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2014年 07月 21日

7月の池の平湿原

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7月15日、山荘から1時間ちょっとの池の平湿原に出かけた
池の平湿原は湯の丸高原から高峰高原に続く浅間山系にある標高2千メートル程度の湿原である

この時期はアヤメの花が多く他にもカラフルな花が咲き乱れる
鳥はビンズイやホシガラスなど山地性のものが見られるが、蝶は8月にベニヒカゲが見られるくらいで珍しい蝶はいない
湿原の周囲に適当なトレッキングコースがあるのでマイフィールドの一つになっているが、基本的には花のフィールドである

ビンズイ
カラマツのてっぺんでビンズイが鳴いていた
そろそろ梅雨が明けて夏山シーズンが始まる気配だ
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モンキチョウ
まずはモンキチョウ
シャジクソウで吸蜜していた
湯の丸山周辺にはミヤマモンキチョウがいるのだが、この湿原で出会ったことはない
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ゴイシシジミ
笹の葉の上にゴイシシジミがいた
笹は繁殖力が強く放っておくと山の斜面を笹がカバーしてしまう
その点ではゴイシシジミはしばらく安泰ということだろうか
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ギンボシヒョウモン
アヤメに絡んでいたヒョウモンはギンボシヒョウモンだった
後翅裏面が確認できればギンボシヒョウモンとウラギンヒョウモンの識別は簡単である
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クジャクチョウ
クジャクチョウはシャジクソウで吸蜜中
クジャクチョウにはマツムシソウが似合うように思うのだが、この湿原ではまだ咲いていない
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クロヒカゲ
いつも出てくるクロヒカゲはパスしようと思ったがシャクナゲの花がきれいでシャッターを押してしまった
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コチャバネセセリ
コチャバネセセリは夏の蝶
7~8月の山に行くと必ず出てくるが今年は初めての出会いのような気がする
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キアゲハ
蝶のラストはキアゲハ
こちらもアヤメに絡んでいた
けして珍しい蝶ではないのだが貫禄があり、山岳地域ではいつもでかい顔をしている
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アヤメ
高地の湿原に咲くアヤメの仲間は数多いが、ここの湿原はただのアヤメがメインである
この時期は湯の丸高原などにもアヤメが多く紫の群落が目立つ
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ウスユキソウ
この時期キク科の花は意外と少ない
地味なウスユキソウが少し見られた程度だった
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オンタデ
オンタデはけして湿原の花ではない
周辺のトレッキングコースには砂礫地があり、オンタデやコマクサなど山岳地帯の植物が見られる
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トリアシショウマ
特に珍しい植物ではない
近似種のチダケサシによく似ているがこちらのほうが穂が細くすっきりしている
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オオヤマフスマ
ハコベの仲間
この仲間には山岳地固有の希少種が結構多いのだが、オオヤマフスマはそれほど珍しいものではないようだ
(似たような植物が多く識別は難しい)
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ゴゼンタチバナ
山の花の常連  名前はすぐに覚える
白い花は結構写真が難しく、アンダー気味で撮らないと花びらの質感が出ない
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カラマツソウ
地味な花なのだが造形的には個性があり、写真にすると面白いのでシャッターを押すチャンスが多い
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ムカゴトラノオ
タデ科の花
湯の丸山近くの烏帽子岳には結構多いムカゴトラノオだが、この湿原ではほとんど見られなかった
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シュロソウ
高山の草原に見られるユリ科の花
ユリ科といっても色が暗紫褐色でけして美しい花ではない
もともと目立たない花なのだが、最近ほとんど見なくなった
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ネバリノギラン
目立たない地味な花という点ではこの花もトップクラス
数は多くあちこちの山で普通に見られる
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ヒメクワガタ
オオイヌノフグリに近いゴマノハグサ科の植物
地味だが高山植物の1種である
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ヤマオダマキ
こちらはキンポウゲ科の花
近似種のミヤマオダマキのほうは高山植物だがヤマオダマキのほうは山岳地の林道で普通に見られる
形状が個性的で写真にすると美しい
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シャジクソウ
漢字にすると車軸草
北海道以外では長野・群馬くらいにしか見られない植物というが、湯の丸山などの周辺には数が多いので希少種というイメージは全くない
マメ科でレンゲの花に似たイメージである
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カワラナデシコ
ただナデシコと呼ばれることもある
ここの湿原ではこの花(個体)しか見られなかったが草原の中で際立っていた
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ハクサンフウロ
フウロソウの仲間は種類が多いが長野県・群馬県で見られるのはたいていハクサンフウロである
浅間山近辺に濃紅紫色のアサマフウロという種類が見られるというが残念ながら出会ったことがない
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グンナイフウロ
花の中央が突出した個性的なフウロソウ
北海道では似たような花にチシマフウロがあるが、群馬・長野周辺では高山地帯のタカネグンナイフウロを除けばたいていグンナイフウロである
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ハクサンシャクナゲ
シャクナゲにはアズマシャクナゲとハクサンシャクナゲがあって咲く時期が異なる
7月に咲くのはハクサンシャクナゲのほうで池の平湿原ではちょうど満開であった
写真を見て気がついたのだが花びらにオリーブ色の斑点がある
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テガタチドリ
この花は何故かミヤマシロチョウの吸蜜植物というイメージが強い
ハクサンチドリによく似ているがテガタチドリのほうが柔らかい印象である
ピンクの花が緑の草原で際立っていた
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コマクサ
草津の白根山では毎年コマクサ祭が開催されるが、火山活動で入山規制がある今年はどうなるだろうか
池の平湿原の周辺の砂礫地ではコマクサがきれいに咲いていた
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by mustachio | 2014-07-21 21:14 | Comments(0)
2014年 07月 21日

