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2016年 12月 16日

北部オーストラリア探鳥旅行記06


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北部オーストラリアの探鳥記録も最終号になる
分類順で写真を整理すると、最終号は必ずスズメ目の小鳥になるのは避けられない
今回の探鳥旅行は乾季の最終段階で猛暑の時期を選んだため、小鳥はあまり期待しなったが、内陸部(アウトバック)ではフィンチなどの小鳥が元気で予想外の収穫があった

オーストラリアマルハシ Grey-crowned Babbler

Babblerは日本語でチメドリ、この仲間は東南アジアで出会いのチャンスが多い
マルハシはその一部を成すグループの呼称で、嘴が丸く円弧のように湾曲するので「丸嘴」という
オーストラリアではそれほどマルハシの種類が多くはないようだが、ちゃんと「丸嘴」を観察することが出来た
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オーストラリアゴジュウカラ Varied Sittella

日本名はゴジュウカラだが日本のゴジュウカラとは全く違う鳥のようだ
頭が黒く目や嘴は黄色でイメージは異なるが、樹の幹に直接止まり体を逆さにして移動したりするところはゴジュウカラそのものなので、命名も許容範囲だと思う
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パプアオニサンショウクイ White-bellied Cuckoo-shrike

オニサンショウクイは日本で見るサンショウクイと近い仲間で少し大型である
オーストラリアにはオーストラリアオニサンショウクイとパプアオニサンショウクイがいてオーストラリアオニサンショウクイのほうが少し大きく腹が黒い
パプアニューギニアと北部オーストラリアは地理的に近接しており生物相も類似している
この2種のオニサンショウクイは名前通り棲み分けているのではなく、それぞれの国に2種が生息している
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マミジロナキサンショウクイ Varied Triller

自分にはまったく才能がないのだがバーダー(鳥屋さん)が鳥を探す時は鳴き声を頼りにする (こちらはもともとが鳥屋ではなく虫屋なので鳴き声の識別はさっぱりだ  鳴き声で蝶を探したことは一度もない)
ナキサンショウクイも特殊な鳴き方をする鳥で同行のOさんがちゃんと見つけて教えてくれた
写真の鳥はメスで、オスは頭や背中の茶色の部分が黒い
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チャイロモズツグミ Rufous Shrike-thrush

モズヒタキとかモズツグミとかいった鳥は日本にいない
一部のモズヒタキ(オス)のように色彩が黒、茶、黄と個性的な鳥もいるが、基本的には薄茶色でお互いによく似ている
写真の鳥はチャイロモズヒタキかチャイロモズツグミかハイイロモズツグミか迷ったが最終的にチャイロモズツグミと判定した
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メガネコウライウグイス Australasian Figbird

コウライウグイスは広くアジアに分布する黄色い小鳥いわゆるオリオールであるがこの鳥はその仲間である
ダーウィンでは街中にもこの鳥がいてオスの赤いメガネが目立つ(2枚目の写真はメスだが赤いメガネはかけておらず別種のようだ)
英名のFigbirdのFigはイチジクのことで、オーストラリアには野生のイチジク(実は小さい)が多くメガネコウライウグイスはこの実が大好物だそうだ
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キミドリコウライウグイス Yellow Oriole

こちらのコウライウグイスはモンスーン林やマングローブに棲む本格的な野生のオリオールだ
ベース色は黄緑(オリーブ色)だが羽根は白と黒、嘴と目が赤い
写真の2枚目はマングローブで見つけた巣にいるキミドリコウライウグイスである
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モリツバメ White-breasted Woodswallow

フィリピンからインドネシア、ニューギニア、オーストラリアと東南アジアの森林などに普通に見られる小鳥
頭と背中はグレーで腹部は白いすっきりとしたデザインの小鳥である(ツバメに似ているが尾は燕尾ではない)
飛翔しながら昆虫を捕食するので電線に止まっていることが多い
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カオグロモリツバメ Black-faced Woodspallow

モリツバメよりは薄汚れた感じで顔も黒い
オーストラリアには広く分布するようで希少種ではない
オーストラリアの固有種かどうかは確認できていないが東南アジアでは見たことがない
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クロモズガラス Black Butcherbird

モズガラスButcherbirdはオーストラリア・ニューギニアに固有のカラスに似た鳥を指す
肉食でモズのように獲物を小枝などに刺す習性があるためモズガラスの名前をもらったようだ
図鑑によるとオーストラリアにはモズShrikeはいない
写真の真っ黒な鳥はカラスではなくクロモズガラス
カラスより小型でよく見るとくちばしが青灰色である
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セジロモズガラス Silver-backed Butcherbird

こちらのモズガラスはオーストラリアの図鑑に載っていない
ごく最近、ハイイイロモズガラスから別種として独立したばかりだという
ハイイロモズガラスは背中の後ろ半分が黒いのだがこちらはその部分や肩の部分が白い
ダーウィンからカカドゥへ向かう途中の公園で撮影した
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ノドグロモズガラス Pied Butcherbird

北オーストラリアにはもう1種モズガラスがいた
クロとハイイロ(セジロ)の中間型で黒覆面のように頭部は黒く肩の部分からお腹にかけては白い
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オジロオウギビタキ Arafura Fantail

インドネシアやグアムサイパンなどにも仲間がいるのだが、オウギビタキFantail類は基本的にオーストラリアの鳥だと思う
特に「オウギビタキ」という種はオーストラリアの東海岸に分布するかわいい鳥なのだが残念ながらダーウィンなど北部にはいない
代わりに北部海岸にいるオウギビタキはオジロオウギビタキという種で東海岸のオウギビタキに非常によく似ている
主な相違点は尾の先端が白いことで日本名はそこから来ている
英名のArafuraはオーストラリアの北側の海アラフラ海に由来する
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ムナフオウギビタキ Nothern Fantail

英名からもお判りかと思うが前種と同様こちらも北海岸の固有種である
胸の白い斑点がこのオウギビタキのチャーミングポイントになっている
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ヨコフリオウギビタキ Willie Wagtail

れっきとしたFantailなのに英名はWagtailという Wagtailは普通セキレイのことだ
とにかくこちらはオーストラリアの普通種でどこにでもいる 昨年タスマニアに行ったときもシドニーの公園でたっぷり撮影させてもらった
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ミナミガラス Torresian Crow

英名のTorresianの意味が分からなかったので辞書で調べてみた
Torresというのは固有名詞でオーストラリアの北端にあるヨーク岬とニューギニアとの間にある海峡の名前だった
いずれにしてもオーストラリアにはカラスが少ない 少なくともNTで見られるカラスはこのミナミガラスだけなのでわかりやすいといえばわかりやすい
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ナマリイロヒラハシ Leaden Flycatcher

ヒラハシというのはヒタキの仲間で嘴が平たい鳥のこと
写真の鳥はノドアカヒラハシかナマリイロヒラハシ(メス)かの判定で苦労させられた
というか、今でも識別できていないのだが、同行のOさんからいただいたバードリストの出現日と撮影日の照合だけで判定したものである
ナマリイロヒラハシのオスのほうは喉や胸が黒(鉛色)なのでわかりやすい
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テリヒラハシ Shining Flycatcher

オスメスの差はこちらのヒラハシも極端である
写真の1枚目はツーショット、2枚目はオス、3枚目はメスだ
オスは全身が光沢のある黒、メスは頭だけが黒く背中は茶色で腹は白い
どう見ても別の鳥に見えるのだが2羽そろってデュエットソングを始められると納得がいく
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フタイロヒタキ Restless Flycatcher

ヒラハシの名前はつかないが、前項のテリヒラハシのオスとメスの中間的なデザインの鳥
行動が十分観察できていないので無責任なコメントになるが、英名からして落ち着きのないせわしない鳥なのだと思う
(最新の図鑑によるとこの種はRestless FlycatcherからPaperbark Flycatcherにスプリットされている可能性がある 該当の日本名は不明だ)
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ツチスドリ Magpie-lark

ツチスドリは土巣鳥 木の上に草などを泥で固めた巣をつくるので土巣鳥だ
ニューギニアにも分布するが、オーストラリアでは町中でも内陸部でもあちこちで見られる普通種だ
ダーウィンの街でも普通の道路を人の存在を気にせず縦横無尽に歩いている
目の周りの黒い縞が横に走り喉が黒いのがオス(写真1)、黒い縞が縦で喉が白いのがメス(写真2,3)である
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レモンオリーブヒタキ Lemon-bellied Flycatcher

