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2015年 09月 27日

乗鞍岳のライチョウ

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「9月5連休」の前日、家内と二人車で乗鞍岳へ出かけた  目的はライチョウの撮影である
一昨年、昨年と二人で夏の乗鞍岳に挑戦し2回とも振られたことはこのブログの過去の記事を見ていただければすぐわかる
学生時代の北アルプス縦走の時に何回もライチョウを見かけているし、その後立山でも間近に観察しているのだが残念ながら写真が撮れていなかった
家内がどうしてもライチョウを撮りたくて夏のライチョウに挑戦したが、最近は個体数が減ってしまって登山客の多いシーズンにはなかなか姿を見せてくれない
秋になれば登山客も減ってくるのでチャンスがあるかと乗鞍岳(畳平)の旅館に当たってみると連休前なら宿泊可能という
その連休前は長雨が続き、9月18日も東京は雨だったがとにかく出かけることにした
途中で雨は止んだものの長雨の影響でシャトルバスが動かずアクセスに苦労したが、畳平に何とかたどり着き、登山客が全くいない魔王岳の周辺を二人で探し回った
夏の乗鞍岳は高山植物が豊富でライチョウが出なくても楽しい時を過ごすことができるが、9月中旬では花は終わり、写真に示すようにコマクサ、イワギキョウ、イワツメクサなどがわずかに残っていたものの、とても絵になるような状態ではなかった
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ライチョウ
探索1時間、周辺に霧が出てきて写真撮影が難しくなりかけたころ、なんとか念願のライチョウが登場した
今年生まれの幼鳥と見られる個体が5羽、登山道の周辺の草の実を食べているのを見つけたのである
ライチョウは繁殖前の求愛時期以外は、天気の良い日はハイマツの茂みに隠れてなかなか姿を現さない
(高山には天敵が少ないが空を飛ぶ猛禽は最大の敵のようだ)
一人も登山客がいない霧の登山道で、ライチョウたちは全くの無防備で草の実などのエサを漁っていた
秋のライチョウはまだ夏姿だが腹や脚などの下半身は白く、羽根を拡げるとこちらも真っ白で目立つ
霧が深かったものの彼らは警戒心が希薄で30分ほど撮影を堪能することができた
アップで見て目の上が赤いのがオス、そうでないのがメスのようだ
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ちなみにライチョウは英語でPtermigan、けしてThunderbirdではない
Thunderbirdはオーストラリアに住むモズヒタキ科の小鳥である
関西と北陸を結ぶJRの特急にサンダーバード号があるが、あれは「雷鳥」の勝手な誤訳だと思う

