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2012年 07月 28日

7月の嬬恋村

北極圏の春シリーズ(フィンランド・ノルウェー旅行記)を連載中でしたが、撮影した鳥の写真の数が多すぎて整理がついていないことと日本の蝶がハイシーズンに入ったことなどから、しばらく休載とし、国内のネイチャーフォトを続けることとします

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7月22日の日曜日、群馬県北部は雨/曇の天候だったが、山荘で暇ができたので嬬恋村周辺を一回りした
天候のせいで昆虫の活動は不活発で期待した山地性ゼフィルスは姿を現さなかった

多かったのがコチャバネセセリ
どこへ行ってもごちゃごちゃと花に群がっていてまさにゴチャバネセセリだった
今回はコチャバネセセリをコアテーマとして、この季節の花を紹介したいと思う

コチャバネセセリ/イケマ
イケマはつる性の植物で7月に花を咲かせる
地味で清楚な白い花だが蝶を集める不思議な力があり、セセリ類が群がっていることが多い
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コチャバネセセリ/シシウド
シシウドにも蜂や蝿、蛾、甲虫が集まる
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コチャバネセセリ/トリアシショウマ
トリアシショウマもよく目立つ花だが、蝶がとまるのはあまり見たことがない
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コチャバネセセリ/オカトラノオ
オカトラノオはサクラソウ科の清楚な花  6~7月に花をつけ、群落を形成することも多い
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コチャバネセセリ/クガイソウ
コチャバネセセリの訪花対象を過去の写真でチェックしてみたが、白い花とピンク・紫系の花に集まることが多いようだ
今回の写真にはないがヒメジオンとシロツメクサは彼らのお好みだと思う
植物自体が珍しいせいかクガイソウで吸密というシーンはあまり記憶がない
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コチャバネセセリ/ウツボグサ
ウツボグサはポピュラーな花だが蝶はセセリの仲間くらいしか寄りつかないように思う
コチャバネセセリよりヒメキマダラセセリのほうがウツボグサには多いような印象がある
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コチャバネセセリ/クサフジ
クサフジも紫系の花だ
考えてみるとコチャバネセセリが出るシーズンは黄色い花が少ないのかもしれない
クサフジのほうはセセリ類以外にシロチョウ科の蝶も集める力がある
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ヒメキマダラセセリ
コチャバネセセリは暗いこげ茶色できれいな蝶ではないが、ヒメキマダラセセリやコキマダラセセリは明るいオレンジ系の茶色で遠くからもよく目立つ
単なる印象の問題だがウツボグサの紫には明るいセセリチョウが似合うようだ
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オオチャバネセセリ
やや大型でセセリの中では風格がある
数が減って最近あまり見かけなくなった
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イチモンジセセリ
イチモンジセセリはどこにでもいる普通種で後翅に白紋が一直線に並ぶのが特徴である(オオチャバネセセリなどはこれが一直線にならず乱れる)
写真の蝶は後翅裏面の中央に白斑らしきものが見え、ミヤマチャバネセセリではないかと思われる節もあるが、白線に乱れがないことから一応イチモンジセセリと認定した
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オオミスジ
梅だか杏だか不明確だが、食樹に絡むオオミスジを見つけた
ミスジ蝶の仲間では大型で迫力があり、前翅先端の白斑を確認すると少し興奮する
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ヒメシジミ
ヒメシジミは発生のピークが過ぎたようで少し痛んでいる
といっても、傷んだ後、結構長生きするのがこの蝶の特性のように思う
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ヒョウモンチョウ
天候が悪いので全く活動せず、翅に細かい水滴が溜まっていた
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キツリフネ
コチャバネセセリが来ないので紹介が遅れた野草をいくつか
ツリフネソウは花が黄色いキツリフネがあった
どちらも花期が長く初夏から秋まで見ることができる この花は特異な構造で蛾の仲間なら吸密可能と思うが、蝶が来たのを見たことがない
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ホタルブクロ
蜂の仲間などは吸密に来るが、この花も蝶は寄ってくれないようだ
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ミヤコグサ
黄色い花をもう一つ  シルビアシジミの食草であるミヤコグサだ
この花も花期が長く初夏からシルビアシジミのシーズンの秋まで元気に花を咲かせる
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イチヤクソウ
地味な花だがイチヤクソウを見つけた
ベニバナイチヤクソウは群生することもあるが、白いイチヤクソウは林床にひっそりと咲く
よく見ると柱頭が突出していて個性のある花だ
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by mustachio | 2012-07-28 17:19 | Comments(0)
2012年 07月 17日

