還暦からのネイチャーフォト

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2012年 08月 14日

夏休みの昆虫観察

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8月10日、暑い日だったが、中央高速を走り、山梨の各地を転戦した
目的は地味な蝶の代表のようなクロヒカゲモドキの撮影
233種の蝶を撮影しているのに関東甲信越に棲息するクロヒカゲモドキの写真がない(正直に言うと出会ったこともない)
昔は普通種だった蝶で、10年前に蝶の写真撮影を始めた時はすぐに出会えるときめてかかっていた
フィールドで採集者や撮影者に話をしても「クロヒカゲモドキならどこにもいますよ」といった調子で、撮影場所が絞り込めないうちに年月がたってしまった

今年も山梨の雑木林(クヌギ林)でクロヒカゲモドキの影を追ったのだが結果はまた「敗退」、前翅裏面の3個の蛇の目を目にすることができなかった

ただ各地の雑木林を巡って歩いたので多くの夏の昆虫たちとの出会いがあった
予想外に多かったのがオオムラサキで、さすがに盛りを過ぎて翅の痛んだ個体がほとんどだったが、おそらく300頭以上のオオムラサキを目撃したのではないかと思う

さらにうれしかったのは60年前に遊んだカブトムシやクワガタ虫と自然環境の中で再会したこと
山梨にはまだまだ自然が残っているとあらためて認識し、過ぎ去った昆虫少年時代の思い出に浸ることができた1日だった

ミヤマクワガタ
今の子供たちはクワガタは買うものだと思っているかもしれない
60年前、少年時代を過ごした都内(世田谷)にはクワガタ虫が普通に住んでいた
さすがにオオクワガタは記憶にないが、ミヤマクワガタはあちこちで捕まえることができた
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カブトムシ
カブトムシもクヌギ林で見つけた
自然の中での出会いは感動を覚える
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カナブン
カナブンはデパートでは売っていない
勝手な推測だが、都会の少年たちはカナブンを知らないのではないだろうか
昔の世田谷の住宅地にはカナブンがたくさんいた
普通のカナブンの他にアオカナブンやクロカナブンがいて、夏休みの子供たちの遊び相手だった
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タマムシ
たいへん美しい甲虫だが、タマムシを知らない人が多いようだ
昔は、この虫をたんすの中に入れておくと衣装が増えるといわれたものだ
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センチコガネ
光沢の美しい甲虫だが、いわゆる糞虫の仲間である
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ミンミンゼミ
道路がアスファルトで覆われてしまったせいだろうか
最近、都会地では蝉がいなくなってしまった
それでもこのミンミンゼミは元気なほうで、新宿などの都心でも声が聞けるし、たまには我が家の栗の木でも鳴き声を聞かせてくれる
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ニイニイゼミ
昔はどこにでもいる全く普通の蝉だった
毎年7月下旬の夏休みが始まる頃に鳴き始め、8月に入るとアブラゼミに天下を譲っていた
最近ではアブラゼミは健在だが、このニイニイゼミのほうはほとんど姿を見せない
山梨での出会いは何年振りかという印象だった
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オオムラサキ
クヌギ林にクロヒカゲモドキを探したせいか、いやというほどのオオムラサキを見た
オオムラサキの発生時期は普通7月上旬で8月中旬には姿を消してしまう
今年は発生が遅かったのかどこへ行ってもオオムラサキで、ほとんどが翅の損傷した個体だった
数からいうとメスが圧倒的に多いのだが、オスも残っていて、愛をささやくような雰囲気のカップルもいる
たとえが悪いかもしれないが、人間の(というか日本人の)団塊の世代の老人を見ているようで、何となく薄気味悪いイメージも残った
とにかく、数が多く、元気に活動しているのである
翅が傷んでいるので写真的には美しくないが、団塊の世代のエネルギーを以下の写真から感じてほしい
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クロヒカゲ
冒頭でも触れたが、今回の撮影行の本来の目的はクロヒカゲモドキの撮影だった
最近のニュースでは福島原発事故がらみで「対策モドキ」という某東電社員の発言もあったが、要するにモドキとは「似ているが違うもの」の意味である
そのモドキだが、本家のクロヒカゲのほうはどこにでもいるのに「クロヒカゲモドキ」のほうは10年探しても見つからない
今回も何十枚ものクロヒカゲの写真を撮ったが、前翅裏面に蛇の目が3個あるモドキの写真は撮れなかった
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コジャノメ
クロヒカゲモドキの前翅裏面の蛇の目は3個目が一番大きい
コジャノメは全く似ていない蝶なのだが、前翅裏面の蛇の目が目立つので、ついレンズを向けシャッターを押してしまう
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サトキマダラヒカゲ
昔からの普通種で60年前は自宅にもたくさんいた(当時はサトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲの区別はなくどちらもキマダラヒカゲだった)
写真のキマダラヒカゲは典型的なサトキマダラヒカゲなのだが、全体的に明るい色で黒点が非常に目立つ
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コミスジ
こちらも代表的な普通種
タイミングが良かったのできちんと静止した状態の飛翔写真を抑えることができた
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ルリタテハ
どちらかといえば普通種のタテハチョウ
考えてみればこの日はタテハチョウとジャノメチョウの写真しか撮らなかった
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スミナガシ
この日の最大の収穫はスミナガシのアップがしっかり撮れたこと
スミナガシは比較的個体数が少なく、固定した棲息域がないので写真は結構難しい
今までに撮影したのは獣糞で吸汁するパターンが多く、今回は完品に近い個体をしっかり撮影することができた
けして派手な色彩ではないが、この白と濃紺の組み合わせはデザイン的に最高のレベルだと思う
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by mustachio | 2012-08-14 21:16 | Comments(0)
2012年 08月 12日

