還暦からのネイチャーフォト

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2017年 05月 04日

春の甑島・昆虫植物編


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今回の甑島訪問は「バードウォッチングツアー参加」によるものだった
野鳥編で触れたように東シナ海に浮かぶ甑島には渡りの途中の野鳥が立ち寄るため、彼らを見るツアーが企画される
さて、その甑島だが上甑島、中甑島、下甑島といくつかの無人島で構成され、行政上は鹿児島県薩摩川内市に属する
われわれが訪問したのは下甑島で九州の薩摩川内港や串木野港とフェリーや高速船で結ばれている
下甑島は面積的には山手線の内側と同じくらいで、ほとんどが山地であるためとても歩いて回れる大きさではなく島内はマイクロバスでの移動となる
この島が有名なのは下甑島が「Dr.コトー診療所」の古志木島のモデルで、瀬戸内さんという医師が30年以上も離島診療に携わられた島だからでもある(ドラマの撮影地は与那国だったが)


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甑島の昆虫
甑島を訪問するのはもちろん初めてで予備知識は全くなかった
海外のバードウォッチングツアーに参加する時も同じスタンスなのだが、野鳥が見られるフィールドは普通自然が豊富で面白い昆虫や野草との出会いが多い
根っからの野鳥愛好家でない自分は鳥よりも昆虫への期待のほうが大きいのだ
鹿児島県でもありサツマシジミなども期待したのだが、蝶に関しては数も少なく特記すべきものもなかった

ベニシジミ
島内の探鳥値は農耕地や休耕地が多かった
スイバやギシギシなどが多い土地だったがベニシジミは1度見ただけだった
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ヤマトシジミ
ヤマトシジミは割と数が多かった
ホリイコシジミやヒメシルビアシジミの可能性もチェックしたがすべてヤマトシジミだった
(関東のヤマトシジミよりは裏面の褐色が強いような気がするが)
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ナガサキアゲハ
アゲハ類を見たのはこのナガサキアゲハが1度とアオスジアゲハが1度の2回だけだった
普通のアゲハは全く見ていない
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アカタテハ
タテハ類もほとんど飛んでいない
アカタテハは飛翔力が強いので海を渡るのは簡単だと思うが3日間で見たのは1度だけだった

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タテハモドキ
想定外だったのがタテハモドキ
この蝶は南国の蝶で東南アジアでは普通種だが日本では南西諸島でしか見られない
甑島にはそのタテハモドキがいてびっくりした
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キオビエダシャク
蝶が少なかったのと対照的に多かったのがこのキオビエダシャク
至る所に飛んでいてキオビ天国の感があった
実はこのキオビエダシャク、幼虫がイヌマキ(鹿児島県などで生垣に利用される植物)の大害虫で、鹿児島・沖縄では目の敵にされている昆虫だ
成虫は蝶が負けるほどの派手なデザインで、最初のうちは追いかけまわして撮影したがすぐに飽きてしまった
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甑島の植物
個人的な経験による感覚だが、離島の植物では目立つものが少ない
植物(野草)はどちらかというと北(寒い地方)のほうが美しいように思える
それと、植物屋さんが離島までは手が回らないせいか、図鑑などでも島の植物の情報が少ないのだ
甑島の植物は、ごく普通のものと関東では見られない特殊なものが混在するような形だった