英名を直訳するのならキバラヒタキくらいの命名でよいと思うが、レモンとオリーブの両方を付けたので西洋料理のメニューのような名前になってしまった
名前はともかく、見た目はいかにも小鳥らしく愛くるしい
2枚目の写真など気に入ったポートレートである
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タイワンセッカ Golden-headed Cisticola

タイワンセッカは名前が示すようにアジアの鳥  インドから東南アジアまで広く分布しオーストラリアでも見られる
実は日本のセッカもオーストラリアで見られるのだが今回はチャンスがなかった
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キバラメジロ Yellow White-eye

このお腹が黄色いメジロも北部オーストラリアの目玉商品の一つのようだ
普通のメジロでも少しは黄色い部分があるのだがこちらのメジロは腹全体が黄色い
ダーウィンのマングローブ近辺で見ることが出来た
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カノコスズメ Double-barred Finch

顔にべったり白粉を塗ったような役者顔のフィンチ
分布域はオーストラリアの北部から東部にかけてなので、10年前に訪ねたケアンズにもいた可能性が高いのだが記憶はない
これだけ個性的な鳥なので今回が初対面だと思う
スズメほど普通種ではないが、ダーウィンの町中でもこの鳥を確認することが出来た
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オナガキンセイチョウ Long-tailed Finch

アウトバックのユーカリの林にはフィンチ類が多かった
コキンチョウとキバシキンセイチョウと本種(オナガキンセイチョウ)でこの3種は混群を形成し移動して草の実を食べていた
混群なので他の鳥も写っているが目の周りと喉が真っ黒で嘴がオレンジ色なのがオナガキンセイチョウだ
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キバシキンセイチョウ Masked Finch

こちらのキンセイチョウは喉ではなく顔(特に嘴の周辺)が黒く、嘴は黄色い
ちょっとイカルに似た感じの鳥だがフィンチなのでイカルよりははるかに小さい
食事に飽きたのかユーカリの枝に十数羽が集合して休んでいるところが撮影できた

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アサヒスズメ Crimson Finch

あらかじめ予習もしていたので肝をつぶすことはなかったが、かなりインパクトのある小鳥だった
オスのアサヒスズメは背中にグレーの部分はあるが顔・嘴・腹と真っ赤なのである(メスはお腹がグレーだ)
こちらはカカドゥ国立公園の水場で撮影したもの
タイトルバックのカノコスズメとアサヒスズメのツーショットの撮影も同じ場所である
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コキンチョウ Gouldian Finch

とにかくカラフルな小鳥
基本は顔が黒いのだが、顔が赤いのも黄色のもいて変化に富んでいる(背中の緑、胸の紫、腹の黄色は共通)
大昔、飼い鳥用として乱獲され数が激減したというが、北部オーストラリアの内陸部にはまだコキンチョウが残っていた
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シマコキン Chestnut-breasted Mannikin

北部オーストラリア探鳥記のラストバードはシマコキン
この鳥は旅行の最終日ダーウィンに戻って別荘地のような海岸の草地で撮影した
大群のシマコキンが最初は警戒していたが、そのうち慣れてきてかなり近くまで寄って撮影することが出来た
旅行の集大成となる記念写真である
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by mustachio | 2016-12-16 20:00 | Comments(1)
2016年 12月 14日

北部オーストラリア探鳥旅行記05


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野鳥編の3部はいろいろな種類の鳥が登場する
図鑑(分類)順に行くと小型の鳥が多くなって日本の鳥とのダブりがなくなり現地固有種の比率が高くなる(小型の鳥は大型の鳥より活動範囲が狭くなるのは当然なのだ)
スタートはカッコウ類フクロウ類、続いてカワセミ類が登場し、後半はミツスイの仲間が大勢を占める

キジバンケン Pheasant Coucal

バンケンという鳥は日本にはいないのでリタイア後海外で鳥を見るようになって初めて知った
図体が大きく顔は怖いのだが至って臆病であまり人前には出てこない
今回のオーストラリアでは出会いのチャンスが比較的多かった
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アカチャアオバズク Rufous Owl

アカチャアオバズクに出会ったのはダーウィンの植物園
昼間だったが目をつぶってはおらず、うさん臭そうな目でこちらを睨んでいた
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オーストラリアガマグチヨタカ Tawny Frogmouth

夜鷹の仲間はフクロウ類と異なり狩りをする猛禽類ではないという
主食はほとんどが昆虫類であるため脚の爪はフクロウのように発達していない
写真のカップルはダーウィン近郊で見つけたものだが、いかにも老夫婦が静かにお茶を飲んでいるようないい雰囲気だった
(実際の観察結果でも人間と違ってヨタカの夫婦は死別するまで別れないと聞いている)
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ルリミツユビカワセミ Azure Kingfisher

お腹が茶色なので日本のカワセミと雰囲気が似ているが、オーストラリアのカワセミ(ルリミツユビカワセミ)とは背中のブルーが違う
英名のAzureは淡青色のとか空色のとか訳されるが、このカワセミのブルーは青紫のイメージが強く、日本のカワセミのほうがAzureに近いのではないかと思う
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ヒメミツユビカワセミ Little Kingfsher

タイトルバックにも使用したがこのカワセミは今回ツアーのメインターゲットの一つ
生息範囲が北部オーストラリア限定の希少種だ
ブルーと白の2色構成なのだが実物にはハッとするような美しさがある
カカドゥのリバークルーズでワンチャンスだったがお目にかかることが出来た
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アオバネワライカワセミ Blue-winged Kookaburra

ワライカワセミと初めて出会ったのは10年前、初めてのオーストラリアケアンズ訪問の時である
アウトドアーでの朝食の時にワライカワセミがすぐ近くまで来て遊びまわっていたのが印象深い
今回の北部オーストラリア(NT)はワライカワセミ(Laughing Kookaburra)が生息しておらず、代わりにこちらのアオバネワライカワセミを観察することができた
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モリショウビン Forest Kingfisher

インドネシア、パプアニューギニアからオーストラリア北東部にかけて広く分布する普通のカワセミ
主として昆虫食のようで森の中などに棲み、枝や電線の上から獲物を狙う
今回の観察では、単独行が少なくカップルが多いように感じた
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ヒジリショウビン Sacred Kingfisher

名前の聖(Sacred)の意味が良くわからない  外見に高僧のイメージがあるというのだろうか
いずれにしても南アジアからオーストラリアに広く分布するカワセミで以前パプアニューギニアやバリ島で出会っている
モリショウビンやナンヨウショウビン(ブルーキャップタイプ)とも良く似ているブルーと白の中型のカワセミだ
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ミナミナンヨウショウビン Mangrove Kingfisher

何年か前、冬の寒い時期にサイパンのゴルフ場に毎年通った時期があり、そこでナンヨウショウビン(Collared Kingfisher)とはおなじみになった
ただサイパンのナンヨウショウビンは頭が白いのに、バリ島やオーストラリアのナンヨウショウビンは背中と同じように頭が青いということもその後認識している
現在ではオーストラリアのナンヨウショウビンはミナミナンヨウショウビンとして独立したようである
写真は英名の通りマングローブで撮影した
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ハチクイ Rainbow Bee-eater

ハチクイの仲間も結構種類が多く海外のあちこちでミドリハチクイ、ルリノドハチクイ、チャガシラハチクイ、ヒメハチクイなどいろいろなハチクイに出会っている
今回改めて認識したのだが、ただのハチクイというのはオーストラリアに住むRainbow Bee-eaterだけを指すらしい
つまり(日本語の世界では)こちらが本家本元のハチクイということのようだ
ハチクイは蜂だけを食すのではなくいろいろな昆虫を捕食する  オーストラリアのハチクイはバッタやセミをくわえていた
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ブッポウソウ Dollarbird

ブッポウソウの仲間は英語でRollerという
日本のブッポウソウの英名はBroad-billed Rollerともいうが、Dollarbirdのほうが一般的だ
ただ東南アジアからオーストラリア北部に生息する鳥にドル(Dollar)の名前が付く由来は定かではない
オーストラリアのブッポウソウはまさに日本のブッポウソウ(と同じ)であった
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ムナグロヤイロチョウ Rainbow Pitta