飛騨・信濃「林道の花と蝶」

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乗鞍岳でイワヒバリと高山植物を撮影した翌日(8/1)、周辺の林道を探索した
探索の対象はフジミドリシジミだ
この蝶は北海道から九州まで分布するのだが、山地性で背の高いブナ系の植物を食草とするためなかなか地上に降りず、撮影のチャンスが限定される
これまでに何回もトライしてみたが、出会いがなかった
とにかく彼らが地上で活動するのは早朝とわかっているのだが、今までに早朝探訪の機会がなかったからである
今回は時期的に遅いことは承知していたが、家内の鳥(ライチョウ)撮影の都合もあり、8月に入ってから挑戦のチャンスが訪れた次第である

フジミドリシジミ
予想通りタイミングが遅かったので出会った個体はかなり汚損されていたが、それでもオスとメスの写真を撮ることができた
タイトルに使った写真はメスで割と新鮮な個体だったのだが、位置が遠く、あわててしまってフォーカスが十分ではなかった(私の400ミリはすでに生産中止となっている10年以上前のマニュアルフォーカスなのだ)
それでも裏面の太い白帯が確認され、フジミドリとの初めての出会い写真である
美しいフジミドリシジミの写真は来年以降、改めて挑戦したい
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アイノミドリシジミ
林道で出会ったもう1種のゼフィルスはアイノミドリシジミだった
肛角橙色斑が完全につながっていて、白条があまり太くないことなどから判断したが、写真だけで行うゼフィルス類の同定作業は確かに難しい
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オオウラギンスジヒョウモン
オカトラノオに各種のヒョウモンが来ていた
オオウラギンスジはオスメスのそろい踏みである(オレンジ系の明るい色がオス、オリーブグリーン系のほうがメスだ)
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ウラギンスジヒョウモン
ウラギンスジとオオウラギンスジは良く似ている
特に銀筋のある翅裏の模様などはそっくりで判定が難しい
一言でいえば翅の形が違っていて、ウラギンスジのほうは丸みを帯びるが、オオウラギンスジのほうは前翅先端が突出する
特にメスのほうは大型であることが多く、大きいのがオオウラギンスジとは限らない
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ウラギンヒョウモン
ウラギンヒョウモンもよく似た蝶だが、後翅表面外縁の模様が違うので表面写真だけでも区別はつけられる
(ウラギンとウラギンスジでは裏面の模様は全く異なる)
こちらはギンボシヒョウモンとよく似ているのだが、後翅裏面基部のデザインが違うので写真ではここを押さえておく必要がある
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ミドリヒョウモン
もう一つのヒョウモンはポピュラーなミドリヒョウモン
明るいオレンジのイメージ(オス)はどこへ行っても出会うことができる
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ミヤマカラスアゲハ
アゲハ類ではミヤマカラスアゲハの美しい姿が見られた
この蝶は地面などで吸水していることが多く、訪花写真は珍しい
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モンキチョウ
普通種だが、開翅状態の写真が撮れたので、アップしておきたい
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スジボソヤマキチョウ
もう一つのシロチョウ科はスジボソヤマキチョウ
林道の常連だが最近は数が減ったようで、どこへ行っても会えるというわけにはいかなくなった
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アカセセリ
もともと希少種なのだが、このアカセセリも数が減っている
コキマダラセセリとかコチャバネセセリなどはむしろ数が増えているような印象だが、食草(ヒカゲスゲ)が限定される蝶の宿命なのだろうか
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コキマダラセセリ
こちらはその「党勢拡大」のコキマダラセセリ
ススキやノガリヤスなどイネ科の植物はたいていのものを食べるらしい
生き残りのためには何でも食べることが必要条件のようだ
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キバネセセリ
この蝶はある時期ある場所に限定するとウジャウジャといる印象が強い
時期が7月末、集まるのは写真にもあるイケマの花であることが多い
それ以外にはめったに出会いがないので、珍しい蝶の部類に入るのだろう
今年もキバネセセリの集団と再会することができた
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アサギマダラ
蝶のファイナリストはアサギマダラ
大型なので「林道の女王」に推薦される資格はあると思うが、少し平凡すぎるか
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林道にはそろそろ秋の気配が見られた
野草の写真もかなり撮影したが、ブログが長くなるので、種名と写真だけを紹介したい