北極圏の春(3)

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北極圏シリーズのvol.3は哺乳動物編としたい
といっても、それほど多くの動物を見たわけではなく、人を怖がらずにポーズをとってくれるようなモデルに出会ったわけでもない
北の国は南の国に比べて動物の数が少ないようで、ご紹介するのはなんとかカメラの片隅に捕えられたといったレベルの写真しかない

トナカイ
旅行中、最も多く見かけた動物は羊だろうか
その次に多く出会ったのは馬や牛ではなくトナカイである
基本的には野生の動物であるが、一部家畜化したものがあり、人間の所有物になったトナカイは首輪をつけている
ただ檻に入れるわけではなく、自然のまま放置されているので、野生のトナカイと同じように道路の脇を歩いていたりする
トナカイを家畜化してどうするかというと、橇を曳かせるといった使役に使うことは少ないようで、端的にいえば食用目的のようである
旅行中何回もトナカイの肉を食べさせられた
牛肉より脂が少なく、鹿の肉に似た感じだが、けしてまずくはない(少なくともマトンよりは癖がない)
知らなければ普通の人なら何の抵抗もなく食べられると思う

ちなみにトナカイは英語で Rain Deer というのだが、それでは「トナカイ」はもともと何語だろうか
現地で聞いてみたが少なくともフィンランド語やノルウェー語でないことはわかった
帰国してから調べた結果、「トナカイ」はアイヌ語だそうである
昔の北海道にはトナカイが住んでいたということだろうか
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ヘラジカ
ヨーロッパではエルク、アメリカではムースという
敏感で臆病な動物のようで、めったに姿を見せない
大きな角のあるオスのヘラジカを見たかったのだが、残念ながらメスの個体を遠くで見るのが精いっぱいだった
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オコジョ
この動物も人前には出てこない
たまたま至近距離で写真が撮れたのはまさに出会いがしらで、向こうも逃げるタイミングを失ってしまったようだ
撮影後すぐ穴の中に逃げ込んでしまった
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ノウサギ
Rabit といったら英国人に怪訝な顔をされた
彼らはRabit とHare をきちんと使い分ける
この Hare も車の中からは割とよく見かけたが、少しでも近づくと一目散に逃げ出してしまう
結局、後ろ姿しか写真に撮れなかった
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マスクラット
ビーバーに似た動物で湖などに棲んでいる
この動物は初めて見たと思うし、名前も知らなかったが、実は日本にも住みついているらしい
もちろんオリジナルではなく、毛皮目的の養殖動物が逃げ出して定着したもののようだ
後の2枚はカップルの求愛活動で飽きもせず追いかけっこを続けていた
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リス
哺乳動物の中で最も人見知りしなかったのがリス
英語で正確な名前を教えてもらったのだが忘れてしまった
写真は小鳥用のフィーダーに来て小鳥のえさを失敬しているところ
行動様式は日本のリスと全く同じだ
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by mustachio | 2012-07-17 22:31 | Comments(0)
2012年 07月 16日

北極圏の春(2)

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今回の旅行目的はバードウォッチングということは出発前からはっきりしていた
季節は5月~6月のベストシーズンなのだが、行き先が何分、北極圏
つまり蝶はもちろん花も期待できないだろうとマクロレンズは携行品から外した
結果はというと、蝶を見たのは南部のフィールドで2種 花のほうは結構高山植物のような花を観察したが、さすがに蝶は飛んでこなかった