信州峠の蝶

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信州峠は山梨県北杜市と長野県川上村の境界にある
中部横断道路はごく一部しかできておらず、既存の高速道からは距離があるので交通量はいたって少ない
自然に恵まれた地域で10年前に蝶の写真を撮り出した頃は何回か通ったが、最近はご無沙汰の場所であった
前回敗退のクロヒカゲモドキがあきらめられず再挑戦のため、自宅から群馬の山荘に向かうルートをわざわざ中央道韮崎経由とした
韮崎のほうは結果が得られなかったが、気を取り直して信州峠近辺で「カメラ散策」ということになった

ウラジャノメ
クロヒカゲモドキと同じようにウラジャノメもジャノメチョウ科(最近ではタテハチョウ科ジャノメチョウ亜科)の地味な蝶である
棲息地は中部山岳地帯と北海道で絶滅危惧指定ではないが、数は減りつつある
梢の先に1頭だけ静かにとまっていることが多く、なかなか見つけにくい蝶なのだが、今回は獣糞で吸汁しているところを見つけた
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クロヒカゲ
「モドキ」というのは「良く似ている偽物」という意味でネガティブなイメージがあるが、生物の世界では「モドキ」のほうが希少価値があることが多い
(ヒョウモンモドキ、キマダラモドキなどすべて希少種の蝶だ)
クロヒカゲもクロヒカゲモドキもジャノメチョウの仲間で食草も似たような種類なのにクロヒカゲのほうはどこにでもいる普通の蝶だ
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ヒメウラナミジャノメ
ついでにジャノメチョウ科普通種のヒメウラナミジャノメ  東京近郊でも見ることができる
この蝶にも良く似た種類の蝶がいて「ウラナミジャノメ」という
相違点はヒメウラナミのほうが後翅裏面の眼状紋が5個なのにウラナミは3個
もともとウラナミジャノメは西日本にしか棲息しないのだが、こちらも棲息地が激減していて絶滅危惧指定になってしまった
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キバネセセリ
セセリチョウ科の蝶は蛾に似ているので女性に不人気なのだが、このキバネセセリだけは見た目が愛くるしく
「可愛い」とわれることが多い
7月の蝶でリョウブやイケマなど白い木の花で吸蜜することが多いが、獣糞にも集まる
今回はウラジャノメとのツーショットも撮影することができた
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ヒメキマダラセセリ
セセリチョウの仲間は似たような蝶が多く、野外での識別は結構難しい
ヒメキマダラセセリ、コキマダラセセリ、スジグロチャバネセセリ、ヘリグロチャバネセセリといったところは、新鮮な個体ならまだしも少し痛んで色が薄くなった個体ではお手上げである
それでも表面と裏面の両方が撮れればなんとかなるもので、今回は飛翔シーン(ピンボケ被写体ブレあり)もあってヒメキマダラセセリと判断した
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ゴイシシジミ
ゴイシシジミはもともと山の蝶ではない
昔は平地にも多く東京近郊でも普通に見られた
この蝶の特徴は幼虫が肉食系であること、竹や笹につくアブラムシ(アリマキ)を捕食する
都会では笹藪が見られなくなったが、山地には笹類がかなり残っていていつのまにか山の蝶になってしまった
成虫はモノトーンの清楚なイメージで肉食系には見えない
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スジボソヤマキチョウ
こちらはもともと「山の蝶」
