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2013年 06月 21日

草間台地のゼフィルス

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草間台地は岡山県西北部、現在では新見市に属する石灰岩でできた台地いわゆるカルスト台地である
30数年前仕事で倉敷に住んでいた頃、当時小学生だった子供たちを連れて家族で良く遊びに行った場所である
井倉洞や満奇洞などの鍾乳洞があり、当時は一面に桃畑が広がっていた
その草間台地で念願のウスイロヒョウモンモドキに対面したのは既にご報告済みだが、その前後にナラガシワ中心の林を探索し、ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)を探した

ヒロオビミドリシジミ
今回の旅行のターゲットは一にウスイロヒョウモンモドキ、二にヒロオビミドリシジミというところだった
ヒロオビミドリシジミはウスイロヒョウモンモドキほどの希少種ではないが中国山地固有種で他の地域では出会うことはない
リタイア後蝶の写真撮影を始めてから北海道や沖縄南西諸島などを巡り地域の固有種を探索してきたが、中国山地は後回しになってしまっていた
そのためヒロオビミドリシジミが未撮影で残ってしまい、今回が初対面ということになった
食樹はナラガシワ
表面は他のミドリシジミのように(オスは)金緑色に輝き、裏面は灰色でこれも他のミドリシジミのように白帯を持つがこれが幅広くしかもくっきりしている(白帯の内側の暗色帯がドロップシャドウ効果を発揮する)
発生の時期もピッタリだったようで当日はたくさんのヒロオビに出会うことができた
裏面が灰白色で明るく見えるのがオス、少し赤茶色がかかっているのがメスである
ただ残念なことがあって当日気温が高かったせいか開翅のシーンに出会えない
たまたま同行の家内がコンパクトデジカメで写した写真が1枚あり、自分の撮影写真限定という個人的ルールを破って掲載させてもらうことにした(4枚目の半開翅の写真がそれである)
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ウラジロミドリシジミ
そのヒロオビと同じナラガシワの林に棲むのがウラジロミドリシジミである
もっともこの蝶がナラガシワを食樹とするのは西日本で、東日本では普通のカシワが食樹となる
60年近く前、中学3年か高校1年のころ榛名高原のカシワ林でこのウラジロミドリを採集し、多数標本を持っていたのはまだ記憶に残っている
リタイア後はこの蝶をなかなか見つけることができず、たしか3年前に蝶写真ブロガーDさんのお伴で長野県へ遠征し初めて本種を撮影した時の感動も記憶に新しい
草間台地では両種が混在し、ツーショットの写真も撮れているが、数はヒロオビのほうが圧倒的に多く大きさもウラジロのほうがだいぶ小振りだった
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クロミドリシジミ
草間台地のもう一つのミドリシジミ類がこのクロミドリシジミ
ただこちらはオスの翅の表面がミドリ色ではなくメスと同じように黒褐色である
ネーミングに異論を唱えたいところだが、翅裏を見るとミドリシジミとクロミドリシジミはそっくりなのだ
個人としては山梨県韮崎でクロミドリシジミの写真を撮っており、ホームページにもアップしているのだが、撮影時にその個体の翅の表が確認できておらず、もしかして違うのではないかと一抹の不安を抱いていた(撮影場所がミドリシジミの棲息環境ではないので一応自信はあるのだが)
今回は間違いなくクロミドリシジミと確認できた蝶の写真が撮れたので、ホームページは一部差し替えを行いさっぱりした気持になることができる
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ウラナミアカシジミ
蝶に興味のない方はご存じないと思うが、タイトルに使ったゼフィルス(略してゼフ)はミドリシジミ属(亜属)の総称、もともと西風を意味する言葉である
ミドリシジミ属といってもすべてが金緑色に光るわけではなく、アカシジミのグループも、翅表が黒褐色のオナガシジミのグループもあるが、6,7月の梅雨の時期に発生し、林縁で生活する比較的大型のシジミチョウである点は共通項だ
草間台地はそれほど標高が高いわけではないので、平地性のゼフが多く、アカシジミの仲間ではこのウラナミアカシジミとアカシジミが見られた
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ウスイロオナガシジミ
草間台地でのこの蝶との出会いは全く予想外だった
分布域はほぼ全国的だが絶対数が少なく、今までに2度しか出会いがなかった蝶である
場所は2度とも群馬県側の浅間山麓で、不思議なことに食草のナラ系の植物が近くにない林であった
そのウスイロオナガシジミが数多くいて次項のミズイロオナガシジミと混在しているなどということは全くイメージできなかった
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ミズイロオナガシジミ
こちらは関東でも「平地性ゼフィルスの代表種」
中学生時代は梅雨時に小田急線の向ヶ丘遊園あたりまで繰り出すと雑木林にこの蝶が群れ飛んでいたものだ
東京近辺でも狭山湖周辺などに姿が見られるが、雑木林の激減に比例して平地性ゼフィルスが減っており、無神経な開発(自然破壊)行為の犠牲者となっている
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by mustachio | 2013-06-21 17:32 | Comments(0)
2013年 06月 20日

ウスイロヒョウモンモドキ

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ウスイロヒョウモンモドキは絶滅危惧Ⅰ類に指定されている希少な蝶
中国山地に分布するが草原性の蝶で、管理された草原が急速に減少して行くため棲息地が激減し、岡山・兵庫に数ヶ所残っている程度である
そのうちの一つ岡山県新見市の草間台地でこの蝶の保護活動を続けておられる先生がおられる   倉敷芸術科学大学の河邊誠一郎教授だ
縁あってその河邊先生にウスイロヒョウモンモドキの舞う草原をご案内いただく機会を得た
ウスイロヒョウモンモドキに必要な成育環境はススキなどの生える開けた草原と食草(カノコソウ)   草原も最近は野焼きが行われる機会がなく自然のまま放置されると食草がうまく生育しないようだ
新見市の草間地区では秋に草刈をすることにより生育環境を維持している