GREEN HAIRSTREAK
フィンランドで出会った蝶は実質的にこの蝶1種だけ(キベリタテハは昨年の越冬蝶)
フクロウを撮影している現場に何回も飛んできて強い印象が残っている
写真で見るようにシジミチョウで日本の蝶でいえば大きさといい、形といいいコツバメがぴったり
コツバメの翅裏を光沢のある緑に置き換えたような蝶で、コツバメと同じように太陽光に垂直になるよう翅を横倒しにする習性もある
鳥のガイドに聞いてみたがもちろん名前はわからない
ただ後で都会に戻った時に本屋でフィンランド語の昆虫図鑑を見つけ、名前がCallophrys Rubiであることが判明した
さらに帰国後インターネットで調べるとイギリスにも棲息するGreen Hairstreakという蝶であることも確認できた
Hairstreakというのはゼフィルス類の英名なのでまさに「ミドリシジミ」なのだが、個人的には「ミドリコツバメ」がぴったりのように思う
インターネットによるとオスは翅表もグリーンのようだが開翅は確認できなかった ただ飛翔時はきらきらと緑の点滅が見られ、生涯忘れることのできない蝶になった
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キベリタテハ
見かけた蝶のもう一つはキベリタテハ
見たところ日本のキベリタテハそのもので、時期的に越冬蝶の生き残りと思う
同行の英国人に「この蝶は日本にもいて縁が黄色いタテハという名前である」と説明しかけたが、タテハという英語が思い出せない
帰国してからいろいろ調べて見たが英語にはタテハという概念がないようで、今でもサスペンデッドになっている
ちなみにキベリタテハの英訳は White-bordered でいいようだ
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リュウキンカ
さすがは森と湖の国だ 到る所でリュウキンカを見かけた
フィンランドの国花に指定してもいいように思う
図鑑を正確にチェックしていないのだが、リュウキンカというより、エゾノリュウキンカに近いかもしれない
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タンポポ
写真のようにちょっと変わったタンポポがあった
他にタンポポらしい普通のタンポポも見かけたが、総苞の反りかえったセイヨウタンポポだった
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フキ
町の公園などでフキを見かけたが花が赤紫だった 日本のフキとは明らかに違う
味のほうはわからない
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ツルカノコソウ
日本ではほとんど見かけないが、この花はツルカノコソウだと思う
ヨーロッパの野草図鑑がないので正確なことはわからない
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ミヤマカタバミ
森の中でミヤマカタバミを見つけた
日本と同じ花を外国で見つけるとホッとした気持ちになる
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スミレ
季節的にはスミレが多いのではないかと予測していたが、見たのはこのスミレだけ
日本には該当種が見つからないような花だった
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ツクシ
植物学的にはツクシでなくてスギナが正しいのかもしれない
とにかくあちこちでツクシを見かけた
興味を持ったのは袴の部分に緑の葉があるツクシがかなりあったこと  写真のように日本と同じツクシもあるのだが、緑の部分を持つツクシはインパクトがある
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蘭の1種
フィンランドのクーサモ近辺の山で見つけた花
おそらく蘭の種類だと思うが資料がないので名前もわからない
ピンクとグリーンの色彩バランスが印象的だった
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イワウメ
ノルウェーの海岸で日本の高山植物であるイワウメを見つけた
標高の低いところで高山植物を見つけるのは、北海道と同じである
二つ目の写真は赤いイワウメのようだが、日本のイワウメはこんなに赤い部分があっただろうか
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ベニバナミネズオウ
ミネズオウもノルウェーの海岸にあった
日本のベニバナミネズオウと同一種のようだ
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マンテマの仲間
この花に該当する日本の花はない(と思う)
花の形状からマンテマの仲間と推定するが詳細は分からない
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サクラソウの仲間
ピンクの小さな花の群落
サクラソウというよりシバザクラに近いかもしれない
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マメ科の花
日本にはぴったりの花が見つからない
ナントカエンドウというマメ科の名前があるのだと思うが
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ユリワサビ
この花は日本のユリワサビと同じだと思う
ヨーロッパと日本は共通種も多い
ウミガラスやニシツノメドリが群生する島にたくさん咲いていた
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白い4弁の花
一見バラ科の花のようだが5弁でなく4弁である
名前が知りたいのだが、日本の植物図鑑では該当種が見つからない
インターネットで海外の植物の名前を調べる手段はないのだろうか
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キスミレ
フィンランドではスミレを1種しか見なかったが、ノルウェーでキスミレを見た
日本のものと葉の形が違うが、オオバキスミレよりはキスミレに近い
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イワベンケイ
イワベンケイは日本では北海道の宗谷の海岸で見ている
ノルウェーでこの特徴ある植物を見つけた時は、少し感動した
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ミヤマヤナギ
正確な名前はわからないのだがこの種類の柳は到る所で見かけた
時期的には初夏の上高地といった雰囲気であった
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by mustachio | 2012-07-16 17:24 | Comments(0)
2012年 07月 16日

北極圏の春(1)

