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2015年 06月 27日

モンゴル2000キロ野鳥編03

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野鳥編は第1部猛禽、第2部水辺の鳥としたので第3部は残り、つまりその他ということになる
海外にバードウォッチングに出かけるとエンデミック(その地域の固有種)がメインテーマになることが多いが、モンゴルではエンデミックな鳥がいなかった
海に囲まれた島ではなく周囲は地続きの外国なので固有種は存在しにくいのだが、よく考えてみると狭い地域に居を構える留鳥が少なくて渡りをする鳥が多いということなのだと思う
鷲鷹や水鳥以外の小鳥類も結構渡りをする種類が多く日本との共通種も多いことが旅をしてみてよくわかった

ヤマウズラ Daurian Partridge
トップバッターのヤマウズラは少数派の留鳥である
体型からして渡りには向いていないようでモンゴルからロシア南東部、中国東北部に棲息する
英名のDaurianの意味が分からなかったので調べてみるとDauriaはバイカル湖より東側の地域の名称らしい
ヤマウズラのつがいが車の近くに出てきたので夢中になって撮影したが、後で車のドライバーがこの鳥は食べると非常に美味しいのだと身振り手振りで教えてくれた
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ノガン Great Bustard
ノガンは比較的近距離の渡りをする
ロシア中部、モンゴル、中国北部で繁殖し冬は中国南部や中近東(まれにヨーロッパ南部)へ渡る
このノガンも肉がうまいようで、狩猟対象となるため警戒心が非常に強く、望遠レンズでやっと撮影できたもののディテールの表現は困難だった
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カッコウ Common Cuckoo
カッコウはユーラシア大陸に広く分布する国際鳥だ
それでもちゃんと渡りをし、冬はアフリカ、インド、インドシナ半島などで過ごす
モンゴルではカッコウとツツドリを確認したが、ホトトギスとジュウイチはいなかった
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ヤツガシラ Eurasian Hoopoe
カッコウより少し南に偏るがヤツガシラもユーラシア、アフリカ大陸を股にかけて移動する
旅鳥として日本に立ち寄ることも多く、与那国など南西諸島ではタイミングが合えば必ず見られる
ヨーロッパでもよく見られる鳥なのでもう少しアップが撮れるかと思っていたが、意外と警戒心が強く写真はいまいちだった
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クマゲラ Black Woodpecker

テレルジの森でクマゲラに出会った  あの北海道のクマゲラである
キツツキ類は基本的に渡りをしない留鳥なので、それぞれの地域で別個に代を重ねてきたことは間違いない
モンゴルは北海道とほぼ同緯度で環境もよく似ている
ユーラシア全体で見ればクマゲラがモンゴルにいて何の不思議もないことになる
ところで、日本のクマゲラは地表で虫を採ったりする姿を見たことがないが、モンゴルのクマゲラは地面の蟻でも捕食しているのか地上にいる時間が長かった
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ヤマゲラ Grey-headed Woodpecker
こちらも北海道の鳥ヤマゲラ  日本では北海道でしか見られない貴重な鳥だが、こちらもヨーロッパから中国までユーラシア大陸に広く分布している
日本にはヤマゲラによく似たアオゲラがいて北海道以外で広く見られるが、グローバルに見るとこちらのほうが日本固有種で希少価値が高い
蝶のカラフトタカネキマダラセセリとヒメチャマダラセセリ、鳥のクマゲラとヤマゲラ、北海道とモンゴルの共通性を身をもって実感した
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アカモズ Brown Shrike
アカモズの仲間が何種類かいるが面白いことにアカモズが東アジア、モウコアカモズが中央アジアから東アフリカ、セアカモズがヨーロッパ・ロシア西部から南アフリカとユーラシア・アフリカを縦に棲み分けている
モンゴルは東と中央の境界に当たるようでアカモズとモウコアカモズがいた
撮影できたのはアカモズだけだった
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オナガ Azure-winged Magpie
東京にも棲んでいてたまにわが庭にも現れるオナガにモンゴルで再会した
中国を中心とする東アジアの鳥でモンゴルは生息圏の西端にあたるようだ
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カササギ Eurasian Magpie
同じMagpieでも個人的にはオナガよりカササギのほうが価値が上のような感じだが、世界的に見るとカササギのほうが普通種、オナガが希少種ということになる
ヨーロッパの町中でも見られるカササギだがついレンズを向けてしまう
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ベニハシガラス Red-billed Chough
遠目で見てただのカラスと馬鹿にしてはいけない
モンゴルではただのハシボソガラスよりこちらのほうが多いような感じだ
名前の通り嘴と脚が赤い
ヨーロッパから中国にかけて広く分布するカラスだが、全身真っ黒なカラスより見ていて何倍も楽しい
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コクマルガラス Daurian Jackdaw
カラスは黒一色ではないというもう一つの例
こちらのカラスは後頭部、肩から腹が白く個性的なデザインだ
英名はDaurianだがカスピ海東の狭い地域限定ではなくユーラシア東部に分布する
一方ユーラシア西部にはニシコクマルガラスWestern Jackdawがいてやはり体の一部が白い
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ルリガラ Azure Tit
写真を見てどんな鳥かお分かりいただけないだろうと思う
シャッターチャンスに恵まれずたった1枚の写真が顔に花がかぶってしまった(特徴の黒い過眼線は確認できる)
カラの仲間で頭と腹が白く背中がブルーの美しい鳥である
ロシア西部、中央アジア、沿海州地方と東西に延びる帯状の地域に棲息する
どうしても顔が見たいという方は家内が写真を撮っているのでご一報ありたい
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コウテンシ Mongolian Lark
漢字で告天子と書く
英名のようにモンゴルヒバリでホスタイなど山岳地の草原に多数見られた
写真をよく見るとどこかとぼけていて蝶ネクタイを締めた漫才師のイメージだった
(ツアーがまとめたバードリストに記載がないが、3枚目の写真はどうも別種のヒメコウテンシではないかという気がする)
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ノドグロツグミ Red-throated Thrush
和名が喉黒で英名が喉赤というと矛盾があるようだが亜種のレベルでは亜種ノドグロツグミと亜種ノドアカツグミに分かれる
写真の鳥はノドアカのほうだ
どちらもユーラシア中央部の鳥でノドアカのほうは東シベリア南部、モンゴルからバイカル湖周辺で繁殖しインドやミャンマーの北部で越冬する
オスの赤い(オレンジの)喉は印象的だった
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ジョウビタキ Daurian Redstart
英名が「Dauria地方の」となっているので希少種かと思うが普通のジョウビタキである
ジョウビタキは東アジアを南北に移動する鳥でDaurianを東アジアのという意味に使っているようだ
日本では冬鳥となるが最近では日本で繁殖の例もあり個人的にも確認している
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ハシグロヒタキ Nothern Wheateater
こちらはシベリアを中心に広くユーラシア大陸に分布するヒタキ  冬はアフリカに渡る
メスは多少オレンジの部分があるが、オスは白、黒、グレーのモノトーンですっきりとしたデザインである
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イナバヒタキ Isabelline Wheateater
繁殖地はハシグロヒタキより南寄りのユーラシア中央部でやはり冬はアフリカへ渡る
割と人懐っこい鳥でタイトルバックのように至近距離でアップを撮らせてくれた
ツアー仲間では愛称イナバウアーである
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イエスズメ House Sparrow
日本のスズメと違う頭部がグレーの西洋雀
世界中に分布しスズメとしてはこちらがグローバルスタンダードである
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スズメ Eurasian Tree Sparrow
こちらは日本のスズメ
モンゴルには両方のスズメが普通にいた
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イワスズメ Rock Sparrow
モンゴルにはもう1種別のスズメがいた
もちろん初めて会うスズメでイワスズメという
ただイエスズメのメスによく似たスズメで差異がよくわからなかった
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ハクセキレイ White Wagtail
セキレイはキセキレイ、キガシラセキレイ、ハクセキレイがいてキセキレイは日本とまったく同じ
ハクセキレイは日本のハクセキレイとはイメージが違って白面の貴公子である(顔に黒い過眼線がない)
亜種シベリアハクセキレイと説明があったが亜種ホオジロハクセキレイと同じ鳥のようだ
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シメ Hawfinch
シメはヨーロッパと東アジアに分かれて分布するようでモンゴルなどユーラシア中央部には少ないらしい
モンゴルには数少ないタンポポの咲く草原でそのシメを見かけた
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アカマシコ Common Rosefinch
アカマシコもユーラシア大陸の西から東にかけて広い範囲で繁殖し冬はインドや中国南部など南アジアに渡りをする
数少ない旅鳥として日本にも記録がある
通常アカマシコは上半身が真っ赤なはずなのだが、撮影できたモンゴルのアカマシコはなぜか赤みの薄い茶マシコだった
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シラガホオジロ Pine Bunting
こちらもユーラシア中央部を南北に渡る渡り鳥
頬が白いのは当然だがこのホオジロは頭頂部も白いのでシラガホオジロと呼ばれる
日本では旅鳥や冬鳥として日本海側の島しょ部で時々見られる珍鳥である
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by mustachio | 2015-06-27 15:04 | Comments(0)
2015年 06月 26日