現地を訪れたのは6月14日、岡山は晴天で熱中症を気にしながらの撮影であった
今年は発生個体数が多いようで、1時間程度で十分な写真を撮ることができた
WEBの1ページを使って特集の形でご紹介したい

開翅
ヒョウモンに近い種類のためこの蝶は静止するときは翅を閉じるより開翅することが多い
長野県など中部地方に多いコヒョウモンモドキによく似た小型の蝶で、オスよりメスのほうが褐色部分が多く黒っぽい感じになる
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休止
もっともこの蝶の基本的なスタンスは葉蔭での休止
人が近づいて風圧をかければ飛び出してなかなか止まってくれないが、普通はじっとしていることが多く、草原に入っていかないと見つけるのは難しい
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吸密・吸水
吸密植物は特定していないようだが現地ではヒメジオンへの訪花が多かった
食草のカノコソウでも吸密する
塩分・ミネラル補給のためか人の汗に寄って来る傾向もある
汗ばんだ衣服や人間の手にも吸水に来るので楽しい
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求愛行動
求愛行動を撮影するチャンスがあった
標準的なタテハチョウ系の蝶の求愛行動である
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交尾
交尾シーンは対象がじっとしているので写真が撮りやすい
オスメスの差を写真にするには交尾のタイミングが一番で必ずオスとメスが撮れる
ただワンパターンで動きのある写真にはならない(最初の2枚のように第3者が絡んでくるとドラマチックになるが)
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食草
最後に食草のご紹介
普通オミナエシとカノコソウが食草で、今回のサイトではカノコソウ限定のようだ
カノコソウは別名ハルオミナエシ  オミナエシの仲間で初夏に薄いピンクの花をつける
この草原でもカノコソウが維持され、ヒョウモンモドキが今後何十年も発生を繰り返してくれるよう祈るばかりだ
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岡山の蝶
今回の岡山・鳥取撮影旅行では蝶の写真をかなり撮った
特に草間台地のゼフィルスについては内容も濃く数も多いので次号でご紹介する予定だが、その他の蝶は発表の場がないのでこの場をお借りして写真を掲載させていただく
順にテングチョウ、ウラギンシジミ、ミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモン(2)、アサマイチモンジ(2)だ
お気づきと思うがラストの写真は蝶ではなく蛾
クロアゲハ(ジャコウアゲハ)によく似た蛾で名前もアゲハモドキという
最近はほとんど目にしていなったが、ウスイロヒョウモンモドキの草原で再会した
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by mustachio | 2013-06-20 21:39 | Comments(2)
2013年 06月 19日

岡山・鳥取の鳥と花

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5月12日、台風3号のリスクもあったが、家内と二人新幹線で岡山へ出かけた
旅行の最大のターゲットは中国山地の「ウスイロヒョウモンモドキ」である
家内と二人の旅行は国内の場合、蝶がメインになるか鳥がメインになるかいずれかとなる
今回は、たまたま家内のテーマであるアカショウビンとオオコノハズクの撮影が兼ねられそうで、鳥と蝶のコラボレーション旅行となった

岡山からはレンタカーで鳥取県へ向かう
30数年前、2年半ほど家族で岡山(倉敷)暮らしをしたので、一応の土地勘はある   といっても30数年間の高速道路の発達は驚異的で中国山地はむしろ大阪により近くなってしまったのかもしれない

さてその鳥の撮影だが、鳥取県の「八東ふるさとの森キャンプ場」というサイトが目的地である
ここのキャンプ場の館長さんが野鳥好きで、棲息環境の保全に意欲的であることからキャンプ場内にアカショウビンが営巣し、オオコノハズクも巣箱で営巣というように絶好の野鳥撮影スポットになってしまった

そのため野鳥カメラマンが多数バンガローに宿泊し、朝早くから夜遅くまで野鳥を追いかける(厳密には三脚をセットして野鳥を待つ)状況になってしまっている
(普通、写真撮影地は公開しないのがマナーだが、ここの館長さんは商売御熱心でWEBへの公開は大歓迎というスタンスのためあえて地名は表示することとした)

ところでその成果だが、一応写真は撮れたというものの出来栄えのほうは50点以下という結果になってしまった
その原因だが詳しくは項目ごとに後述するが時期選定が適切ではなかったということに尽きると思う
今回の旅行は「ウスイロヒョウモンモドキ」を第1テーマでスケジュールを設定したため、鳥の抱卵期間や雛の巣立ちのタイミングが合わなかったということだ
家内もいまいち納得がいかないようで、また来年少し時期を遅らせてリベンジを狙うことになりそうだ

(鳥の写真が寂しいので今回撮影した植物と組み合わせてブログのページを構成することとした)

