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2015年 08月 31日

2015夏休みの昆虫観察

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8月31日、今日で夏休みが終わる
といっても毎日が夏休みの身分なので明日から秋休みが始まるだけだ
大学時代は「毎日が休み」逆に社会に出て40年は「全く夏休みなし」という生活パターンだったので、高校時代までの夏休みの解放感とと夏休みの終わる寂しさの感覚がなつかしい

リタイア後の8月中旬は決まって草津の山荘で過ごすことにしている
暑さとお盆の渋滞を回避するため涼しい群馬県、長野県に常駐するのだ
今年もそのパターンだったのだが、秋雨前線の影響で晴れる日が少なく「雨読」が続いた毎日だった(東京へ戻ってからもどういうわけか雨が多い)
そんなわけでネイチャーフォトグラファーとしての活動は停滞気味で、野反湖と湯の丸高原・池の平湿原へ晴れ間を見つけて出かけた程度である

60年前の中学生時代は夏休みの宿題の中に自由研究があって8月後半になるとでっち上げに苦労したものである
今年は夏の間あまり写真撮影ができていないので8月のブログ(還暦からのネイチャーフォト)をまとめようと思ったが昔の自由研究と同じでどうまとめてよいかアイデアがわかない
結局、昔と同じで自由研究として昆虫と植物の観察記録をブログにアップすることにした
2日(2ケ所)で撮った写真をアップするだけなのだが、自由研究とはそんなものだと寛大な心で見ていただきたい

野反湖の昆虫(8月18日撮影)
野反湖はこのブログに何回も登場しているが新潟県境に近い標高1600メートル程度の湖、山荘から車で北へ1時間程度の距離にあるマイフィールドだ

アサギマダラ
アサギマダラはそれほど珍しい蝶ではない
特に蝶が趣味というわけではない山好きの人になぜか人気のある蝶で登山道に現れると大騒ぎされるが、結構数がまとまって吸蜜していることが多い
どうもすべてのアサギマダラではなくごく一部だけのようだが秋になるとこの蝶は集団となって南へ渡っていく
定住する蝶と移住する蝶の区分研究など「自由研究」のテーマとして面白いと思うのだが残念ながら手が回らない
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ウラギンスジヒョウモン
この蝶は中学生時代のお馴染み
7月になると小仏から景信山にかけての裏高尾登山道に無数にいた記憶がある
さらにヒョウモン類は「夏眠」の習性があって8月になると姿を消してしまい秋に再登場するということは中学時代から承知していた
ただこの夏眠の習性は東京近辺より南の暖かい地方限定で、中部地方の山岳部や東北北海道には適用されないこともリタイア後の経験としてわかってきた(夏の短い北国では夏眠をとるほど暇がないのだ)
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ウラギンヒョウモン
こちらも普通のヒョウモンで昔の小中学生の標本箱によく見られた蝶の一つである
ウラギンスジヒョウモンは後翅裏面に白い筋状の紋があるのに対し、ウラギンヒョウモンのほうは白い水玉模様がある
ヒョウモン類は似たような形状のものが多く表よりも裏の模様で識別するほうが易しい
このウラギンヒョウモンより一回り大きいオオウラギンヒョウモンは我々が子供だった頃関東や中部の草原を飛んでいたのだが現在では九州の一部の地域でしか見られない希少種になってしまった
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ギンボシヒョウモン
中学生時代、ギンボシヒョウモンはウラギンヒョウモンよりワンランク上の蝶だった
生息地が本州の中部地方と北海道に限定されるからである
リタイアしてからは中部地方や北海道に頻繁に出かけるようになったので今では普通種になってしまった
ちなみにギンボシヒョウモンとウラギンヒョウモンはよく似ていて、裏面の白紋の数(配置)の差により識別するしかない(写真で違いがお分かりだろうか)
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ヒメキマダラヒカゲ
昔小中学生の標本箱に必ず納まっていた昆虫にキマダラヒカゲという蝶がいる
とにかく東京23区内の普通の民家の庭で採集できた
1戸建ての住宅には普通庭があって食草であるタケ・ササ類がどこにでも生えていたからである
(その後キマダラヒカゲはサトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲにスプリットされた)
写真のヒメキマダラヒカゲは近縁種であるが山地性のため中学生では上級者クラスでないと採集は難しかった
交通手段の発達した現在では普通種になってしまったが、60年前はマイカーでちょっと長野県までという感覚はなかったのである
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ベニヒカゲ
夏休みに野反湖と池の平湿原に出かけるのはこのベニヒカゲに出会うためである
少なくとも中学生の頃のイメージでは高山蝶の代表種でまさに高嶺の花ならぬ「高嶺の蝶」であった
山荘から近いこの二つのポイントにはベニヒカゲの数が多く、リタイアする前から夏休みの訪問は我が家の定例行事になっていた
自然破壊による昆虫数の激減は著しいが高山蝶の仲間は比較的保護が行き届いていてベニヒカゲは今でも普通に見ることができる
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イチモンジセセリ
この蝶も超普通種でそれこそ60年前には都区内で普通に見られた
ただ季節性があって夏よりも秋に数が多く、外見も蝶より蛾に近いので、小学生の宿題の標本箱には常連ではなかったようにも思われる
移動能力が高い蝶なので夏の蝶が秋になると山から都会へ降りてくるのかもしれない
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オオチャバネセセリ
写真では大きさがわからないのでイチモンジセセリとの識別は結構難しい
ポイントは後翅の白点列の並び方でイチモンジセセリのほうは名前の通り白点がきちんとイチモンジに並んでいる
こちらのオオチャバネのほうは不規則でそこがこの蝶のチャームポイントでもある
(現実にはオオチャバネのほうが一回り大きく存在感がある)
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アキアカネ
1990年代後半から赤とんぼの数が激減している
どうもその頃から発売されたある特定の農薬が影響していることがはっきりしているらしい
農薬の認定にはもちろん基準があって人間にどの程度の害が生じるかはチェックされたうえで使用が許可されるはずだが、厚労省や農水省のお役人には(責任の対象が人間限定なので)赤とんぼのことまで気が回らないらしい
リタイアしてから12年、自然破壊が進んで野鳥も昆虫も野草も目に見えて数が減ってしまった
自然愛好家として「人間の驕り」の弊害を身に染みて感じている
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アカハナカミキリ
遊歩道で歩いているハナカミキリを見つけた
最初は蝶専門に写真を撮っていたが、最近はほとんどの蝶をカバーしてしまったので他の昆虫にも目を向ける機会が多くなっている
前回の富士山麓ではヒメアカハナカミキリを撮影したが、今回はアカハナカミキリのようだ(胸部が黒くなく赤い)
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クサギカメムシ
視界を蝶から他の昆虫まで広げる必要情報量は数十倍になる
とりあえず蛾と甲虫については図鑑を持っているのだが、他の昆虫については手が回らず現在のところweb情報だけが頼りである
このカメムシは画像で見る限りクサギカメムシらしいが生息地域などの情報がないので自信がない
少しずつ勉強していくことにするが忘れる速度のほうが覚えるより速いので大変である
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ツノアオカメムシ
このカメムシは野反湖で撮影したものではない
草津の山荘の室内を勝手に這い回っていたのをいい加減に撮っただけである
周囲が暗いため被写界深度が浅く写真としては出来が悪い(その後接写用のストロボを調達したのでいずれよい写真が撮れると思う)
同定については肩の部分が裃のように張っているのでツノアオカメムシで間違いないと思う
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池の平湿原の昆虫(8月22日撮影)
こちらのフィールドは山荘から南へ1時間程度の距離にある
標高は野反湖より少し高い程度で、周辺に三方ヶ峰などの山が連なり植物も変化に富んでいる