このムナグロヤイロチョウも今回の探鳥旅行の目玉商品の一つだった
ケアンズなどオーストラリア東部にはノドグロヤイロチョウ(Noisy Pitta)という近似種がいるのだが、こちらのムナグロヤイロチョウはオーストラリアのトップエンド(中央北側)限定種で人気が高い
カカドゥの森でこの鳥を探して何とか見つけることが出来た
ただ急な出現だったためカメラの準備が十分でなく写真の出来はかなり不満足になってしまった
胸全体が真っ黒な正面のポーズでの撮影機会があったのに今でも残念に思っている
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オグロキノボリ Black-tailed Treecreeper

キノボリという鳥が存在することを今回初めて勉強した
オーストラリアにはキツツキがおらず代わりに5、6種類のキノボリがいる
英名のTreecreeperはキバシリと共通だが分類的には全く別系統でキノボリは尾が短くキバシリのように尾で体を支えることはできない(体重はすべて爪で支える)という
事前に勉強していなかったので現場では気合が入らずよい写真が撮れなかった
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オオニワシドリ Great Bowerbird

ニワシドリは漢字にすると庭師鳥、英語にBowerは東屋(あずまや)のことである
オーストラリアとニューギニアにしかいないニワシドリの仲間はオスが小枝を集めてあずまや(アーチ状の建造物)を作り、宝物(貝殻やカタツムリの殻、プラスチック容器などの色彩的な統一のとれたガラクタ)を集めて庭を作る
オスはこの装置の前で求愛ダンスを踊り、メスはあずまやの中でダンスと宝物を見てオスの品定めをする(選択権は一方的にメスにある厳しい世界だ)
10年ほど前、パプアニューギニアであずまやは見ているのだがニワシドリとの対面は初めて、今回はあずまやも宝物を敷き詰めた庭も確認することができた
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セアカオーストラリアムシクイ Red-backed Fairy-wren

2年近く前になるが昨年1月タスマニアなどオーストラリア南部を訪れた時のルリオーストラリアムシクイという可愛い小鳥に出会っている
ヒタキの仲間だがミソサザイ(Wren)のように尻尾を立てて動き回る鳥で、オスはブルーと黒の洗練された色彩が印象的だった
オーストラリアムシクイ類は南オーストラリアに棲息しNT(北部オーストラリア)にはいないのだが、色の組み合わせが赤と黒で同型同サイズの種類がいるので楽しみにしていた
今回1度だけチャンスがあり、背中が赤いオスも確認できたのだが、残念ながらオスはすぐ飛んでしまい写真はメスしか撮ることが出来なかった
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ミドリセンニョムシクイ Green-backed Gerygone

オーストラリアにはセンニョムシクイの仲間も多いのだが暑い北部(ダーウィン周辺)はお嫌いのようで種類が少ない
今回ミドリセンニョムシクイ、ハシブトセンニョムシクイ、マングローブセンニョムシクイが確認されているが写真はミドリと思われる1種類しか撮れていない
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クチシロミツスイ White-gaped Honeyeater

野鳥の分類の中にミツスイHoneyeaterというグループがある
嘴が花の蜜を吸いやすいように細長くわずかに下に湾曲し先が尖っている
さらに舌の構造が、先端がブラシ状になり蜜が流れやすいように縦溝があるというからすごい
このミツスイグループは基本的にオーストラリア区(オーストラリアに他にニューギニアやニュージーランドを含む)固有のようで、オーストラリアの代表野鳥であることは間違いない
今回の旅行では13種類ものミツスイを撮影した
最初のクチシロミツスイは口元(口の裂け目 gape)周辺に白い部分があるのが特徴のようだ
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ヨコジマウロコミツスイ Bar-brested Honeyeater

内陸部の街パインクリークの公園にメラルカという淡黄色のねむの木のような花をつける植物があり、ミツスイ類がたくさん集まっていた
このヨコジマウロコミツスイは見ての通り横縞模様のわかりやすいデザインで数も多く、よいモデルになってくれた
さすがに口の中の舌の構造までは見えないが、ミツスイらしい嘴の形状が確認できる
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ノドジロムジミツスイ Rufous-banded Honeyeater

胸に赤茶色のバンドが目立つミツスイ
ムジミツスイと呼ばれるグループは色彩的に地味で嘴がそれほど長くはなく、特徴がつかみにくいミツスイである
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ノドアカムジミツスイ Rufous-throated Honeyeater

前項の喉白に対しこちらは喉赤
写真は幼鳥のようで残念ながら赤い喉が見えないが、成鳥になるとノドジロミツスイと逆にのどの部分が赤茶色で胸が白くなる
(2枚目の個体は喉が少し赤くなっている)
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コゲチャミツスイ Dusky Honeyeater

Duskyという形容詞は薄暗いとか薄黒いとかいう意味だと思う
日本語のこげ茶(Grey-brown)のほうが適切な表現だが、とにかく色でしか特徴を表現できない平凡なミツスイである
他に似たようなミツスイはいないのでわかりやすいし、覚えやすい

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クロオビミツスイ Banded Honeyeat

わかりやすいといえばこちらのミツスイも胸に太い黒帯がありわかりやすい
オスが白と黒のデザインであるミツスイ類はオーストラリアに4種類ほどいるが、NT(Nothern Territory)には本種だけで他の3種は東南部のミツスイのようだ
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サメイロミツスイ Brown Honeyeater

サメイロ(鮫色)というのはどんな色なのかわかりにくいが薄茶色のような色と理解している
この鳥の特徴は目の後ろの部分に黄白色のスポットがあること
他はコゲチャミツスイに似た平凡なミツスイである
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ところでサメイロミツスイで思い出したが以前バリ島で「インドネシアサメイロミツスイ」の写真を撮影している
実はこの鳥はオーストラリア区(ニュージーランド、ニューギニアを含む)以外で見られる唯一のミツスイなのだ
考えてみれば貴重なミツスイなのでその時のブログにリンクを張っておくことにした

ノドジロハチマキミツスイ White-throated Honeyeater

ハチマキミツスイというミツスイのグループもある
頭が黒くその黒い頭の後ろの部分に鉢巻のような白帯がある変わったデザインのミツスイだ
撮影できたのはノドジロハチマキミツスイだった
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アオツラミツスイ Blue-faced Honeyeater

このミツスイもわかりやすく覚えやすい
頭が黒、背中がオリーブ、腹が白というところはまさに普通の鳥だが、顔をよく見ると目の周辺がブルーなのだ
目(虹彩)が黄色なので可愛いというイメージは全くないが、印象的な鳥だった
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トサカハゲミツスイ Helmeted Friarbird

同じミツスイでもここからは英名がHoneyeaterからFriarbirdに変わる
Friarとは托鉢僧のこと、僧をハゲと訳すのはいかがなものかと思うが、まあ昔の野鳥学会か何かの人がかってに決めたのだろう
トサカハゲミツスイはけしてハゲではなく頭頂に鶏冠のような羽毛が確認できる
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コブハゲミツスイ Silver-crowned Friarbird

こちらはいかにもハゲミツスイらしいミツスイだ
禿鷹のような怖い顔で鼻の上(嘴のつけ根部分)に大きなコブがある
アジアのサイチョウのような存在感のあるミツスイである
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ヒメハゲミツスイ Little Friarbird

Friarbirdハゲミツスイの仲間では最小 
ご存じのようにヒメは小さいという意味の修飾語で姫のイメージとは程遠いが、鼻の上にコブはなく、目(虹彩)も赤くないので優しい顔のハゲミツスイである
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コシジロミツスイ Yellow-throated Miner

このミツスイも英名が違う
姿形も今までのミツスイHoneyeaterとはだいぶ違い、ケアンズなど東部に棲息するカバイロハッカによく似ている
カバイロハッカなどハッカチョウの英名はMyna、こちらはMinerで混同していたが、分類上は全く違う鳥である
ダーウィンからカカドゥへ移動する途中の自然公園で出会ったが、カバイロハッカと同じように人に慣れていてすぐ近くまで遊びに来てくれた
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by mustachio | 2016-12-14 13:53 | Comments(0)
2016年 12月 12日