アカショウビン
ご存じの方も多いと思うが全身が真っ赤なカワセミである
夏鳥として日本で繁殖するアジアの鳥だが、昨近の自然環境悪化により数が減ってしまい鳴き声を聞くことはあってもめったに姿を見ることはできない
(亜種のリュウキュウアカショウビンなら宮古島など南西諸島にいけば結構多いが)
そのアカショウビンがキャンプ場のブナの木に営巣し抱卵しているのだからたいへんなことだ
抱卵はオスメス交代で行うようで勤務シフトは2時間~3時間、つまり2時間から3時間に1回成鳥が巣穴に出入りする
カメラマンは望遠レンズをセットし、鳥がくるとシャッターを押すのだが出入りは一瞬で、高速連写でも撮影は難しい
日によって事情が違うようだが、巣穴に入る前に近くの枝にとまることもあり、撮影のチャンスは少し広がるが、ポイントが予測できないので今度はピント合わせで苦労することになる
(保護のためカメラマンは巣に近づけないように規制されていてAFの望遠レンズは必需品となる)
もともと長時間じっと待機することは苦手で、半日で1~2回のチャンスがものにできず、写真はお粗末なものになってしまった
抱卵期が終わり、雛がかえれば親鳥が頻繁に出入りするようになり、撮影のチャンスは圧倒的に増えるようだが、カメラマンの数もさらに増えるので結構厳しい条件になるかもしれない
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オオコノハズク
オオコノハズクも留鳥として日本に広く分布するが数は少ない
今回のサイトではキャンプ場の巣箱に営巣し、既に雛がかえっていて親鳥が餌を運んでいるらしい
ただフクロウの仲間なので活動は夜間限定である
キャンプ場では親鳥が警戒しない程度の弱い照明を巣箱に当てていて、カメラの感度を上げれば何とか写真を撮ることができるようになっている
ただ給餌の頻度は親鳥の狩の成果に依存するので、こちらも巣箱にフォーカスを合わせて待機ということになる
時間的にはアカショウビンと重複しないので、両方を狙うことは問題ないが、こちらも2時間待って巣箱に入るのは一瞬という厳しい条件になる
キャンプ場の館長さんの説明によれば、こちらは雛の巣立ちが近くなっていて給餌の頻度が極端に減ってきている(特に我々の行った日ぐらいから)とのことで、アカショウビン同様良いシャッターチャンスがつかめず、巣箱から遠く離れて照明の届かない枝にとまったところをやっと写すのが精いっぱいだった
(ちなみに家内のほうは根気よく真夜中まで粘って結構いい写真が撮れているが、こちらは11時にはあきらめて引き揚げてしまった)
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ブッポウソウ
鳥取から岡山の高梁へ移動する途中、吉備中央町へ寄った
この町では、町をあげてブッポウソウの保護に努めており、町内に巣箱が多くかけられている
その巣箱にかなりの割合でブッポウソウが営巣中という情報があったのでチェックして回ったが、残念ながら鳥の姿を見ることができなかった
(一部巣箱の中を監視カメラで中継しているところがあり抱卵中の親鳥をモニターで確認した)
こちらも雛がかえると親鳥が頻繁に餌を運ぶので、写真撮影は十分可能のようだ
写真はその巣箱である
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鳥の写真が少ないのでこれから「植物編」ということになるが、大したものはない 普通種ばかりである
ヒレアザミ
草原を歩いたのでアザミを多く見たがみなヒレアザミだった
例の茎にヒレのあるアザミである
関東甲信越でも見かけるが数は少なく、他のアザミのほうが多い
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ママコナ
ママコナもゼフィルスのいる林に数多く見られた
ピンクと白のバランスが美しい花である
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オドリコソウ
この花も全国区の普通種 花がピンクのケースと白花のケースがあるが、個人的にはピンクの花のほうがきれいだと思う
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チダケサシ
チダケサシはてっきり夏の花と思っていたが岡山では結構多かった
考えてみれば東京近郊でもアカシジミのシーズンにチダケサシが見られるので6月の花かもしれない
(ちなみにこの植物の茎でチダケというキノコを刺して運ぶことからチダケサシというようだが、チダケのシーズンは8月以降のような気がする)
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テイカカズラ
テイカカズラはあまり関東で見かけないので西日本の固有種かと思っていたが、そうでもないらしい
花びらがねじれ、中央部が黄色いこの花は個性的で面白い
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スイカズラ
この花も関東でも良く見かける 特に6月ごろゼフィルスのシーズンに出会う花だ
花の色が白から黄色に変わるので金銀花の異名を持つが、写真の花は金の部分が盛りを過ぎて茶色になっていた
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ツルマンネングサ
吉備中央町でブッポウソウを探している時に足元に多数生えていたので写真を撮ったが、帰化植物のツルマンネングサらしい
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ヤマグワ
ゼフィルスを探した草間台地にヤマグワの実がなっていた
30数年前の記憶だが岡山には割と桑が多く、子供たちが良く食べていたと思う(食べると口の中が紫色になるのですぐばれる)
草間台地のヤマグワはそのまま食べてもしっかり甘く、ジャムを作るのに砂糖は不要という感じだった
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ササユリ
岡山の花のフィナーレはササユリ
この花は西日本特産で関東にはない
咲き始めは少女のようにスリムで、そのうち妖艶なイメージが増してくる
東日本のヒメサユリのようにピンク色だが、淡いピンクで花も大きく、大人の女性を感じさせる花である
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by mustachio | 2013-06-19 18:33 | Comments(0)
2013年 06月 11日

5月の北海道(6)

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野幌森林公園
5月30日北海道旅行の最終日
札幌に泊まり夕方にはフェリーに乗る関係で行動範囲は札幌~苫小牧に限定される
午前中は野幌森林公園のすぐ近くに住んでおられる知人を訪問し、一緒に公園内を散策した
ミヤマエンレイソウ
園内の植物は旅行中に出会ったものとあまり変わらない
ただエンレイソウは他では1度しか見なかったミヤマエンレイソウが数多く、何枚か写真を写した
散策中はマクロなど焦点の短いレンズは車に置いて野鳥撮影用の560ミリだけをかついで行ったので、ちょっと変わった写真になってしまった
超望遠レンズは最短撮影距離を5メートルほど確保する必要があるため、真横からの撮影角度になってしまう
前にもふれたようにミヤマエンレイソウは白色のものもピンクのものも同一種ということだが、全く雰囲気が違うので気持ちとしては別種扱いになってしまう
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ミドリニリンソウ
こちらも種としては同一の範囲なのだが、花弁が緑色のニリンソウが見られた
花弁が黄緑色の花は前号の旭川北邦野草園の時も紹介したが、完全に緑色の花弁は珍しい
マクロレンズがなかったのでわかりにくい写真しかないが、花弁の色はお分かりいただけると思う
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ゴジュウカラ
5月の札幌~苫小牧間では珍しい蝶など期待できないので、この日は二人のバーダー(野鳥愛好者)におとなしく従う方針である
公園でゴジュウカラを見つけた
コゲラやキバシリなど木の幹の周辺を徘徊する鳥は多いが、この青灰色は目立つのですぐ見つけられる
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クロツグミ
旅行中何回か出会ったのでなじみになった
鳥屋さんと旅行しているうちにだんだん鳥に詳しくなってきているような気がする
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センダイムシクイ
全国的な夏鳥で「ショウチュウイッパイグイー」という鳴き声はあちこちで聞くが、実際に目撃するチャンスは少なく、イメージの湧かない鳥だった
地面の上で木の葉のようなものを咥えて遊んでいたが、この鳥が地面で遊ぶのは珍しいようだ
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ヤマゲラ
野幌での最大の収穫はヤマゲラに出会えたことだろう
本州以南に棲むアオゲラによく似た鳥で、北海道の固有種である
アオゲラは腹部に黒色横斑があるがヤマゲラにはなく、目の下の赤斑もヤマゲラは黒い
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ウトナイ湖
ウトナイ湖は苫小牧港に近い湖で過去に2~3回バードウォッチングに来たことがある
野鳥観察センターなどがあるが整備が十分でなく、今後が心配である