キアゲハの幼虫
まずは蝶の幼虫から
最近の傾向で虫嫌いの子供が多いと聞くが、特に女の子は毛虫、芋虫は苦手なようだ
確かにグロテスクな芋虫も多いが、このキアゲハの終齢幼虫は非常に美しいと思う
特に食草であるシシウド(セリ科植物)に囲まれた姿はファンタジーのようだが、若い女性からはご賛同が得られないだろうか
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ベニヒカゲ
メインターゲットであるベニヒカゲはたくさんいた
野反湖のベニヒカゲは人見知りの傾向がありカメラを見ると逃げてしまうが、池の平のベニヒカゲは人なれしていて写真のように人間の汗も吸いに来る
結構、群れる性癖があり休憩用のベンチには5、6頭のベニヒカゲが集まって日向ぼっこをしていた
吸蜜植物はハクサンフウロ、ノアザミ、マツムシソウなどである
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ヒメキマダラヒカゲ
ササ類の植物の繁殖力が強いせいだろうか
本種やクロヒカゲなどササを食草とする山地性のジャノメチョウ類は数が減っていないように思える
クロヒカゲといえば今年もクロヒカゲモドキを撮影しそこなってしまった
クロヒカゲモドキは里山の蝶でカヤツリグサ科やイネ科の植物を食草とするため関東近郊から姿を消してしまったのだろうか
池の平のヒメキマダラヒカゲはほとんどが訪花吸蜜中であった
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オオチャバネセセリ
野反湖で撮影したオオチャバネセセリは池の平にも多かった
考えてみればこの蝶も中学高校時代には出会ったことがなく、リタイア後馴染になった蝶だ
長野・新潟・群馬などへ気軽に遠征できる身分になってみるとこの蝶がごく普通の平凡な種であることがわかる
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ヒョウモンエダシャク
一般論で蝶と蛾の区別を定義するのは簡単なようで非常に難しい(個人的な感覚では「蝶の触覚の先端部のふくらみが蝶の特徴」といったところだろうか)
昼間吸蜜活動する蛾の仲間はたくさんいて写真のヒョウモンエダシャクもその一つである
蝶の愛好家は日本の蝶の種類がすべて頭に入っているので、野外では瞬時に蝶と蛾の区別ができるが、海外に行ったらこれが通用しない
蝶に詳しくない人がヒョウモンエダシャクの写真を見て正確に蛾だと答えられる確率はどのくらいだろうか
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ツルガハキリバチ
正直言って蜂に関しては全くの素人である
スズメバチの攻撃性が人命に関わることもあって最近ではハチが目の敵にされているが、ほとんどのハチは人間にとって無害でないかと思う
実は雨が続いた8月後半、「雨読」の対象の一つに「ファーブル昆虫記」(奥本大三郎訳)を選んだ(10巻上下で20冊に亘る大作である)
まだ第1巻の下(2冊目)くらいしか進んでいないが、研究対象が「狩り蜂」でなかなか面白い
蜂に関しては図鑑もないのでwebを頼りに名前の見当をつけているため間違いがあるかもしれないがご容赦願いたい
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by mustachio | 2015-08-31 15:58 | Comments(0)
2015年 08月 11日