といってもけして珍蝶ではなく、60年前中学生の頃の標本箱の中では燦然と輝いていた
この蝶にもヤマキチョウという近似種がいて、そのヤマキチョウのほうは絶滅危惧指定になってしまったが、こちらのスジボソヤマキのほうはまだ数が多く、数年前までは信州峠周辺でも群舞が見られた
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ギンボシヒョウモン
最近では都心部でもツマグロヒョウモンが見られるので「ヒョウモン類は山の蝶」という感覚がなくなってしまったが、子供の頃は山の蝶といえばヒョウモンだった
このギンボシヒョウモンやウラギンヒョウモンなどはまだ数が減ったという印象がないが、ウラギンスジヒョウモンやオオウラギンスジヒョウモンなどはほとんど見かけなくなってしまった
(そのうちヒョウモンモドキのよう中部地方から姿を消してしまうかもしれない)
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ミドリヒョウモン
ヒョウモン類の食草は基本的にスミレである
このミドリヒョウモンも他のヒョウモンと同じようにタチツボスミレなどを食草とするのだが、どういうわけかこのミドリヒョウモンだけが勢力を拡大し続けているような気がする
道路脇の廃屋や駐車場などで群れをなして飛び回っていることが多い
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ヒトツメカギバ
「一つ目鍵羽」 もちろん蝶ではなく蛾である
たまたま林道で目についたのでシャッターを押した
蛾の種類数は蝶の種類数より一ケタ多いのでとても手が回らないのだが、「日本の蝶」をクリアできたら「日本の蛾」でも始めることになるかもしれない
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蛇足
信州峠に着く前、韮崎周辺のある林道でクロヒカゲモドキを探した
自然が残ったとても良い林道だったのだが不思議なことに蝶が一頭も出てこなかった
見つけたのがこの蛇、ヤマカガシだろうと思うが手元に蛇の図鑑がないので断言はできない
悔し紛れの「蛇足」である
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by mustachio | 2014-07-21 12:03 | Comments(0)
2014年 07月 11日

またも「幻」クロヒカゲモドキ

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ジャノメチョウ科(最近の分類ではタテハチョウ科)にクロヒカゲモドキという超地味な種類の蝶がいる
林道などで普通に見られるクロヒカゲによく似た蝶で「前翅裏面の眼状紋(蛇の目)が3個」といった程度の特徴を持つ
色彩的にも特に魅力的ではなく、昔は関東甲信越でも比較的数が多かったのでスポットライトを浴びるようなこともなかった
そのクロヒカゲモドキがここ十年で激減し希少種になってしまっている
10年前から蝶の撮影を始め、当時はこの蝶の撮影は簡単なことだとタカをくくっていた
同好者の方と立ち話をしても「あそこの林道にはいくらでもいますよ」という話ばかりだったが、どういうわけか5年たっても出会いがない
古い文献や採集案内などを漁り、発生シーズンにはピンポイントで探しに行くのだが結局一度も巡り合わずに10年が過ぎてしまった

昨年、自分の所属するゴルフクラブの関係者の方が蝶に詳しいことがわかり、今年は詳細なポイントの地図までいただいたので、7月9日家内と山梨県の韮崎方面へ向かった
情報提供いただいた方はその場所で6、7年前に複数のクロヒカゲモドキを確認しておられ、自分も地理的には良く知っている場所だったが、1時間ほど探し回っても全く現れない

