朝鮮半島までが棲息域だったものが、自然のものでない飼い鳥の籠脱けが日本でも繁殖し日本でも見られるようになった
北アメリカにも2次的に移入されたようで東部アメリカには完全に定着してしまっている
特徴はオレンジのクチバシとクチバシ基部の黒い瘤   英名の mute は tranpetter との対比が面白いが、おそらく物静かな白鳥なのだと推定する
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アメリカコハクチョウ (Tundra Swan)
北アメリカやユーラシアの北部(ツンドラ地帯)で繁殖するので英名はツンドラスワン
日本にも数が多いコハクチョウとは亜種レベルで相違があるが同じ種類だ
アメリカコハクチョウは日本に定期的に飛来するものがあり、群馬県館林の城沼などで見ることができる
識別のポイントはクチバシの黄色い部分の大きさで、コハクチョウよりはるかに面積が小さいが、明らかに黄色が確認できる
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カナダガン (Canada Goose)
カナダガンも北アメリカの象徴のような鳥だ 夏のスタンレー公園でも多くのカナダガンが遊んでいたが、冬も相変わらず元気な姿が見られた
バンクーバーは海流の関係もあって比較的暖かいので、彼らの繁殖地にも避寒地にもなっているらしい
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オオアオサギ(Great Blue Heron)
日本で見られるアオサギと姿形も動作も全く同じ   大きさが少し大きいのでオオアオサギの名前が付けられているが写真では大きさがわからない
あちこちで姿を見かけたが、どの個体も直立したまま動かない普通の「アオサギ」だった
不思議に思うのは英名  オオアオサギはBlue Heronなのに、ユーラシア(日本も含む)のアオサギはGrey Heronという  見た目は同じ色の鳥なのに
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ゴイサギ (Black-crowned Night-Heron)
こちらは新大陸旧大陸の区別なくアフリカにも南米にも棲息するグローバルバード
つまりカナダのゴイサギも自宅近くの石神井公園にいるゴイサギも全く同じ種類ということだ
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ミミヒメウ (Double-crested Cormorant)
日本で見られるヒメウはアリューシャン海域を介してアラスカ・カナダとつながり、日米共通種のようだ
こちらのミミヒメウはアメリカ固有だが向こうでは平凡な普通種らしい
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ハシグロアビ (Common Loon)
英語の別名は Great Nothern Diver
基本的には北アメリカの鳥だが冬の渡りではアリューシャン列島やヨーロッパのイギリス、ノルウェーまで遠征する (日本にも迷鳥として飛来実績がある)
写真はもちろん冬羽だが、夏羽になると頭部が真っ黒になり精悍な感じに変わる
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ミミカイツブリ (Horned Grebe)
ミミカイツブリと次のハジロカイツブリは冬鳥として日本でも見られる
どちらもユーラシアから北アメリカにかけて分布域の広い鳥だ
夏羽になると目から後頭部にかけて金栗色の飾り羽(golden horns)が出るのでわかりやすいが、冬羽では次のハジロカイツブリとの見分けが難しい
ミミカイツブリのほうが黒い頭と白い顔の境界がはっきりしているというが、写真でわかるだろうか
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ハジロカイツブリ (Eared Grebe)
日本名がハジロカイツブリなのに英名が eared というのがややこしい
ear に該当するのは夏羽の耳の部分の飾り羽だが、ミミカイツブリの飾り羽のように帯状ではなく、金髪のように見える
夏羽ではハジロカイツブリは首の部分が真っ黒で Black-necked Grebe の別名もある(ミミカイツブリの夏羽の首は褐色だ)
冬羽は写真のようにミミカイツブリそっくり   頭と顔の境界線がぼやけている点や横顔で見ると額が垂直で絶壁状になっている点などで見分けるしかないようだ
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カワアイサ (Common Merganser)
カワアイサも北半球限定だがグローバルバードでアジア・ヨーロッパにもアメリカにもいる
日本でも結構多いのだが、たいてい遠いところにいるので良い写真が撮れない
カナダではもちろん望遠レンズが必要だがかなり鳥が近く、良い写真を撮ることができた
首が白く頭が青緑でクチバシがオレンジ色(上の写真)はオス、顔が赤茶色でクチバシが赤いの(下の写真)がメスだ
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オウギアイサ(Hooded Merganser)
オウギアイサは北アメリカの固有種
日本では過去に記録があるが完全な迷鳥  もし間違って日本に今頃飛来することがあれば大騒ぎになること必至の美しい魅力的な鳥である
メスは他でも見かけたがオスにはなかなか巡り合えずライフェル保護区でやっとカップルの撮影に成功した