富士山麓の小鳥たち

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暑い日が続きもうお盆のシーズンに入ってしまった
1週間前になるが、家内と二人箱根のゴルフ会に参加する機会がありこれを利用して富士5合目の奥庭へ行ってきた(普通は車でアクセスできるのだが富士山が世界遺産になった関係か、7月中旬から8月末までは乗り入れ禁止となり5合目までのシャトルバス利用となってしまったため現場到着まではたいへん苦労させられた)
奥庭には野鳥の集まるスポット(水場)があり、近い距離で野鳥が観察できる
この場所は過去に何回か訪問していることもあり成果はそこそこだったので写真をご紹介することとしたい
(お盆休みはゆっくりしたいので申し訳ないがブログアップは八方尾根シリーズに引き続くやっつけ仕事である)

ルリビタキ
奥庭の水場にはいろいろな野鳥が水浴びをしに来るがスターはルリビタキだろう
亜高山帯の針葉樹林帯で繁殖する鳥で冬は低地に移動してくるため軽井沢などでは見る機会が多い
夏の繁殖期は高山に棲息するので姿を見る機会は非常に少ないが、富士山周辺の水場には顔を見せてくれる(ただ姿形は冬羽のほうが美しい)
1枚目2枚目の上面がオリーブの鳥はメスの成鳥かオスの若鳥、3枚目以降のブルーの鳥は雄の成鳥であるルリビタキとは久しぶりの楽しい再会だった
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ウソ
同様にウソも夏は針葉樹林帯の山の鳥で冬のほうが出会いのチャンスは多い(個人的には北海道大雪山系の雪渓で夏のウソを撮影したことがある)
水場にはオスメスのカップルが水浴び来ていた(1枚目の黒と灰褐色の地味な鳥がウソのメスである)
入浴中もしくは入浴直後の写真のため毛並(羽並)の美しさが表現できていないがウソのオスの喉の部分はまさに真紅で「真っ赤なウソ」という表現はここから出ている(これはウソ)
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ヒガラ
シジュウカラなど普通のカラ類がいてもよさそうなのだが、当日来場のカラはヒガラだけだった
カラ類の識別は胸の黒色部(通称ネクタイ)の大きさで小さい順からコガラ、ヒガラ、シジュウカラとなるが、もう一つヒガラには冠羽が立つという特徴がある
湯上りの、木をバックにした写真は立派な髷が写っている
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メボソムシクイ
メボソムシクイは渡り鳥で夏の繁殖地はユーラシア大陸北部、つまりシベリア中心のロシアだ
日本で繁殖することも普通で夏は亜高山帯の針葉樹林に棲息する(渡りの時期は平地でも見られる)
藪の中にいるとなかなか見られないが水場の効用は大したもので細長い眉斑をきちんと観察することができる
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カヤクグリ
昨年、一昨年と乗鞍に出かけカヤクグリやイワヒバリの写真を撮っている
もともと季節で日本国内を移動する漂鳥なのだが、自分の感覚いちではカヤクグリは北アルプスなどに住む高山鳥の一代表である
それが奥庭の水場に出てきたのでちょっとびっくりしたが、考えてみれば(というか考えるまでもなく)富士山は立派な高山で、5合目といえば2500m程度の標高がありカヤクグリがいても何の不思議もない
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ホシガラス
当日奥庭の水場に出現した鳥の最後はホシガラス
もちろんこの鳥も高山の鳥だが、以前この場所でホシガラスを撮影しているためむしろ出現を予期していた鳥だ
まさにカラスなので小鳥の範疇ではないのだが、この鳥は表情が愛くるしい
そのホシガラスがファインダーからはみ出るほどの距離に現れてくれたので今回は鮮明なドアップを撮影することができた
昨年は(タカネヒカゲ撮影のため)単独行で北アルプスの蝶ヶ岳へ登りホシガラスの飛翔写真なども撮ったが、近い距離でのポートレート撮影もまた楽しい
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イスカ
水場周辺での鳥待ちに飽きて一人で山道を散歩していた時に高いカラマツの樹上に小鳥を見つけ望遠レンズで撮影した
撮影時点では種名が特定できなかったが、後で検討してみるとどうもイスカのようだ
本来イスカは冬鳥で例外的に北海道と中部高地に繁殖することがあるというレアバードだが、富士周辺には生息が確認されている
逆光気味で写真が不鮮明なのは残念だが図鑑と比較してみてもイスカで間違いないようだ
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ベニバナイチヤクソウ
水場の近くにベニバナイチヤクソウを見つけた
暗い場所だったので写真の色再現が不完全となり茎の色が異常に赤くなってしまったが間違いなくベニバナイチヤクソウである
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オヤマソバ
富士山5合目といえば森林限界に近いのでタデ科の植物が多い
花の色が妙に赤いのでオンタデなどではなく、最近八方尾根で見たオヤマソバだと思う
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カラマツ
カラマツは群馬の山荘付近にも多く見慣れているのだが実(松ぼっくり)はよく見た記憶がない
若い実に躍動感を感じたのでシャッターを押した
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ヤマハハコ
八方尾根にもヤマハハコがあったが、考えてみると富士山5合目(2500m)のほうが八方尾根(2000m)よりも標高が高い
車でアクセスできる場所は標高の感覚が鈍くなるようだ
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ヤマホタルブクロ
奥庭にはホタルブクロが多かった
こちらも八方尾根と共通だが萼片に付属物のないヤマホタルブクロのほうである
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キベリタテハ
今回の富士山は野鳥撮影が主目的で昆虫は全く期待していなかったが、キベリタテハが登場してくれた
確か今年は初めてのように思う(7月の北海道では出会いがなかった)
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シラフヒゲナガカミキリ
水場のすぐ近くにカミキリムシが歩いていた
普通のゴマダラカミキリかと思ったが少し模様が違うので撮影した
帰宅後チェックして見ると針葉樹林帯に棲息するシラフヒゲナガカミキリだった
触覚が異常に長く髭を端まで写すとカミキリ本体は小さくなってしまう
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ヒメアカハナカミキリ
オヤマソバには赤いハナカミキリがいた
カミキリ類は大好きなのだが種類が多すぎてとても名前が覚えきれない
このハナカミキリハアカハナカミキリではなくヒメのほうだった
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マルガタハナカミキリ
オヤマソバには別のハナカミキリもいた マルガタハナカミキリである
こちらは数が多く団体で交尾中で写真はそのシーンばかりになってしまった
最後のカットはハチとカミキリの出会いだが、交尾中のハナカミキリのカップルが迷惑そうな表情をしていて微笑ましい
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by mustachio | 2015-08-11 21:43 | Comments(0)
2015年 08月 09日

八方尾根高山植物図鑑vol.3

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八方尾根高山植物図鑑も本号(vol.3)で完結となる
蝶や鳥と違って植物は数が多い場所に行きさえすれば短時間で何種類もの撮影が可能である
八方尾根はわずか4時間程度の滞在だったが撮影枚数がやたら多く写真の整理には何日もかかってしまった
vol.3の構成要素はほとんどがバラ科かユリ科の植物である