学名はLagopus mutusというが、これはウサギの脚という意味だそうで、写真を見ると納得がいく

乗鞍高原
ライチョウ撮影の翌朝は連休の初日
人混みでライチョウは期待できないため朝早いシャトルバスで乗鞍高原まで下り、三本滝周辺などで山の秋を楽しんだ
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ゴマナ
ゴマナは高原に多いキク科の白い花
至る所に咲いていて「高原の秋」のシンボルフラワーになっている
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ノコンギク
菊らしい菊がもう1種  ノコンギクだ
花が紫色でいかにも野菊らしい
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ナンブアザミ
アザミを撮影した
撮影した時は意識しなかったが、帰宅してから画像を見るとこのアザミは葉が披針形で全く切れ込みがない
複数の植物図鑑を比較検討した結果、ナンブアザミは全縁の葉を持つものがあるようで、総苞片の反り返り等からナンブアザミと推定するに至った
その後さらに検討の結果、切れ込みのない葉と反り返りの強い総苞片を持つアザミにノリクラアザミという種(亜種)があるのがわかった
このアザミがノリクラアザミである可能性は高い
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カニコウモリ
あまりキク科らしくないキク科植物だが、葉の形が個性的で識別には苦労しない
夏の上高地などで群生を見かけるが、乗鞍高原では9月後半になっても元気だった
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ヒヨドリバナとヨツバヒヨドリ
よく似た植物で花だけ見たのでは判定不能だ
葉のつき方が互生のほうがヒヨドリバナ、輪生(ほとんど4枚)のほうはヨツバヒヨドリである
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ヤマハハコ
夏山の植物の常連だが、ヤマハハコは花期が長い
というか、いつ枯れたのかはっきりしないまま冬を迎えドライフラワーになっていくようだ
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シシウド
3本滝の近くにセリ科の植物があった
セリ科の植物は似たようなものが多く図鑑でもなかなか差異が見つけられない
最近では花以外に葉の形状やつき方(葉序)を記録するようにしているので、帰宅してから(2枚目の写真で)
シシウドであることが確認できた
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ゲンノショウコ
この花も晩秋まで咲き続ける
紅紫色から白色に近いものまで花の色に変化があり、関東は白色系、関西は濃色系と理解しているが、乗鞍高原のゲンノショウコは白に近い薄紫だった
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サラシナショウマ
一目見てわかるサラシナショウマ
この花の写真はなぜかアップが多い
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ダイモンジソウ
三本滝の滝つぼの近くにダイモンジソウを見つけた
地味で清楚な花で、おそらく10年振りくらいの久々のご対面である
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ムシカリ
駐車場から滝までのアプローチは徒歩30分程度だったが、秋のせいか周囲に赤い実をつけた植物が非常に多かった (ここから先は花ではなく実の特集になる)
まずはあちこちで見られるムシカリ、別名オオカメノキで、赤い実はやがて熟すと黒くなる
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マユミ
ピンク色の実は蒴果で、果皮はいずれ裂開し、赤い種が除くようになる
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クロツリバナ
マユミに近いニシキギ科の植物
こちらの蒴果は角ばっていてマユミより個性的である
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ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナは夏に4弁の白い花(正確には白い総苞片)をつける深山の植物
今年も北海道など何カ所かで撮影している
乗鞍高原ではそのゴゼンタチバナが真っ赤な実をつけていた
滝へ向かう山道の路傍にはやたら数が多く、ほとんどの花が終わってしまった山道を華やかに彩っていた
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マイヅルソウ
ゴゼンタチバナと同じように深山に白い花を咲かせるが、花が非常に小さいので非常に地味な印象の植物である
正直言ってこの花が秋になると真っ赤な実をつけるという認識は全くなかった
葉の形に特徴があるのでマイヅルソウであることはすぐわかるのだが、そのマイヅルソウに予想もしなかったきれいな実がなっているのを見てある意味で感動を覚えた
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タケシマラン
こちらもマイヅルソウ同様ユリ科の植物で深山に生える
昨年の蝶ヶ岳への登山道で(オオバタケシマランだったかもしれないが)出会った記憶がある
花は小さくて地味な白い花なのだが、乗鞍高原で出会った実のほうは鮮烈な赤い色をしていた
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ヤブコウジ
木本だが小低木
撮影時はセンリョウかマンリョウだと思っていたが、図鑑を確認するとどちらでもなくヤブコウジのようだ
よく似た赤い実が多いので判定が難しい
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イチモンジセセリ
蝶に関してはもうシーズンが終わってしまっているので期待していなかったが、その予想通り平凡な種しか見られなかった
多かったのがイチモンジセセリであちこちの花に飛来し吸蜜していたが、今年最後の世代だと思われる
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モンシロチョウ
普通モンシロチョウでシャッターを切ることはないのだが、蝶が少ないと普通種でも写真を撮りたくなる
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ミドリヒョウモン
ヒョウモン類ではミドリヒョウモンが多かった
ただどの個体もボロボロで全く写真向きではない
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マユタテアカネ
予想に反して元気だったのはトンボ
乗鞍高原の池では多くのトンボが飛び回り産卵していた
連接飛行の赤とんぼはアキアカネよりはるかに色が赤く同定が難しいが、マユタテアカネではないかと思っている
遠くから100ミリマクロで撮っているので、肝心の顔の部分が不明瞭で間違っているかもしれない
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ムツアカネ
高層湿原に多いカオジロトンボに雰囲気が似ているが顔は白くないので違う
図鑑を検討した結果、ムツアカネだろうと推定した
今まで出会ったことがない全くの初対面である
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ルリボシヤンマ
大型のヤンマが池で産卵していた
ルリボシヤンマだと思う
トンボに関しては全く事前準備ができていなかったので良い写真を撮りそこなったが、来シーズンからは蝶以外の昆虫にも注意を払っていきたいと思う
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タヌキ
乗鞍の写真は雷鳥で始まって狸で終わる
三本滝のバス停に5匹ほどのタヌキが遊んでいた もちろん野生のタヌキなのだが今年生まれた子供で人に慣れて道路脇に出てくるようだ
以前アナグマの写真を撮っているがタヌキのアップを撮影したのは初めてだと思う
よく見れば精悍な顔をしていて犬に近い動物であることがわかる
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by mustachio | 2015-09-27 18:36 | Comments(0)
2015年 09月 06日