(ブログの区切りで水鳥をカモ・カモメとその他に分離したが正確にいううとアイサはカモの仲間である  分類にうるさい方からお叱りを受ける可能性もあるのでここでお断りしておく)
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アメリカオオバン (American Coot)
額板やクチバシが淡黄色で全身が黒いオオバンは東南アジアなど海外で普通に見られるので、軽く見てしまい、アメリカオオバンのしっかりした写真を撮りそこなってしまった
アメリカオオバンは新大陸(アメリカ大陸)、日本にもいるオオバンは旧大陸(ユーラシアアフリカ大陸)の鳥で完全に種類が異なることを事後に確認した
アメリカオオバンの額板(クチバシの上の額部分)には赤茶色のルビーのようなボタン状の付属物があるのだが、一応写真には写っているので確認いただきたい
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オオキアシシギ (Greater Yellowlegs)
確か日本でも見られるはずの鳥なので現地では意識しなかったが、オオキアシシギもコキアシシギもアメリカの鳥だった
どちらもカナダなど北米で繁殖し冬は南米(メキシコ以南)へ渡る
夏鳥のオオキアシシギが冬に見られるのは不思議なことだが、バンクーバーはそれだけ気温が高く餌が豊富ということなのだろう
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クロキョウジョシギ (Black Turnstone)
シギの仲間は小さな身体で強い飛翔力を持つタフな渡り鳥
かなりの種類が北半球で繁殖し冬は南半球へ渡る 日本でもよく見られるキョウジョシギは夏はユーラシアやアメリカの北部、冬(北半球の)はアフリカ、オーストラリア、南アメリカで過ごす
(シギの仲間はお互いによく似ているので名前が覚えにくく苦労するが、黒・白・茶色の三毛猫色を持つ「狂女鴫」だけは例外で私が一発で識別できる数少ないシギである)
さてクロキョウジョシギのほうだが、こちらは夏はアラスカ西海岸で、夏はカナダ・アメリカの西海岸で過ごすローカルバードだ
世界的には珍しい鳥なのでかっちりした写真が撮りたかったが、被写体が遠く、証拠写真程度しか撮れなかった(橋げたに7羽ほどのシギが写っている)
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クロミヤコドリ (Black Oyster)
ミヤコドリは旧大陸のユーラシアオイスターキャッチャー(日本で見るミヤコドリ)と新大陸のアメリカンオイスターキャッチャーの棲み分けがしっかりと行われている
加えてアメリカにはクロミヤコドリがいて、こちらはアラスカ・カナダ・アメリカの西海岸にしかいない地域限定版だ
ミヤコドリもクチバシが赤いが、クロミヤコドリはさらに赤みが増して、真っ黒な全身との対比で妖艶なイメージが強い
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by mustachio | 2012-02-29 11:24 | Comments(0)
2012年 02月 24日

カナダの冬鳥(1)

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2月上旬にカナダへ行ってきました
旅行会社を使わない個人的な旅行です
旅行といってもあちらこちらを旅したわけではなく、バンクーバー近辺に限定した滞在型の旅行でした

メンバーは私たち夫婦と鳥仲間3人で合計5人
現地滞在は4日間で、現地の日本人ガイドさんに車で案内してもらい、鳥の写真をたくさん撮ってきました
(気候的には東京と同じくらいの寒さで、鳥以外の生物はリスぐらい、蝶などの昆虫は全く見られませんでした)
今回は鳥の名前を確認・整理したので、種名ごとに写真をアップしてカナダの冬鳥をご紹介したいと思います


