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還暦からのネイチャーフォト

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2015年 10月 15日

2度目の与那国・野鳥編

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タイトルの通り今回は私にとって2度目の与那国訪問であった
最初の訪問は6年半前の4月、野鳥にとって春の渡りのシーズンだったが、今回は趣向を変えて秋を選んだ
結果は大成功とまでは行かず出会えた鳥は少し寂しかったが、それでも実質3日間、冬鳥として南の生活を楽しむ野鳥やさらに南へ旅する途中の野鳥たちと楽しい時を過ごすことができた

ただ与那国の自然が急速に破壊されていく様子を痛切に感じることになったのは否定できない
とにかく水田・畑など農耕地がほとんどなくなってしまっている
6年半前には至る所に水田があり、水鳥が多数見られたという印象が強いが、今回はサギ類が目についた程度で、他の鳥は探すのに苦労させられた(台風通過後という特殊条件があるのかもしれないが)
もともと狭い島で農耕地面積は少ないのだと思うが、おそらく人口の老齢化に伴う耕作放棄が急速に進んでいるのは間違いない

ゴイサギ
我が家の近くの石神井公園にもいるゴイサギが、日本最西端のバードウォッチング記録の冒頭に登場するのは少しさびしいが、この鳥は冬には南へ移動する
ゴイサギを見たのは一度だけだったが、秋の与那国はサギ類が多かった
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ダイサギ
いわゆる白鷺の中ではダイサギが多かったように思う
結構あちこちに鷺山が形成されていたが図体の大きいダイサギがてっぺんで威張っている
ただ嘴の黒い夏羽ではなく、嘴が黄色い冬羽なのであまり迫力が感じられない
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チュウサギ
ダイサギと同じように冬羽のチュウサギも嘴が黄色い
写真では大きさがわかりにくいので識別に苦労するが、バランス的に嘴が短く、首も短いところがダイサギと違う点のようだ (家内に言わせると鳥屋さんは目の周辺を見れば一目で識別できるとそうだ)
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アマサギ
アマサギはさらに小ぶりなので見た目での識別は簡単なのだが、冬羽では写真にするとチュウサギとあまり変わりがない
よく見ると羽毛の一部に夏の名残のオレンジの部分が残っていたりするので、アマサギとわかる程度である
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カラシラサギ
嘴が黒いので撮影した時はてっきりコサギと思っていた(ダイサギやチュウサギと異なり、コサギは冬羽でも嘴は黄色くならない)
こちらは鳥の素人なので気が付くわけもなかったが、家内が帰宅後これはカラシラサギだと言い出した
冬羽なのでトレードマークの冠羽がなくわかりづらいが、目先が青く裸出部の上辺がへこんでいるのはカラシラサギの特徴なのだそうだ
カラシラサギは日本では稀な旅鳥である
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セイタカシギ
ピンクの脚にスマートな体型のセイタカシギは写真のモデルとして人気が高い
最近では数も増えたようで東京近郊でも普通に見られるようになったが、昔は珍鳥の部類だったようだ
与那国では小さな池の周りなどで観察することができた
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ハマシギ
見た目には地味なシギ  冬鳥として日本に渡来する
繁殖期(夏羽)では腹が真っ黒で分かりやすいが、日本ではこの黒い腹を見る機会が少ない
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タシギ
与那国の数少ない水田跡にタシギを見つけた
保護色の地味な色彩で長時間じっとしているため見つけるのはなかなか難しい
逆に見つけてしまえば、距離が遠くとも望遠レンズを使って比較的簡単に撮影が可能である
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バン
見つけた時は珍鳥かと期待したがバンの幼鳥のようだ
親鳥は全体が黒く嘴が真っ赤(先端部は黄色)なので非常に分かりやすいが、幼鳥はイメージが全く違う
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ムナグロ
ムナグロは北半球の寒帯で繁殖するチドリの仲間
日本(本土)では春と秋に通過する旅鳥になるが、小笠原や沖縄諸島では越冬する
前回ムナグロに出会ったのは昨年春の小笠原だったが、与那国にも越冬個体(あるいはさらに南へ移動する途中の個体)がいた
冬羽なのでトレードマークの黒い胸は見られなかった
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クロハラアジサシ
数少ない水田に水を供給する貯水池にクロハラアジサシがいた
夏羽では頭と腹が真っ黒なのだが、秋なので冬羽の個体と換羽中の個体がいて、冬羽の腹は真っ白だった