シモツケソウ
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ソバナ
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クサボタン
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トリアシショウマ
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ハナチダケサシ
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オニシモツケ
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ウバユリ
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オミナエシ
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サワギク
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ヤマジノホトトギス
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by mustachio | 2012-08-12 16:36 | Comments(0)
2012年 08月 05日

乗鞍岳の高山植物

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毎年家内とどこかの山には登っているので、今年の夏は上高地から(タカネヒカゲ撮影狙いで)蝶ヶ岳へ登る予定があった
しかし家内の腰の調子が今一つで標高差千メートルはちょっと無理かなということになり、来年に繰り延べすることにした

代わりに出かけたのが乗鞍岳
皆さんご存じだと思うが、こちらは車で標高2700メートルの畳平まで行くことができる
(以前はマイカー乗り入れだったが、現在はマイカーを駐車場に置いてシャトルバス利用だ)
ここには残念ながらタカネヒカゲがいないのだが、鳥のほうはライチョウやイワヒバリが期待できる
ライチョウやイワヒバリは過去にあちこちで見ているのだが、未撮影種となっているので乗鞍岳は鳥屋(バードウォッチャー)の家内が計画した

当日は10時前に到着したのだが、あまりにも天気が良すぎた
鳥類が採餌活動をするのは主として朝と夕方で、天気の悪い日は例外的に昼間も活動する
天気の良い昼間は上昇気流に乗ってワシタカ(猛禽類)がライチョウを狙うため、ハイマツの陰に姿を隠している
乗鞍岳のライチョウは比較的人間慣れをしており、当日は8時過ぎまで姿を見せていたようだが、昼間は顔を出してくれなかった