センダイムシクイ
再びセンダイムシクイだが、こちらの写真のほうが本来の生態に近い
ウトナイ湖周辺の林では「ショウチュウイッパイグイー」の合唱で、さながら居酒屋での若者の一気飲み大会の様相であった
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ノゴマ
5月の北海道シリーズの鳥は森進一ならぬノゴマである
喉の真っ赤なノゴマはバードフォトグラファーのあこがれで、夏の北海道の原生花園ではシシウドなどにとまるノゴマを狙ってカメラマンが殺到する
ウトナイ湖では最初はるか遠くのノゴマを見つけてシャッターを押したが、帰る間際に木道から近い位置にきれいな個体を見つけ至近距離撮影を楽しむことができた
写真を良く見るとノゴマの口の中はヨシキリのように赤ではなく真っ黒である
小鳥の喉黒にどのような生物学的な意味があるのか急に気になってきてしまった
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by mustachio | 2013-06-11 20:41 | Comments(0)
2013年 06月 11日

5月の北海道(5)

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朱鞠内湖
北海道の景勝地として脚光を浴びている朱鞠内湖だが、残念ながら今まで訪れたことがなかった
特に素晴らしいのはカタクリが咲くころで、カタクリの群落の上をヒメギフチョウが舞う光景はまるで天国のようという話を聞き、以前からその時期に是非行きたいと思っていた
今年の情報では季節が2週間ほど遅く、5月中旬はまだ雪景色とのことだったので、5月29日はピタリと照準を合わせたことになる

カタクリ
そのタイミングはまさにピタリだった
一部には雪が残っていたもののカタクリは満開  それも開花したばかりのような若いきれいな株ばかりで素晴らしい雰囲気だった
ところが、群落の上を舞うはずのヒメギフチョウは全く姿を見せない
好天無風、気温も十分で絶好の条件なのにどういうことなのだろうか
ギフチョウやヒメギフチョウは年によって発生日がずれるが、それでも桜やカタクリの開花時期と同期するというのが昔からの経験則である
ヒメギフチョウの発生には1、2日早すぎたとあきらめ、カタクリだけを楽しむこととした
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エゾエンゴサク
春の北海道に期待した光景のもう一つはエゾエンゴサクの群落である
家内は春の北海道を経験しているのに、私は春の北海道を知らなかった
ブルーの絨緞のような一面のエゾエンゴサクを見たかったのだが、この花はカタクリよりも花期が早く普通は5月連休の頃がシーズンとなる
今回はあまり期待していなかったのだが、襟裳岬でエゾエンゴサクに出会い、朱鞠内湖では「ブルーの絨緞」にも出会うことができた
エゾエンゴサクは北海道限定種ではないが、本州のものは赤みが強く、青空のようなブルーはまさに北海道限定のようだ
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オオバキスミレ
われわれ関東人にとってオオバキスミレは夏山の花だ
その夏山の花もカタクリに並んで一面に咲いていた  要するに開花のタイミングが雪解け直後というだと思う
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オオヤマザクラ
また愚痴になってしまうがギフチョウ類の発生時期は桜の時期と決まっている
朱鞠内湖ではオオヤマザクラも満開だった
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ヒメイチゲ
本当に北海道ではアズマイチゲを見ない
ここのヒメイチゲはちょっと変わっていて、結構群生していた
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エゾノリュウキンカ
関東甲信越で見るリュウキンカより、エゾノリュウキンカは花が大きく全体的に明るい感じがする
調べてみると昨年フィンランド・ノルウェーでみたヨーロッパのリュウキンカと同じ種類のようだ
3枚目はエゾノリュウキンカ、ミズバショウ、ザゼンソウのスリーショット  開花時期と環境は同じだが三者そろい踏みはあまり見たことがない
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エルタテハ
ヒメギフチョウの群れには会いそこなったが、代わりにエルタテハの集団に出会った
エルタテハは山地性のタテハで成虫越冬する蝶だ
そのエルタテハが湖畔のトイレ(公衆便所)で集団越冬していた
トイレのカギは開いていたが雪の下にあっておそらく冬の間使用されていなかったものと思う
男性用女性用ともドアを開けると床面にエルタテハが動いており、一部は仮死状態で動けない様子
数は合計で20頭くらいだった
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旭川「北邦野草園」
朱鞠内湖から札幌へ移動する途中、旭川の「北邦野草園」に立ち寄った
ここは旭川市が運営する自然植物園で、北海道に多い植物を管理保護している
ここのカタクリ群落も有名で5月連休にはたくさんの観光客が訪れるようだ
散策中、園芸員のおじさんの話を聞いたが、今年もカタクリは連休過ぎくらいが満開で、ヒメギフチョウは例年同様多数発生したとのことだった