北部オーストラリア探鳥旅行記04

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野鳥編2部のスタートは猛禽からになるが、北部オーストラリアには鷲鷹が少なかった  野鳥にとって平和な世界なのかもしれない
メインはシギチ(鴫千鳥)類
後半はインコの登場となる  初めてお目にかかったヒスイインコのブルーは想像を絶する美しさだった

シロハラウミワシ White-bellied Sea-eagle
トップバッターはシロハラウミワシ
背中から羽根の部分が真っ黒なので頭の白さが際立ち、ハクトウワシのような威厳が感じられる
数は多くなかったがカカドゥのリバークルーズではその雄姿を観察することが出来た
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フエフキトビ Whistling Kite
オーストラリアにはトビとフエフキトビの両方がいた
飛んでいる時は尾の形が違うのでわかりやすいが止まっていると違いが判らない
フエフキトビのほうは赤みが強く若鳥は白い斑点がみえるという
写真のトビは背中や羽根に白色班が見えるのでフエフキトビとした
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トビ Black Kite
こちらは全体的に色が黒いのでトビと判定した
トビの英名はご存じのとおりBlack Kiteである
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オーストラリアセイケイ Purple Swamphen
振り返ってみると今回のツアーではバン・オオバンを一度も見てない
オオバンなどは世界各地に棲息していてオーストラリアにもいるはずなのだが季節の関係なのだろうか
バンの仲間のセイケイはちゃんといて写真のモデルになってくれた
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オーストラリアイシチドリ Bush Stone-curlew
ダーウィン近郊の水辺でイシチドリを見つけた
今までの経験ではイシチドリという鳥は石のようにじっと固まって動かないものだと思い込んでいたが、このイシチドリはあっという間に藪の中に駆け込んでしまった
イシチドリ(STONE CURLEW)にはBushとBeachの2種類がいてBushのほうは藪の中をチョロチョロ動き回っているという
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オーストラリアセイタカシギ Black-winged Stilt
セイタカシギは日本で見るセイタカシギとオーストラリアで見るセイタカシギで亜種が異なる
オーストラリアセイタカシギの特徴は頭部が白く後頭部から首筋にかけて縦に黒い帯がある点である
カササギガンやムナジロクロサギの集団の中にオーストラリアセイタカシギが混じっていたが距離が遠くピンボケの写真しか撮れなかった
ひどい写真を掲載するのに迷ったが一応乗せることとし、お詫びに以前ニュージーランドとバリ島で撮影した時のブログにリンクを張ることにしたのでご理解いただきたい
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クリックで以前のブログが開きます
どちらのブログにもオーストラリアセイタカシギの写真があります
こちらに戻るときは開いたブログ(タブ)を閉じてください

ムナグロ Pacific Golden Plove

ムナグロは北極圏で繁殖し冬は南アジアやオーストラリアに渡る  南半球では冬と夏が逆になるのに彼らにとっては北極圏の冬はオーストラリアでも冬ということらしい
要するにオーストラリアで見るムナグロは夏羽ではなく冬羽で、残念ながら例の胸黒の特徴がない
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メダイチドリ Lesser Sand Plover

過去に何回もコメントしているが写真の弱点は大きさが判りにくいこと
ダーウィンの海岸ではメダイチドリとオオメダイチドリの両方がいたのだが、あいにくこちらも冬羽で特徴がない
メダイチドリは明らかにオオメダイチドリより小さいのだが写真になってしまうと大きさが判らなくなってしまうのだ
撮影した時の記憶だけでこれはメダイチドリとしておく
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オオメダイチドリ Greater Sand Plover

この写真はダーウィンの海岸を撮影したもの
崖の上からの撮影で海岸の岩場までの距離はかなり遠い
何種類もの鳥が写っていて大小のチドリも確認できる
大きな方をとりあえずオオメダイチドリとしておこう
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カタアカチドリ Black-fronted Dotterel

Dotterelはコバシチドリのこと チドリはチドリでもPloverとは少し違うようだ
こちらのチドリは海岸でなく内陸の浄水場の近くにいた
塀があって近づけなかったが赤い嘴と目の周辺の黒帯はしっかり撮影することが出来た
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ズグロトサカゲリ Masked Lapwing

このズグロトサカゲリはアジアにもいるようだが何となく「オーストラリアの鳥」というイメージが強い
妖怪のような個性的な顔の持ち主で人見知りせず公園の中などを平然と歩いている
以前タスマニアを旅行した時以来だと思うが今回もいろいろな場所でこの顔と出会った

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トサカレンカク Comb-crested Jacana

いわゆるレンカク(pheasant-tailed Jacana)もアジアの鳥だが、こちらのレンカクもフィリピン・ボルネオ・ニューギニアから北部オーストラリアに生息する
蓮の葉など浮揚植物の上で生活するところはどちらのレンカクも同じである
オーストラリアの水辺にはこのトサカレンカクが多くリバークルーズでは比較的近くまで寄ることが出来た
赤い鶏冠も美しいが睡蓮の葉に乗るための巨大な脚の指は迫力満点である

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コシャクシギ Little Curlew

大型のシギ類は嘴も長いが上に向かって反るもの、まっすぐなもの、下に向かって反るものなど変化があって面白い
嘴が下向きに反るシギは大中小とあってそれぞれダイシャクシギ、チュウシャクシギ、コシャクシギという
チュウシャクシギがグローバルで全世界に分布しダイシャクシギはどちらかというとヨーロッパ~アフリカに多い
このコシャクシギは繁殖地はシベリア東部で冬は日本を通り越してオーストラリアに渡る
もちろん旅鳥として日本でも見られるのだがチャンスは少ないようでバーダーにとっては貴重な鳥のようだ
そのコシャクシギがアウトバックのパインクリークの誰も人がいないグランド(サッカー場)で遊んでいた
こちらは素人で有難味が判らないが同行の二人は結構大騒ぎをしていた
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チュウシャクシギ Whimbrel

コシャクシギの項でコメントしたチュウシャクシギ
この鳥は夏はユーラシア大陸やアメリカ大陸北部で過ごし、冬になるとインド中南米などの赤道付近からアフリカやオーストアリア、南米など南半球へ渡る
今回はダーウィンの海岸で観察した
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ホウロクシギ Eastern Curlew

英名からわかるようにこのホウロクシギもダイシャク、チュウシャク、コシャクと同じシギの仲間なのだ
ダイシャクシギの英名がEuropian Curlewなのに対し、こちらはEastern Curlew
つまり両者はヨーロッパ・アフリカと東アジア・オーストラリアのように何となく生活圏が東西にずれていてダイシャクシギはオーストラリアに渡って来ない(日本は生活圏が重なっているためかどちらも飛来する)
ダーウィンの海岸にはダイシャクシギに代わる大型のホウロクシギがたくさんいた 
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ソリハシシギ Terek Sandpiper

ダーウィンの海岸にはソリハシシギもいた
こちらは嘴が上に向かって反っているので遠くからでもわかりやすい
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アオアシシギ Common Greenshank

アオアシシギはカカドゥなどの水辺で撮影した
冬羽だが撮影距離が近いのできれいな写真が撮れている
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オバシギ Great Knot

ダーウィンの海岸には無数のオバシギが遊んでいた
残念ながら遠い崖の上からの撮影になり、彼らは一様に海(おそらく風上)を向いていたのであまり良い写真は撮れなかった
もともと個性のないシギなのだが、小型の割には長い嘴から識別は可能だ
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ウズラシギ Sharp-tailed Sandpiper

ウズラシギはオバシギに近い種類なのだが、こちらは海岸ではなく内陸部の沼地で、群をなして遊んでいた
日本には旅鳥として飛来するが群れを見ることはまずないという
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クロハラアジサシ Whiskered Tern

クロハラアジサシは頭と腹が真っ黒なのが特徴なのだが、これは夏羽の話
冬羽では頭も腹も一部を残して白く変わってしまう
カカドゥの水辺でクロハラアジサシを撮影したが、ご覧のように夏羽(左側)と冬羽(右側2羽)のツーショット(スリーショット)をゲットすることが出来た
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ベンガルアジサシ Lesser Crested Tern