2015夏休みの植物観察vol.3

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このシリーズも最終編
残りは離弁花類と単子葉植物になった
一般的に合弁花類が最も進化が進んでいて離弁花類がこれに次ぎ、単子葉植物は遅れているといわれる
何が進んでいて何が遅れているのか植物の専門家ではないのでさっぱり理解できないが、離弁花類は花びらの分離がはっきりしていて美しいものが多く、花の女王といわれるラン科の植物やユリなどは単子葉である
少なくともいえることはこの分類方法と花の美しさ(好感度)は何もリンクがないといえることだろうか
SMAPの歌ではないが人間の尺度で花の順位をつけるのは適切ではない

双子葉離弁花類セリ科

シシウド
分類のルールに従っているためだと思うが普通の図鑑では離弁花類のトップにセリ科が来る
ウコギ科のウドは成長が早く図体が大きくなるので「ウドの大木」という言葉が定着しているが、シシウドもウドに負けず成長が早く春に芽を出して夏には2メートル近くになる
セリ科植物は地味なものが多いがこのシシウドやオオカサモチは体格では目立っている
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双子葉離弁花類アカバナ科

ヤナギラン
野反湖畔でも池の平でもピンク色のヤナギランが真っ盛り
どちらのフィールドもヤナギラン撮影会になってしまった
蘭の仲間ではないが華やかな花で、群落をつくり一面をピンク色に染める
標高によって咲き始める時期が異なるが7月の花ではなく、この花が咲き始めると山は秋モードに変わる
夏休みの終わりを暗示する花のようだ
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オオマツヨイグサ
同じアカバナ科でもこちらは地味なイメージ
別名月見草は野球の野村元監督を想起させるが、花のほうがずっと美しい
ただ残念なことにこの仲間はただのマツヨイグサを含めすべて外来種の帰化植物のために人気が出ず、雑草扱いされることが多い
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双子葉離弁花類オトギリソウ科

オトギリソウ
離弁花類は基本的に花びらが分離しているので花らしい花が多くわかりやすい
オトギリソウは高山植物とは言えないが、高山の険しい山道で出会うことが多い
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双子葉離弁花類フウロソウ科

ハクサンフウロ
ハクサンフウロも野反湖、池の平両フィールドで真っ盛りを迎えていた
この花は数が多い割には群落をつくるというイメージではなく、写真にすると日の丸構図のアップが多くなる
集合写真でまとまったのは最後の1枚くらいか
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双子葉離弁花類マメ科

シャジクソウ
イワオウギやレブンソウなど高山植物とされる中にマメ科の花は少ない
シャジクソウは池の平や湯の丸山など浅間山系に多いのでなじみの花である
葉の形状に特徴があって車軸草というよりは車輪草である
4枚目の白い花もシャジクソウだと思うが図鑑には白花の例の記載がまったくない
(もしかするとシロバナシャジクソウという新種だろうか)
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双子葉離弁花類バラ科

シモツケソウ
今年は八方尾根でいやというほどシモツケソウを見た
時期が遅かったのかもしれないが今回は野反湖畔で1,2株を見ただけである
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ワレモコウ
ワレモコウはこれからがシーズン
特に美しい花ではないが絶滅危惧種のゴマシジミ(蝶)の食草なので親しみがある
なんでワレモコウがバラ科かと思ったこともあるが、花穂を拡大してみると何となく納得できるような気がする
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双子葉離弁花類ユキノシタ科