オオバナノエンレイソウ
あちこちで出会ったのでいささか食傷気味のオオバナノエンレイソウ
さすがに管理が行き届いていて見事な群落を形成していた
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シラネアオイ
シラネアオイの群落もさすがに整備されていて花も最盛期、今までにみたシラネアオイの中では最大の数だったように思う
本州では難しいが北海道では普通の住宅にシラネアオイが咲いていることが多い
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オオタチツボスミレ
5月の北海道シリーズでおなじみになったオオタチツボスミレ
野草園なのでところどころに立て札があり植物名を確認できる
こちらのスミレも間違いなく距の部分が白色だった
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ニリンソウ
ニリンソウは少しピークを過ぎていたようだ
このような植物園はこの季節の北海道の花を整理して理解するのにちょうどいい
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キバナノアマナ
特に北海道の花ということはない  関東でも普通に見られる
といいたいが普通に見られたと過去形で表現するのが正しいかもしれない
少なくとも首都圏で確実に野生のキバナノアマナが見られる場所が思い浮かばない
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エゾキケマン
いろいろと図鑑をチェックしてみたがキケマンやミヤマキケマンは本州以西の植物で北海道には分布しない
野草園ではエゾキケマンと名札があったので間違いないと思うが、自宅のどの図鑑にもエゾキケマンは載っていなかった
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ホウチャクソウ
「宝鐸」というのはお寺の屋根につるす風鈴のような飾り物
珍しい名前なのですぐ覚えられるのだが、今までに現実にこの植物を見た記憶はない
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オオアマドコロ
茎が角張っているのでナルコユリではなく、アマドコロであることはわかった
名札はオオアマドコロだった
別亜種なのか別種なのかは分からない
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ズダヤクシュ
野草園では名札はなかったように思う
関東地方でも(今でも)普通に見られる花だが、林床の暗い所に生え、超地味で目立たないので、名前を知っている割には写真を撮ることがない
昭和時代の図鑑にはちゃんと載っていたのだが、調べてみると最近の図鑑にはズダヤクシュが載っていないものが多い
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ヒトリシズカ
けして「北海道の花」ではない
東京の我が家の庭にも毎年顔を見せる
地味な色彩だが写真写りがいいのでレンズを向けることが多い
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ルイヨウボタン
漢字で類葉牡丹
関東近郊でも山道の脇で出会うことがある
花弁(大きな花弁に見えるのは萼で花は小さい)まで黄緑色の珍しい植物である
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クルマバツクバネソウ
そういえばこちらの花も黄緑色だ
ユリ科植物なのに花びら4枚、雄しべ8本、葉は6~8枚と偶数構成である
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by mustachio | 2013-06-11 14:42 | Comments(0)
2013年 06月 10日

5月の北海道(4)

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湧洞沼
私個人の旅行目的(ヒメチャマダラセセリ)は第1日目のアポイ岳でどうにか達成した
後の行程は同行者のご意向に従うことになるが、家内と友人がバードウォッチャーなので、必然的に鳥見の旅となる
浦河町から日高山脈の下をトンネルでぬけて東側に出ると広尾町、大樹町という十勝の太平洋岸になる
湧洞沼は過去に家内のお伴で何回か訪れたことのあるバードウォッチングポイントで太平洋に面した汽水湖(推定)だ
シーズンオフで水鳥は見られなかったが、海岸の草原で多くの小鳥たちを見ることができた

セグロカモメ
素人ながら鳥見に付き合って10年近くなるので鳥についても多少のことはわかるようになってきた
ただカモメの種類はなかなか覚えられず苦労している
脚がピンクで黄色いクチバシに赤い斑点があるのがセグロカモメ(オオセグロカモメより背中の色が薄い)と脳裏に刻みながらシャッターを押した
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コヨシキリ
藪の小枝の上でコヨシキリがさえずっていた
5月には群馬のバラギ湖でオオヨシキリを撮影しているので親近感がある
オオヨシキリも北海道にいないことはないようだが、「北海道はコヨシキリ」のイメージが強い
白い眉毛(眉班)が目立つ可愛い鳥だ
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オオジュリン
草原には頭の黒い小鳥が目立った
頭だけが黒く、少し頭でっかちに見えるのがオオジュリン
この鳥は冬には関東の草原で見られるのだが、繁殖期の特徴のある黒い頭は夏の北海道(~本州北部)限定となる
3枚目の写真はオスメスのツーショットだが、冬になるとオスはメスと同じような外観に変わる
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ノビタキ
ノビタキも北海道代表のような小鳥
長野県・群馬県などでも夏鳥として姿を見せるが、北海道にはやたら数が多い
電線などによくとまっているが写真的には美しくないので小枝の上のものを狙うことになる
シシウドなどの上にいるところが一番絵になりやすいが、シシウドには少し季節が早すぎたようだ
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ヒバリ
ホバリングしながらさえずるので飛んでいるところを撮る機会は多いが、地上のヒバリは結構難しい
北海道のヒバリは人を恐れないのか平気で写真を撮らせてくれた
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アオジとカワラヒワ
アオジもカワラヒワも関東地方では割と普通に見られる小鳥である
どちらも茶色とオリーブグリーンの色彩構成でクチバシは肌色のように見える
アオジのほうは背中にスズメのような斑紋がありホオジロの仲間、カワラヒワのほうは翼の脇に黄色い斑が目だつヒワの仲間(アトリ科)なので全く別種なのだが、目の周りが黒っぽくて人相が悪いところまで雰囲気が似ている(最初の写真がアオジ、2枚目がカワラヒワ)
その2種が道路際の水たまりで同時に水浴びをしていた
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富良野
湧洞沼の後は道東自動車道経由富良野へ移動してある公園で探鳥をした

エゾフクロウ
エゾフクロウというのは亜種の名前で種名はフクロウである
ただこのエゾフクロウは何となく特別扱いで妙に鳥屋さんに人気がある
以前、冬の北海道で撮影したことがあるので初見ではないが、久しぶりの出会いであった
エサを取る時や子育ての時以外はじっと動かない鳥なので写真的に面白みがないが、周囲の新緑でアクセントをつけることができたように思う
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クロツグミ
5月に軽井沢で撮影した鳥
割と警戒心の強い鳥で、いつも望遠レンズを使って遠くから写すことになる
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キバシリ
同じ公園でキバシリを見つけた
徹底して保護色の鳥でじっとしているとまず見つけられないが、普通木の周りを移動しながら虫を捕るので動体視力が人並みにあれば目に入って来る
側面から見ると湾曲したクチバシが特に目立つ
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鳥の後は植物編 エゾフクロウの森には白い花をつけた林床の植物が多く見られた