その内に一人の採集者の方が現地に来られ、話をしてみると、その場所は5~6年ほど前は好採集地だったが周辺の開発(伐採)の影響で数年前から数が減り始めたという
特に今年はポイントの片側にある雑木林(メインは赤松)が伐採されてしまい、周囲が明るい空き地になってしまったので「今年は無理だろう」とのご意見であった

今年は間違いなく撮影できると意気込んでいたのに姿が見られずまさに「意気消沈」で引き上げることになった次第である
撮影地の状況をブログにアップするのはタブーなのだが、蝶のいないフィールドの写真なら差し支えないと思うので小さいサイズの写真をアップしておく(写真の右側が昨年伐採されてしまった雑木林跡である)

余談になるが山梨県では政策的に太陽光発電を奨励していて補助金が支給されるので森林伐採が急速に進んでいるという
自然に優しいはずの自然エネルギー利用が自然破壊につながるとしたら皮肉な話である

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ジャノメチョウ
クロヒカゲモドキを探すために周辺のブッシュを叩くのだが、飛び出してくるのはジャノメチョウばかりだった
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ミヤマカラスシジミ
周辺には結構ミヤマカラスシジミがいて過去数年の間に何回か撮影している
当日も1頭見つけたのだがクロヒカゲモドキ敗退で落ち込んでいたので気合が入らず、ピントを合わせる前に逃げられてしまった
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キマダラセセリ
キマダラセセリは今年初見
この蝶も段々減っていくのではないかと心配になる
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オオムラサキ
山梨県といえば国蝶オオムラサキ
ここ5年以上オオムラサキに会いに毎年韮崎周辺まで出かけてくる
去年も一昨年も個体数が多く、今年も期待していたのだが思ったほど数が多くない
時期的に少し早いせいかクヌギの樹液が出ておらず吸汁するオオムラサキは全く見られなかった
たまたま羽化したばかりのような若い新鮮なオスが近くにとまってくれたので「今年のオオムラサキ」を撮影することができたが、森林伐採の影響がどこまで及ぶのかオオムラサキも心配である
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ヤマトシジミ
普通のヤマトシジミ
撮影場所は茅ヶ岳登山口の深田久弥記念公園
5年くらい前まではこの公園周辺にアサマシジミが棲息していた
クロヒカゲモドキとは違い、こちらの蝶は何回も撮影チャンスをいただいているのだが、2~3年前から姿を見せなくなり、今では消滅してしまった
ご近所の住人の方の話では環境整備のため草刈りをして食草(クサフジ類)をなくしてしまったのが消滅の原因だという
現地にはヤマトシジミしかいなかったので不本意ながら撮影させていただいた
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オオバジャノヒゲ
いろいろと蝶を追いかけているうちに植物も春の花から夏の花への変換が進んでいる
森の日の当らない場所にはオオバジャノヒゲが咲いていた
地味な花だが、良く見るとなかなか雰囲気がある
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チダケサシ
花のイメージからは遠いが、ユキノシタ科の植物
採ったチダケ(乳茸)をこの植物の茎に刺して運ぶといわれる
なぜかアカシジミの発生シーズンに多い植物のような印象が強い
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カラマツソウ
夏になると植物が茂って背の低い花には日が当らなくなる
夏に咲く花は背丈が高く白い花が多いような気がする
カラマツソウの仲間はいろいろと種類が多いが、これはごく普通のカラマツソウのようだ
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タケニグサ
こちらも背丈があって地味な白い花
「竹似草」という名前は違和感があるが、外見ではなく、茎が中空なので竹似草というらしい
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オカトラノオ
背丈はないのだが草原の中で真っ白な花が目立つ
この花には昆虫が多く集まるので写真の被写体になるチャンスが多い
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ヒヨドリバナ
これから夏が始まるというのに、秋の高原に多いヒヨドリバナがもう咲き始めていた
うかうかしていると蝶のシーズンもすぐ終わってしまう
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ヤマユリ
季節の花ヤマユリも咲き始めている
この花の花ことばは「威厳」がポピュラーだが、もう一つ「人生の楽しみ」というのがある
年をとったわれわれにはこちらのほうがイメージ的に会うようだ
クロヒカゲモドキに振られたブログなので、タイトルバックにはヤマユリの写真を使うことにした
(ネイチャーフォトは人生の楽しみという意味で)
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ナデシコ
白い花ばかり続いたので色鮮やかな花で締めることにしよう
まずはナデシコ
日本では(特に男子の)サッカー熱が急に覚めてしまった感があるが、ナデシコのほうはまだ期待が持てるようだ
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ノアザミ
アザミは完全に夏の花で春から咲くアザミはノアザミくらいしかない
そのため、良く調べもせず初夏のアザミをノアザミと決めてしまうが、そろそろいろいろなアザミが咲き始める面倒な季節になったようだ
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クガイソウ
こちらも初秋の高原の花のイメージだが、もうクガイソウが咲き始めていた
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クサフジ
マメ科の野草は種類が多い
最近は草刈機が普及して野草が刈り取られてしまうことが多いが、クサフジのようにある程度花がまとまっていると生き残るチャンスも多いようだ
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ムラサキシキブ
自然界の中で美しい花が消滅して行く傾向が強いが、なぜかムラサキシキブという植物は数が増えているような気がする
木本で盗掘しにくいうえに、花も実も美しいので刈り取られずにすんでいるのかもしれない
ちょうど花が満開の時期だったが、ピンクとイエローの組み合わせは十分アップに耐える被写体だった
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by mustachio | 2014-07-11 15:41 | Comments(3)
2014年 07月 06日