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キセキレイ
記憶違いではないと思うが60年前の東京・世田谷にはキセキレイが普通にいた
最近でもセキレイ類はあちこちで見るチャンスがあるが、キセキレイよりハクセキレイのほうが多いように思う
写真写りの良い鳥で、よく見ると大変美しい
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ツメナガセキレイ
英語でいうとキセキレイはGRAY WAGTAILで、ツメナガセキレイのほうがYELLOW WAGTAILである
10年以上前に北海道稚内空港近くの湿原で繁殖するツメナガセキレイを多数見ているが、南へ渡る途中なのか秋の与那国にも数が多かった
キセキレイは脚がピンク色でツメナガセキレイは黒いといった識別点があるのだが、冬のキセキレイは脚が黒っぽくて見分けが難しい
ちなみに最後の写真に写っているピンク色の物体は、外来種で水田に被害を与えるジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵塊である
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ヒヨドリ
ヒヨドリは東京のヒヨドリと変わらない、といいたいところだが与那国のヒヨドリは黒っぽくてあまりきれいではない(亜種タイワンヒヨドリ)
与那国ではカラスが少ないので黒っぽいヒヨドリがカラスの代役を務めている
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イソヒヨドリ
イソヒヨドリは日本の海岸近くで見られる留鳥だがイメージとしては南の鳥である
自然の豊かな(はずの)与那国にはもう少し数が多いかと思ったがそれほどでもなかった
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シロガシラ
ヒヨドリの仲間だが日本では沖縄地域限定の珍しい鳥である
石垣島以西にいるのが亜種シロガシラで沖縄本島のものは亜種タイワンシロガシラだという
与那国は台湾に近い島なのだが、胸に褐色の帯がありタイワンシロガシラではなくシロガシラのほうが住んでいる
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ツバメ
関東からツバメが消えたと思っていたらもうすでに南の島に来ていた
飛翔速度が速いので与那国にはすぐに着いてしまうのだろうか
今年はツバメの年、スワローズのセリーグ優勝おめでとう
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ベニバト
東南アジアに広く分布する全体が紫褐色の美しい鳩
日本には旅鳥または冬鳥として飛来するが数は少ない  いわゆる珍鳥だと思う
ベニバトが見られたのは与那国旅行の成果である
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キマユムシクイ
ムシクイ類は似たような種類が多く鳴き声を聞かないと写真だけでは判定が難しいようだ
比較的近い距離で撮影が可能だったので識別は易しいと高をくくっていたが、帰宅後家内は悪戦苦闘していた
これだけ鮮明な写真があってプロを含む野鳥仲間に相談してみても断定できないという
タイトルのキマユムシクイはまだ「暫定」である
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メジロ
メジロはいくつかの亜種に分かれており与那国のメジロはリュウキュウメジロのようだ
写真としては背景のシロバナセンダングサがポイントである
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アカモズ
アカモズは東南アジアの鳥で日本では夏鳥となる
海外のバードウォッチングツアーでは見る機会が多いが、日本では数が減ってなかなか見られなくなってしまった
与那国のアカモズは渡りの途中のようだ
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シマアカモズ
背中が灰色で外観はアカモズとは別種のように見えるが、亜種のレベルで異なる別亜種である
シマアカモズのほうは与那国定住の可能性もある
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ミサゴ
ミサゴが空中から魚を狙っていた
英名オスプレー 軍用機のオスプレーはこのホバリングをイメージした命名だと思うがまさにピッタリの名前である
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チョウゲンボウ
こちらも停空飛翔の得意な猛禽
あまり移動せず日本全国で見られる鳥だ
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サシバ
夏鳥で秋には集団となって南へ渡りをする
そのサシバが与那国にいたがここが渡りの最終目的地ではなく、すぐ隣の台湾などへ渡る途中のようだ
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# by mustachio | 2015-10-15 17:46 | Comments(0)