モンゴル2000キロ野鳥編02

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野鳥編第2部のサブタイトルは「水辺の鳥」とした
荒野の国モンゴルにも少ないながら川も湖(池)もある ただどういうわけか美しい風景ではなく大きな水たまりのイメージの場所が多い
そんな場所に鴨などの水鳥が集まって来るので格好の撮影場所にはなるのだが、これまたどういうわけか鳥が近くに来てくれない
モンゴルの水鳥は常に猛禽に襲われる危険があるため警戒心が異常に強いのかもしれない

オオハクチョウ Whooper Swan
日本では餌付けが行われているせいか白鳥は至近距離で撮影できるのが常識となっている
ただ日本で見られるのは冬季限定で、白鳥の繁殖地は北欧からシベリアにかけての北国である
モンゴルではそのオオハクチョウの子育てが確認できたが、何分遠い位置で望遠レンズでやっと撮影できるような条件だった
それでも日本では見られないオオハクチョウのファミリーの写真を一応撮ることができた
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ツクシガモ Common Shelduck
筑紫鴨の名前通り九州北部を中心に西日本では割とポピュラーな冬鳥である(関東など東京近辺では見られない)
世界的にはヨーロッパからアジア中央部にかけて普通に見られる鴨だ
ツクシガモのオスの嘴の基部には夏になると大きなコブが見られるので鮮明な写真を撮りたかったが、群れの所在位置が遠く、一応コブが確認できる程度の写真しか撮れなかった
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アカツクシガモ Ruddy Shelduck
30年ほど前、今は高層ビルが立ち並ぶ千葉の海浜幕張が建物の全くない埋め立て地だったころ、当時からバードウオッチャーだった家内に連れられてアカツクシガモを見に行った   自分としては意図して出かけた最初のバードウォッチングだったと思う
日本ではまれな冬鳥だが姿形も名前も鮮明に覚えている
そのアカツクシガモがモンゴルにたくさんいた
ツクシガモと違い群れを成す傾向はないようで常に1、2羽でいる独立自尊型の鳥だが、オレンジに近い赤茶色は遠くからでも目につき何枚も写真を撮った
群れたがらない鳥と書いたが子供は別で、写真3枚目の雛の群れはアカツクシガモの幼鳥である
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アオガン Red-breasted Goose
この鳥は大変な希少種らしい
一応ヨーロッパの鳥の図鑑には載っているが他の図鑑では見たことがない(ヨーロッパでもロシアやカスピ海沿岸で確認されているが情報は少ないようだ)
その超レアもののアオガンがモンゴルの池(湖)にいたのでツアーの責任者は舞い上がっていた
こちらは有難味がわからないので冷静にシャッターを押した
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ヒドリガモ Eurasian Wigeon と マガモ Mallard
どちらも世界的な普通種(ヒドリガモのほうはアメリカ大陸にはいない)
日本でもよい写真が普通に撮れるのでわざわざ不鮮明な写真を載せる意味がないが、一応モンゴルにいましたという報告である
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アネハヅル Demoiselle Crane
バードウォッチャーのモンゴル訪問の目的の一つがこのアネハヅルである
モンゴルを中心としたアジア大陸中央部で繁殖し冬はインドで過ごす
モンゴルとインドの間にあのヒマラヤ山脈が横たわるが、アネハヅルの群れはそのヒマラヤを越えて移動していくのである
比較的小型の鶴で日本でも迷鳥として記録がある
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ソリハシセイタカシギ Pied Avocet
通称アボセット(英名)  色彩的にはシンプルだが反り返った嘴の形状が印象的で鳥好きの人たちの中で人気が高い
以前香港のマイポの沖合でこの鳥の群れを観察したことがあるがモンゴルのアボセットは単独行だった
セイタカシギ類の写真は立ち姿が基本であるが、今回は泳いでいる姿を撮影することもできた
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アカアシシギ Common Redshank
モンゴルにはアカアシシギのほかにツルシギ、タカブシギ、コオバシギなどのシギ類がいた
いずれもユーラシア大陸の北部で繁殖し冬は南アジアやアフリカへ渡る鳥たちなので日本でも見るチャンスは多い
シギ類の識別は全く不得手なのでアカアシシギくらいしか写真が撮れていない
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キアシセグロカモメ Caspian Gull
まさか内陸のモンゴルでカモメに出会うとは思わなかったが、帰って図鑑を調べてみるとこのカモメの繁殖地はカスピ海からバイカル湖までのアジア大陸中央部  冬はヨーロッパや中国の沿岸部で過ごす渡り鳥で日本にも記録がある
カモメは海の鳥との思い込みがあったが、案外大陸内部で繁殖するカモメは多いようで東京湾のユリカモメなども夏の繁殖期はユーラシア内陸部で過ごすらしい
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アジサシ Common Tern
アジサシは不思議な鳥でユーラシアにもアメリカにもいるのだが繁殖期は北半球で過ごし北半球の冬は南半球で過ごす
越冬の意味ならば赤道近辺にいればすむものをアフリカ、オーストラリア、南アメリカの南部まで渡っていく
要するに夏も冬もベストシーズンのところで暮らすということらしいが、ご苦労なことだ
モンゴルのアジサシは亜種アジサシ(嘴の黒いもの)と亜種アカアジサシ(嘴の赤いもの)が混在しているようだった
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ハジロクロハラアジサシ White-winged Tern
このアジサシも夏はユーラシア中央部で過ごし冬は南アジア、オーストラリア、アフリカへ渡る
アジサシ類は大移動をする渡り鳥が多いので日本でも旅鳥として出会いの機会があり、この鳥を含む多くのアジサシ類が「日本の鳥」になっている
このハジロクロハラアジサシはもちろん今回初めての出会いであるが、人間でいう上半身が真っ黒、下半身が真っ白、羽の先はグレーというデザインで強く印象に残った
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ツバメ Barn Swallow
写真の鳥は普通のツバメなのだが、印象が全く違って見える
日本のツバメは顔にこそオレンジ部分があるが胸から下は純白である
モンゴルのツバメは何と胸から下もオレンジ色で、亜種のレベルでは亜種アカハラツバメということになるらしい
水辺で巣材を集め巣作りをしていたが、どう見てもツバメとは思えなかった
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ニシイワツバメ Common House Martin
夏鳥として日本で割と普通に見られるイワツバメは英名をAsian House Martinといい、アジア東部に分布する
一方ニシイワツバメのほうはユーラシア大陸のやや西よりに分布しメインの越冬地はアフリカだ
つまりヨーロッパでは普通のイワツバメなので英名ではCommonが付く
モンゴルでは橋の上から中洲で巣材を集めるニシイワツバメを観察し、飛翔写真も多数撮影できた
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by mustachio | 2015-06-26 12:21 | Comments(0)
2015年 06月 25日