バラ科
ヤマブキショウマ
何故バラ科なのかはよくわからないがヤマブキショウマはバラ科の植物である
若い花はユキノシタ科のチダケサシやトリアシショウマによく似ていて屋外では識別に苦労させられる
(2枚目の写真のように成熟した花は花穂が筒状になるのでチダケサシやトリアシショウマとは違ったイメージになる)
八方尾根にはヤマブキショウマが多く高原の雰囲気を出していた
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イワキンバイ
春に平地に咲くキジムシロやミツバツチグリと同じ仲間の高山植物である
撮影時はイワキンバイという意識がなくミツバツチグリのつもりだったが、帰宅後に改めてイワキンバイであることを認識した
ミツバツチグリのほうは花弁と花弁の間隔がこれほど開いていない
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ワレモコウ
花のイメージとは遠いがワレモコウは秋の花である
八方尾根にはワレモコウがたくさん咲いていた(咲いていたという感じはしないが)
この花はシルエットにしたほうが雰囲気が出る
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ハッポウワレモコウ
ワレモコウの中に少しイメージの違うものがあった
雄蕊が長く突き出している
調べてみるとワレモコウとカライトソウの交雑種のようでハッポウワレモコウという
確かに両方の植物に似ている
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チングルマ
八方尾根にはあのチングルマも少し残っていた
今年は旭岳で壮大なチングルマを見ており写真を撮る気にはならなかったが、一応シャッターを押しておいた
写真にはエゾノツガザクラも写っている
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カライトソウ
この花は八方尾根のイメージフラワーになる資格がある
山道の至る所で見られシモツケソウとの共演で周辺を鮮やかなピンク色に染めている
完ぺきな高山植物で白山でたくさん見たほかにはあまり記憶に残っていない
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シモツケソウ
シモツケソウは割とポピュラーな植物で低山でも見られるが八方尾根では数が多く存在感があった
タイトルバックのようにメインは濃厚なピンク色だが、若い花は淡いピンク色で、色に変化があって面白い
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イワシモツケ
今回初めて覚えた花
木本なので草本主体の野草図鑑には登場してこない
清楚な感じの白い花が印象的だ
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オニシモツケ
北海道の道路脇でいやというほど咲いている花
本州の高山でも咲いているのだがそれほど目立つことはない
自分的には北海道の花のイメージが強い
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ユキノシタ科
ミヤマダイモンジソウ
5枚の花弁のうち2枚だけが特に大きいため大文字草とか人字草とか呼ばれる植物がユキノシタ科にある
このミヤマダイモンジソウは大文字草の高山型で、花は名前の通り「大文字」を形成している
こういう変わった植物は見ているだけで楽しい
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コウメバチソウ
梅鉢紋に花の形が似ているので梅鉢草
登山道の脇などで見かける純白の清純なイメージの野草だ
八方尾根のウメバチソウは少し花が小さく看板の説明ではコウメバチソウとなっていた
花の構造や色遣いはウメバチソウとまったく同じである
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チダケサシ
ユキノシタ科の植物もバリエーションが多くこのチダケサシも同じ科に属する
チダケサシは乳茸というキノコを採って運ぶ時にチダケサシに刺したためこの名前がついたといわれている
特に高山植物というわけではなく東京近郊でも普通に見られる
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アブラナ科
ミヤマタネツケバナ
ナズナやタネツケバナ、ハタザオなどアブラナ科の植物も結構高地に進出して高山植物になっているものが多い
このミヤマタネツケバナもそのうちの一つで、高山蝶として人気の高いクモマツマキチョウもアブラナ科の高山植物を食草としている
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ナデシコ科
タカネナデシコ
今年、北海道のオホーツク海岸で全く同じ姿形のナデシコをたくさん見た
普通のカワラナデシコと比べると花弁の先が細く分裂していて糸状になっている
つまり写真のタカネナデシコとまったく同じ形状なのだ
カワラナデシコは北海道には分布しないので高山植物のタカネナデシコが海岸に生育するのかと思ったが、エゾカワラナデシコという別種があることが判明し納得した