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猛暑の季節を迎えましたので、「北極圏」の話を連載したいと思います
1ヶ月ほど前になりますが5月下旬から6月上旬まで「北極圏」を旅してきました
ところで「北極圏」の意味をご存じでしょうか
北半球で完全な白夜(太陽が沈まない夜)が確認できる地域が北極圏です
具体的には北緯66度33分以北の地域で、フィンランドでは北の1/3程度が北極圏に含まれます
この区分線をアークティック・サークルといい、フィンランドのロヴァニエミという町の近くを通っています
ロヴァニエミの空港で写した地図を載せますが、赤く塗られた部分がフィンランドで、この国は北極海には面していません(北極海側はノルウェーが占めていてヴァイキングの歴史を感じます)
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その北極圏をイギリスのバードウォッチングツアーに個人的に参加して、約3週間の旅をしてきました
参加者は11人(後半13人)で日本人は私と家内と友人の3名だけ、後は英国人だけのグループで会話はすべて英語でした
出発前は英語なら何とか通じるとタカをくくっていたのですが、ネイティブスピーカーの発音の聞き取りにくいこと......特に鳥の名前など普段使わない英語の表現なので混乱の3週間でした
まあ移動がミニバン2台でホテルまでは連れて行ってくれるし、ヨーロッパなので食事もビールもワインもレベルが高く、なんとか持ちこたえることができた次第です
(バードウォッチングの参加者は下の写真のような感じです)
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写真はたくさん撮ってきました
現在、整理続行中ですが、おいおいブログアップすることにして、第1回はイントロのつもりで風景写真を掲載します(ネイチャーフォトは第2回からです)

オウル
オウルはボスニア湾に面したフィンランド中部の町
ここがツアーの出発点になります
日本からの3名は成田からヘルシンキへ飛び、ヘルシンキからさらに国内線でオウルに着きました
途中トラブルなどあってロンドンから来るツアーと合流できないと困るので、2日ほど前に到着し、徒歩とタクシーで町を探検しました
北極圏より少し南になりますが、割と賑やかな町で、英語も十分通じました(日本人には全く会いませんでした)
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ラップランド地方
オウルからクーサモ、イヴァロとフィンランド北部(ラップランド地方)をバードウォッチングしながら車で旅が続きます
フィンランドは森と湖の国  植物は針葉樹と白樺がほとんどでまさに「北海道」の印象です
高速道路はありませんが、北海道と同じように道路が十分整備されていて100キロ以上でバンバンとばせる一般道が続きます
住宅は99%木造で、カラフルですが、約束事のように窓枠が白いデザインなのが奇異に感じます(イメージ通りの北欧住宅です)
産業はほとんど林業(と牧畜業)のようで畑は見かけません(夏が短いので農業は無理なのでしょう)
電信柱がすべて木製なのにはびっくりしました  日本でもふた昔くらい前は木製の電信柱だったように思いますが、フィンランドではコンクリートの電信柱を見ませんでした
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ロヴァニエミ
訪問順は最後の町ですが、ノルウェーを回った後はフィンランドのロヴァニエミに戻り、ここからヘルシンキへ向けて飛行機に乗りました
この町はサンタクロースの住む町として世界中に公認されており、日本からの観光客も多いところです
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ノルウェー北部海岸
フィンランドの最北端ウツヨキからノルウェーに入ります
EU圏なので国境審査など何もありませんが、通貨だけが変わります
ノルウェーではクローネが使われていて、ユーロが通用しません  物価もかなり高いようです(事前に情報があったので缶ビールはフィンランドで買い込みました)
ノルウェー(北部海岸)の町は一言でいえば海の町(いわゆる漁師町)で、町と町の間は道路しかありません
道路ができる前は船だけが移動手段だったようでとにかく港町以外は荒涼とした原野が広がるだけです
北海道の宗谷岬に近い印象で丘陵地にはあたかも大雪山系のように雪渓が残っていました
それでも東部のヴァルドという町は大昔から海上交通の基地として栄えていたようで、ヨーロッパの伝統が感じられる港町でした
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by mustachio | 2012-07-16 14:29 | Comments(0)
2012年 07月 14日