モンゴル2000キロ野鳥編01

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今回の旅行はバードウォッチングが目的のツアーだったので、これからが本題である
モンゴルの野鳥といえばまず鷲鷹  つまり猛禽類だ
モンゴルの荒野にはとにかく馬・牛・羊・山羊が多い
それも放任状態なので病気などの理由により短命に終わるものも多く新鮮な死骸はあちらこちらに散らばっている
強力な肉食の哺乳類がいないので、食物連鎖の頂点には猛禽類が君臨しているようだ

クロハゲワシ Cinereous Vulture
アフリカなどにもハゲワシが多いがハイエナなどのライバルも多い
モンゴルでは肉食の哺乳類が少ないため、クロハゲワシなどのスカベンジャー(腐肉を食う動物)鳥類が勢力を誇っている
この鳥は日本に飛来した記録があり「日本の鳥」にカウントされていて日本産最大の鷲鷹ということになっている
なお4、5枚目の写真はクリアーに撮れているが苦労して望遠レンズで撮影したものではなく、捕獲された飼い鳥を至近距離からコンデジで撮影したものである
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ヒメクマタカ Booted Eagle
日本にも生息するクマタカはMountain Hawk-Eagleといい、中国南部などどちらかといえば南アジアの鳥
一方こちらのヒメクマタカはヨーロッパから北アフリカに生息する欧州系の鳥のようだ
モンゴルはアジアより欧州の影響が強いのかヒメクマタカのほうが生息していた
英名の通り鷹のイメージよりは鷲のイメージが強いが、それほど強い鳥ではないようで小型のチョウゲンボウに追い掛け回されていた
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ソウゲンワシ Steppe Eagle
英語の通り「草原鷲」
次の「肩白鷲」とともに大草原の捕食者でマーモットや地リスのような中型の哺乳類や魚を狩る
日本にも記録があるが基本的には中東から中国などユーラシア中緯度に棲息する
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カタシロワシ Eastern Imperial Eagle
Imperial Eagleと名乗るだけあってソウゲンワシより一回り大きい
生息域はソウゲンワシとほぼ重なるが、本種の越冬地は中国南部など少し東に偏る
そのため冬鳥として日本に来るケースは多いようで各地に記録がある
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イヌワシ Golden Eagle
今まで登場した鷲は日本で記録があってもどちらかというと迷鳥的存在
それに対し、このイヌワシは留鳥としてしっかり定着した「日本の鷲」で人気も高い
個体数は少ないので日本国内ではなかなか見られないが、モンゴルでは少し山岳地域に入ると簡単に見ることができる
モンゴルの鷹匠(鷲匠)はこのでかい鷲を飼育して狩りに使うので、ドライブの途中、至近距離で鷲狩用イヌワシのアップを撮影するチャンスがあった
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ハイイロチュウヒ Hen Harrier
日本でも見られるハイイロチュヒ、家内のお供で何回か茨城県まで撮影に出かけた
日本で見るこの鳥のオスは名前の通り灰色だが、モンゴルのハイイロチュウヒは頭から胸まで真っ黒で「大陸型」と呼ばれる
中型だが元気な鳥で大型のオジロワシを追い掛け回していた(写真後半の2枚はメス)
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トビ Black Kite
おなじみのトビはモンゴルでも数が多かった
旧大陸の鳥で夏はヨーロッパから中国にかけて広い範囲に生息し、冬はアフリカ、南アジア、オーストラリアへ渡るが、日本では留鳥である
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オジロワシ White-tailed Eagle
日本でも普通に(といっても冬に北海道まで遠征する必要があるが)見られる大型の鷲はオオワシとオジロワシである
オオワシのほうは極東沿海部限定の鳥だが、オジロワシのほうはユーラシア大陸に広く分布しモンゴルでも普通に見られた
といっても空を飛んでいる鷲の尾が白いのでオジロワシとわかるといった程度で、日本のオホーツク海の流氷の上で見るように近くでゆっくり見られるわけではない
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オオノスリ Upland Buzzard
自分自身が鳥は素人なのでノスリという鳥の概念が今一つピンとこない
カラスと同程度の大きさの鷹で鳥屋さんから「あれがノスリ」と説明されても「ああそうですか」で終わってしまう
モンゴルにはノスリもいたが、一回り大きくトビくらいの大きさのオオノスリがいた
モンゴルを中心に中国北東部からロシア南東部に限定的に棲息するノスリとしては最大の鳥である
草原にぽつんと生えた木の枝にオオノスリが子供を育てていた
鳥の巣に近づくことはバードウォッチャーとしてはタブーなので遠距離からの望遠撮影となったが、一応雛の様子まで確認することができた
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チョウゲンボウ Common Kestrel
これまでに登場した鷲鷹は分類上すべてタカ目に属するが、チョウゲンボウの仲間はハヤブサ目でグループが異なる  小型の鳥だが動きが俊敏で目が大きく精悍なイメージの猛禽だ
チョウゲンボウはユーラシア大陸に広く分布し、ヨーロッパの古城や都会地区の高層ビルにも営巣する
同行の鳥屋さんたちはチョウゲンボウが出てくると日本では迷鳥になるヒメチョウゲンボウかチョウゲンボウかで大騒ぎしていたが、結論はすべてCommonのチョウゲンボウだったようだ
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アカアシチョウゲンボウ Amur Falcon
英名のAmurが示すようにロシア南東部、中国北部、モンゴル、朝鮮半島で繁殖するチョウゲンボウ、
冬はアフリカ南部へ渡って越冬する変わった鳥で日本でも旅鳥として観察記録がある
そのアカアシが地上に止まっているところを観察することができた  目、嘴、脚、下腹部が鮮やかなオレンジで印象的だった
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ワキスジハヤブサ Saker Falcon
いわゆるハヤブサは五大陸すべてに分布するグローバルな鳥だが、こちらはユーラシア大陸の中央部分に住むローカルなハヤブサ
日本でも迷鳥として一度記録があるため「日本の鳥」になっているが個人的には納得がいかない
黒い頬髯と白っぽい眉斑が特徴である
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by mustachio | 2015-06-25 16:50 | Comments(0)
2015年 06月 22日