シロフクロウ (Snowy Owl)
今回の旅行の主目的はこの鳥である
シロフクロウはまさに真っ白なフクロウ(オスは成熟すると純白になるが普通は班が残る)で世界的にも数が少ない絶滅危惧種のようだ(それでも日本には飛来した実績があり、日本の鳥の図鑑にはちゃんと載っている)
繁殖地は北極に近い地域で冬になると暖かい地方に移動してくるが、カナダ東部でもここ7年ぐらいほとんど確認できなかったらしい
ところが今年はバンクーバー近郊で数十羽のシロフクロウが確認され、世界中のバードウォッチャーが冬のバンクーバーを訪れてお祭り騒ぎになっているようだ
(私の周辺にもフクロウフリークがいて、今回のカナダ訪問につながった次第だ)
現地のシロフクロウはある河原に数羽が集まっていて、そこに100台を超える車(観察者)が集まっている(この鳥がハリーポッターの映画に登場したこともあって家族連れの見学者も多い)
鳥自体は昼間でもじっとしているので望遠レンズさえあれば簡単に写真は撮れるが、昼間のフクロウは目をつぶっているのであまり面白くない
アップした写真はかなり暗くなって目を開いているところだが、逆にノイズが少し出てしまったようだ
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アメリカフクロウ (Barred Owl)
こちらのフクロウは名前の通りアメリカのフクロウで日本にはいない
英名のBarには酒場の意味や法廷の意味があるが、基本的には横縞があるということのようだ
このフクロウの横縞は胸の部分だけでその下は縦縞(streak)になる
昼間は木の中にじっとしているので見つけにくいが、ライフェルの保護地では雑木林の中の裸木の枝で悠々と居眠りをしていた
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アメリカワシミミズク (Great Horned Owl)
こちらもアメリカを代表する大型のフクロウ
Horned(角がある)だからミミズクだ
ミミズクはどちらかというと小型のものが多いがワシミミズクはさすがに大きい
胸にあるT字型の白線が印象的だった
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アメリカキンメフクロウ (Nothern Saw-whet Owl)
Saw-whet とは鋸の目立てのことで鳴き声が鋸の目立て音に似ていることから名前がついたようだ
引きこもりのように枝の陰にじっと隠れているので簡単には見つからない
たまたま見つけた人が情報をくれたので探し歩いた結果見つけることができたが、ずっと引きこもり状態でまともな写真が撮れなかった
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アカオノスリ (Red-tailed Hawk)
分布域はアラスカ南東部、カナダ南部、アメリカ、メキシコにまたがる
尾は赤いというよりオレンジで写真からも確認できる
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ハイイロチュウヒ (Northern Harrier)
おなじみというほどではないが日本でもハイイロチュウヒは見られる
俗称ハイチュウ、なんとなくチュウハイに繋がるので親近感のある名前である
厳密にいうと日本に来るハイチュウとアメリカのハイチュウは亜種レベルで差があるようだが区別は難しい
むしろこの鳥はオスメスで大きな差があり、オスはまさに灰色だがメスは褐色で、焼酎とバーボンくらいの差がある
写真はバーボンハイのほうだが、シロフクロウの休んでいる河原で餌を求めて盛んに飛び回っていた
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シロハヤブサ (Gyrfalcon)
シロフクロウほどレアではないものの、同様に北極圏で繁殖する希少種(日本では北海道に飛来することがあり図鑑にも載っているがかなりの珍鳥だ)
今回の旅行では遭遇は難しいと思われていたが、現地での(日本人のバードウォッチャー同士の)情報交換で撮影することができた
シロハヤブサには淡色型、中間型、暗色型の変異(morph)があり、写真は中間型のようだが、大きな黒い瞳と周辺の黄色(白目の部分)が印象的だ
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ハクトウワシ (Bald Eagle)
猛禽類の最後はアメリカを象徴する白頭鷲
夏のカナダ旅行の際も大陸横断鉄道の車窓から見かけたが、今回の旅行ではあちこちで見ることができた
日本にもオオワシやオジロワシなど大型の鷲が見られるが、迫力ではハクトウワシのほうが上のように思われる
気なるのは英名のBald で日本人の感覚には合わない(ハゲではなくWhite Headedで良いと思う ちなみにアフリカなどに多いハゲワシや南米のコンドルは英語でVultureだ)
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(猛禽類はここまでです 以下第2部、3部として水鳥編、小鳥編が続きます)

by mustachio | 2012-02-24 20:43 | Comments(0)