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ホソバツメクサ
ハコベの仲間も分類としてはナデシコ科
高山植物としてポピュラーなハコベ類も多い
このホソバツメクサもその一つで星形の白い小さな花は人気がある
写真2枚目の群落などまさに満天の星の様相だ
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クモマミミナグサ
ミミナグサは平地の植物で5枚の花弁の先が小さく二つに割れる
このクモマミミナグサは花弁の割れ方が大きく、花弁が10枚あるように見える
さらにすごいミヤマミミナグサというのがあって、10枚の花弁の先がさらに割れるのでなんと花弁が20枚に見えるのだ
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タデ科
オヤマソバ
人類が主食とする穀物は基本的にイネ科の植物である
一つの例外が蕎麦でソバはタデ科の植物なのだ  そのソバによく似た高山植物がオヤマソバである
同じような環境にオンタデやウラジロタデも生えているので紛らわしいがオヤマソバは花が淡紅色を帯び、茎が紅紫色なので区別できる
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ラン科
トキソウ
トキソウは基本的に湿原の植物だが湿り気さえあれば高山にも生育する
八方尾根の山道脇の茂みの中に小さなトキソウを見つけた
何年かぶりの再会である  ちゃんと朱鷺の色をして、小さいながら立派な蘭の形をしていた
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ハクサンチドリ
高山植物の女王とまでは言い切れないが、48総選挙があればセンターに近い人気者である
北海道では結構普通に咲いているが、八方尾根では数株しか見つけられなかった
高山には紅紫色系の花が多いがハクサンチドリの紅紫色は重厚なイメージがある
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ユリ科
ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲは高山植物というより高原植物だ
日光に限らず中部以北の高原には広く分布する(といいたいところだが最近は鹿の食害で急激に数を減らしているという)
群落が保たれていれば問題ないが、個々の花は1日花なので撮影のタイミングは難しい
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クルマユリ
こちらも高原植物だが、ニッコウキスゲよりは少し標高の高い針葉樹林帯レベルに多いような気がする
以前にも述べたがコオニユリと区別するため写真には輪生の葉を写しこまないといけない
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オオバギボウシ
ギボウシも高山植物のイメージではない  草津のわが山荘の玄関前にもオオバギボウシが数株咲いている
ただ高原の霧の中ではなかなか雰囲気が出るので、八方尾根では何枚も撮影してしまった
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ネバリノギラン
花のイメージとは程遠い地味な植物だがたいていの高山植物図鑑には載っている
九州から北海道まで広く分布しているが我が国の固有種だそうだ
写真を撮って面白い対象ではないのだが生物学の観点からシャッターを押すことは多い
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タカネアオヤギソウ
数が多いわけではないが山歩きの途中、鞍部などの明るい草地で出会うことが多い
形状がよく似た植物にタカネシュロソウがあるが、こちらは全身が黒褐色で色彩的に全くイメージが異なる
地味だが立派な高山植物だ
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キンコウカ
正確な記憶ではないが10年ほど前、東北地方の湿原であたり一面のキンコウカに出会ったような覚えがある
歳のせいか最近ではキンコウカの名前もすぐに思い出せなくなってしまった
撮影した野草のデータの整理はどうしても必要のようだ
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イワショウブ
高山植物というよりは湿原の植物
低地の酸性土壌の湿地も多いというが低地で出会ったことはない
白い花弁と雄蕊の赤褐色の対比がなかなか可愛い
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カヤツリグサ科
ワタスゲ
アイウエオ順に並べても結果は同じような気がするが八方尾根高山植物図鑑のアンカーはワタスゲになった
ワタスゲの茎の先につく小穂は1個のはずなので多数の小穂が見える最終写真はちょっと気になるところだが、他の茎からの穂が飛んで絡んだものと勝手に解釈している
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by mustachio | 2015-08-09 21:42 | Comments(0)
2015年 08月 09日