ノリウツギ
ノリウツギの白い花には昆虫が多数訪れるので少年時代から親しい植物だった
ただウツギやアジサイのような木本類がユキノシタ科であることに気付いたのは比較的最近である
ユキノシタは可愛い白い花をつける草本で同じ科に木本がたくさんあることは感覚的に理解できない
ちなみにノリウツギの花は中心の多数の小さい花が生殖用(両性花)で、周囲にある大きく白い花は装飾花と呼ばれアジサイと同じように実態は萼である
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ウメバチソウ
こちらはいかにもユキノシタ科らしい白くて清楚なウメバチソウである
たまには数株が固まって咲くこともあるが1株だけのことも多く、写真は例によって日の丸構図のアップが多くなる
単に白いだけでなく黄色や黄緑色を配して、アップに堪える魅力的な花だ
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双子葉離弁花類キンポウゲ科

ヤマトリカブト
野草のグループとしてキンポウゲ科は最大派閥ではないかと思う
特に早春に咲くフクジュソウ、セツブンソウ、アズマイチゲなど春の花はほとんどがキンポウゲ科といってよいほどだ
それが秋になると派閥の精力減退傾向があり今回のフィールドで目立ったのはこのトリカブト程度だった
このトリカブトは地域によって種が分かれるので正確な同定は素人には無理である
名前はとりあえず包括的なヤマトリカブトとしておいた
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サラシナショウマ
もう一つキンポウゲ科の秋の花があった
サラシナショウマである 形状がユニークで「白い配管ブラシ」そのものである
花穂は小さな花の集合体であるが、その小さな花一つ一つに花柄があるのが面白い
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双子葉離弁花類ナデシコ科

タカネナデシコ
北海道の原生花園がスタートで今年の夏はタカネナデシコとの出会いが多かった
「なでしこジャパン」が有名になり大和撫子が日本の花の代表のようになっているが、この花をよく見るといかにも西洋的で日本の花とは違うような気がする
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双子葉離弁花類タデ科

オヤマソバ
我々が主食とする穀類はほとんどが単子葉類イネ科の植物でソバだけが双子葉類タデ科と例外扱いになる
高山に多いオヤマソバはタデ科なので当然ソバの仲間かと思っていたが、これは間違いでタデ科の中でもソバと蓼は属が異なる
オヤマソバはソバに似ているだけでソバのように食えるわけではないようだ
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イタドリ
見た感じはオヤマソバに似ているが個々の花が小さくいかにもタデ科ですという顔をしている
昔から「蓼食う虫も好き好き」ということわざがあるが、虫にとってタデ科植物がなぜまずそうに見えるのか理解できない
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単子葉類ラン科

ネジバナ
野反湖周辺を歩いていてネジバナを見つけた
イメージとしてこの花は春の花だと思っていたが図鑑をチェックして見ると春から秋まで咲くらしい
撮影にはマクロレンズが必要になるが、薄い緑とピンクの組み合わせは素晴らしいものだと思う
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単子葉類ユリ科

ネバリノギラン
名前は蘭でも百合の仲間である
見た目で判断するのはよいことではないが、蘭や百合のイメージとは程遠い植物だ
それでも高山植物としては基本種で出会いも多い
登山パーティの中で「植物通」になりたければネバリノギランをマスターすることだ
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今日は9月7日、夏休みの宿題の自由研究「昆虫観察」「植物観察」がやっと終わった

by mustachio | 2015-09-06 17:22 | Comments(0)
2015年 09月 06日

2015夏休みの植物観察vol.2

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キク科植物に続きキク科以外の被子植物双子葉合弁花類に入る
というのが普通のコースだが夏休みに撮影した植物としてオオシラビソの写真が残ってしまった
マツ科のこの植物は裸子植物なのだが他には裸子植物の写真がない
となればシリーズのトップかラストに入れるのが順当だが、vol.1とvol.3は写真の数が多くバランスが悪い
唐突な印象で申し訳ないがvol.2のトップに裸子植物を配置することでお許し願いたい

裸子植物マツ科

オオシラビソ
裸子植物というのは胚珠が子房に包まれず裸出していて胚珠が直接受粉する
けして珍しい植物ではなく、普段目にする松、杉、檜やソテツ、銀杏などが該当する
ただ花が小さく目立たないので写真の対象にはなりにくく、自分でもあまり撮影することがない
今回は池の平周辺の山道を歩いていてオオシラビソ(アオモリトドマツ)の松ぼっくりを撮影した
写真の松ぼっくりはまだ緑色だが成熟すると渋い紺色に変わる
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双子葉合弁花類キキョウ科

