還暦からのネイチャーフォト

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2017年 07月 06日

2017ネイチャーフォト6月上旬上信編


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まず最初にお断りしておきたい
「ネイチャーフォト上信編」などという大げさなタイトルをつけたこと、タイトルバックに北アルプスの写真を使用したことで、さぞかし素晴らしい写真がと期待される向きもおありと思うが、内容はごく平凡な昆虫と植物のスケッチだけである

ロシア沿海州から帰ってすぐ群馬の山荘へ出かけた
ターゲットは北アルプス山麓のクモツキ撮影だった
クモツキとは高山蝶であるクモマツマキチョウの愛称、好天の6月9日、家内と二人長野県白馬方面の林道を歩いて撮影ポイントへ向かった
6年前の6月4日にクモツキを撮影した実績のあるフィールドである
結果は完全な「空振り」、他にも撮影者が来ておられたが1頭も出ないとのことであった
(今年は発生が早く我々がロシアで遊んでいた5月下旬がピークだったのではないかと勝手に推定している)

そんなわけで目的は達成できなかったが、道中いろいろな動植物との出会いもあったのでブログで記録を整理しておきたい
(大半は長野県での撮影、後半の一部が群馬県での撮影である)

ヤマキマダラヒカゲ
林道で最も多かった蝶はキマダラヒカゲ
後翅裏面亜基部の斑点が大きくずれているのでヤマキマダラヒカゲの方だと思う
(自分が子供のころはヤマとサトの区別がなくただのキマダラヒカゲだったが)
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サカハチチョウ
サカハチチョウも数が多かった
この蝶はロシア沿海州ではアカマダラと混生していたが、長野県にはアカマダラはいない
6月上旬ではまだ夏型は出現しておらず、すべて春型である
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スジグロシロチョウ
スジグロ系の白蝶も多く見かけたが普通のスジグロシロチョウのようだった
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ツマキチョウ
スジグロ系の蝶と今回のターゲットであるツマキチョウ系の蝶では大きさも異なるし飛び方も違う
一度ツマキチョウ系の蝶を見つけクモツキを期待したのだが、写真のように普通のツマキチョウのメスだった
標高の高いところに平地性のツマキチョウが出てくると紛らわしい
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アカタテハ
林道でアカタテハを見かけた
特に珍しい蝶ではないのだが、一般的な蝶のハイシーズンである6~7月にはあまり目に入らない
個人的には「秋の蝶」のイメージが強い
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アサギマダラ
アサギマダラも林道で吸水していた
さらにその後、産卵中の個体も見つけた
産卵対象の植物はおそらくキジョラン(鬼女蘭)だと思う
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ミヤマカラスアゲハ
ミヤマカラスアゲハの吸水にも出会った
写真ではわかりにくいが、後翅裏面に白帯が確認できるのでカラスアゲハではなくミヤマカラスアゲハである
(前翅表面外縁部の帯も等幅である)
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ミヤマハタザオ
北アルプス山麓の蝶は以上で終わり
ここからは植物編になるがミヤマ繋がりでスタートはミヤマハタザオ
いうまでもなくこの植物はクモツキの食草でこの花が咲くころに蝶が発生する
どういうわけかフィールドにはミヤマハタザオの数が少なく、今回はこちらのタイミング遅れで出会いがなかったのではなく、発生自体がなかったのではないかとの心配もある
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ヒロハコンロンソウ
同じアブラナ科の白い花
当然だが花の形状はよく似ている
この植物は生命力が強いようで渓流沿いの参道ではよく見かける
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ユキザサ
白い花ではユリ科のユキザサが咲いていた
小さくて目立たない花だがアップで撮るとなかなか美しい
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ホウチャクソウ
こちらもユリ科の花
同じユリ科でもナルコユリやアマドコロは花が縦隊を作って目立つが、ホウチャクソウの花は隠れるようにぶら下がるので見つけにくい
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エンレイソウ
同じユリ科でもエンレイソウは花が終わっていた
3枚の花弁に見えるのは外花被片で中央部の花に当たる部分はすでに実になっている