榛名湖のヒメシジミ

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先週訪れた九州地方は大雨、関東地方も梅雨の真っただ中だったが、草津の山荘に向かう途中、榛名湖の周辺に立ち寄ってみた
このシーズンの榛名湖は本来ゼフィルスの宝庫といわれた著名採集地だったのだが、観光地化が進んで自然観察には寂しいフィールドになってしまっている(個人的には55年も前の中学時代にカシワ林でウラジロミドリシジミを多数採集した懐かしいフィールドなのだが)
現地へ行って見て驚いたのはウィークデイにも拘わらずネットを持った採集者の多かったこと
それもすべて高齢者のグループで、1時間ほど歩く間に5組ほどの長竿を持った採集者に出会った(リタイアして蝶の写真を始めて10年近くなるが、ウィークデイの活動をベースにしているのでフィールドで採集者に出会うことはまれであった ここへきて平日の採集者が増えたのは団塊の世代のリタイアが本格化したためだろうか)
捕虫網をかついだご老人達に徒党を組んで歩きまわられると、日本の限りあるフィールドで希少な昆虫たちが生き残っていけるのか非常に心配になる
カメラやビデオが十分普及してきているので「自然保護のために動植物の採集と標本の私的保有をすべて禁止すべき」と個人的には思うのだが

ヒメシジミ
私自身の榛名湖立ち寄りの目的はヒメシジミである
榛名湖のヒメシジミはこの60年間で見る限り数が減っていない
あまりにも普通種のため採集する人がいないからだと思うが、他の地域では生存数が減少しており、そのうちに希少種になるかもしれない
タイミング的にはメスが発生し始めたばかりの頃で、オスメスとも新鮮な個体を楽しむことができた
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ジョウザンミドリシジミ
路傍に羽化に失敗したジョウザンミドリシジミがいた
左側前翅に羽化時の体液が行きわたらなかったようで、可哀そうな姿だった
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ヒョウモンチョウ
ヒョウモン類は思ったより少なく訪花中の個体は見かけなかった
葉の陰で2頭が絡んでいるのを見つけ撮影した
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キマダラヒカゲ
自分が子供の頃、キマダラヒカゲは1種だった
今ではヤマキマダラヒカゲとサトキマダラヒカゲが別種となっており、区分が面倒くさい
一応、後翅裏面基部の3個の斑紋が直線上に並ぶか屈折するかで判断しているが、他に判断の基準があるのだろうか(翅表には別に区分ポイントがあるのだがこの蝶はなかなか開翅の写真を撮らせてくれない)
今回は最初の写真がヤマキマダラ、後の写真がサトキマダラと判定している(が、同一種かもしれない)
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コチャバネセセリ
この季節はどこへ行ってもこの蝶に出会う
花で吸密したり、地面で吸水したり、バイタリティを感じさせる蝶だ
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ヒメキマダラセセリ
セセリチョウではヒメキマダラが多かった
この蝶は似たような仲間が多く、識別に苦労するが黒縁が太くはっきりしているので、ヒメキマダラと認定していいと思う
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フィールドの野草
野の花はノイバラの白い花が目立つ程度で、他は少なかった
上からヤマハッカ、コウゾリナ、カワラマツバ、ノイバラ、ヤマホタルブクロ、ヤマオダマキといったところである
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草津のジョウザンミドリシジミ
フィールドは異なるがいつも7月上旬に発生する草津のジョウザンミドリシジミは健在だった
嬬恋村のアイノミドリ、エゾミドリはまだ未発生、こちらは7月20日を過ぎないと出てこないようだ
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by mustachio | 2012-07-14 17:53 | Comments(0)
2012年 07月 07日

雨の熊本探蝶記(県南編)

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7月2日は九州道を南に走った
目的地は熊本県南東部いわゆる球磨地方である 詳しい地名は蝶の保護に差し支えがあるかもしれないので記述しない
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訪問の目的は国の特別天然記念物に指定されている写真の蝶「ゴイシツバメシジミ」の撮影である
ゴイシツバメシジミは食草が樹上着生植物のシシンランであることから棲息範囲は極めて限定的である
通常は食草が高い樹木の上に着生するため樹上生活を送っており、地上とはあまり縁がないのだが、時々地上で吸水する習性があり、その時が撮影のチャンスとなる
もちろん採集は禁止で、現地では監視員が常にパトロールを行っている
開帳2センチほどの小さな蝶でゴイシシジミによく似ている(尾状突起はない)

