還暦からのネイチャーフォト

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2017年 10月 01日

ワイゲオ島探訪記(昆虫編)





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ツアーの目的が極楽鳥撮影なので「昆虫編」は「番外編」
ただ個人的には極楽鳥が「番外編」でこちらが「本篇」なのかもしれない
リタイア後30回ほど海外の探鳥ツアーに出かけたが、野鳥を狙いながら野草や昆虫に出会えればそちらを優先するというスタンスは変わっていない
もともと昆虫(蝶)ファーストの写真屋なので同行される野鳥愛好家の方々にはご迷惑をおかけしていると思うが、それでも同行者の野鳥撮影の邪魔にならないように神経は使っているつもりではある
鳥が出て同行者が撮影中の時は昆虫は撮影できない(こちらも鳥を狙うのである意味当然だが)
鳥を待っている時や鳥を探している時も同行者からある程度離れていなければ昆虫の撮影はできないし、移動中も前へ出ることは許されない
このような制約条件の下で今回も何とか西パプアの蝶の写真を撮ることができて喜んでいる

さてその西パプア(主としてワイゲオ島)だが蝶の数は思ったより多かった
ただ花で吸蜜しているようなケースは少なくほとんどが飛んでいる蝶だったので撮影は難しかった
100ミリマクロなど扱いやすいレンズなら飛翔写真も狙えるが、野鳥撮影用の超望遠レンズでは重量もあり飛んでいる蝶を捉えるのはまず無理なのだ
トリバネアゲハやナガサキアゲハ系の大型アゲハは何回も目撃したのに写真撮影はできなかった

そして蝶の種類、西パプアはインドネシアなので当然東南アジアとの共通種が多いと予測していた
図鑑などの資料は現地へ持って行かないので帰宅後に判明したのだが、実際はほとんどがオーストラリアとの共通種で手持ちのタイやマレーシアの蝶の図鑑はほとんど参考にならなかった