ツリガネニンジン
普通の植物図鑑ではキク科の次にキキョウ科が来る
秋の高原のキキョウ科といえばツリガネニンジンが代表的でいろいろなところで見ることができるが、なかなか全体が美しい株が見つからない
花ごとに咲くタイミングがずれるため同じ株に蕾も枯れた花も同居することが多い
高山植物のハクサンシャジンはこのツリガネニンジンの高山型と思っていいのでないか
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ヤマホタルブクロ
ホタルブクロ類はどちらかというと初夏の花、ヤマホタルブクロは少し花期が遅いが秋の花ではない
草津白根山などこの花が多いのだが、最近は火山噴火の規制があってあまり見ていない
(本ブログでは富士山麓の時に撮影した)
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サワギキョウ
1株でもきれいな花だが、サワギキョウは群落を見るのがベスト
森に囲まれた湖の岸辺に多数のこの花が固まって咲くとまさにメルヘンの世界になる
野反湖畔でその群落に期待したが残念ながら数株のサワギキョウを見つけただけであった
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双子葉合弁花類マツムシソウ科

マツムシソウ
ちょっと菊に似た薄紫の花で8月下旬の高原を薄紫色に染める
野反湖でも池の平でもマツムシソウの数が多くベニヒカゲなど多くの昆虫が集まっていた
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双子葉合弁花類オミナエシ科

オミナエシ
漢字名女郎花が有名なので色っぽいネーミングかと思ったら、語源は女飯(おみなめし)だという
粟や稗など黄色い穀類が女性の主食だったころの話らしい
いずれにしても月見など秋の行事には欠かせない植物で、花屋でも栽培したオミナエシが売られている
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双子葉合弁花類スイカズラ科

ムシカリの実
ムシカリはガマズミの仲間の木本、別名のオオカメノキのほうが通りが良いかもしれない
春に山を歩くとこのオオカメノキの白い花が目立ち感動するが、秋の実のほうも鮮やかでシャッターを押したくなる
実はこのブログを書くまでこの植物がスイカズラと同じ科であることに気が付かなかった
タニウツギやウコンウツギなども同じスイカズラ科であった
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双子葉合弁花類ゴマノハグサ科

クガイソウ
野反湖と池の平、どちらのフィールドにもクガイソウは多いのだが、今回はほとんど花期が終わってよい写真は撮れなかった
この花にはクモマベニヒカゲやタカネキマダラセセリなど高山蝶が吸蜜するので好きな花の一つだが、蝶とのマッチングがいいということは7月の花なのだろうと思う
花は穂の下から咲き始め咲き終わると最後の写真のように種ができる
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ミヤマコゴメグサ
同じゴマノハグサ科でも全く雰囲気が異なる
池の平周辺の登山道で撮影したが、普通の登山者は存在に気が付かないような小さな植物なのだ
名前の小米よりさらに小さい花だが白ベースに黄色と紫を配して個性的である
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トモエシオガマ
今年の夏は八方尾根を歩いたのでエゾシオガマとヨツバシオガマには出会っているがトモエシオガマは今回が初めてだと思う
トモエシオガマは高山よりもどちらかというと亜高山帯の植物なので、棲息域は微妙に違うはずだ
巴状に渦を巻く花が魅力的なので写真の枚数はかなり多くなってしまった
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双子葉合弁花類シソ科

イブキジャコウソウ
シソ科の花はもっと多いのではと思っていたが今回撮影は1種だけであった
イブキジャコウソウは湯の丸山や高峰高原など浅間山系には多い(野反湖では見たことがない)
ピンクでかわいい花なのだが、単独よりも群落のほうが見栄えがする
というかいつも小さな群落を形成して咲く植物である
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双子葉合弁花類リンドウ科