八方尾根高山植物図鑑vol.2

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vol.1がアカネ科で終わりvol.2はゴマノハグサ科でスタートする
ゴマノハグサ科にはシオガマなど目立つものも多いが、コゴメグサやママコナのように小さくて目立たないのにアップに堪えるきれいな花もある
リンドウ科のタカネセンブリなども拡大してみると美しい花の一つだ

ゴマノハグサ科
エゾシオガマ
シオガマの仲間は紅紫色の派手な花が多いがこのエゾシオガマの花は白に近いクリーム色で非常に地味なイメージである
名前の通り北海道に多いが本州の山岳地帯でも普通に見られる
北海道にはキバナシオガマという黄色の派手なシオガマがあるのだが大雪山の白雲岳周辺限定の希少種でまだお目にかかったことはない
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ヨツバシオガマ
個人的な感覚だがシオガマといえばこちらのシオガマを想起することが多い
中部地方から北海道にかけて分布する高山植物の代表種である
アップでこの花の写真を見ると鳥の頭の形をしていてとてもかわいい
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クガイソウ
ゴマノハグサ科の植物はバリエーションが多く全体像がつかみづらい
紫の花穂を構成するこの花やルリトラノオなどがゴマノハグサ科なのだが、白い花穂のオカトラノオなどはサクラソウ科になる
クガイソウは低い山でも結構見られるが、個人的には高山蝶のタカネキマダラセセリやミヤマシロチョウが吸蜜する花のイメージが強い
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ミヤマクワガタ
見つけにくい小さな花だが雄蕊が長く形状的にはユニークである
余談になるが同姓同名の昆虫のほうがメジャーで植物のほうはマイナーな印象だ
鳥のシマアジと魚のシマアジなど世の中にはまぎらわしい同名異種が結構多い
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ミヤマコゴメグサ
登山道の脇に結構数が多いのだが普通の登山客は見過ごしてしまう
それほど小さな花だがよく見てみると色彩のバランスがたいへん素晴らしい
マクロレンズの世界はこういうところが楽しいのだ
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ミヤマママコナ
こちらもマクロレンズの世界
ピンク色の花弁の上に白い飯粒が二つ  だから名前を飯子菜という
ただ山頂を目指す登山客にはわからないファンタジーだ
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シソ科
イブキジャコウソウ
こちらも小さな花なのだが通常小さな群落を形成しピンクの絨毯のように見えるので目立つ植物である
高山限定ではなく北海道では平地でも見られる
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タテヤマウツボグサ
ウツボグサ自体も高原の植物で平地では見られないが、タテヤマウツボグサのほうは完全な高山植物である
タテヤマウツボグサのほうが花のつき方が密で花が大きく紫色も濃いので迫力がある
写真の花の色は薄紫の印象だが実際はもう少し濃いイメージになる
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リンドウ科
イワイチョウ
しばらくこの花に接していなかったので撮影時に花の名前が思い出せなかった
というか近縁のミツガシワによく似たイメージなのでミツガシワかと思って軽く見ていた
ミツガシワのほうは花に白い毛が生えているし今年の春は何回か撮影しているのに気が付かなかったのは歳のせいかもしれない
弁解になるがこの植物は名前のように岩の多い砂礫地に生えるわけではなくミツガシワと同じように湿地に生えるのだ
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ミヤマリンドウ
ミヤマリンドウは北海道の旭岳で出会ったばかり
ちなみにこのリンドウは晴天でないと花を開かず存在に気付かないことが多い
ここのところ山の撮影は天候に恵まれているようだ
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オヤマリンドウ
名前はたった1字しか違わないが大きさは全く異なる
雨天晴天にかかわらずこのリンドウは花を全開することはなくいつも半開きの状態だが花が大きく紫も濃いのですぐわかる
基本的には秋の花で7月に見られたのは不思議といってもよい
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ハッポウタカネセンブリ
現地の看板など説明があるので名前を特定できたが、図鑑などではこの花が出てこない
センブリは花弁が5枚だがこちらは4枚で花の大きさもだいぶ小さい