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ササバギンラン
ギンランやキンランなど昔は普通に見られた植物だが、ここ数年出会いがなかった
個人の庭でも栽培しやすいようで「盗掘」には絶好の対象のようなのだ
山奥での久しぶりの出会いはうれしかった
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トキワイカリソウ
イカリソウの花を見つけた
葉の形状から見てトキワイカリソウのようだ
4月~5月の花だと思っていたが標高が高いところでは6月の花ということらしい
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ニリンソウ
春に咲くキンポウゲ科の花(イチゲの仲間)の中ではニリンソウは花期が遅い
林道わきのニリンソウはこれからがシーズンという雰囲気だった
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クルマバソウ
アカネ科の花
葉の輪生する状態が特異なのでよく目立つ 
とはいうものの、葉のほうに目が行ってしまって花に注意が向かない
今回は意識して純白の4弁の花にピントを合わせた(花の影もはっきり十文字に写っている)
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シャク
正直いってセリ科の植物は似たようなものが多く識別が難しい
だいたい夏に花が咲くことが多いので春に見る花はシャクということにしている
セリ科に詳しい方がおられたら是非ご指導いただきたい
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ニガナ
林道には黄色い花が少なかった
他にはセイヨウタンポポとミツバツチグリくらいである
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フデリンドウ
春に咲くリンドウを見る時は茎の根本をチェックする必要がある
根本に根生葉があるのがハルリンドウ、ないのがフデリンドウなのだ
この花には根生葉がなかった
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スミレ
ギフチョウ、ヒメギフチョウはスミレ類に吸蜜することが多いがクモマツマキチョウもスミレに集まる
フィールドにはタチツボスミレが多かったが蝶の姿はなかった
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ツボスミレ
こちらは花が小さいので蝶が集まることはないように思う
目立たないが生命力の強い植物のようでどこでも見かけるような気がする
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ラショウモンカズラ
5月末から6月上旬の花
今回の場所ではなく別の場所なのだがクモツキを探しに行って振られた時にたくさんのラショウモンカズラを見た記憶がある
この林道でもあちこちで紫の花が見られた
アップで見ると羅生門で切られた鬼の腕のように毛むくじゃらで多少不気味ではある
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ムシカリ
6月になると木の花も目立つようになり林道歩きが楽しくなる
正確な和名はムシカリのようだがオオカメノキといったほうがわかりやすい
花序の中央部分に集まっているのが本来の花で周辺を取り巻く大きな花びらは装飾花という
この装飾花が遠くからも目立ち存在をアッピールしている
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トチノキ
雪渓をバックに栃の花が咲いていた
植物名はトチだと思い込んでいたが植物図鑑によればトチノキ科トチノキだそうだ
大昔、栃錦のファンだったので「栃」は好きな漢字である(栃錦は栃木県出身ではなく、東京小岩の出身だ)
ちなみに近似種としてセイヨウトチノキがあるがこれは「マロニエ」のことである
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タニウツギ
タニウツギも花盛りだった
この植物は主として日本海側に分布するという
ピンク色の花が咲き乱れると周囲全体が華やかになる
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ニホンジカ
雪解け水で流れのはやい川を鹿が渡っていくところを見つけた
まだ若い個体で、水に流されそうな気配だったが無事に渡り終えた
10年位前までは鹿は好きな動物だったが、最近は増えすぎて食害が問題になっている
鹿に食草が食われてしまうため蝶の数が激減しており、心情的には敵(かたき)に変わりつつある
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今回のタイトルは「上信編」としているがここより前が「信州編」、ここからが「上州編」となる
上州編は山荘近辺の生物フォトスケッチである