ハナイカリ
春に咲くイカリソウと同じように花が碇の形なので、この花は同じ仲間つまりメギ科の植物だと思っていた
ところがこちらはリンドウ科で秋の花だったのだ
ハナイカリもイカリソウも植物図鑑では「船の碇そっくり」と解説されているが、どちらが碇に似ているか客観的に審査してみる必要があるのでないか(植物の世界なのでお互いの間にパクリはないと思う)
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オヤマリンドウ
秋はリンドウの季節
ただ群馬県の草津周辺ではリンドウを見かけずオヤマリンドウがやたら多い
ハイキングの子供たちが「この花はいつ咲くの」と訊ね親たちは「もうすぐ咲くと思うよ」と答えるが、オヤマリンドウの花はいつまでたっても開かずいつの間にか冬を迎えてしまう
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双子葉合弁花類サクラソウ科

オカトラノオ
サクラソウ科の花は秋には似合わない
野反湖畔にはオカトラノオが咲いていて、後になってオカトラノオはサクラソウ科だと気が付いた
9月に入ってしまったこの頃ではもう見られないかもしれない
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双子葉合弁花類ツツジ科

ホツツジ
ホツツジは木本で花も地味なためあまり写真を撮る機会がない
たまたま野反湖畔で遠い位置にあったのを撮影したが写真の出来もよくなかった
この植物は紅葉がきれいなので今年もう一度チャンスがあるかもしれない
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シラタマノキ
シラタマノキは有名な高山植物の常連でツガザクラと同じように釣鐘型の花をつける
この花は白玉のイメージではないので一時不思議に思っていた時期があったが、白玉の由来は秋の実の形状によるものと納得した
写真で見るように秋の実は純白球形で名前にふさわしい
図鑑によるとこの白玉は萼が肥厚化したものだという
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by mustachio | 2015-09-06 12:34 | Comments(0)
2015年 09月 05日

2015夏休みの植物観察vol.1

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昔から夏休みの宿題は9月1日の登校日に持っていくと決まったわけではない(なかったような記憶がある)
昆虫観察の自由研究だけは8月に間に合わせたが、植物観察のほうはブログアップが9月にずれ込んでしまった
すでに予告済みのように群馬県の野反湖と池の平湿原で撮影した植物の写真を掲載するだけなのだが、一応もっともらしいタイトルをつけたので、植物は分類順(図鑑順)に科別に整理することとしたため少し余計に時間がかかってしまった
整理してみると秋が近いせいかキク科植物の写真がやたら多い
3部構成うちの第1部は「被子植物双子葉合弁花類キク科の写真だけになってしまった
植物の進化としては単子葉より双子葉、離弁花より合弁花のほうが進んでおり、特にキク科は進化が進んだ(ある意味でレベルの高い)植物といわれ、植物図鑑では普通トップに登場する