写真の掲載順はオーストラリアの図鑑(Butterflies of Australia)に準拠してセセリチョウ(Skippers)からスタートすることとしたい

Dingy Swift
セセリチョウの総称はSkipperだが、チャバネセセリ系はSwiftと呼ばれる
日本のチャバネセセリのように後翅表面に白斑のない本種はDingy Swiftと推定している
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Rice Swift
よく似ているが見た感じが微妙に違う
こちらはRice Swiftのようだ
日本名はユウレイセセリ、数は少ないが南西諸島で見られる日本の蝶だ
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Scrub Darter
同じセセリチョウでもキマダラ系は英語でDarterという
日本のキマダラセセリやネッタイアカセセリによく似ているが斑紋の形状が微妙に違う
図鑑を詳細にチェックして本種はScrub Darterという結論になった
オーストラリア東北部(ヨーク半島)に多いセセリらしい
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Papuan Snow Flat / Pied Flat
ダイミョウセセリのように翅を平らに拡げて止まるセセリチョウは英語でFlatという
日本の南西諸島で見られるコウトウシロシタセセリによく似た蝶なので同一種と思って撮影したが、どちらも違うらしい
検討の結果1枚目はPapuan Snow Flat、2枚目はPied Flatと判定した
両者はよく似ているが後翅表面後縁の黒斑が微妙に異なる
Piedのほうはオーストラリア大陸の蝶、Papuan Snowは名前の通りパプア地方の蝶のようだ
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Large Grass-yellow
シロチョウ科の英語はわかりやすい
シロチョウはWhite、キチョウはYellowでいい
道路脇にはキチョウが飛んでいたが日本のミナミキチョウと同一種のようだった
(別種としてPapuan Grass-yellowというキチョウもいるようだがLarge Grass-yellowとの差異がよくわからない)
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Blue Albatros
海外の自然探訪(蝶探索)はいろいろな想定外があって楽しい
今までシロチョウ科の蝶の色彩といえば白と黒、黄色と黒の組み合わせがメインで、たまにアクセントとしてオレンジや赤が使われる程度との思い込みがあったが、オーストラリアの蝶図鑑にはライトブルーのシロチョウが載っていた
そして今回その青いシロチョウBlue Albatrosに出会ったのである
派手さは全くないのだが、翅表のメタリックライトブルーの輝きは目に焼き付いている
(余談だがその後いろいろ調べてみてアフリカにウスアオシロチョウBlue Vagrantという蝶が生息することが判明した
機会があれば見てみたいと思っている)
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Pearl Owl
そのまま和訳すれば「真珠フクロウ」ということになるが、後翅裏面の二つの蛇の目が大きく印象的なジャノメチョウである
オーストラリア蝶図鑑のPearl Owlはもう少し白色部分が広いのでもしかすると別種かもしれないが、近似種であることは間違いない
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Red Lacewing
タイやインドなどに広く分布するハレギチョウLacewingはオーストラリアにもいる
北部のダーウィン周辺にはOrange Lacewing、東北部のヨーク半島にはRed Lacewingと棲み分けがなされているようだが、西パプアのハレギチョウはRed Lacewingのほうだった
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Bordered Rustic
Rusticをそのまま和訳すると「田舎者」ということになるが、蝶の名前では日本の蝶でもあるタイワンキマダラの英訳がこのRusticになる
タイワンキマダラはアジアに広く分布するがオーストラリアにはいないようだ
写真のRusticは近似種ではあるが翅表に太い黒縁のある別種である(西パプアの蝶はオーストラリアとの共通が多い)
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Small Leopard ヒメウラベニヒョウモン
オーストラリアの蝶図鑑に該当種が見つけられなかったが、ヒメウラベニヒョウモンで間違いないと思う
インドからインドシナに広く分布するアジアの蝶だ
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イチモンジ系の蝶2種
翅の中央に白帯があるのでわかりやすいはずなのだがオーストラリアの蝶図鑑に該当種が見つからない
タイの蝶図鑑も当たってみたがぴったりの蝶が見つからないので種名不詳で通させていただく
2枚目のほうはメスアカムラサキ♂ではないかという気もするが、それにしては白帯の幅が細いので自信が持てない
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Meadow Argus
アジアに多いタテハモドキによく似た蝶ではあるが斑紋は明らかに異なる
こちらの学名はJunonia villidaでタテハモドキのほうはJunonia almanaなので明らかに別種だ
和名はわからないがオーストラリアでは全域に生息する普通種のようで、西パプアの生物はアジア系ではなくオーストラリア系であることがこの点からも推測できる
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イシガケチョウの仲間?
この蝶は数が多く普通の道路脇に飛んでいた
最初はシロチョウの仲間かと思ったがよく見ると尾状突起がありイシガケチョウに感じが似ている(タテハチョウ科の蝶であることは間違いない)
残念ながらオーストラリアの蝶図鑑にもタイの蝶図鑑にも該当種は見つからず「種名不詳」となった
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Mournful Crow
オーストラリアの図鑑で写真の蝶に一番近いのがMournful Crow、別名ではLong-branded Blue Crowともいうらしい
ぶれた飛翔写真のため判定が難しいがルリマダラ系の蝶であることは間違いない
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Spotted Crow Eggfly
Crow Eggflyは日本の南西諸島でも見られるヤエヤマムラサキのこと
1枚目の写真はオーストラリアの図鑑の写真とぴったり一致するのでSpotted Crow Eggflyで間違いないと思う
2,3枚目はヤエヤマムラサキそのものかも知れない
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Blue Tiger
リュウキュウアサギマダラのように水色ベースのマダラチョウがいた
図鑑によればBlue Tigerだ
日本の蝶ではウスコモンマダラに似ているがこの蝶は英名がOriental Blue Tigerで近似種ではあるが別種らしい
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Swamp Tiger
日本では迷蝶になるコウトウマダラに似たマダラチョウも見つけた
英名をSwamp Tigerというのだが和名はわからない
鳥と違って昆虫は種類が多いので外国の種類の和名は統一整備されていないようだ
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オオゴマダラの仲間
オオゴマダラによく似た蝶が高い木の花で吸蜜しているのをよく見かけた
高いところで動きの少ない蝶を撮るのに野鳥撮影用の望遠レンズは都合がいい
したがってこの蝶の写真は数が多いのだがどうしても名前がわからない
習性も大きさもオオゴマダラそっくりなのだが翅の模様が少し違う(写真のように黒い部分が少し多い)
オーストラリアの図鑑にもマレーシアやタイなど東南アジアの図鑑にも該当種が見つからないので、勝手にパプアオオゴマダラということにしておきたい
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Spotted Pea-blue(オジロシジミ)
この蝶は日本の南西諸島にも生息するオジロシジミ
13年前リタイアして個人的に南西諸島に通いだした頃は数が多かったが、最近はほとんど見られなくなってしまった
(逆に南西諸島に増えたのがこの蝶によく似たクロマダラソテツシジミである)
もともと東南アジアの蝶で、海外へ出かけてオジロシジミの生存を確認すると安心感を覚える
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Long-tailed Pea-blue(ウラナミシジミ)
こちらはもっと普通種のウラナミシジミ
最近は確認していないが今でも豆の畑があれば東京近郊でも見られるはずである
もともと南方系の蝶で日本では九州や四国の太平洋岸で越冬し、世代交代をしながら北上し秋には関東に到達するといわれていたが、温暖化の進んだ今では関東でも越冬可能のような気がする(マメ科植物の畑に農薬が使われなければという前提だが)
ワイゲオ島には数が多かった
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Orange-tipped Pea-blue(タイワンツバメシジミ)
撮影時には気が付かずツバメシジミによく似た蝶だと思っていたが、帰宅後Orange-tipped Pea-blueであることが判明した
さらに学名などをチェックしてみるとこの蝶は日本で絶滅危惧Ⅰ類に指定されているタイワンツバメシジミ (Everes lacturnus)のようだ
ちょうど3年前に九州の長崎へ遠征してこの蝶を撮影した時のブログへリンクを貼るので比較していただきたい
(日本で絶滅危惧種に指定されている生物が、海外へ行けば割と簡単に見られることに複雑な思いは否定できない)
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Purple Oak-blue
この蝶も日本のムラサキツバメによく似ているが、斑紋の形状が異なり学名も異なるので別種のようだ
したがって和名は不詳である オセアニアムラサキツバメとでもいうのだろうか
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Large Moonbeam
翅裏がウラギンシジミのように純白で翅表がブルー(青紫)のシジミチョウに初めて出会った
図鑑によると日本には近似種がいないMoonbeamという蝶のようである
とにかく鮮烈な印象だった