そんな訳で乗鞍岳登山記(散策記)は植物編となる
2700メートルの世界は高山植物が満開だった

イワヒバリ
ライチョウは不発だったがイワヒバリのほうは近くまで遊びに来てくれた
目の鋭い精悍な鳥だが、人を恐れず登山者(というより観光客)の近くで餌を採ったりしている
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イワギキョウ
花のトップバッターは岩つながりでイワギキョウ
花に毛の生えるチシマギキョウもあるはずなのだが、今回は見つからなかった
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クロユリ
この花は素人の(植物にあまり詳しくない)観光客に人気があるようで、酔っ払ったバスツアーのおじさんが「クロユリは恋の花」と大はしゃぎしていた
写真的には地味で撮りにくい花だと思うが
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ヨツバシオガマ
華やかさでは抜群 ちょっと花期が過ぎかかっているのが残念だったが、このピンク色は良く目立った
個体によっては葉の色まで紫に染まっている
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コマクサ
コマクサはお花畑に咲く花ではなく、砂礫地に1株ずつ咲く
乗鞍岳には以前少なかったが、マイカー規制をしてからコマクサの数が増えたそうだ
(最近はあちこちでコマクサを移植栽培し観光資源化しているが、乗鞍のコマクサは自然のままだという)
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コイワカガミ
こちらはお花畑に多かったが、残念ながらピークが過ぎていて、写真の被写体としては良い花が見つからなかった
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ミヤマアカバナ
路傍にアカバナを見つけた
標高が高いのでミヤマアカバナだと思うが、勉強不足で普通のアカバナとの差異は不明だ
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ハクサンイチゲ
白い花のトップはハクサンイチゲ
高山植物の代表格で、本家の白山はもちろん、北海道の大雪山系でも一面に咲き誇っている
乗鞍岳でもお花畑では議席が過半数に迫る勢いだった
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チングルマ
山によってはチングルマのほうが多いところも結構あるのだが、乗鞍では勢力負け
写真撮影用に花を見つけるのに苦労するぐらいだった
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コバイケイソウ
コバイケイソウは当たりの年と外れの年が1年置きだという
今年は外れの年なのか、数も少なく、影が薄かった
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ウメバチソウ
基本的には秋の花で普通花期は8月からなのだが、7月31日なら大したフライイングではない
現地の表示やパンフレットでは「コウメバチソウ」となっていたが、亜種のレベルの区分だろうか
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イワツメクサ
高山植物としては割と普通で砂礫地(裸地)に生える
砂礫をバックにすると緑と白のコントラストがよく目立つ
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ミヤマセンキュウ
セリ科の花は花自体が小さく、樹形も似たものが多いので同定が難しい
5~6冊の植物図鑑を参照しても結論が出せないことが多い
この花はミヤマセンキュウで良いと思うが、写真で葉の状態が不鮮明なのが反省点だ
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ミヤマダイコンソウ
高山植物で名前にミヤマがつく黄色い花はかなり多い
ここでもミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウと3種がそろっている
ミヤマキンバイとミヤマダイコンソウはバラ科でよく似ており、一応葉の形などで区別する
葉が丸いのがダイコンソウだ
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ミヤマキンバイ
基本的にはこちらは葉が三つ葉型で、花弁の中央に近い部分にオレンジ色があらわれる(と個人的には判定している)
シナノキンバイとかキンバイソウのように、花の形に金盃のイメージはない
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ミヤマキンポウゲ
こちらはキンポウゲ科の本流で平地で普通に見るキンポウゲ(ウマノアシガタ)の山岳編だ
葉が細く、バラ科の花とは明らかに違うのだが、花だけ写真にすると後で識別が難しくなる
お花畑ではハクサンイチゲの白の次にミヤマキンポウゲの黄色がスペースを占めていた
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ミヤマアキノキリンソウ
平地のアキノキリンソウの高山型でコガネギクの別名がある
アキノキリンソウよりは花がでかい
名前は秋の麒麟草だが、8月の高山のイメージを代表する花である
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ウサギギク
ラストはウサギギク
高い山で出会う典型的なキクだ 葉の形がウサギの耳に似ているから命名されたと聞くが、葉の写真を撮った記憶がない
それだけ黄色い花のほうのインパクトが強いのだと思う
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お花畑の蝶
蝶のほうはあまり期待していなかったが、常連のクジャクチョウとアカタテハの他に高山蝶のコヒオドシがいた
北海道では平地にもいるので高山蝶の分類は適切でないかもしれないが、少なくとも本州ではコヒオドシは立派な高山蝶で希少種だ
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by mustachio | 2012-08-05 16:17 | Comments(1)
2012年 08月 03日

駒止湿原の花

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ウラクロシジミ挑戦の帰り道、というか翌日(7/25)、南会津の駒止湿原を散策した
自然写真を公表する場合、撮影場所と撮影日時を表示するのが基本的ルールだと思っているが、昆虫写真などは採集者に情報提供することになってしまうのでそれができない
野鳥は採集禁止だし、野草も希少種は比較的保護管理されているので撮影地表示に支障のないことが多い
昆虫写真だけが秘密主義の中にとどまっているようで残念だが、希少昆虫が採集されるのはもっと悔しいので、不本意ではあるが希少種の蝶の写真は地名非表示としている
昆虫も野鳥と同様に採集禁止、標本の私的保有禁止がルール化される時代は来ないのだろうか