ダーウィンの海岸の鳥たちの中に嘴のオレンジ色が目立つ大きなアジサシがいた
ベンガルアジサシである
姿形は次のオオアジサシそっくりだが少し小さく嘴の色が違う
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オオアジサシ Crested Tern

こちらは内陸部の池の近くで撮影した
見た目は前項のベンガルアジサシそっくりで漫画に出てくるおっさんのような顔をしているが嘴の色は黄色い
ベンガルアジサシも同様なのだが、おっさんのように前頭部が白いのはむしろ幼鳥で、成鳥は黒い髪の毛ふさふさとなる
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ギンカモメ Silver Gull

なぜかオーストラリアにはカモメの種類が少ない
南の南極寄りの海岸にはハシブトカモメとかミナミオオセグロカモメが見られるのだが、ダーウィンなど北部の海岸にはギンカモメが1種類いるだけなので、単純でわかりやすい
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アカオクロオウム Red-tailed Black-cockatoo

インコやオウムのトップバッターはアカオクロオウム
真っ黒い大型のオウムで近い距離で見ると迫力がある  ただオウムの方も結構シャイで飛んで人間から距離を保とうとするが、飛ぶ時に真っ赤な尾が目立ちなかなか可愛い
身体が真っ黒な方(写真1枚目)がオス、体に白い斑点がある方(2枚目)がメスだ
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モモイロインコ Galah

以前タスマニアで出会ったモモイロインコに再会した
分布図で見るとオーストラリア大陸のどこにでもいるようになっているのだが、今回のツアーではワンチャンスしか出会いがなかった
出会いの場所はアウトバック、電線の上にモモイロインコの集団が休んでいた
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アカビタイムジオウム Little Corella

今回初めて出会ったオウムだがやたら数が多く表現は悪いが食傷気味のオウムである
アカビタイの名前ほど赤い色は目立たず顔の部分が少しピンクがかっている程度の普通の白いオウムである
群れで行動する習性があるようで、道路脇で餌を探すときも数十羽が一緒になっていた
人を恐れず群れで行動するような鳥は、現地ではスマートフォンバード(スマホで簡単に写真が撮れる野鳥)というのだそうだ
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キバタン Sulphur-crested Cockatoo

以前のタスマニア旅行のブログでもコメントしたが、我々が子供の頃オウムといえばこのキバタンで、動物園にたくさんいた(逆に他の動物はほとんどいなかった)
その前のケアンズ旅行でもたくさんのキバタンに出会ったが、今回はオウムといえば前掲のアカビタイムジオウムでキバタンは数が少なかった
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アカエリゴシキセイガイインコ Red-collared Lorikeet

このインコも市街地などどこにでも現れるし色彩的にド派手なので良く目立つ
この派手さは写真にすると引き立つのでシャッターを切る機会が多く写真の撮影枚数は相当な数になったと思う
アップで見ると色数の多さに改めて感心させられる
2枚目の2羽のインコが食べているのは高級果物のマンゴーである
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クスダマインコ Varied Lorikeet

もちろん例外もあるのだがインコという鳥は黄緑色をベースにした色使いになっている
このクスダマインコは赤い帽子と白メガネ(white goggles)がチャームポイントでベースとなる黄緑色とうまく調和している(全身にある白い縦長の斑点もアクセントになっている)
兄弟かどうかは不明だが4,5羽のクスダマインコがくっつきあって遊んでいた
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ハゴロモインコ Red-winged Parrot

こちらもベース色は黄緑色で羽根の一部が赤い(写真はメスで図鑑によるとオスは背中の部分が濃紺のようだが確認できていない)
日本語のネーミングはいまいち意味不明だが英名のほうは単純でわかりやすい
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ズグロサメインコ Nothern Rosella

このインコはNT(Nothern Terittory)限定の貴重種
色彩的には白黒がベースなのだが羽根に青紫が入って大人の色使いになる
さらに(2枚目の写真をよく見るとわかるのだが)下腹部が派手な真紅というアクセントもついている
出会ったのは内陸部のパインクリークの街  今回ツアーの中の印象深い鳥としてトップクラスだと思う
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ヒスイインコ Hooded Parrot

出かける前に図鑑を見て出会いを期待していた鳥のトップはこのヒスイインコだった
出会いは内陸部(アウトバック)のパインクリークの近くだったが、出会ってみてドキッとしたのはオスの身体の色
図鑑は写真でなく絵だったのでおとなしい感じの水色だったのだが、実物の水色は度肝を抜くような派手な色彩で、羽根の黄色との対比が絶妙であった
このインコもNT内陸部の限定固有種なのだが、結構数はいて写真は十分撮影することが出来た
写真の2、3枚目は公園のスプリンクラーで撮ったものだが、このスプリンクラーは夕方の一定の時刻にならないと散水を開始しない
インコたちはその時刻より前に来て水を待っているようだった(色の薄い個体はメスである)
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by mustachio | 2016-12-12 14:10 | Comments(0)
2016年 12月 11日

北部オーストラリア探鳥旅行記03

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帰国してから1ヶ月近くかかって写真の整理が終わった
実質6日間の旅行だったが少人数の旅行だったため密度が濃く、撮影した写真も1万枚くらいになるかと思う(旅行の途中から少しずつ消去していくので実際の撮影枚数はカウントできない)
観察した野鳥の種類は約160種だというが、曲りなりにも自分で写真が撮影できた種類は117種だった
ブログは4部に分けて30種くらいずつ掲載することになるが、掲載順はオーストラリアの標準的な野鳥分類基準Christidis & Boles 2008に準拠することになる(要するにバードリストがその順になっているので深い意味はない)