モンゴル2000キロ(動物編)

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イントロ篇で触れたようにモンゴルは大草原というより「荒野」の国
ウランバートルを一歩出ると、車には出会うが歩いている人間には出会わない不思議な国だ
それでも馬・牛・羊・山羊などの動物はたくさんいて群れを成して草丈の短い草を食い漁っている
これらの動物たちは野生動物ではなくすべて持ち主が明らかな家畜なのだが、持ち主がエサを与えるのではなく動物が勝手に草を食うシステムになっている(馬に乗った番人と番犬が群れの大きな動きだけは監督している)

モウコノウマ
モンゴルの動物のスターはモウコノウマ(蒙古野馬)だと思う
アジアの馬の祖先といわれる野生馬でホスタイなどの国立公園に野生状態で保護されている
第2次世界大戦の前後にモンゴルでは一時絶滅した種であるが、飼育していたオランダの動物園が主体となって復活させ現在はかなり数を回復しているようだ
尾とタテガミが黒く、脚も下半分が黒いのが特徴で、見ればすぐ識別できる
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こちらは野生の馬ではなく家畜の馬
といっても野外で勝手に草を食って生活しているので野生の馬となんら変わりはない
モンゴルではコメを食う習慣がなく野菜もあまり摂らないので田んぼも畑も全く見かけない(小麦畑は確認できたがシーズンではなかった)
したがって農耕馬として使役に使うことはないようなので、なぜ家畜として馬を飼うのか理解できない
日本語の話せる現地ガイドに質問してみると馬は競馬用で1頭の競馬馬のために群れが必要なのだという
さらに突っ込んでみるとどうも馬を保有すること自体が彼らのステイタスになっているようで馬の値段は結構高いようであった
ジンギスカン時代からの騎馬民族としての伝統が生きているということだと思う
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馬と違って牛のほうは肉も食えるし乳も飲める
しかしながら牛も勝手に放し飼いになっていて毎日搾乳するわけでもなさそうだし、毎日牛肉を食っている様子もなかった
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羊・山羊
現地の料理は羊の肉が多用されていた
羊毛は衣料の原料でもありゲルのフェルトにも使われるので現実的な家畜である
ただ羊の群れをよく観察してみるとほとんどが山羊との混群で、昔ながらの放任型畜産の域を出ていないようであった

一つ、モンゴルの放牧家畜の共通点を見つけた
馬・牛・羊・山羊とすべて色使いが同じなのだ
もちろん1色で統一されているわけではなく、黒・白・茶色の組み合わせなのだが、アジアでもヨーロッパでもこのような例を見たことがない
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ヤク
野生動物ではなく家畜としてであるがヤクの群れがいた
ヤクはチベットなど高地に棲息する牛の仲間であるが、長い毛が採れる上に肉もうまいようで家畜として飼われている
(日本でも江戸時代にはヤクの毛が高位指揮官の兜の装飾用として使われていた)
図体が大きく迫力があるが撮影のため接近しても全く問題はなかった
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フタコブラクダ
荒野にラクダの群れを見つけた
こちらも野生ではなく持ち主がいるのだが誰も監視しておらずラクダだけで勝手に草を食っている
個人的な記憶ではラクダのこぶはもっと丸くて大きかったと思うが、実際に見たラクダのこぶは痩せて尖っているような印象だった
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ホックジカ
山岳地で鹿の群れを見かけた
こちらは家畜ではなく野生動物である
最近では日本でも鹿が増えて、北海道のエゾシカなどは群れで町中を闊歩している
モンゴルでは自然の中を大型の家畜たちが歩き回っているので、鹿たちは遠慮がちに生活しているようであった
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モンゴルには肉食系の哺乳類は少ないらしい
おそらく食物連鎖のトップはオオカミだと思うが、今はほとんどいないらしい
代わりに狩りをしている狐を見かけたが位置が遠く後ろ姿しか撮影できなかった
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ナガオジリス
哺乳類と違ってモンゴルには鷲鷹など肉食系の鳥類が幅を利かせている
その格好のエサになるのが地リスの仲間のようだ
敵が来れば巣穴に逃げ込む体制で生活しておりなかなか見つけにくいが、数は多いようだ
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タルバガン
別名モンゴリアンマーモット モルモットの仲間である
ホスタイ国立公園の山岳草原地帯にはこの小動物が多かった
アメリカ西部のプレーリードッグに似た非常に可愛い生物である
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以上で四足(哺乳類)は終わり 以下昆虫編になる