さて駒止湿原だが、平日にも拘わらずパトロールが徹底され、マナーも守られているようだった
10年以上前に訪れた時は隣接地に蕎麦畑があり、風景的にはなかなかのものだった記憶があるが、蕎麦畑に散布される肥料が高層湿原の富栄養化に繋がるため栽培中止になったという
都会地の感覚でいうと田んぼや畑は緑化と同義で自然保護に繋がっていると見られるが、実は「農業は最大の自然破壊者」なのかもしれない

ワタスゲ
高層湿原の植物の代名詞のようなワタスゲ
時期的には1ヶ月ほど遅いようだったが、それでも元気に白い綿毛を風になびかせていた
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サギスゲ
こちらはサギスゲ
ワタスゲは茎の先に付く小穂が1個だけだが、サギスゲは2~5個と複数である
確か花期がワタスゲより遅いはずで、駒止湿原ではハイシーズンを迎えていた
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コバギボウシ
湿原の中で目立ったのはコバギボウシの紫
ワタスゲなどの白との対比も美しい  白と紫は日本人に美を感じさせる古典的な色だと思う
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ニッコウキスゲ
高原の花の代表選手ニッコウキスゲも、この場所ではシーズンが終わっていた
花柄はあちこちに見られたが花が残っているのはごくわずかだった
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コオニユリ
同じユリ科でもコオニユリは数は多くない
ただ、色が派手なので湿原の中では非常に目立つ
クルマユリも似たようなユリだが、葉が輪生するのでコオニユリとの識別は簡単である
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キンコウカ
キンコウカも湿原を代表する花
比較的近くにある田代湿原と駒止湿原のセールスポイントになっている
シーズンには少し早いかなと思っていたが、ちょうど咲き始めのタイミングで、無数の花が湿原を黄色に染めていた
このキンコウカも実はユリ科の花である
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ミズギク
尾瀬に多いのでオゼミズギクの名もある
高山で見るウサギギクにも雰囲気が似ていて、緑一色の中の黄色はインパクトがある
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モウセンゴケ
この花の名前を写真からすぐ判断できる方はかなり植物通だと思う
高層湿原に詳しい方ならよくご存じなのだが、花は可憐そのものなのに葉の部分は肉食獣イメージのミスマッチがたいへん興味深いモウセンゴケの花だ
写真にはないが葉には紅紫色の腺毛が多数生えていて消化液を出して虫を捕え消化してしまう
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トンボソウ
こちらも地味な花だが、名前のほうは見当がつくかもしれない
見ての通りトンボソウだ
この個性的な野草は一度名前を覚えると忘れることがない
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カキラン
駒止湿原シリーズのトリは同じラン科のカキラン
以前一度見たことがあるかどうかの珍しい花で、今回木道を歩くまでは全く予期していなかった
ところが湿原の中をよく見るとこのカキランが結構多い
花自体が小さいので草原のイメージを変えるほどの派手さはないが、よく見るとたいへんカラフルで美しい
マクロレンズを持っていたのでかなりのクローズアップでこの花を堪能した
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by mustachio | 2012-08-03 12:41 | Comments(0)
2012年 08月 02日

南会津の蝶

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希少種の蝶産地のため詳細地名は出さないが、福島県南部のある渓谷を探訪した
目的は未撮影となっているウラクロシジミの撮影である
実は今年になってから2回、ウラクロシジミに挑戦しており、まだ成果が上がっていない
ウラクロシジミはそれほど珍しい蝶ではなく、今年の挑戦も新潟県、長野県とそれぞれ別の県を狙っている
この蝶の特徴は(特にオスの)活動時間が夕方に集中することで、白い光を点滅させるように薄暮の中を飛び回る姿は一度見ると忘れることはできない
つまり、ウラクロシジミは何回も目撃しており、特に新潟のフィールドでは1メートル以内の至近距離で静止した蝶を目撃していながら、写真を撮りそこなった苦い経験だけが残っている
で、今回の成果であるが、タイトルにも記したように失敗であった
今年1、2回目の挑戦と異なり、蝶は述べ5回以上出現した  しかし移動スピードが速く、写真に撮れないのである(正確にいえば飛んでいる姿が写真に写ってはいるが、人様にお見せできるレベルではないのだ)
タイトルは「ウラクロシジミ撮影記」とならず、不本意ながら「南会津の蝶」となった