会津のキマダラルリツバメ

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7月1、2日と東北道・磐越道ルートで福島県西会津地方へ出かけた
東京から距離にして300キロ、撮影ターゲットはキマダラルリツバメという蝶である
この蝶の幼虫はハリブトシリアゲアリという蟻と共生(蟻から餌をもらい、蟻は幼虫から分泌する蜜をなめる)するという特異な習性があり、この蟻は桜、松、桑、柏、桐などの古木に巣をつくる
西会津の柳津、三島などの町は伝統的に桐たんすや桐下駄などを作る桐の町で集落周辺には桐林が多いため、そのキマダラルリツバメが棲息する

この蝶の主な活動時間帯は夕方なので深夜の帰宅を許容すれば十分日帰りも可能なのだが、何分70歳を超えると往復600キロの運転はきつい
夜は柳津温泉にとまり日本旅館で郷土料理と酒を楽しんで、翌日は新潟の小出(魚沼市)までの一般道100キロをゆっくりドライブして関越道経由の帰宅となった

柳津~小出ルート
会津坂下から新潟・小出までのルートは国道252号線
只見川沿いに上流方向へ走り、田子倉ダムからは新潟に入って破間川沿いに小出へ下る
このルートと並行してJR只見線が走っているのだが2011年7月の豪雨被害で不通となった後、会津川口と只見の間が復旧していない(もともと赤字路線で利用者が少ないため高額な復旧費用が負担できないようだ)
道路のほうは良く整備されていて走りやすかったが、これは気候の良い時期だけの話で豪雪の冬場は通行困難になるようだ
柳津には日本三大虚空藏尊の一つである福満虚空藏尊圓藏寺があり、途中金山の沼沢湖や只見川に造られたいくつもの大型ダムなど見どころの多い楽しいドライブウエイである

植物のほうは初夏に入って花は目立たなくなってしまったが、ヤマブキショウマやシモツケソウなどが見られた
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キマダラルリツバメ
後翅1枚に2本、合計4本の尾状突起を持つ不思議なシジミチョウは、中学・高校時代、一つのあこがれであった
このキマダラルリツバメに初めて出会ったのは9年前、会社生活をリタイアして蝶の写真を撮り始めてから比較的早い時期であった
当時長男家族が勤務の都合で京都にいてそこを足場に京都観光をしたものであるが、6月下旬南禅寺近くの「哲学の道」という観光客の多い小道の脇のヒメジョオンの花でこの珍蝶を発見したのである
もともと南禅寺には桐(もしかして桜だったかもしれない)の古木があり、そこにキマダラルリツバメが発生するという記録を情報としてインプットしてあったのでマクロレンズは持っていたが、もちろん南禅寺境内で見つけることはできなかった
その後京都観光散策の途中での出会いは全くの偶然で、日没直前の悪条件の中、何枚かの写真をものにすることができた
それから9年、日本の蝶の写真もだいぶ整備されてきたので、関東近辺では出会いの可能性が高い西会津地区にチャレンジすることにした次第である