被子植物双子葉合弁花類キク科

ウスユキソウ
トップはウスユキソウである
ということはキク科の中でも進化の進んだグループと考えてよいのだろうか
お仲間のヨーロッパアルプスのエーデルワイズは非常に人気のある高山植物だが、日本のウスユキソウはあまりきれいではなく山ガールにも支持率が低いようだ
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ヤマハハコ
ウスユキソウに近いハハコグサの1種
漢字にすれば母子草だがなぜ「母子」なのかは不明
(子供の頃いわゆる母物というお涙ちょうだいの映画があって松島トモ子が子役だったことをなぜか思い出した)
色彩的には白と黄色の単純な組み合わせだが、なかなか美しいデザインだと思う
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ヨツバヒヨドリ
このヨツバヒヨドリと次のヒヨドリバナは非常によく似ていて花だけでは識別できない
識別のポイントは葉の構造でヨツバヒヨドリのほうは4枚の葉が輪生する
フィールドでは野反湖のほうにヨツバヒヨドリが多いように感じる
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ヒヨドリバナ
写真をご覧いただければ一目瞭然
葉がばらばらに茎についていて輪生状態ではない
池の平湿原のヒヨドリバナには例年アサギマダラが群れているのだが、なぜか今年は姿が見えなかった
花の名前の由来はヒヨドリが鳴く頃に咲くからと聞いているが、ヒヨドリは1年中鳴いているようでどうも納得がいかない
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アキノキリンソウ
キリンソウというのは初夏に咲くベンケイソウ科の花で麒麟草ではなく黄輪草が正しいようだ
その花に似ていて秋(晩夏)に咲くためこの名前が付いたようである
秋の高原ではメジャーな植物で今回は野反湖でも池の平湿原でも数が多かった
キク科なので5弁の花というわけではないが、舌状花が5枚そろってちゃんとした花のように見える
最後の写真はアキノキリンソウだと思うが葉の色が赤紫で異質なイメージがある
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ゴマナ
菊の花らしく清楚な花だが似たような花が多く識別には苦労させる
花が水平に広がる傾向があるので群馬の高原では密集して広がる白い菊はゴマナということしてある
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ハコネギク
こちらも菊らしい菊   野反湖にはたくさん咲いているが池の平では見かけない
名前がハコネギクだが箱根限定ではなく、風当たりの強い風衝草原に生える
同定は難しいが野反湖では表示標識があるのでハコネギクで間違いないと思う
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マルバダケブキ
野反湖畔にマルバダケブキの群生地がある
鮮やかな黄色のこの植物は数がまとまるとさらに鮮やかさを増してとにかく目立つ
毎年お盆の頃には野反湖を訪れるが、マルバダケブキとヤナギランの共演は見事である
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キオン
キオンは黄苑と書く 紫苑に似て花が黄色いから黄苑なのだそうだ
近似植物にハンゴンソウがあってこちらのほうが数が多く、キオンは山奥に多いように思う
二者の相違点は葉の形状でキオンは単葉、ハンゴンソウは葉が深裂して幽霊の手のように垂れる
派手さはないが秋を感じさせる花の一つだ
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イワインチン
こちらは高山植物で池の平や湯の丸山などに多いが野反湖畔にはまったくない
過去の記憶だが砂礫に多くいろいろな山の頂上で何回も見ている
背の低い植物で、花びらがなく頭花はいつもつぼみ状である
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ノアザミ
ノアザミはアザミの中でも普遍的で他のアザミに先駆けて春から咲きだすのが特徴である
ただ秋になると他のアザミが一斉に咲きだすので識別は難しくなる
野反湖畔のノアザミは茎が長く伸びるのが特徴で見た目はタムラソウそっくりになるが、タムラソウは棘のないアザミで触ってみれば違いはわかる(葉の形状も異なる)
一方、池の平のノアザミは葉と花の距離が近く葉も普通のアザミだ
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タイアザミ
こちらもアザミとしては普通種 トネアザミともいうので関東のアザミのようだ
15年ほど前フィルムで野草を撮ったりしていたころは近所の石神井公園にも自生していた
総苞片が反り返り、花が横や下を向いて咲くのが特徴である
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クロトウヒレン
写真4枚のうち最初の2枚は池の平湿原、後の2枚は野反湖で撮影したもの
別種かと思っていたがどうも同一種らしい
群馬県北西部は太平洋側と日本海側の分水嶺に近く、両撮影地の雨水は最終的に日本海にそそぐ
図鑑によればクロトウヒレンは日本海側の高山植物のようで同定は間違いないと思う
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オヤマボクチ(ハバヤマボクチ)
オヤマボクチとハバヤマボクチは別種である
つまり、この写真からはどちらか判定できないということなのだ
どちらかといえばハバヤマボクチは南のアザミ、オヤマボクチは北のアザミなのだが、群馬県、長野県では
両種が分布する
正直なところ両者の相違点は葉の形状にあるのだが、撮影時にその認識がなく葉を撮影しそこなってしまった
ただ反省するのみである
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タムラソウ
ノアザミの項で触れたタムラソウ
棘のないアザミである
撮影時に識別ができていれば問題ないが、とりあえずシャッターを押す場合は葉の状態まで撮影しておかないと後で識別に苦労することになる
タムラソウの葉は羽状に深く切れ込むがアザミのように棘が生えていない
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コウゾリナ
キク科植物では普通種が2種残った
このコウゾリナは漢字名剃刀菜からもわかるように茎や葉に剛毛が生えている
平地でも山でも春でも秋でも(どこでもいつでも)タンポポに似た花を咲かせている
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ハナニガナ
ラストバッターはニガナ
というか正確にいうとハナニガナである
分類的にいうとニガナは花びらが5枚(まれに6枚)、ハナニガナのほうは7~12枚で別種だという
ハナニガナのほうは山で見る機会が多く、花の色が白いシロバナニガナも同じ仲間である
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by mustachio | 2015-09-05 14:11 | Comments(0)