ウスバシロチョウ
連休中にはわざわざウスバシロチョウを探しに行ったが、今年はその後この蝶との出会いが多い
上記信州のフィールドにもいたし、山荘周辺でもザゼンソウ公園やバラギ湖など定例観察フィールドにも数が多いように思う
この蝶も鹿の食害で数が減っているというが群馬県の草津・長野原近辺にはニホンジカが出没しないので安泰なのかもしれない
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ヤマトスジグロシロチョウ
スジグロ蝶の仲間は同定が難しいがスジグロシロチョウのほうが普遍的である
完璧に自信があるわけではないが写真の蝶はヤマトスジグロシロチョウの方だと思う
全体的に小柄で白っぽい(黒い部分が少ない)
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ベニシジミ
最近は林道などを歩いていても昆虫との出会いがめっきり少なくなった(野草も野鳥も少ない)
フィールドに出始めて15年近くなるが、ここ数年の変化は身に染みて感じる
昔は目にも留めなかったベニシジミだが久しぶりに再会するとうれしくてシャッターを押してしまう
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サカハチクロナミシャク
蝶に関しては(問題のクロヒカゲモドキを除いて)一通り日本産蝶の撮影が終わったので、最近は蛾の写真も撮り始めている
ただ蛾は蝶よりも一桁種類数が多いので、年齢的にも全種制覇が不可能であることは承知の上だ
とりあえず対象となるのが蝶と同じように「昼間活動して花に集まる蛾」になってしまう
名前を覚えるのも心もとないがこのサカハチクロナミシャクは6月ごろ山荘周辺で数が多い
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ツマキシロナミシャク
前出のサカハチクロナミシャクはサカハチチョウやダイミョウセセリに似ていて、十分「蝶」で通用する容姿だが、こちらのシロナミシャクのほうはいかにも「蛾」らしい
それでもヤマガラシの花で一生懸命吸蜜していた
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フタコブルリハナカミキリ
続いて甲虫
甲虫も種類が多くフィールドでの同定は難しい(年齢のせいで新しい名前が覚えられない)
帰宅後の図鑑調べが通例だがこのカミキリはフタコブルリハナカミキリのようだ
「一期一会」などと大げさなことは言いたくないが図鑑調べも結構楽しい
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サクラソウ
ここからはバラギ湖などマイフィールドの6月上旬の花になる
常連のサクラソウは今年は数が少なく寂しかった
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シロスミレ
毎年数が減っていくような気がするが、とにかく今年も対面することができた
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フタリシズカ
もともと数は多くないが群馬では毎年この時期に出会う花
東京の自宅の庭でも見ることができる
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ベニバナイチヤクソウ
この花は7月の花でまだ少し時期が早い
それでも緑の中の派手なピンク色は強い自己主張を感じる
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ミヤマイチゴ
バラ科のイチゴの仲間は似たようなものが多く識別が難しい
数種類の植物図鑑を検討した結果だが花弁の微妙な皺からミヤマイチゴ(別名バライチゴ)と推定している
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ウシハコベ
最近は植物名もだいぶ頭に入ってきてウシハコベくらいは図鑑に頼らず名前がわかるようになった
ハコベの仲間としては大きく、5枚の花弁がそれぞれ2分して10枚に見えるところが面白い
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ヤマガラシ
GWの時に一面に咲いていたヤマガラシ(外来種のハルザキヤマガラシ)がまだ残っていた
6月は花が端境期に入ることもあって外来種でも「山の賑わい」となる
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レンゲツツジ
レンゲツツジも元気に咲いていた
マイフィールドの一つである湯の丸高原はレンゲツツジで有名なポイントなのだが、この花は毒があって放牧の牛や野生動物が食わないので生き残っていけるという
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クルマバソウ
信州編の植物とダブってしまうが、何故か写真にしたくなる魅力がある
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マムシグサ
この花(仏炎苞)には写真のように緑色のものと黒褐色のものがありマムシグサの由来は黒褐色の方からのようだ
わが山荘にもこの植物が自生しているが、緑色のほうは清楚なイメージである
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ギンリョウソウ
今号ブログの締めはわが山荘に咲いたギンリョウソウである
漢字で書くと銀龍草、葉緑素を持たない腐生植物であるが立派にイチヤクソウ科の植物である
山荘の玄関前に咲いているので縁起がいいのか悪いのか花言葉を調べてみたら「そっと見守る」ということだった
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# by mustachio | 2017-07-06 11:00 | Comments(0)