第1部は雁鴨や鷺などが主体で水辺で撮影したものが多い  他に鳩の仲間が含まれるがベニビタイヒメアオバトはなかなか美しい鳩であった

オーストラリアツカツクリ Orange-footed Scrubfowl
日本にツカツクリの仲間がいないのでご存じない方も多いと思うが、この鳥はたいへん変わった鳥である
普通、鳥類は卵を産んだ後抱卵し、孵化すれば雛に餌を与える
ところがツカツクリは卵を産みっぱなしにし、雛は孵化した瞬間から自力で餌を探さなければならない  つまり「育児放棄」なのだが、頭を使って対策は考えている
この鳥はオスが落ち葉と土をかき集めて塚を作りメスを呼ぶ  落ち葉の塚は堆肥を作る原理と同じで親鳥の体温と同じように一定の温度が保たれ、中に卵を産みさえすれば一定の期間を経て雛が孵化する仕組みになっている(メスは塚の温度を正確に検知する能力を持ち、完ぺきな塚を作ったオスとしか交尾しないという)
こんなツカツクリがオーストラリアにはたくさんいてダーウィンの町中でも普通に落ち葉をかき集めている
カカドゥ国立公園でその塚を見たが、直径が5メートルほどある大きな落ち葉の山でツカツクリ(オス)の仕事ぶりに驚嘆した
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ホロホロチョウ Helmeted Guineafowl
ごぞんじホロホロチョウ
もちろんオーストラリアのオリジナルバードではなく移入種が野生化したものであるが、歴史が長いのでオーストラリアの野鳥リストには入っている
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マングローブクイナ Chestnut Rail
写真が不鮮明で申し訳ないがこの鳥はたいへんレアな種類で観察するのも非常に難しい鳥なのだ
マングローブの中に住んでいて動きが非常に俊敏なため目撃しても一瞬で隠れてしまう
ダーウィンに近いマングローブでこの鳥を探したが、もちろんマングローブの中へは入れず100m以上離れた道路から望遠鏡での観察になる
今回は一瞬のシャッターチャンスで何とかカメラに収めることが出来たが、よく見れば目も嘴も2本の脚も写っているので一応の成果と思っている
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カササギガン Magpie Goose
アップの写真をご覧いただければお分かりになるが「怪鳥」の名でも呼ばれる不細工な顔の雁
このカササギガンがダーウィン郊外やカカドゥ国立公園の水辺に無数にいた
といってもこの鳥は世界的に貴重な鳥でニューギニア南部とオーストラリア北部にしか生息せず、雁鴨(カモ科)の仲間としては原始的で異端の鳥だという(サケビドリ科に近く、脚が長く水掻きがない)
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カザリリュウキュウガモ Plumed Whistling-duck
次種のオオリュウキュウガモと異なりこちらはオーストラリア固有種
オオリュウキュウガモとの相違点は体側の長いクリーム色の飾り羽で非常に印象深い
通常大きな群れで行動するようでリバークルーズではカザリリュウキュウガモの集団を何回か観察することが出来た
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オオリュウキュウガモ Wandering Whistling-duck
こちらのリュウキュウガモは南アジアに広く分布するので以前にバリ島などで出会っている
やはり集団で行動する鳥のようだが大集団ではなく4~5羽の群れが多いように思われた
睡蓮の浮かぶ水面で遊ぶ姿はなかなか可愛いものである
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シロガシラツクシガモ Radjah Shelduck
ツクシガモはユーラシア大陸で南北の渡りをする普通の鴨だが、このシロガシラツクシガモはインドネシア、ニューギニア、北部オーストラリアの限定種である
首から上が真っ白で色彩バランス的な感覚は悪くないのだが、目つきがいまいちなのが少し残念だ
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アオマメガン Green Pygmy goose
ニューギニアからオーストラリア、ニュージーランドに棲息する小型の雁
名前は雁だが実質的には鴨で、体に細かい縞模様があり非常に美しい(逆光でうまく表現できていないが背中の部分は光沢のある緑色である)
写真はどちらもカップルで目の下に黒い頬髯のような部分が見えるほうがオスである
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ノドグロカイツブリ Australasian Grebe
英名の通りオーストラリアに広く分布するカイツブリだがこちらもオーストラリアとニュージーランドの限定種
カイツブリなので甘く見ていたが近くで観察するチャンスがなく、遠くからの写真しか撮れなかった
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レンジャクバト Crested Pigeon
ここからは鳩が登場する  トップバッターは一見番長風なレンジャクバト
ハードジェルで固めたような冠羽が特徴でオーストラリア固有の鳥だが国内には広く分布する(以前シドニーで撮影した実績がある)
数は多くないが人間に近いところに生活していて写真もダーウィンの市街地で撮影した
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チョウショウバト Peaceful Dove
チョウショウバト(Zebra Dove)は南アジアに広く分布する鳩で以前バリ島やフィリピンで対面している
オーストラリアのチョウショウバト(Peaceful Dove)は最近亜種から独立種に昇格したようでありオーストラリアチョウショウバトという呼称が正確かもしれない
ダーウィンの町中でも見られる普通種である
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ベニカノコバト Bar-shouldered Dove
前種とよく似ているが一回り大きくゼブラ模様は背中(肩)限定で喉のほうは模様がない
南アジアで良く見かけるカノコバトは肩の鹿の子模様が青いが、こちらは赤茶色なので別種である(最近はカノコバトも移入されてオーストラリアに定着してしまったという)
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ベニビタイヒメアオバト Rose-crowned Fruit-dove
鳩の仲間は一般的に地味なデザインのものが多いが、Fruit-doveというアオバトの仲間は大変美しい
カカドゥで出会ったこのベニビタイヒメアオバトもベースはライトグレーで羽根は濃淡のある緑、腹はオレンジと黄色で額の部分に目立つ赤斑と実にカラフルだった
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パプアソデグロバト Pied Imperial-pigeon

こちらは羽根と尾の先端部分が黒く他は純白、デザイン的にハイセンスで魅力的ななハトである
名前にパプアとつくので10年前に訪問したパプアニューギニアの撮影記録をチェックしてみたが以前に出会いはなく、今回が初対面のようだ
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オーストラリアヘビウ Australasian Darter

ヘビウの仲間はアジアなどで見る機会が多く馴染がある
種はスプリットされているようで、オーストラリアヘビウはアジアのものとは別種になっているようだ
見た目はアジアヘビウなどと変わらず、同じように翅を拡げて甲羅干しをしていた
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シロハラコビトウ Little Pied Cormorant

インドネシア、パプアニューギニアからオーストラリア、ニュージーランドに棲息する比較的小型の鵜
前にニュージーランドで見た時は海を泳いでいたのでペンギンかと思ったものである
今回はカカドゥとパインクリーク、いずれも内陸部で遭遇したのでさすがにペンギンと間違えることはなかった
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ミナミクロヒメウ Little Black Cormorant

こちらも鵜の仲間としては小型である
茂みの中にいると真っ黒に見えるが羽根の模様には濃淡があり味わいがある
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セイタカコウ Black-necked Stork

水辺に近い草原を大型の鳥が一羽、悠然と歩いていた
コウノトリの仲間のセイタカコウである
インドから南アジア、オーストラリアにかけて分布するというが、他のアジア地域で見た記憶がない(スキハシコウなどはあちこちで見かけるが)
首のあたりの青緑色が印象的な迫力のある鳥だった
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チュウサギ Intermediate Egret

日本のチュウサギと同じチュウサギである
この鳥はアフリカ、アジア、オーストラリアと広く分布するグローバルバードで珍しくはないのだが、ハスの中の姿が雰囲気がありシャッターを切った
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スマトラサギ Great-billed Heron

スマトラサギは大型の鷺で数も少ないためある意味で憧れの鳥になっている
以前バリ島で出会い写真もしっかり撮れているのだが、今回はカカドゥのリバークルーズで再会し、動きのあるシーンも撮影することが出来た
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ムナジロクロサギ Pied Heron

見た感じはクロサギではなく日本でいえばアオサギに近いイメージの鳥である
カササギガンと同様、南ニューギニア・北オーストラリア限定の貴重な鳥だが、こちらも同様にやたら数が多い
ダーウィン郊外やカカドゥ国立公園の水辺はこの2種が圧倒的多数の安定政権を維持していた
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コサギ Little Egret

こちらも日本と同じコサギ
距離が近かったのでシャッターを切った
精悍な表情がきっちり撮影できている
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ハシブトゴイ Nankeen Night-heron

東南アジアからオーストラリアにかけて分布するゴイサギ
外形はそっくりだが、日本のゴイサギと違って背中が栗褐色、虹彩は赤ではなく黄色だ
過去には日本でも小笠原諸島にハシブトゴイが生息していたが絶滅してしまったという
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ブロンズトキ Glossy Ibis

迷鳥として日本でも記録がある大型の朱鷺(ユーラシア・アフリカやアメリカ大陸にも分布する)
英語のGlossyは「光沢のある」という意味で金属光沢が鮮やかである
顔の裸出部の水色の線が印象的だった
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オーストラリアクロトキ Australian White Ibis

日本にも渡来するクロトキは名前が紛らわしい
全体が白いのに頭部や嘴が黒いので黒朱鷺という
オーストラリアクロトキは近似種で頭部・嘴のほか尾も黒いが体の大半は白いので、英名はWhite Ibisという
オーストラリアでは市街地など普通に見られる鳥で、以前シドニーの公園で出会っている
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ムギワラトキ Straw-necked Ibis

オーストラリアクロトキによく似た朱鷺でダーウィンの公園でも見られる
クロトキに比べると羽根や背中まで黒く白い部分より黒い部分のほうが多い
名前の由来は胸の部分に下がっている麦わらのような飾り羽で、2枚目の写真ではそれがはっきりと確認できる
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オーストラリアヘラサギ Royal Spoonbill

嘴をみてお分かりのようにヘラサギである
日本で見られるヘラサギは英名Eurasian Spoonbillで、こちらはRoyal Spoonbillだ
Royalは少し大げさすぎるような感じだが、オーストラリアは現在でも形式上大英帝国の一員である
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by mustachio | 2016-12-11 10:00 | Comments(0)
2016年 12月 07日

北部オーストラリア探鳥旅行記02


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「探鳥旅行記録」で動物昆虫編というのはいささか矛盾があるが、vol.2は釣りでいえば「外道」に当たる野鳥以外の動物(哺乳類・爬虫類・昆虫)を整理したものである
海外の探鳥旅行に参加して蝶などの鳥以外の生物を撮影する手法は「野鳥が不得意」の自分の「得意技」である
時期のずれ等難点があるのだが、基本的には野鳥の多いフィールドでは哺乳類や昆虫など他の動物に遭遇するチャンスが多い
世の中にはバードウォッチングツアーと称して野鳥の専門家がフィールドを案内するツアーが数多く存在し、世界中にバードガイドという職業が存在する
ところがインセクトウォッチングツアーは参加希望者が少なすぎるためかまったく聞いたことがない(採集ツアーはあるのだが自然環境保護とは相容れず闇のツアーが多い)
自分がバードウォッチングツアーに参加する目的の一つが「外道狙い」であることは間違いないのだが、今回のオーストラリアは最初から外道(鳥以外の動物)を期待していなかった
その理由の一つはオーストラリアに有袋類(正確には哺乳類有袋目)以外の動物がほとんど見られずカンガルー以外の動物は期待できないからである
蝶に関しては、ニュージーランドと違って全くいないわけではないが、どちらかというと蝶の分布域はケアンズ付近など東海岸に偏っていて北部オーストラリアではあまり期待できないことが事前にわかっていた