名前からして八方尾根の固有種(固有亜種)だと思うが、ブルーの美しい花だった
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サクラソウ科
ユキワリソウ
色も形も完全なサクラソウだがサクラソウとかコザクラとかいう名前はつかない 雪割草というオーソドックスでロマンチックな名前がついている
新潟方面では春に咲くオオミスミソウを雪割草と呼ぶがこちらは正式な和名ではない
いずれにしても雪解けの頃、高山では6月に咲く花なのだが、7月末の八方尾根には数多くのユキワリソウが咲き残っていた
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ツツジ科
オオコメツツジ
今年の夏は大雪山系旭岳でイソツツジをたくさん見た
シャクナゲもそうなのだがつつじの仲間は高山に咲くものも多い
八方尾根に咲いていた花はオオコメツツジだったが比較的珍しいものらしい
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ミヤマホツツジ
もう1種のツツジも高山植物だ
花柱が長く伸びた形状が面白く、花の色も赤紫から白へのグラデーションがなかなか美しい
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セリ科
ミヤマシシウド
セリ科の植物は似たようなものが多く同定が難しい
八方尾根ではシシウドの群生が見られたがおそらくミヤマシシウドだと思う(オオカサモチもよく似ていて識別点がよくわからない)
いずれにしても青空をバックにしたシシウド系の写真は季節感と迫力がある
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タカネイブキボウフウ
八方大池の付近、昼飯を食ったあたりに咲いていた
種名は正確ではないが、花柄や側枝の状況から推定した
写真では葉の状況が不明確だがまず間違いないと思う
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ミヤマセンキュウ
葉の形がシダに似ているセリ科植物
葉が写しこまれていないので植物写真としては失敗作だ
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ミヤマトウキ
さらに識別困難なセリ科が続くがこちらは花のそばに種名のある説明看板があったので間違いないと思う
花柄の展開状況が花火のようで面白い
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ミヤマゼンコ
最後のセリ科植物
こちらは特徴のある葉の状況が正確に写っているので間違いなくミヤマゼンコである
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アカバナ科
ヤナギラン
ヤナギランは8月の花
イメージとしてはお盆のころにピークを迎える
八方尾根ではリフト終着駅の小屋の近くでやっと咲き始めたところだった
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トウダイグサ科
ハクサンタイゲキ
タイゲキというのは中国の植物名のようで具体的なイメージは全くわからない
別名のミヤマノウルシのほうがわかりやすく東京近郊の河川敷にも多いノウルシの高山型である
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オトギリソウ科
イワオトギリ
vol.2の最後はオトギリソウ科になった(次のバラ科の植物がやたら多いので区切りとなっただけである)
イワオトギリと非常に近いオトギリソウの仲間にシナノオトギリというのがあって、いろいろな植物図鑑を調べてみるとどちらかしか掲載されていない
どうも葉の縁に黒点が集中するのがシナノオトギリでイワオトギリは葉の全面に黒点があるといった程度の違いしかないらしい
写真では葉の全面に黒点が見えるようなのでイワオトギリとした
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by mustachio | 2015-08-09 15:13 | Comments(0)
2015年 08月 09日

八方尾根高山植物図鑑vol.1

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7月最終日の31日、草津の山荘から車で白馬へ出かけた
片道100キロほどあるのだが、渋滞のない一般道なので楽勝の日帰りコースである
白馬はギフチョウのシーズンに毎年出かけるのだが、夏は久しぶり、今回は涼を求めて「高山植物」の探索だ
八方尾根へはスキーのためのゴンドラやリフトが動いていて標高1600m位まで簡単にたどり着ける
2000mほどの八方大池までは植物の写真を撮りながら登っていくが、このシーズンは花が多く時間がかかるが、疲れるような行程ではない (ただ平日でも登山客がやたら多く「人疲れ」はやむを得ない)