3枚目の写真は同じ蝶のメスだと推定したが確証はない(裏面も確認できていない)
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Large Green-banded Blue
この蝶とは12年ぶりに再会した
リタイアして間もないころオーストラリアに撮影旅行(グループでの個人旅行)に出かけたときに撮影しているのでまずその時のブログにリンクを貼っておく

さて、一見ミスジチョウのように見える美しい蝶だが、実はこの蝶はシジミチョウの仲間だ
12年前は全く知識がなかったが、その後海外の蝶についてもある程度名前がわかるようになった(英語でブルーというのはシジミチョウのことだ)
個人的に納得がいかないのがこの蝶の英名で、どう見てもGreen-bandedではなく、Blue-bandedだと思う
英国人は色の名前がわからないのだろうか
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ワイゲオ島の昆虫たち
野鳥撮影の合間に昆虫の写真も撮った
しかしながら図鑑など資料が全くないので種名などわかるはずもない
蜂、直翅目、トンボとだけ表現しておく
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赤トンボ・黄トンボ
ワイゲオ島シリーズの締めくくりは赤トンボとする
この島の赤トンボは翅まで赤い正真正銘の赤トンボだった
おそらくアカスジベッコウトンボだと思う(日本では最近与那国や石垣・西表にも確認されているようだ)
そして最後の黄色いトンボだが同じアカスジベッコウトンボの未成熟個体ではないかと推定している
全身黄色いところもインパクトがあるが、頭の部分が人間の笑い顔のようで忘れられないほど可愛い
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# by mustachio | 2017-10-01 15:00 | Comments(0)