コムラサキ
コムラサキがどこにもいて何回も写真を撮った
この蝶は撮影角度を調整しないと紫の光沢が表現できない
その点、南米のモルフォ蝶はどの角度からでも光沢が確認できる不思議な蝶であった
4枚目の写真には8頭ものコムラサキが写っている 汚い写真で申し訳ないが獣糞で吸汁する姿だ
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シータテハ
山岳地のせいかタテハはキタテハではなく、シータテハだった
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ヒメアカタテハ
ヒヨドリバナにはヒメアカタテハが来訪していた
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サカハチチョウ
サカハチチョウは典型的な普通種 低山地ならどこでも姿を見せる
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ミドリヒョウモン
意外なことにヒョウモンをほとんど見なかった
見かけたのはミドリヒョウモンだけであった
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テングチョウ
写真を撮ったので一応アップするが、テングチョウも東京郊外にたくさんいる
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ミヤマカラスアゲハ
アゲハ類も少なかったが、このミヤマカラスアゲハはかなりゴージャスだった
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ヤマトスジグロシロチョウ
オカトラノオにスジグロが来ていた おそらくヤマトスジグロシロチョウのほうだと思う
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モンキチョウ
もう1種のシロチョウはモンキチョウ 北海道から南西諸島まで、日本中どこへ行っても出会える蝶だ
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ヒカゲチョウ
ジャノメチョウ科の蝶は結構多かった
ヒカゲチョウは今年初めての出会いのような気がする
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クロヒカゲ
近似種のクロヒカゲモドキが未撮影なので、普通種のクロヒカゲにはついカメラを向けてしまう
前翅裏面の蛇の目紋をチェックするがいつもクロヒカゲのほうだ
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ヤマキマダラヒカゲ
蝶撮影記に毎回登場する常連
割ときれいな個体だったので、シャッターを押した
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ヒメキマダラヒカゲ
こちらは今年初めての出会い
ある程度高度のある山地でないと出現しないが、7~8月は山へ行くことが多くなるので、出会いは多い
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ウラクロシジミ
この写真を簡単にウラクロシジミと断定することはできない
ただ飛翔するウラクロシジミのオスがたまたま梢に止まった位置に見つけたので、望遠レンズで無理やり撮影した蝶なのだ
そこで是非知りたいのが、ウラクロシジミが樹上で開翅してテリトリーを張る習性があるかどうかだ(以前静止状態を自分で確認したウラクロシジミは翅を閉じていた)
もしウラクロシジミに開翅の習性がないようなら、写真の蝶は明らかに別種のゼフィルスということになってしまう
ご教示いただけるご親切な方はいらっしゃらないだろうか
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エゾミドリシジミ
ウラクロを待機している現場で見つけたミドリシジミ
翅裏だけで同定するのはかなり難しいが、肛角橙色斑の形状や白条、尾状突起などからエゾミドリシジミと推定した
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ヒメシジミ
今年何回も出会っているヒメシジミ
オスのほうはそろそろくたびれてきているようだが、今がハイシーズンのようだ
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コキマダラセセリ
南会津で印象に残ったのがこのコキマダラセセリ
数が多くいろいろな場所で出会った  オレンジ色の明るい翅はどこへ行っても目を引き付ける力がある
5枚の写真のうち最初の3枚がオス、後の2枚がメスだ
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イチモンジセセリ
蝶の最後も普通種
秋になって数が増えてくるイチモンジセセリがもう元気に飛び回っていた
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オオトラフコガネ
蝶ではないが締めくくりは甲虫
久しぶりに美しいオオトラフコガネに出会ったのでご紹介したい
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by mustachio | 2012-08-02 20:17 | Comments(0)