情報はしっかり入手するが人の案内に従うのでなく自分で探すことを原則(もちろん例外もあり、過去にサイトをご案内いただいた方には十分感謝しております)としているので、全く初めての地域であったが、今回は空振りではなく無事にキマダラルリツバメと再会した
この地域には候補地がいくつもあるのだが「桐の木があってヒメジョオンなどが咲き乱れる空間」を根気よく探せば見つけることができる
ただ時間帯としては夕方4~5時がベストで午前中は全く見つけることができなかった

もう一つ残念なことは(本来7月上旬でもまにあうはずなのに)今年は発生が速かったようで若干破損が進行して尾状突起4本がそろっている個体が見つけられなかったことである
(採集者が入ってごっそり採って行ってしまったことも十分考えられる 三島町では天然記念物指定であり周辺も含め「採集禁止」を徹底すべきだ)
何年か後に再挑戦も考えているが、それまでキマダラルリツバメが生きながらえてくれることを願うばかりだ
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ヒメジャノメ
けして珍しい蝶ではないのだが個人的には縁が薄く、栃木県のあるポイント以外では初めて出会ったような気がする
類似種のコジャノメは完全に普通種で数も多いため確認不十分で見落としているのかもしれない
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ダイミョウセセリ
ごく普通種のセセリチョウ
東京の我が家にも来ることがある
見た感じも分類も全く異なるがススキの葉にとまってテリトリーを張る行動などキマダラルリツバメによく似ている
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オオチャバネセセリ
もう1種のセセリチョウは普通種のイチモンジセセリではなくオオチャバネセセリのほうだった
イチモンジセセリはやはり「秋の蝶」なのだろうか
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キアゲハ
キマダラルリツバメを探した部落周辺では全くアゲハ蝶を見かけなかった
このキアゲハは帰路、沼尻湖畔で見かけた
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ヤマトスジグロシロチョウ
スジグロ蝶もヤマトスジグロシロチョウだった
東京近郊から離れるとスジグロシロチョウより多いのかもしれない
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キタテハ
キマダラルリのいそうな草原にはキタテハが多かった
シャッターはほとんど押していない
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クジャクチョウ
タテハの仲間ではクジャクチョウがいた
ちょっと意外だったのが栗の花で吸蜜していたこと
この蝶は高原の蝶のイメージが強く高山植物での吸蜜シーンは絵になるが、栗の花はミスマッチの印象である
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ミドリヒョウモン
金沢の医王山でやたら多かったミドリヒョウモンも数多く見られた
ここではカップルの写真だけをアップしておく
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ウラギンヒョウモン
この仲間はギンボシヒョウモンではなくウラギンヒョウモンだった
長野県や北海道ではギンボシヒョウモンが多いのだが、分布地図を見ると福島県はウラギンヒョウモンの天下のようだ
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メスグロヒョウモン
もう1種の豹紋はメスグロヒョウモン
東京でも武蔵村山などでは見られるが数が多い蝶ではない
最初に見つけたのは栗の花で吸密するメスのほう、ヒメジョオンに来ているオスは最初ウラギンスジヒョウモンかと思ったが良く見るとメスグロのオスだった
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ヒメシジミ
今回のツアーで最も数多く撮影した蝶がこのヒメシジミだった
キマダラルリツバメのいそうな桐林に近い草原には必ずといっていいほどヒメシジミが群れていた
日本の蝶の種類の30%が絶滅危惧といわれているが、逆に環境に適応して数を増やしている蝶も結構多い
このヒメシジミなどもその一例でいるところにはうじゃうじゃといるものだ
(蝶に詳しい方には余計な説明になるがブルーのほうがオス、ダークブラウンがメスである)
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by mustachio | 2014-07-06 12:36 | Comments(0)