ミヤマハンミョウ
半翅目系の昆虫を捕食中のハンミョウを見つけた
ミヤマハンミョウではないかと思って撮影したが、帰国してから図鑑を調べてみると斑紋はカワラハンミョウに似ている
いずれにしても中国・モンゴルと日本のハンミョウは共通性があるようだ
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カラフトタカネキマダラセセリ
モンゴルには蝶はあまりいなかった
時期的に少し早かったのかもしれないが、全体的にベアグラウンドが多く草原(荒野)ではほとんど蝶が飛んでいなかった
唯一の例外は樹木が茂り下草に高山植物のような花が見られる狭い地域で、蝶を撮影するチャンスは1、2度しか巡ってこなかった
その中でうれしい対面がいくつか  日本では北海道でしか出会えない蝶との再会である
このカラフトタカネキマダラセセリは北海道の東部で何回も撮影しているが、遠く離れた異国での対面は感動的である
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ヒメチャマダラセセリ
もっと感動的な対面はこのヒメチャマダラセセリ
日本では絶滅危惧Ⅱ類で国の天然記念物に指定されている
蝶ファンの方はご存じだが北海道のアポイ岳にいかなければ見ることができない超レアものである
一瞬目を疑ったがとりあえず撮影し、帰国してから図鑑を確認するとこの蝶は中国東北部からヨーロッパにかけて広く生息しているらしい
絶滅危惧種保存も大切だが、グローバルな観点で判断する必要があるのかもしれない
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エゾヒメシロチョウ
カラタカやヒメチャマの生息から判断してモンゴルの環境は北海道とよく似ていると断言できる
写真のヒメシロチョウの仲間も日本との共通種だが、ヒメシロは基本的には本州の蝶で一部北海道にも生息地がある  エゾヒメシロのほうは完全に北海道の蝶だ
前翅が丸い点などからこの蝶はエゾヒメシロチョウだと判断した
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シロチョウ科の蝶
この蝶は正体不明
モンシロでもスジグロでもない
姿形はクロテンシロチョウによく似ていて黒点がはっきりしていれば断定していいようにも思うが、何せクロテンシロチョウは南方系の蝶
モンゴルの蝶の図鑑などないのでミステリーのままにしておく
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モンシロチョウ
オオモンシロチョウでもタイワンモンシロチョウでもない普通のモンシロチョウ
分布的にもモンゴルにいて何の不思議もない
ただこの普通種でさえツアー中ほとんど出会いがなかった
モンゴルではキャベツ畑がないのでモンシロチョウも出ないのかもしれない
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モンキチョウの仲間
モンキチョウは日本全国で見られる普通種、海外でもインド・中国・南ロシアと広く分布するらしい
写真の蝶はモンキチョウの仲間であることは間違いないが、裏面の斑紋が日本のモンキチョウと微妙に違うし、飛翔する時の印象は鮮烈なオレンジ色が目立った
個人的には日本のモンキチョウとは別種だと思うが、裏面の写真しかないし、アジア北部の蝶の資料もないので「保留」とするしかない
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クロツバメシジミ
こちらも日本との共通種
日本では北海道にはおらず、東京近辺では長野県あたりで見ることができる(個人的には松本や白馬で撮影することが多い)
見つけたのはウランバートル郊外のホテルの庭  近くにベンケイソウ科らしい多肉植物を見つけたのでクロツバメだと確信したが、日本の図鑑にもモンゴルに棲息することが明記されていた
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ジャノメチョウ科の蝶2種
最後にジャノメチョウ科が2種残った
どちらも日本の蝶とは共通性のない種である
最初の蝶は翅裏に白線(というより翅脈)が目立つ変わったデザインでこんな蝶は日本はいない
後のほうは何となくベニヒカゲに似た蝶だがもっと明るく赤みが強い
手元にアジア全般の蝶の図鑑でもあればいいのだが、あるとしても高価で手に入れるのは難しいだろうとあきらめている
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by mustachio | 2015-06-22 14:59 | Comments(0)
2015年 06月 21日

モンゴル2000キロ(イントロ篇)

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モンゴルへ
6月1日から8日まで「横綱たちのふるさと」モンゴルへ行ってきた
例によって家内と一緒のバードウォッチングツアー参加である
成田からウランバートル(チンギスハーン空港)まで西へ向かって5時間ほど
タイトルバックでお分かりのようにモンゴリアン航空のシンボルマークは馬(おそらくは野生種のモウコノウマ)をイメージしたものである
モンゴルの面積は日本の4倍、ウランバートルの緯度が稚内と同じでまあ北海道と同じ程度の北国である
今回の旅行で初めてわかったのだが日本とモンゴルでは時差がない 韓国でも台湾でもオーストラリアでも時差があるのに、日本の正午はモンゴルでも正午なのだ
朝は夜明けが遅いが、夜は9時過ぎても太陽が出ている不思議な国だった
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ランドクルーザーの旅
バードウォッチングツアーでは小型バスやワンボックスで移動するケースは多い
今回の移動手段はランクル  ツアー参加者12名が4台に分乗し、さらにガイドの専用車が1台加わって5台のランクル軍団で6日間モンゴルの大地を走り回った
大雑把な行程はウランバートルから北西へ向かいヒャラガナト、エルデネトに各1泊、その後南部へ移動しホスタイ国立公園で2泊、さらに東へ移動してテレルジ(リゾート地)で1泊  総走行距離は6日間で2000キロとなった
日本の感覚で2000キロといえば大したことはないが、何せモンゴルにはまともな高速道路がない
というか都市部以外は道路自体がほとんど整備されておらずほとんどがダート走行、行程の半分は道路ではなくただのベアグラウンドを走り回った印象で、凸凹道を60キロくらいのスピードで走るため走行中は体を保持すべくグリップを握ったまま
かって経験したことのない強行軍であった
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モンゴル大地
出発前、何となく「見渡す限りの草原」を想像していた
実際のモンゴルは草原というより荒野、それもほとんど草のない(草丈の低い)丘陵が果てしなく広がる
行ってみれば国土全体が手入れの悪いゴルフ場といった感じである(日本の箱庭コースのような美しいゴルフ場ではなくイギリスのタフなコースだ)
西部劇の舞台となった開拓時代のアメリカや、日本でいえば昔小林旭が登場した「ギターを持った渡り鳥」シリーズの舞台をイメージしていただければよい
草丈が低いのは土地のせいもあるが、草食動物が食べてしまうせいもありそうだ
モンゴルはもともと放牧の国で至る所に馬と牛とヤギと羊がいる(さらにフタコブラクダやヤクも放牧されている)
それがすべて放し飼いで移動しながら勝手に草を食べているのだ
それでもところどころに川が流れオアシス的に森林が形成されて、自然が豊かで風光明媚なバードウォッチングのポイントとなっている
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モンゴルの町
日本でも東京圏への1極集中が問題になっているが、この国ではそれがもっと激しい
なんと国の人口の半分が首都ウランバートルへ集中している つまり首都を一歩出ると一面の荒野で人が住んでいない(正確には家畜をコントロールするカウボーイがゲルに居住しているが村や部落は形成されていない)
宿泊したエルドネトなどの地方都市もそれほど発展しているようには見えなかった
この国を旅行して困るのは文字が読めないこと  表記がすべてキリル文字(ロシアンアルファベット)なので看板が全く読めない
もう一つの問題は英語が全く通じないこと 町中ではトイレを探すのも一苦労となる
ちなみにウランバートルでは交通渋滞が慢性的、繁華街の高級店にはブランド物も多く東南アジアの都会に匹敵する繁栄ぶりが感じられた
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ゲル宿泊
ツアーの後半ホスタイで2泊、テレルジで1泊と合計3回ゲルに宿泊した
写真のように常設型の大型テントである
直径5~6メートル、骨組みは木製で、周囲はフェルトをサンドイッチした帆布で巻いてある
モンゴル人は基本的に家畜の放牧をしながら国内を移動していたため、組立・解体が可能な構造であるが風雨に堪えるしっかりした構造になっている
柱を立て屋根に相当する骨組みを組み立てるのは男性の仕事のようで、これができないとモンゴルではお嫁さんをもらうことができないという(夫婦二人でゲル組立に要する時間は2時間程度らしい)
中にはベッドとストーブがあり大変快適であった(写真のストーブはホスタイのゲルのもので燃料はマキだったが、テレルジのゲルでは燃料は干した馬糞や牛糞であった)
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by mustachio | 2015-06-21 14:12 | Comments(0)
2015年 06月 12日