これからご覧いただく外道シリーズ(動物昆虫編)は予想外に写真が撮影できたことの証なのだが、昆虫類に関しては残念なことに写真的によいものがない
ポイントはレンズ
特に昆虫の写真をとるにあたってマクロレンズを使わず野鳥用の望遠レンズ(150~450ミリ)を代用したため至近距離のピントがきわめて悪いのだ
(マクロレンズは携行していたが重いカメラとセットしてあるので体力的理由からフィールドに持ち出さなかった  重いカメラ2台を首から下げて野山を歩くのがきつくなってきている)
今回のブログはその点ご承知おきでご覧いただきたい

ワラビー/カンガルー

数はそれほど多くなかったが、ダーウィンでもカカドゥでもワラビー/カンガルーを何回か見かけた
どちらもカンガルー科の動物で大きさが異なる(ワラビーのほうがカンガルーより小さい)
写真は大きさが判らないので判定が難しいがダーウィンで撮影した1枚目と3枚目は間違いなくワラビーである
2枚目とタイトルバックの写真はアウトバックでの撮影だが、環境の厳しいアウトバックには体力的に優れたカンガルーが多いとされているのでこちらはカンガルーのほうだと思う
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オオクロコウモリ

もう1種、哺乳類との出会いがあった
ダーウィンの植物園に群れをなしてぶら下がっていたオオクロコウモリである
フルーツバットの仲間で超音波検知機能がなく昼間目視で餌をとるようだ
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イリエワニ

オーストラリアのNT(ノーザンテリトリー)はワニの天国である
とにかく、ダーウィンを除けば人間の数よりワニの数が多いというのは事実のようだ
基本的にはアリゲーター科ではなくクロコダイル科に属するワニで、海水に強く南アジアなどに広く分布する
カカドゥのリバークルーズでは何頭かのイリエワニを間近に観察したが、ワニは水中から岸にいる動物に狙いをつけ引き込む能力があるので野鳥観察時に夢中になって水辺に近づかないよう旅行中は厳重に注意されていた
3枚目の地上にいるワニの写真はリバークルーズのボートから望遠レンズで撮影したものである
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ギルバートトカゲ

現地をご案内いただいたOさんからこの蜥蜴の名前をお聞きしたのだが、年齢のせいで思い出せない
確か「ギルバートトカゲ」だったと思うのだが帰国後ネットで調べた限りではギルバートトカゲはアメリカ大陸の蜥蜴のようだ
いずれにしてもこの蜥蜴には野鳥観察中に何回かお目にかかった
オーストラリアには例の「エリマキトカゲ」もいるので探しに行ったが、一瞬目撃したものの残念ながら撮影の余裕はなかった
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ヤマトンボ

鳥を探して水辺を歩いたせいかトンボとの出会いは思ったより多かった
残念ながらオーストラリアのトンボに関するデータが全くないので類推しかできないが、このトンボは日本でいえばヤマトンボの中のコヤマトンボに近い種類ではないかと思う
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アカトンボ

アカトンボというトンボはいないとお叱りを受けそうだが日本の成熟したアキアカネによく似た普通の赤とんぼである
アキアカネはアジア北部の限定種なので別種であることは間違いないと思うが
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アカスジベッコウトンボ

日本では与那国・西表・石垣など先島諸島限定のアカスジベッコウトンボに間違いないと思う
インドや南アジアに棲息するトンボなのでオーストラリア北部にいてもおかしくはない
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チョウトンボ
こちらも日本のチョウトンボと同一種だと思う
色彩、飛び方など日本で見るチョウトンボとの違いは全く見つからなかった
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ベッコウチョウトンボ
亜種レベルで差異があるのかもしれないがこちらも沖縄地方でよく見るベッコウチョウトンボと見た目が変わらない
東南アジアと北部オーストラリアは距離的に近く、飛翔能力に優れたトンボにとっては通勤可能距離の範囲なのだと思う
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イトトンボの仲間
イトトンボの仲間は飛翔能力が劣るはずなのでオーストラリアのイトトンボと日本のイトトンボでは種のレベルで相違があるはずだ
ましてマクロレンズ不使用の遠距離からの撮影画像では図鑑があったとしても同定は難しいと思う
名前はただ「イトトンボの仲間」としておく
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Fuscous Swallowtail

ここから「蝶編」
オーストラリアの蝶に関しては図鑑を持っている  10年前初めてケアンズを訪れた時に記念として購入したものだ
ただあくまでも英語の図鑑であって日本語訳がない
インターネットで調べればいいといわれるかもしれないが、専門的な用語に関してはネットは全く無能で基本的なSwallowtailという訳語がアゲハではなく「ツバメの尾」となって出てくる
この写真の蝶は英語をそのまま訳せば暗褐色のアゲハ、まあコゲチャアゲハとでも訳すのだろうが正確なところはわからない
見た目はシロオビアゲハ(英名Common Mormon)によく似ているが、前翅の白帯が外縁ギリギリにあるのではなく内側に入っている
オーストラリア固有のアゲハらしい
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Small Pearl-white

図鑑から英語での種名は同定できるが日本名はわからない
キチョウの黄色いところを白く変えたような蝶でモンシロチョウ(Cabage-white)とは明らかに異なる
オーストラリアにモンシロチョウはいるのだが南部海岸地方限定でヨーロッパなどから持ち込まれたものと推測する
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Caper Gull

オーストラリア限定ではないが南アジアを含む周辺に固有のシロチョウのようだ
日本のミヤマモンキチョウと同じようなデザインだがミヤマモンキの黒帯は翅裏には出てこない
「黄色と黒は勇気のしるし」というコマーシャルソングがかって流行したことがあるが、色彩的に目立つ蝶である
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Caper White

日本のゴマダラチョウによく似ているがタテハチョウ科ではなくシロチョウ科の蝶
色使いは単純だがデザイン的には魅力的な蝶だと思う
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Yellow Albatross

アルバトロスはアホウドリ、蝶に関していうならばトガリシロチョウの仲間を指す
日本産蝶類ではカワカミシロチョウ(Common Albatross)やナミエシロチョウ(Lesser Albatross)がこれに該当する
この蝶の正確な和名はわからないが直訳すればキイロトガリシロチョウといったところだろうか
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White Emigrant

日本のウスキシロチョウは英名Lemon EmigrantでオーストラリアにはWhite EmigrantもLemon Emigrantも生息するのだが、写真の蝶は翅型から判断してWhiteのほうらしい
どちらも南アジアに広く分布する共通種のようだ  Emigrantの名前通り各地に移住して勢力範囲を拡げているたくましい蝶である
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Dingy Swift

最初に見た時は日本のチャバネセセリだと思った
チャバネセセリの学名はPelopidas mathias、こちらの学名はPelopidas agnaなので完全な同一種ではないようだ


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Spotted Opal

ちょっと見ではウラゴマダラシジミを思い起させるシジミチョウだが全く別種である
地上で撮影したが、図鑑によると地表に近いところで活動する習性があるらしい
近寄りすぎてピントの良い写真が撮れなかったのは残念である
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Dark Ciliate-blue

写真1枚目はかなり汚損した個体なので判定が難しいがどうも2枚目と同一種でウラナミシジミの仲間のようである
日本で見る普通のウラナミシジミとの相違点は尾状突起で、写真の蝶には長い尻尾がなく後翅端3ヶ所にちょび髭のような小さな突起がある
英語のciliateは繊毛があるという意味なので、この突起のことを意味しているのではないかと勝手に考えている
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Common Grass-blue