ゴイシツバメシジミ
7月3日の朝も雨
宿泊した宿のご主人から早朝には活動しないと聞かされ、10時過ぎにサイトに向かう
天候は小雨時々曇り
ゴイシツバメが地上で吸水するポイントは何箇所かあるようだが、運のいいことに最初のポイントでチラチラと飛ぶ小さなシジミチョウを発見
レンズを通してゴイシツバメであることを確認しシャッターを切る
その後、面白いことに(実際にはよくある習性のようだが)その個体が、私や家内の身体の周りを飛び始めた
その挙句、家内のシューズに着地して吸水を始める始末  おかげで願ってもないシャッターチャンスが生まれ、家内のシューズの写真を何十枚も撮った
さらにそのゴイシツバメがコンクリートの路面に移動してまた吸水
2~30分の間、十分我々を楽しませてくれた後、どこかへ飛び去ってしまった
(その後は1~2時間ごとに現場を探してみたが2度と現れることはなかった ラッキーの一言では片付けられないような真夏の昼の夢である)
雨の降る日に吸水活動とはいささか意外だが、単に水分ではなく何かミネラル分を補給しているらしい
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ちなみに食草のシシンランは写真のような植物である(イワタバコ科)
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サツマシジミ
正直にいうと今回の熊本遠征に際してはサツマシジミは念頭になかった
この蝶は関東には棲息せず近いところでは静岡県で見られるようで、秋には撮影に行こうかなと考えていた
ところが宿のご主人に聞いてみると周辺にはサツマシジミが普通にいてルリシジミより多いという
そこでゴイシツバメの後はサツマシジミの探索にかかった
外見はルリシジミに似ているのでルリシジミを探せばいいのだが、悪天候のためかルリシジミが飛んでいない
木の花を中心に探し回ったが一向に気配がない   最終的にルリシジミらしい白いシジミを見つけたのはヒメジオンなどが咲く普通の小さな草原だった
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サツマシジミを探索するために周辺地区を一日動き回った
おかげで、悪天候にも拘わらず何種類もの蝶に出会った 特に珍しい種類ではないが、せっかくなので当日撮影した蝶をアップしておく
その日は雨の九州道を走って熊本へ戻り、居酒屋で家内と二人、2種のシジミチョウに球磨焼酎で乾杯した

トラフシジミ
サツマシジミの草原(クサハラ)にトラフシジミの夏型がいた
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ベニシジミ
ベニシジミはいやになるほどたくさんいた 大半が黒い夏型だったが、少し春型も残っていた
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ツバメシジミ
同じようなネジバナにツバメシジミのメスが来ていた
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ウラナミシジミ
ウラナミシジミは木の花で吸密中  関東では秋にならないとこの蝶を見かけない
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ムラサキシジミ
植物相からみてムラサキシジミが多そうな場所だったが、見かけたのはたった1頭だった
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クロアゲハ
悪天候のせいかほとんどアゲハ類を見なかった 翅の破れたクロアゲハが木陰で休んでいた
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アゲハ
雨の止んでいる時にアゲハが吸密に現れた
アゲハの形状に地域変異はないと聞いているが、異常に黒っぽい個体だった
南方系のアゲハなのだろうか
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コムラサキ
柳にはコムラサキが来ていた
この地区のコムラサキはクロコムラサキと普通のコムラサキ(赤コムラサキ)と2種類が共存しているらしい
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アカタテハ
アカタテハが樹液に来ている あまり見かけない風景だが
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ルリタテハ
樹液にはルリタテハのほうが似合う オオムラサキは飛んでいるのを確認したが樹液には来なかった
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イシガケチョウ
この蝶を見るとさすがに九州だと思う イシガケチョウも活動範囲を北に拡大しているのだろうか
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ヒョウモン類
ヒョウモンが木の花に集まっていたがツマグロヒョウモン、ウラギンスジヒョウモン、ミドリヒョウモンと関東地方と変わらない顔ぶれだった
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チャバネセセリ3種
チャバネセセリが(上から順に)オオチャバネ、チャバネ、コチャバネと三役そろい踏みだった
東京近郊ではコチャバネセセリは普通、オオチャバネセセリは比較的少ない
特に少ないのはただのチャバネセセリでこの蝶は普通種のはずなのに沖縄など南西諸島以外で見かけたことがない
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キマダラセセリ
木の花にキマダラセセリを見つけた
茶色と黄色のツートンカラーは良く目立つ
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ヒメキマダラセセリ
翅が傷んでいて判定が難しいが、一応ヒメキマダラと推定した
裏面の白紋が帯状にきれいに並んでいるがチャバネ系ではないと思う
詳しい方、ご教示ください
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ヒメウラナミジャノメ
ラストバッターは姫つながりでヒメウラナミジャノメ
この蝶はどこに行ってもちらちらと飛んでいる
西日本では東日本にいないウラナミジャノメの可能性もあるので、常にチェックするが、いつも後翅に蛇の目が5個のヒメウラナミだ
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by mustachio | 2012-07-07 16:13 | Comments(0)
2012年 07月 06日