クルマバソウ
葉の形に特徴があるのでとてもよく目立つ
良く見るとクルマバソウの花は十字花植物でもないのに4枚構成だ
それも、時々5弁の花があったりするので面白い
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マイヅルソウ
マイヅルソウには少し早かったようで咲き始めた株が少し見られた程度だった
シラネアオイやサンカヨウが本州より花期が早いのにマイヅルソウは本州並みなのだろうか
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ミヤマハコベ
最近ハコベの仲間を見る機会が極端に減っているように感じる
花びらに特徴のあるこのミヤマハコベに出会ったのは何年ぶりになるだろうか
小さくて地味なハコベなのに、じっと見とれてしまった
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アマドコロ
リタイアする前はアナログ(リバーサルフィルム)で花の写真を撮っていた時期があり、近似種のアマドコロとナルコユリの違いは頭に入っていた
その後ブランクがあり年も取ったので、どちらかが茎が丸くどちらかが角ばっているというところまでは覚えているがどちらがどうなのか思い出せなくなった
帰宅後確認した結果では茎が角ばっているほうがアマドコロである
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ニリンソウ
白い花といえばニリンソウも群落を形成していた
最盛期のニリンソウはきれいなのだが写真にするのは結構難しい
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フデリンドウ
アポイ岳にもあったフデリンドウ
前に述べたように北海道にはハルリンドウがないようなので、識別を無視して写真を撮ることに集中できる
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オオタチツボスミレ
こちらのタチツボスミレは距(花の後ろの円筒状に突き出した部分)が白い
まちがいなくオオタチツボスミレだった
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ツボスミレ
またツボスミレ
とにかくどこへ行ってもツボスミレがあった
良く見ると白い花の内側に紫があり、とても可愛いのだが
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エンレイソウの仲間
北海道にはエンレイソウの仲間が勢ぞろいしているところが多い
3倍体のユリ科植物の代表選手で葉も花びらもきちんと3枚構成である
写真は上から順にエンレイソウ、シロバナエンレイソウ、オオバナノエンレイソウ、ミヤマエンレイソウとオオバナノエンレイソウ(ピンク色の花がミヤマエンレイソウ)ということになるが、図鑑を調べるとシロバナエンレイソウとミヤマエンレイソウは同一種(別名)らしい
ただシロバナの花は純白で通商ミヤマの花は薄赤紫とはっきり違いがあり、区別している人も多いようだ
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by mustachio | 2013-06-10 15:51 | Comments(0)
2013年 06月 10日

5月の北海道(3)

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様似観音山
アポイ岳のある様似町に観音山という小さな山がある
日高山脈に連なる有名な山ではなく、海岸に近く車でアクセスできる丘といっていいほどの山だ
オオバナノエンレイソウの群落があるというので襟裳岬から浦河へ帰る途中、この山に立ち寄った
時間も夕方に近かったせいか我々以外には全く人がいない静かな場所だったが、林の中にオオバナノエンレイソウやニリンソウが咲き乱れており、何ともいえぬ幽玄な雰囲気が感じられた

オオバナノエンレイソウ
オオバナノエンレイソウは北海道の花だ (正確には東北地方北部にも分布)
関東でも山地に見られるシロバナエンレイソウにそっくりで花だけが3倍くらい大きい
そのため葉の緑と花の白のバランスが崩れ、個々の株について見ると最初は違和感を覚える
ところが、集団を形成すると全く印象が異なり、その群落は異常な迫力を持つ
色彩バランスとしてはミズバショウに似ているが、北海道ではオオバナノエンレイソウがあるので、ミズバショウの存在が霞んでしまう
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シラネアオイ
皆さんご存じのシラネアオイ
本州では北部日本海側を中心に分布する高山植物で大きなピンクの花(実際は花弁でなく萼片)は山ガールに絶大な人気がある
そのシラネアオイがオオバナノエンレイソウの群落の中に咲いていた
海岸近くに高山植物が見られるのが北海道の魅力である
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カタクリ
後で気がついたのだがカタクリはオオバナノエンレイソウと同じような環境に生育するらしい
ただ開花の時期が完全にずれていてカタクリの後にエンレイソウやニリンソウが咲く
観音山にはたくさんカタクリの株があったがピークはとっくに過ぎていて、写真の対象になるような株はわずかしかなかった
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ニリンソウ
こちらも春の花の代表種であるニリンソウ
関東でも普通に見られ、奥高尾などで群落に出会うと強く季節を意識する好きな花の一つである
北海道では他に個性の強い主役が多くて、残念ながらほとんど写真が撮れなかった
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ツボスミレ
もっと地味なのがこのツボスミレ
普通種で花も小さくあまり撮影対象にならないが、北海道ではどこへ行っても見かけるので、何枚かは写真が残っている
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タチツボスミレ
普通のタチツボスミレより花が大きく、雰囲気も異なるので撮影した時はオオタチツボスミレと思っていた
帰宅してから図鑑をチェックしてみると、距(花の後ろにある円筒状の部分)の白いのがオオタチツボで、紫色のものは普通のタチツボスミレのようだ
撮影前の予習は必須と反省する次第である
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セントウソウ
セリ科の花は識別が難しいのだが、この花は春の早い時期に咲くのでわかりやすい
全国区の普通種だが、遠く離れた北海道の地で見つけると懐かしさを覚える
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サンカヨウ
林の中でサンカヨウを見つけた
シラネアオイと同じような地域に分布する高山植物なので不思議なことではないが、本州の山で見る限り5月の花という感じはなく、6月~7月の花のイメージが強い
太平洋に面した暖かい気候のせいか5月の北海道で白い夏の花に出会うことができた
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襟裳岬
何回も北海道を訪れているのに襟裳岬は初めてだった
先入観として森進一の「何もない春です」があるので、寒風の中の孤立した岬を予想していたが、観光客もなく非常に静かなところだった
全体的には冬景色で歌のイメージの通りだったが、良く見るとあちこちに春の花が見られ、それなりに楽しい思いをした