フィリピン転戦07(フィリピンの蝶02)

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前号フィリピンの蝶01の続編である
というか、蝶の科別でいうとアゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科を前号に乗せたので、残りのセセリチョウ科、タテハチョウ科を整理したものである
何回も経験しているのだが、海外に出かけ撮った蝶の写真の種名を事後に判定するのは非常に難しい
資料がないこと、事前の予習検討がないことなどの理由から、訪問国の蝶の種類の体系が全く頭に入っておらず、現地ガイドなしの出たとこ勝負でシャッターを押すだけでは、よい写真が撮れるわけはない
そんなわけで種名不明の写真が多数あるがご容赦いただきたい

キマダラセセリ
現地でキマダラセセリそっくりのセセリを見つけた
キマダラセセリはどちらかというと北方系の蝶で日本国内でも沖縄県には生息しない
帰国して日本の図鑑をチェックして見ると海外ではインド、インドシナ半島などアジア大陸には分布するようだ
フィリピンにはきわめて近縁の代置種が分布するとの記述があったので、写真の蝶はそれに該当すると思われる
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クロセセリ
クロセセリは日本でも南西諸島では普通種
世界的に見るとインドからインドネシアにかけて広く分布するようだが、フィリピン生息の記述はない
あるいは近年に侵入したものかもしれないが、現地では数が多く日本の南西諸島と同じように普通に見ることができた
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シロシタセセリ
後翅が白いのでシロシタセセリ
この蝶がシロシタセセリ属であることは間違いないと思うのだが、海外の蝶の図鑑をチェックして見てもピッタリの蝶がいない(写真の蝶はシロシタセセリ属にしては前翅の白紋がダイミョウセセリのようにでかい)
写真はクリアなので、種名がお分かりの方はご教示いただきたい
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種名不詳のセセリチョウ
1枚目はチャバネセセリ系、2枚目はコチャバネセセリ系、3枚目はアカセセリ系の蝶
鮮明度もいまいちの上、写真の数も少ないので種名判定はあきらめている
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ヒメウラナミジャノメ
ヒメウラナミジャノメは日本国内でも普通種で関東近郊でもたくさん見られる
フィリピンでもこのヒメウラナミジャノメに似た蝶がたくさん飛んでいて何枚も写真を撮った
この仲間は裏面の蛇の目の大きさや配置に種ごとに特徴があるのだが、フィリピンのものは南西諸島のものに似ておらず本州の普通種に非常によく似ている
2枚目の写真の後翅裏面の蛇の目は2+3でヒメウラナミジャノメと同じだがヒメウラナミは北方系でフィリピンにはいないはずである
3枚目の蝶の蛇の目は非常に小さく、日本の蝶には該当するパターンがない どちらも別種と思われるが今のところ種名不詳である
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裏面にオレンジ線のある蛇の目
特徴のあるデザインで名前がすぐわかるかと期待したが見事に外れた
世界の蝶についての図鑑は日本にも結構あるが、美しい蝶ばかり載っていて地味な蛇の目類は出てこない
いったい私は誰でしょう
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ORANGE BUSH-BROWN
こちらのジャノメチョウも派手なデザイン
似たようなパターンを「BUTTERFLIES OF AUSTRALIA」の中で見つけた
ピッタリかどうかわからないが、近似種であることは間違いない
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裏面に白線のある蛇の目
日本のジャノメチョウでいえばヒメジャノメのパターンだが、ヒメジャノメ系はもっと蛇の目が大きいので印象が違う
オーストラリアの図鑑によれば前項のORANGE BUSH-BROWNの2面がこのパターンなので、同じ種類かもしれない
いずれにしても同一個体の裏と表をしっかり撮らなければいけないのだが、バードウオッチングの間を縫っての副業撮影なのでその点は斟酌いただきたい
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クロヒカゲ系
クロヒカゲ系の蝶も何枚か撮影した
前翅裏面に白色の斜帯がないので日本のクロヒカゲ類とは明らかに種類が違う
3枚目の写真は鮮明に撮れているが、この蝶はかわいそうに後翅を鳥に食いちぎられて一部欠損がある
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WHITE-BAR BUSH-BROWN
この蝶の写真を撮ったのは世界遺産登録の棚田が見える林道  今でも鮮明に覚えている
こちらも個性的なデザインのに名前がわからず苦労したが、現時点ではWHITE=BAR BUSH-BROWNまたは近似種ではないかと推測している
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オオゴマダラ
国内では南方系の蝶の代表格であるオオゴマダラはフィリピンにもいた
タイ、ミャンマーからインドネシア、フィリピン、台湾に広く分布するようだが中国にはいないという
鳥屋さんの間ではすぐ食べられてしまうので中国には野鳥がいないという冗談が通用するが、オオゴマダラは食べてもまずいと思う
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ユベンタヒメゴマダラ
普通海外へ出かける前に蝶についての予習はしないのだが、フィリピンは日本に近く、フィリピンの蝶が迷蝶として日本にやってくる可能性は高いので「日本の迷蝶大図鑑」だけは目を通してから出かけた
コモンマダラやシロオビマダラなどマダラチョウ類はたくさんいるかと期待して出かけたのだがほとんど見かけず若干失望した
それでも写真が撮れたのがこのユベンタヒメゴマダラ
もちろん日本の図鑑には出てこないが迷蝶としての記録はあるようだ
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ルソンアサギマダラ
見つけた蝶をすべて撮影することができるなら苦労はないが、運よく写真にできるの確率は野球の打率より低いと思う
これはと思う蝶を見つけても相手が飛び回っていたら望遠レンズで撮影するのは難しい(オートフォーカスではまず追い切れない)
このルソンアサギマダラも(周囲が暗いための)失敗作であるが一応識別に必要なデータは写っているので掲載させていただく
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種名不詳タテハ類5種
整理をしていてタテハチョウ類が残ってしまった
もともと種類数は多いのだが、意外と地域固有種が多いようで、その地域(国)の図鑑がないと同定は難しい
日本語の海外の蝶図鑑では「タイ国の蝶」が精密で分かりやすいのだが3部編成でタテハチョウの部分は残念ながらまだ上梓されていない
とにかく写真をアップしておくので種名がわかる方がいらっしゃったら、ぜひご教示いただきたい
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リュウキュウムラサキ
こちらは名前の分かる馴染の蝶
南西諸島に多いリュウキュウムラサキだ
東南アジアを股にかけて広く活躍するグローバルな蝶だが、大陸型・台湾型・フィリピン型など地域によって斑紋が変わるので面白い
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シロミスジ系
シロミスジは東南アジアに広く分布するミスジチョウ
日本でも与那国島には定着していて「撮影済み日本の蝶」を増やすため、近年中には撮影に出かけるつもりでいる
写真から判断すると図鑑のシロミスジと微妙に差があるので断定できないが、おそらくシロミスジだと思う
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リュウキュウミスジ
英名COMMON SAILOR
南アジアではどこでも見られる普通種だと思っていた
ところが「日本産蝶類標準図鑑」によるとリュウキュウミスジはフィリピンには産しないような記述があり、いささか戸惑っている
どう見ても普通のリュウキュウミスジに見えるのだが
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NEPTIS OMERODA
初めて出会った黄色系のミスジチョウ  最近日本(南西諸島)に定着したキミスジとは全く違う
インターネットでとにかく学名にたどり着いたがまだ和名はわかっていない
東南アジアの蝶であることは間違いない
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イワサキタテハモドキ
昨年石垣島のバンナ公園までわざわざ撮影に行った蝶だ(わがホームページ「還暦からの蝶244種」参照)
もともと日本の蝶ではないのだが、4年間の世代交代が認定されて「日本の蝶」の資格を取った
海外には普通にいるので「日本の蝶」にこだわりを持たず、普通に付き合ったほうがいいように思う
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タイワンキマダラ
一昨年はバリ島で、昨年は西表島でこの蝶に出会っている
もともと日本の蝶でなく、東洋熱帯に広く分布する蝶
名前の台湾は過去に日本が台湾を統治していた時代の名残であろう
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フィリピンオオイナズマ
最後のタテハ2種はフィリピンの固有種(亜種) イナズマチョウ属の蝶だ
まずはこのフィリピンオオイナズマだがオオムラサキより大きい大迫力の蝶である
(学名からサトラペスオオイナズマとも呼ばれ、蝶収集家仲間ではフィリピンの大秘宝と称されるらしい)
探鳥中のオンボロジープ(ジープニー)から道路上にいる個体を発見し、とっさにシャッターを切ってうまく捉えることができたが、ご覧のようにぼろぼろの汚損個体
それでも大秘宝を撮影できたことには間違いないのだ
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カリフォルスコイナズマ
最後に登場するトリには前項のオオイナズマがふさわしいのだが、あまりにもご老体なのでトリはコイナズマに譲った
インターネットによるとこのカリフォルスコイナズマはインドネシアのスラウェシの蝶でフィリピンに棲息するという記述はないが、写真を比較すると間違いなくこの蝶である
フィリピンは全く初めての訪問だったが、蝶にとっては素晴らしい環境が残っており、機会があれば蝶目的でもう一度訪れてみたいと思う
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以上でフィリピン転戦シリーズを終わります
実をいうと今月頭にモンゴルへ行ってきましたので写真を整理中です
近日公開となりますのでご期待ください