カノコユリ
ご存知の方も多いと思うが、甑島を代表すする植物はカノコユリなのだ
白い花弁にピンク色の鹿の子模様のあるカノコユリは残念ながら花期が8月頃で今回は花の写真がない
ただ島中の道路わきにカノコユリが生えており、花の咲き乱れる様子は容易に想像することができた
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コバノタツナミ
春のシーズンで甑島を代表する植物は(独断と偏見によるものだが)コバノタツナミではないか
シソ科のタツナミソウの仲間で関東より西の海岸に近い山に多い
初めてこの植物に出会ったのは2年半前の鹿児島旅行の時(ブログ参照)
本来の開花期は4~6月、つまり2年半前に花を見たのは季節的に異常だったようで、今回は島の至る所でコバノタツナミを堪能することができた
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キランソウ
同じシソ科で色彩的によく似た感じのキランソウも確認できた
この植物は背丈が低く地面の上にべたっと広がるイメージで関東でも見る機会が多い
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スイバとギシギシ
渡り鳥として甑島を通過する小鳥はタデ科の植物の実(種)を食べるものも多い
野鳥を探しているとどうしても目に入るのがスイバやぎギシギシなのだが、地味な植物なので専門知識がない
正直言って外形からは区別ができず、緑色がギシギシ、赤茶色がスイバ(スカンポ)程度のことしかわからないのだ
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レンゲソウ
レンゲソウは田んぼの緑肥として昔から使われていた
40年ほど前、北九州に住んでいたころは、この季節ちょっと足を延ばせば一面に広がるピンク色のレンゲ畑を目にすることができたのだが、今では夢の世界となってしまった
それでも甑島にはわずかにレンゲ畑の痕跡が残っており、アマサギが遊ぶ夢の世界の一端を見ることができた
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カラスノエンドウ
マメ科つながりでカラスノエンドウ
この花は休耕田などの荒地や草地に多く関東近郊でも普通に目にすることができる
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スズメノエンドウ
カラスノエンドウに比べて花が小さく色も地味なのがスズメノエンドウ
植物図鑑では2種が続いて掲載されることが多く知識として知ってはいたが、フィールドでスズメノエンドウを意識したことがなかった
今回は両種が同一場所に咲いていることが多く明らかに違いを認識した
(実をいうと両者の中間的な植物としてカスマグサがあり、実物を見たことがないので写真の花がカスマグサである可能性もないではない)
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ハマエンドウ
島なので当然海岸が近くエンドウの仲間ではハマエンドウも見られた
こちらはカラスノエンドウよりも明らかに花が大きく鮮やかである
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アメリカフウロ
甑島に限らず島の植物には外来種(帰化植物)が多いような気がする
島にフウロソウの仲間が咲いていて意外に思ったが帰化植物のアメリカフウロだった
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コマツヨイグサ
マツヨイグサは小型で海岸に多いコマツヨイグサだった
こちらも帰化植物である
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ニワゼキショウ
公園や家庭の芝生などによく見られるニワゼキショウもアメリカ原産の帰化植物
姿かたちも純日本産かせめて中国産くらいのイメージの可憐な花である
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マンテマ
マンテマも帰化植物で海岸周辺に多い
15年以上前、植物写真を撮り始めたころ千葉の海岸でこの花を初めて見て名前がわからなかった
北海道に行くと近似種のエゾマンテマをよく見るがマンテマの花を見たのは久しぶりである
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ハマダイコン
千葉の海岸の花で連想するのがハマダイコン
甑島にもわずかにハマダイコンが見られたが関東近郊で見るようにピンク色の部分がなく、花弁は純白であった
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ハマボッス
海浜植物であるハマボッスも咲いていた
関東近郊ではハマボッスの花弁は純白だが甑島のハマボッスは若干ピンク色を帯びており茎の部分もかなり赤かった
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トベラ
島には木本の白い花が多かった
写真は撮ったが木本の花は識別が苦手である
後で名前がわかれば写真を追加するかもしれないがとりあえずわかりやすいトベラをアップしておく
小笠原や南西諸島に多い南国の植物である
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トキワツユクサ
白い花といえば3弁で三角に見える面白い花を見つけた
帰宅後調べてみるとトキワツユクサというツユクサ科の植物だった
こちらも帰化植物(南アメリカ原産)だそうである
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キケマン
西日本の海岸に多いケシ科のキケマンも所々で見られた
関東地方の低山でもキケマンのような花をよく見るが、こちらはミヤマキケマンで写真のような茶色の斑点がなく花は全体が黄色である
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キツネノボタン
キンポウゲ科のキツネノボタンも所々で見られた
こちらは全国的に分布する普通種である
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ノアサガオ
南西諸島に多いグンバイヒルガオは全く見られなかった
この朝顔はおそらくノアサガオだと思う
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ホソバノアマナ
緑の草が茂る法面に純白の小さな花を見つけた ユリ科の花らしい
帰宅後調べてみるとホソバノアマナのようだ
花びらの中央に緑色の筋が見えるのがポイント
個人的には初対面の野草である
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スミレ
スミレを見つけた
日本のスミレはすべてスミレ科スミレ属の植物なので、単にスミレという場合スミレ属の総称なのか種名の「スミレ」なのかが紛らわしい(ここでは種名の「スミレ」である)
植物にうるさい人は種名の「スミレ」を学名のマンジュリカと呼んで一般的なスミレと区別するという
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ナガバノタチツボスミレ
数は多くなかったがタチツボスミレも路傍に咲いていた
見慣れているタチツボスミレとは少し雰囲気が異なり葉に丸みがない
ナガバノタチツボスミレのようだ
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ハハコグサ
農耕地や休耕田の周辺にはハハコグサが見られた
山に行くとヤマハハコを見る機会が多いがハハコグサは久しぶりに見たような気がする
花らしくない地味な花だ
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オオジシバリ
オオジシバリも農耕地周辺に多い
同じキク科でもオオジシバリには舌状花がしっかりあってキク科の花らしい
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オニタビラコ
こちらは多数の頭花をつけるオニタビラコ
どこにでも見られるキク科の花である
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テリハアザミ
甑島では大型のアザミを何回も見かけた
全体的に大きく刺が鋭いのでてっきりオニアザミと思って撮影していたが、帰宅してから図鑑を調べるとオニアザミは北日本の植物で九州には生育していない
いろいろ検討してみたがどうもテリハアザミのようだ 四国、九州、中国地方に分布するアザミである
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# by mustachio | 2017-05-04 18:00 | Comments(0)