トップシーズンで撮影した植物の種類が多かったため、今回は図鑑の分類順に科別に整理してみることにした
(日本の蝶については体系的な写真の整理ができているが、日本の植物写真の分類整理は道半ばとなっている)
「八方尾根高山植物図鑑」という大げさなタイトルでvol.1~vol.3までの3部編成である
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ベニヒカゲ
植物図鑑スタートの前に「番外編」として蝶の写真
八方大池で撮影した一応高山蝶といわれるベニヒカゲの手乗りシーンである
ベニヒカゲは人の汗で吸水する癖があり登山客にまとわりつく傾向がある
比較的標高の低いところでは人に寄りつくことはないが、高山で汗びっしょりの登山客には集まる
アルプス1万尺の歌に「チョウチョが飛んできてキスをする」という歌詞があるが、けしてフィクションではない
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キク科
ミヤマアズマギク
図鑑分類順ということでまずはキク科からのスタート
高山菊といえば代表はウサギギクとこのミヤマアズマギク、ウサギギクのほうは花全体が黄色いが、こちらは中心の筒状花のみが黄色で周辺の舌状花は鮮やかな紅紫色である
2年前に北海道のアポイ岳で見たアポイアズマギクは舌状花が真っ白だった
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ノコンギク
登山道わきに咲いていたので撮影したが高山植物ではなく普通の野菊
下界では9月に咲く秋の花だが高地では7月から咲き始めていた
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カンチコウゾリナ
寒地剃刀菜
今年は北海道の平地でよく見かけたが、本州では高山植物である
似た種類にミヤマコウゾリナがあるが、葉の形状が異なるので、写真撮影に当たっては葉の部分のピントも必要になる
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クモマニガナ
ニガナは平地性の植物でタカネニガナとクモマニガナがその高山型になる
撮影した時はタカネとクモマの違いが頭に入っていなかったが、帰宅後調べてみるとタカネニガナは花弁(正確には舌状花)の枚数が9~10枚までのようなので、この花はクモマニガナのようだ
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シロバナクモマニガナ
クモマニガナの白化種
タカネニガナのほうには白化種がないと思うので同定はやさしい
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ハッポウアザミ
登山道周辺にはでかいアザミが咲いていた
総苞のクモ毛が目立つのでオニアザミに近い種類だと思う
周辺の案内看板ではハッポウアザミと表示されているのでそのまま名前を使わせていただくが、植物図鑑に登場するレベルのメジャーな名前ではないようだ
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タムラソウ
アザミに似ているが棘を持たない平和主義の非武装植物
最近の国内政治情勢を反映してか、アザミは頭を垂れているのにタムラソウのほうはまっすぐ上を向いて咲いていた
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ミヤマアキノキリンソウ
アキノキリンソウは平地の秋の花だが、こちらはその高山型
高山では秋の花が7月から咲き始める
平地のアキノキリンソウよりミヤマのほうが花が大きく見栄えがする(黄金菊という別称のほうがふさわしいネーミングかもしれない)
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ヤマハハコ
比較的低い山から高山でも見られる普通種
写真のヤマハハコは葉が細いのでホゾバノヤマハハコかとも思ったが、ホソバのほうは近畿以西、ヤマハハコは中部以北と棲み分けができているようだ
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ハッポウウスユキソウ
ウスユキソウはエーデルワイズの仲間
もちろん高山植物の代表種である
八方のウスユキソウはハッポウウスユキソウという名前が付けられていたが、確かに他のウスユキソウとは見た感じが異なっていた
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キキョウ科
ハクサンシャジン
キク科が終わったのでキキョウ科の花へ
ハクサンシャジンはツリガネニンジンの高山型である
2枚目の写真のように釣鐘型の花を数段に渡り輪生状につける
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ヤマホタルブクロ
山の花ではあるが高山植物のレベルではない
近似種に平地性のホタルブクロがあってよく似ている
相違点は萼片の構造(平地のホタルブクロには萼片の間に付属物がある)なので、写真撮影時には萼片にもピントを合わせる必要がある
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マツムシソウ科
タカネマツムシソウ
マツムシソウは秋の高原の花だが、タカネマツムシソウのほうはハイマツ帯以上の高山高原や砂礫地などに生える高山植物
マツムシソウより草丈は低いのだが花が大きく色彩も鮮やかなため、必然的にアップの花の撮影枚数が多くなってしまう
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アカネ科
キバナカワラマツバ
遠目には黄色い泡の集合のようで結構存在感がある
近くで見ると葉は松葉のように細く、花は可憐な4弁花の集合である
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by mustachio | 2015-08-09 10:47 | Comments(0)