ミヤマアズマギク
襟裳岬を代表する花はこのミヤマアズマギクとエゾカンゾウのようだが、エゾカンゾウのほうは最近エゾシカの食害に会い見る影もないという
ミヤマアズマギクにしても時期が少し早すぎるようだったが、遊歩道のわきに少しだけ花が確認できた
アポイのアポイアズマギクの近似種なのだが、こちらのアズマギクは純白ではなくかわいいピンク色である
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ミヤマキンバイ
遊歩道の周りに黄色い花がたくさん見られた
高山植物のミヤマキンバイである
数が多いと有難味が薄くなるが、高山の雪渓近くに咲くキンバイの仲間が海岸に群生する様は異様である
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エゾエンゴサク
襟裳岬の花で予想外だったのはエゾエンゴサクである
エゾエンゴサクは早春の花で、北海道の内陸部に咲くものと思い込んでいた
夏の北海道は何回となく訪れているのに春の北海道は初めてで、是非エゾエンゴサクの青い花を見たいと思っていたのだが襟裳岬で出会えるとは思っていなかった
さすがに群落をつくるほどの数は見られなったが、赤紫からブルーまで色彩にバリエーションがあることを初めて認識した
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シノリガモ
襟裳岬の遊歩道には重量のある望遠レンズを携帯しなかった
岬の突端から下を見下ろすと「北の鴨」シノリガモが何羽も遊んでいた
良い写真ではないが観光記念として「シノリガモのいる風景」をアップしておく
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by mustachio | 2013-06-10 11:40 | Comments(0)
2013年 06月 09日

5月の北海道(2)

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ヒメチャマダラセセリ
ヒメチャマダラセセリは絶滅危惧種で国の天然記念物の指定を受けている貴重な蝶   北海道のアポイ岳周辺にしか棲息しない(その棲息域もハイマツや笹の進出が激しく、お花畑は急速に消滅して行くようだ)
発生時期は5月下旬から6月上旬限定で、蝶マニアはこの時期の晴天の日を狙ってアポイ岳に登る
蝶自体は地味で何の変哲もない小さな存在で、蝶に興味のない登山者にはまず見過ごされてしまう

5月27日は晴天、7合目を過ぎた砂礫地のポイントに来ると既に6~7人の撮影者がカメラで小さな蝶を追っておられた
後でお聞きすると本を出している高山蝶の専門家の方とか、日本の蝶260種撮影済みの方とかの勇士ぞろい
簡単にご挨拶をして撮影の仲間に加えていただくこととなった

この蝶は小さいうえに行動が落ち着かずじっとしていない  ロープを張った登山道から1メートル以内の至近距離にとまることもあるのだが、シャッターを押す前に飛んでしまう
結局撮影できたのは登山道からはるか離れた花(サマニユキワリ)で吸密するシーンで、マクロレンズによる至近距離撮影はすべて空振りに終わってしまった
みなさんの話によると早い時間帯では割と行動が落ち着いていてじっくり撮影できたようだったが、我々は11時ごろ現場に到着したため、蝶の出現頻度も低下し、残念ながら素晴らしいアップの写真は撮れなかった
それでもあこがれの「ヒメチャマ写真」をなんとかものにすることができ、時のたつのを忘れるほどの充実した時間を過ごすことができたと思う

余談だが、ヒメチャマダラセセリの顔(下半分)はたいへん毛深く人間の顎髭のように白い毛が密生している
正面からの写真を見るとまさに「髭じい」で、ハンドルネームmustachio の私としては改めて親近感を覚える次第である
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サマニユキワリ
蝶の話が先行したが、アポイ岳は高山植物の宝庫でもある
特にアポイやサマニ、ヒダカなどご当地名を冠にいただく植物が多い(もっとも有名なのがヒダカソウだが、盗掘で絶滅寸前で当日は確認できなかった)
サマニユキワリはサクラソウの1種で、新潟方面でいう雪割草(ミスミソウ)とは全く違う
本ブログではヒメチャマダラセセリがとまっていたこの花をトップに挙げることにした
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アポイアズマギク
こちらもアポイ岳固有の高山植物 やはりヒメチャマの吸密植物で数も多い
ただ当日すぐ近くのアポイアズマギクに吸密していたヒメチャマのアップを撮りそこなったので、個人的には少し印象が悪い(もちろんアポイアズマギクの責任ではない)
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キジムシロ
関東地方でも普通に見られる植物だが、アポイ岳にも多い
実はこの植物がヒメチャマの食草で、近似種のチャマダラセセリもこの植物を食草にしている
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コキンバイ
帰宅した後、写真を整理していてこの花を見つけた
図鑑をいろいろチェックしてみたところどうもコキンバイらしい
高山植物で北海道にも分布するため、アポイ岳で見ることに何の不思議もないが、どの案内書のアポイ岳の部分を見てもコキンバイの名前が出てこない
詳しい方にコメントをいただけたら嬉しいのだが
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アポイタチツボスミレ
アポイタチツボスミレもこの山の固有種である
最初の写真の花は、良く見れば側弁に白い髭が確認できるので、間違いなくアポイタチツボスミレだ
他にもタチツボスミレの仲間の写真を多数撮影したのだが、良く似た雰囲気でも他のスミレの側弁には髭が見当たらない
2枚目の写真の花は良く似てはいるものの、距も白くないので案外普通のタチツボスミレかもしれない
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フイリミヤマスミレ
登山道の5合目より下に目立ったスミレ
葉に特徴があるので非常にわかりやすい
写真的にもいい雰囲気のものが数多く撮影できた
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フデリンドウ
春に咲く小さなリンドウにはフデリンドウとハルリンドウの2種がある
お互いによく似ていて根生葉の有無などが識別ポイントになるが、北海道では識別に苦労はいらない
つまり、北海道にハルリンドウは分布していないからだ
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ヒメイチゲ
イチゲとはイチリンソウのことで、本州ではアズマイチゲ、キクザキイチゲなどが早春の花として人気がある
両者とも北海道には分布するようだが、今回の旅行では全く見かけなかった
このヒメイチゲは非常に小さなイチリンソウなのだが、アポイ岳(5合目までの林間)には非常に数が多く、何十枚と写真を撮影した
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センボンヤリ
千本槍   春に普通の開放花、秋に閉鎖花を咲かせるキク花の花
閉鎖花の形状が槍に似ているための命名のようだが、自分では見たことがない
春の花は関東地方でも普通の全国区植物だったが、最近ではほとんど見かけず、アポイ岳で久しぶりに再会した
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エゾオオサクラソウ
5月の北海道シリーズアポイ岳編の最後の花はエゾオオサクラソウ
エゾの付く植物は大きいものが多いようだが、さらにオオが付くこのサクラソウもでかくて迫力があった
登山口の近くに群落が多数あり、登山者が皆カメラを向けていた
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by mustachio | 2013-06-09 17:27 | Comments(0)
2013年 06月 09日