by mustachio | 2015-06-12 12:04 | Comments(0)
2015年 06月 11日

フィリピン転戦06(フィリピンの蝶01)

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春から夏は時間の流れが速い
フィリピンから帰国してすでに2ヶ月を経過、やっと最終部分の写真の整理が終わったので2回に分けてアップしたい
野鳥の撮影記録などは5月中にアップが終わっているので残ったのは主に蝶の写真だ
毎回のことだが、参加するのはバードウォッチング目的のツアーなので、蝶や花は「おまけ」の部分、つまり成行き任せになる
南国なので多くの蝶を期待したのだが、予想外に蝶を見る機会は少なかった
それでも2週間近くフィールドを歩き回ったので、蝶の写真はかなりの撮影枚数にはなった
ただフィリピンには英語版でも現地語版でも「蝶図鑑」がまったく存在しない   日本との共通種もあり、オーストラリアやタイ・マレーシアの図鑑から種名を推定することもできるが、同定に手間がかかり、整理が遅くなってしまった

オナシシロオビアゲハ
まずはアゲハの仲間から
このオナシシロオビアゲハは全くの初対面である
比較的遠い位置から望遠レンズでの撮影だったので、モンキアゲハかシロオビアゲハと思い込んで気軽にシャッターを押したが、よく見ると無尾型のアゲハだった
日本では迷蝶として与那国島で最終記録があるが基本的にはフィリピンの蝶、自分にとってはフィリピン遠征記念の蝶である
(2枚目の写真は被写体ぶれがあり、ちょっと恥ずかしいのだが、1枚目の写真だけでは無尾型であることがわかりにくいので敢えて掲載した)
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トリバネアゲハ
夕方野鳥を探している時に、上空にトリバネアゲハが飛んでいるのを見つけた
トリバネアゲハの仲間は最大クラスの大型蝶でマレーシアからインドネシア、ニューギニア、オーストラリアにかけて分布する
フィリピンで見られるのは近似種のキシタアゲハである可能性が高いが、いずれにしても写真が不鮮明で種類までは識別不能である
とにかく上空に飛んでいるでかい蝶を見た証拠写真でしかない
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ミカドアゲハ
こちらは日本と共通種
といっても平凡なアオスジアゲハではなく、日本では南西諸島や本州・四国のごく一部の温暖地域など生息域が狭いミカドアゲハのほうだった
(正確な記憶ではないが、伊勢神宮の楠で最初に発見されたので「帝」の名前を戴いたのではなかったか)
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ツマベニチョウ
ツマベニチョウはインド・スリランカから東へ広く東洋熱帯に分布する「南の蝶」である
日本でも沖縄へ行けば普通に見られるし、九州の指宿で出会ったこともある
裏面は地味で他のキチョウたちに混じって地面で吸水する姿はあまり魅力的でないが、翅先のオレンジが見えると全く雰囲気が変わってしまう
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クロヘリシロチョウ
冒頭に記したようにフィリピンには「蝶類図鑑」がない
詳しい人にお聞きしてみるとインターネットだけが頼りだという
帰国後、悪戦苦闘してたどり着いたこの蝶の名前はクロヘリシロチョウ(Cepora boisduvaliana)
日本でいえばミヤマモンキチョウにデザインが似ているが雰囲気は全く違う
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イワサキシロチョウ
前掲のクロヘリシロチョウによく似た蝶だが少し小さい
こちらはイワサキシロチョウ(Appias panda)またはベニシロチョウ(Appias nero)のメスだと推定した
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ベニシロチョウ
吸水するカワカミシロチョウに混じってオレンジの目立つ派手な蝶がいた
ベニシロチョウのオスである
初対面の蝶だが日本の図鑑で予備知識を持っていたのですぐに分かった
インドからインドネシア、フィリピンにかけて広く分布する東洋熱帯の蝶であるが、とにかくオレンジ一色で、シロチョウの仲間だとは信じがたい
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カワカミシロチョウ
カワカミシロチョウは迷蝶として南西諸島に記録があるので日本の蝶類図鑑にも登場する
メスはモンキチョウのように黒い縁があるが、オスのカワカミシロチョウは純白で(裏面には多少黄色味がある)翅の先は尖っている
野鳥を探している途中でそのカワカミシロチョウが集団吸水しているのを見つけた
鳥をそっちのけにして蝶の写真を撮ったが、近づくと紙ふぶきが舞うように飛び散ってしまうので苦労させられた
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ウスキシロチョウ
こちらも東洋熱帯に広く分布する大型のシロチョウ
日本でも沖縄には定着しているので「日本の蝶」として何回も対面している
フィリピンではもっと多いのではないかと期待していたが、出会いは一度だけだった
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ムモンキチョウ
日本のキチョウはキチョウのほかにキタキチョウ、タイワンキチョウなどがいてややこしいが、いずれも裏面に褐色斑がある
フィリピンでは写真のように裏面にまったく斑のないまさに清純なキチョウがいろいろな場所で見られた
同定には苦労したがやっとムモンキチョウ(Gandaca harina)に行き当たった
普通キチョウ類の英名はGrass Yellowだが、この蝶の英名はTree Yellowという
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タイワンキチョウ
キチョウは英名Common Grass Yellow、タイワンキチョウは英名Three Spot Grass Yellowという
名前の通り前翅裏面中室の斑紋が三つあるのがタイワンキチョウなので、写真の1枚目2枚目はタイワンキチョウでよいと思う
3枚目は問題で前翅裏面先端部の大型褐色斑も目立つことから別種(Eurema salilata)ではないかと考えているが資料不足で断定できない
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BROAD-MARGINED GRASS-YELLOW
表面外縁の黒帯から英名は間違いないと思うが和名はわからない(Eurema puella)