雨の熊本探蝶記(県北編)

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7月2日~4日、家内と熊本へ出かけた
目的は蝶探訪、オオウラギンヒョウモンとゴイシツバメシジミの撮影が目的である

九州地方に梅雨前線が停滞し、天気予報は3日とも雨
飛行機はマイレージで行くこともあって1ヶ月以上前から予約し、変更は効かない
雨に降られても熊本ラーメンを食い、球磨焼酎が飲めれば、後は蝶の下見と観光旅行と腹をくくって出発した
在職時代に都合6年間九州で生活しているため、九州は第2の故郷なのだが、リタイア後、蝶の撮影で沖縄以外の九州に出かけるのはこれで2回目
新しい蝶との出会いは北海道と沖縄(南西諸島)にチャンスが多いので、リタイア後は南北両端への遠征が優先し、しばらくは九州に出かけるチャンスがなかった(プライベートの九州訪問は昨年の対馬が初めてである)

さて熊本阿蘇空港に降りてみると予報通りの大雨 半分あきらめの気持ちで空港からそれほど遠くないオオウラギンヒョウモンのポイントへ向かった
ポイントでしばらく様子を見ていると雨が小降りになったので、フィールドに行ってみるとヒョウモン蝶が確認できた
良く観察すると後翅裏面にも表面にもハート模様の列が見える
30分ほどの晴れ間(曇り空)だったが何枚かオオウラギンヒョウモンの写真を撮ることができた

オオウラギンヒョウモン
オオウラギンヒョウモンは自分にとって初見ではない(と思う)
50数年も昔になるが少年時代、長野県で採集した記憶がある
もう一つ、採集ではないが、40年前北九州に住んでいた頃に小倉の平尾台で成虫を視認している
今では関東甲信で絶滅状態、九州などでも限定された地域にわずか残っている程度だと思う
基本的に草原性の蝶で日本から草原が消滅しつつあることが彼らの生存を脅かしている
以下の写真は7月2日撮影分だが、ここでは元気な姿が見られ、ひとまず安心した
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キタキチョウとスジグロシロチョウ
当日は悪天候でオオウラギン以外は平凡なキチョウとスジグロくらいしか見られなかった
この後、すぐ現場を撤収し、九州道を南へと向かった
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7月4日オオウラギンヒョウモンに再挑戦
1日おいて7月4日、この日も梅雨前線は九州北部に停滞
熊本市内は朝から雨だった
2日、3日とまあまあの成果が得られたので最終日は観光旅行と決め、午前中は熊本城見学ということになった
九州在勤時代は水前寺公園は見たのだが熊本城の中には入ったことがなかったので、加藤清正公の偉業を再認識しながら時を過ごし、昼ごろ雨が上がりそうな気配となったので再度オオウラギンのポイントに脚を伸ばすこととした
現地では撮影中に天候が急変しずぶぬれになるなどのトラブルもあったが、晴れ間(といっても相変わらず曇り空)を見つけながら写真を撮り、まあまあの写真をものにすることができた次第である
特にこの日は羽化したばかりの新鮮なメスが登場し良いモデルになってくれた  球磨焼酎、熊本ラーメンとともに良い思い出である
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ツマグロキチョウ
フィールドではツマグロキチョウが多く見られた
関東地方では秋の蝶のイメージが強く、夏型はなかなか見られないが、九州では事情が違うのだろうか
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オオチャバネセセリ
セセリはオオチャバネが多かった これは今頃の関東でも同じ感覚である
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ウラギンヒョウモン
最後は関東でも普通に見られるウラギンヒョウモン  もちろん九州でも普通種だ
雨中のドライブで廻った阿蘇の内輪山で撮影したウラギンヒョウモンの写真を次に示すが、オオウラギンヒョウモンによく似ている
相違点は後翅外縁部の黒紋で、オオウラギンはM型、ウラギンは半円型である  そのためオオウラギンでM型の下にハートを形成する部分がウラギンではかまぼこ型になっている
写真を良く見て比較していただきたい
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by mustachio | 2012-07-06 21:50 | Comments(0)