5月の北海道

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個人的な感覚かもしれませんが、どうも「今年の春」は短かったような気がします
3月中旬に暖かくなって異常に早く桜が咲いた後、冷え込みが続き冬に逆戻り
4月の中旬に海外へ出かけてこともあって、春を楽しむチャンスが例年より少なかったように思います
(毎年恒例のギフチョウ探索も今年はパスしてしまいました)

そんな訳で、もう一度日本の春を楽しもうと北海道へ出かけました
というとかっこいいのですが、本心(第一目的)は未撮影の蝶「ヒメチャマダラセセリ」の撮影です
さらに、できればカタクリの群生の上を飛ぶヒメギフチョウ(北海道型)の写真を撮りたいという思いがあり、勇躍、北海道を目指しました

交通手段はマイカー、大洗~苫小牧間はフェリーです
家内とバードウォッチャーの友人を誘って1週間の旅となりました (フェリーは片道19時間かかるので、前後に1日半ずつロスタイムが生じますが、リタイアした身に支障はありません)

結果は、ヒメチャマダラは成功、ヒメギフは敗退ということになりましたが、北海道の春の花を十分に楽しんできました
以下、4回ぐらに分けて写真をアップしますが、本編(イントロ)では全体行程等を説明させていただきます

静内二十間道路桜並木
5月26日午後、苫小牧上陸の後、静内・新冠方面へ向かった
目標は静内の二十間道路、7キロの直線道路の両脇に3千本の桜という北海道の桜の名所である
北日本では今年、桜が遅いのでどうかなと思っていたが、残念ながらピークには少し間に合わなかったようだ
それでもエゾヤマザクラが咲き残っていて「春の余韻」を感じることはできた
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アポイ岳
5月26日はアポイ岳登山口へ一目散
写真でご覧いただけるようにアポイ岳は標高810メートル、それほど高い山ではない
ただ登山口が海岸に近く、後ろを振り返ればすぐ太平洋というタフな面もある
目的のヒメチャマダラセセリの棲息域はだいたい7合目より上になるので、大汗をかきながらポイントへ向かった
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襟裳岬
アポイ岳下山のあと時間の余裕があったのであの襟裳岬へ、歌のように「何もない春」かどうかを確認しに行った
ウイークデーなので観光客はほとんどなく、確かに「何もない」イメージではあったが、それでもエゾエンゴサクやミヤマアズマギクなどが見られ、春の気配は感じられた
期待したゼニガタアザラシははるか遠くにやっと確認できる程度だった
襟裳岬から浦河の宿舎に戻る途中、様似の観音山へ立ち寄り、オオバナノエンレイソウの群落を見学した
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浦河・湧洞沼
アポイ岳登山の関係で5月26日と27日は浦河へ宿泊した
28日の朝は浦河近辺の牧場でサラブレッドの写真を撮った
馬はネイチャーフォトの対象にはならないが、緑の中での動物撮影は自然写真と共通した面もある
考えてみれば来年は午年、我々午年生まれ夫婦は還暦から一巡目の年男(女)になる
来年の年賀状のモチーフなど意識しながら馬の撮影を楽しんだ
その後は日高山脈をトンネルで東側へ抜けて湧洞沼へ移動し野鳥撮影
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富良野
観光旅行では何回か富良野を訪れたことがあるが、蝶の写真撮影では大雪山や丸瀬布方面が主体となり、富良野は久しぶりだった
太平洋沿岸の湧洞沼から北上して池田・トマム経由富良野へ  道東自動車道のおかげで移動はだいぶ楽になった
富良野の水田には水が張られていたが富良野岳はまだ完全な冬山の様子だった
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朱鞠内湖・旭川北邦野草園
5月29日朝、富良野出発   旭川から道央自動車道を利用して名寄に近い朱鞠内湖へ
期待した「浅春」のイメージはぴったりで、咲き始めたカタクリやオオバキスミレの群落を楽しむことができたが、肝心のヒメギフチョウが全く姿を現さない
好天で気温も高く、条件はそろっているのに役者が登場しない原因は不明だが、現地は雪解け直後でおそらく1,2日タイミングが早すぎたのだろうと推測している
ちなみにその後立ち寄った旭川の北邦野草園では「連休直後のカタクリ満開時には多数のヒメギフが発生したが、もう終わってしまった」とのことであった
5月29日夜は札幌泊、札幌の知人たちと北海道の酒と料理を堪能し、翌日は市内の野幌自然公園探索の後、苫小牧からフェリーで大洗へ向かった
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by mustachio | 2013-06-09 07:40 | Comments(0)