根拠はオーストラリアの鳥類図鑑である
フィリピン、ニューギニア、オーストラリア北部は意外と距離が近く、共通種も多いので、オーストラリアの図鑑は参考になる
開翅の写真が撮れず残念だが3枚とも裏面から表面の黒帯は透けて見えている
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タイワンモンシロチョウ
中国やインドシナ半島などアジアに広く分布するモンシロチョウで名前のように台湾の固有種ではない
日本の図鑑などによるとフィリピンの本種も近年の侵入だという
何年か前この蝶を撮影するためわざわざ与那国島まで遠征したことを思い出した
日本のモンシロチョウより紋が大きく、後翅の縁にも紋が展開する
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クロテンシロチョウ
アジア南部ならどこでも見られると言って過言ではないグローバルな普通種
日本でも南西諸島に定着し、もう普通種になってしまったが、11年前リタイアした直後は日本では希少種で撮影のため与那国や石垣に足を運んだものである
今回はマニラ近郊の公園でジツグミを探索中、数頭のクロテンシロチョウが絡んでいるのを見つけ、多数の開翅・飛翔写真を撮ることができた
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ヒメシルビアシジミ
日本国内限定の話であれば、この蝶はシルビアシジミかヒメシルビアシジミである
11年前に蝶の写真を始めたころはこの2種はまだスプリットされておらず同一種だった
特徴は後翅裏面前縁中央部の黒点の配列が下の黒点が内側に寄ることである
その観点から写真の蝶はどちらかであり、日本国内なら南に棲息するのがヒメシルビアシジミなので、この蝶は間違いなくヒメシルビアである
ただフィリピンにはまた別のシルビアシジミがいるかもしれず、詳細なデータもないので断定はできない
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ホリイコシジミ
日本でも南西諸島ではヤマトシジミ近縁の蝶の種類が多く同定に苦労する
写真の蝶は亜外縁の斑紋列が連結して線状になっているので日本国内撮影なら間違いなくホリイコシジミなのだが、フィリピンの蝶に関する情報が少ないので別の種類かもしれない
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ヤマトシジミ
ヤマトシジミは日本の国名を背負う代表的な日本の蝶だが、実はアジアに広く分布する普通種である
翅裏の写真が鮮明でないので一概に断定できないが、シルビア系でもホリイでもハマヤマトシジミでもなさそうなので無難にヤマトシジミとしておく
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オジロシジミ
後翅裏面外縁下部に橙色で縁取られた二つの黒点があるのでオジロシジミで間違いないと思う
10年ほど前、初めてプライベイトで沖縄県を訪れこのオジロシジミに出会った
ところが数年ほど前に沖縄県にこの蝶によく似たクロマダラソテツシジミが侵入して勢力を拡大し、オジロシジミはほとんど見られなくなってしまった
不思議なことに今回のツアーでは悪名高いクロマダラソテツシジミ(クマソ)には出会わなかった
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シロウラナミシジミ
フィリピンにシロウラナミシジミの近似種がいるかどうかはわからないので絶対とはいえないが、99%シロウラナミだ
国内では西表島の白浜に必ずいる蝶にフィリピンで再会した
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カクモンシジミ系
裏面のデザインがカクモンシジミに似ているのでカクモンシジミ系としたが、カクモンシジミではないようだ
カクモンシジミは日本でも迷蝶で今までに出会ったことがない
とにかくフィリピンの蝶に関するデータがないので、シジミチョウ系の小型の蝶の同定は難しい
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リュウキュウウラボシシジミ
リュウキュウウラボシシジミは日本の南西諸島に数が多いので間違いない
今回のツアーでは複数の場所でこの蝶に出会った
帰国後チェックしてみるとミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジアに広く分布するようだ
非常によく似た蝶で日本では対馬の特産種であるツシマウラボシシジミが鹿の食草食害で絶滅寸前になっていることを思い出し、改めて心を痛めている
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LESSER DARKIE
ここから先は日本と共通性のないシジミチョウなのでタイトル表記は英語になる
暗い場所での撮影なので写真のレベルが低いのだが、間違いなく蟻と共存していることを確認した
日本でも蟻と共生するシジミチョウは数多いが、成虫の蝶と蟻が同時に写っている写真は今まで見たことがない
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STRAIGHT PIERROT
モノトーンだがデザイン的にメリハリの利いた魅力的なシジミチョウだった
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COMMON POSY
悪戦苦闘の結果マレー半島の蝶類図鑑にこの蝶を見つけた
前翅表面が黒褐色、後翅表面はメタリックブルーという不思議な蝶だ(裏面にはオレンジがある)
日本でいえばキマダラルリツバメに近い種類のようだ
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COMMON IMPERIAL
本編(フィリピンの蝶01)の最後はこのシジミチョウ
最初に見つけた時は度肝を抜かれた
冒頭タイトルバックの写真のように逆立ちした蝶の尾状突起が異常に長く直立しているのだ
帰宅後ネットで調べた結果Common Imperialという英名がわかった インドやシンガポールには生息する蝶のようだ
尾状突起が先端部分で直角に折れ曲がっているのは風向きによるためのようで、先端だけがフレキシブルになっているらしい
長い間いろいろな蝶を見てきたが、こんなに尾状突起の長い蝶が存在することを70を越えて初めて知った
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by mustachio | 2015-06-11 14:28 | Comments(0)