日本のヤマトシジミと同一種のように思うがヤマトシジミの分布は南アジアから東アジアまでだ
オーストラリアの蝶類図鑑によるとこの蝶はCommon Grass-blueであるがこれに該当する日本名はわからない
ちなみにヤマトシジミの英名はPale Grass-blue、ハマヤマトシジミはDark Grass-blue、ヒメシルビアシジミはLesser Grass-blue、ホリイコシジミはTiny Grass-blueで英名Common Grass-blueに該当する日本の蝶はいない
まあ「オーストラリアのヤマトシジミ」と思っていればいいのだろう
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Orange Ringlet

Ringletは小さな輪 蝶の名前なら蛇の目を意味する
オレンジ色が目立つ蝶で見た瞬間は日本のヒメヒカゲかと思った
ヒメヒカゲの英名はFalse Ringletなので近似種であることは間違いない
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Swamp Tiger

蝶の英名でTigerはアサギマダラなどマダラチョウの仲間のことを指す
スジグロカバマダラ(Orange Tiger)からオレンジ色を抜いたようなイメージの蝶である
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Common Crow

ルリマダラの仲間 日本の蝶ではシロオビマダラに近い
別名Austrarian Common Crowということからオーストラリアの普通種なのだと思う
実際にカカドゥ国立公園ではあちこちの林で見かけている
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Meadow Argus

日本で見るタテハモドキそっくりだが微妙に斑紋が異なる
学名をチェックしてみるとこちらはJunonia villidaでタテハモドキはJunonia almana
要するに種は違うようだ
今回は見かけなかったがオーストラリアにはアオタテハモドキ(Blue Argus)もいて、こちらは日本のアオタテハモドキと同一種である
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Chocolate Argus

蝶編の最期はChocolate Argus
こちらは日本のイワサキタテハモドキと同じ蝶で学名はJunonia hedonia
日本国内ではわざわざ石垣島まで遠征して撮影した蝶だがカカドゥの草原(荒地)には普通に飛んでいた
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by mustachio | 2016-12-07 16:05 | Comments(0)
2016年 12月 04日

北部オーストラリア探鳥旅行記01


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基本的な事象だがオーストラリアは南半球にある大陸なので、北が暑く南は寒い
北半球が冬なら南半球は夏となり季節は日本と逆転する
日本が晩秋となる11月、オーストラリアのNT(ノーザンテリトリー)を探訪した
友人であり現地で永年野鳥ガイドをしておられる日本人のOさんとわれわれ夫婦の3人旅である

オーストラリアは広大な大陸であるが内陸部にはほとんど人が住んでいない
シドニー、メルボルンなどの大都市は気候温暖な南東部に集中し、欧州系の社会を形成している
ノーザンテリトリーはオーストラリアの中ではトップエンドと呼ばれる地域で、州都ダーウィンはまさに北の果てに当たるが、北は熱帯地域なので日本でいえば南西諸島に該当する別世界なのだ

11月のノーザンテリトリーは乾季の最終段階に当たり酷暑の世界である(12月になれば雨季に入るので涼しくなる)
普通の常識的な観光シーズンは5月~10月で11月はオフシーズンなのだが、好天が続く乾季の最終シーズンは水場が限定され野鳥が見やすくなるというメリットがあって、日本でいえば連日体感温度40度(実際の気温は37度くらい)の猛暑日を1週間過ごすことになった

ダーウィン

日本からの直行便がないのでダーウィンへはブリスベン経由で入った(成田からブリスベンまで9時間、さらにダーウィンへ4時間の旅である)
確かに暑いところではあるが北側がアラフラ海西側がティモール海と海に面しているので清涼感はある
町には緑が多く公園なども充実していて美しい
植物は真っ赤に咲き乱れる鳳凰木、イエローシャワーという黄色い花、純白のプルメリアなどが町中に咲いており、ツカツクリやツチスドリなどの野鳥が普通に歩き回っている
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ダーウィンの海・マングローブ

ダーウィンは海の街だ
熱帯の海なので高層ビルが見えるところにマングローブがある マングローブクイナなど希少種がいて探鳥は楽しい
海水浴に適したところではないようで海で遊んでいる人はほとんどいない(色の黒い先住民=アボリジニが水浴しているのを一度見かけただけだった 白人はクソ暑い中をジョギングしている人が多かった)
海岸近くにはシギチドリなど渡り鳥が集まっており、ダーウィンの夏の海は野鳥の楽園であった

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カカドゥ国立公園

ダーウィンから東へ200キロほど離れた位置にカカドゥ国立公園がある
自然豊かな地域であるとともに先住民族アボリジニの歴史が残されており、世界複合遺産(自然遺産と文化遺産の複合)に登録されている有名な観光地だ
3日目に我々はダーウィンから国立公園の中心になるジャビルーに移動した
国立公園の中には乾季でも大量に水をたたえる川と湿原や素晴らしい景観を成す岩山群があり、壮大な自然が展開する(国立公園の広さは日本の四国の面積に匹敵するという)
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カカドゥの植物

季節的にはピンポイントの観察旅行なので全体を論ずることはできないが、植物の種類はそれほど多くないように感じられた
森はあってもケアンズ周辺にあるような熱帯雨林ではなくモンスーン雨林と呼ばれる規模のもので樹高が低い
野草は目につく限り撮影したが、日本の国立公園に見られるようなお花畑のような状況は皆無でちょっと寂しかった
(オーストラリアの植物に関しては図鑑も手持ちがなく種名不詳で、写真で見ていただくだけになる)
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アボリジニの壁画

アボリジニはオーストラリア大陸の先住民でありノーザンテリトリーは彼らの居住圏であった
アボリジニの文明的な弱点は文字を持たなかったことであるが、精細な絵(壁画)が記録の手段とされており、カカドゥ国立公園の岩山群の岩壁に2~3千年前のものと推定される壁画が数多く残されている
写真はアンバンバンギャラリーと称せられる地域の壁画だが、伝説上の「雪男」やカンガルーの絵などが今でも美しく保存されており興味深い

5枚目の写真はアボリジニの親子
彼らはどちらかというと人見知りが強く、仲間だけで集まって暇そうに時を過ごしていることが多い
色が黒く顔が怖いので写真は撮りにくい
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リバークルーズ

カカドゥ国立公園のもう一つの魅力はリバークルーズである
公園の中にはアリゲーターリバーと呼ばれる大きな川がサウス、イースト、ウエストと3本も流れており、流域は乾季でも広大な湿原を形成している
旅行4日目の早朝は大きなボートで池や川を巡り、水面から野鳥やハス、睡蓮、コウホネ(オーストラリアのコウホネは花が黄色ではなく白い)などの植物を眺めて自然を堪能することが出来た
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アウトバック

オーストラリアの内陸部はほとんどが荒廃地で、サバンナウッドランドと呼ばれる低木林と草原が広がる 低木林は主としてユーカリで構成されるがユーカリには種類が何百種もあるのでけして単調な自然ではない
100~200年前にはゴールドラッシュがあり鉄道も敷設されて街もできたが、一段落した後は内陸部に大きな町は残っていない
(ただ道路は発達していて幹線道は制限時速130キロ、3~5台連結の大型トレーラーがガンガン走っている)
オーストラリア大陸の広大な内陸部はアウトバックと総称される
我々は5日目にカカドゥを出て南西へ向かいパインクリークという昔金鉱で栄えた町に2泊しアウトバックの自然を観察した
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アウトバックの植物と蟻塚
アウトバックと呼ばれる内陸部に大きな森が育たないのは水が少ないせいだ
広大な草原とユーカリの林が広がるサバンナはイメージがアフリカの風景によく似ているが、残念ながら四足の哺乳類はほとんど住んでいない
カンガルーは2足歩行の有袋目で、有胎盤目哺乳類は大昔から野生化した外来種の犬であるディンゴくらいだという
乾季のせいなのかもしれないが花はほとんど見られず寂しい 数少ない水場の近くで見つけたユリ科の花が繊細なイメージで美しかった
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乾燥地で興味深いのが蟻塚
白アリが作った巣なのだが何年くらいかかって出来たものか解明されていないという
5~7メートルもある蟻塚が多く見られ自然の神秘が感じられた
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北部オーストラリア探鳥旅行のイントロ篇は以上
以下動物・昆虫編と野鳥編が続く



by mustachio | 2016-12-04 12:24 | Comments(0)