還暦からのネイチャーフォト

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2017年 06月 23日

ロシア沿海州の自然3(植物編)


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過去のブログでも何回かご紹介しているが我々夫婦は海外に出かけるときは(単純な観光旅行は別として)バードウオッチングツアーを利用することが多い
家内はもともとバードウォッチャーなので全く問題ないが、小生は基本的に虫屋で写真撮影の優先順位は蝶>昆虫>野草>野鳥の順位になりツアーのメンバーが野鳥観察している間に蝶や野草の写真を撮っていることも多い(もちろん珍しい鳥、美しい鳥が近い距離にいれば鳥の写真を撮る)
バードウオッチングツアーでは「鳥合わせ」という種名確認作業が毎日行われるので、撮影した鳥の名前はわかるのだが、こちらが勝手に撮っている昆虫や野草の名前は誰も教えてくれない
適当な図鑑があれば後でいろいろチェックをするのだが、植物などで現地の図鑑が手に入ることはまずないので日本の植物との対比で科名などを推定していくことになる

さて今回のロシア沿海州のツアーであるが、日本の植物との共通種が非常に多く現地で楽しい思いができたし、帰宅後の種名確認作業も楽であった

要するに沿海州の自然は北海道の自然そのものなのである
さすがに高山植物のような貴重なものは見られなかったが「日本の花」、「北海道の花」を楽しむことができた

エゾノハナシノブ
沿海州で北海道の霧多布湿原などで見られるクシロハナシノブに再会した
この花は亜種が非常に多いエゾノハナシノブ(カラフトハナシノブ)の仲間で、北海道でも地域によって亜種が分かれたりするため正確な同定はできないが、外見は「湿原の貴婦人」の異名をとるクシロハナシノブと全く同じであった
ただ生えていた場所が湿原ではないので総称であるエゾノハナシノブとしておく
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チシマフウロ
チシマフウロも北海道のオホーツク海岸方面でよく見られるフウロソウ科の植物
ロシアのものと北海道のものが同一種かどうかは資料がないので断定できないが、まず間違いないと思う
生育場所は高山でも海岸でもなく普通の林道だった
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ショカツサイ
こちらも林道でよく見かけたピンク色の十字花植物
日本ではピンク色のアブラナ科はショカツサイしか考えられないのでとりあえずショカツサイとしたが、少し花が大きく優雅な感じである
別種なら名前はわからない
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アヤメ
北海道でアヤメ科の植物というとまずヒオウギアヤメを思い浮かべる
沿海州ではヒオウギアヤメは見かけず、アヤメも一度目にしただけだった
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エゾムラサキ
北海道や本州中部地方の山岳地帯で見られるエゾムラサキはヨーロッパ、アジアの亜寒帯に広く分布する多年草だ
この花はエゾムラサキによく似ているのでムラサキ科の植物だと思うが、ワスレナグサ(日本では帰化植物)かもしれない
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キクバクワガタ
同じ青紫の花だがこちらは4弁でゴマノハグサ科
撮影時はミヤマクワガタかと思っていたが、葉が菊に似ているのでキクバクワガタだと思う
日本では北海道の高山か礼文島などの砂礫地に生える
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サクラソウ
一度だけだったがサクラソウを見つけた
北海道のサクラソウといえばアポイ岳山麓で撮影したオオサクラソウや大雪山のエゾコザクラなどを思い浮かべるが、見たのは写真の通り普通のサクラソウだった
日本のサクラソウとは別種かもしれないが正式な種名はわからない
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カノコソウ
ご存知の方はあまり多くないと思うのだが、この花はオミナエシ科のカノコソウ、ハルオミナエシの別名がある
北海道に限らず山地の湿った草地に生える
実をいうとこの植物、絶滅危惧種の蝶ウスイロヒョウモンモドキの食草なのだ
中部地方の草原からカノコソウがいつのまにか姿を消してしまい、必然的にウスイロヒョウモンモドキも消えてしまった
今、このウスイロヒョウモンモドキを保護している地域ではこのカノコソウを増やしているところだ

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スミレ
このスミレは撮影時はただのスミレ(総称ではなく種名のスミレ)だと思っていた
帰宅後、図鑑などをチェックしてみるとアナマスミレ(礼文島のアナマ岩で発見されたスミレで普通のスミレの海岸型)の可能性が出てきた
普通のスミレは全体的に濃い赤紫色であるが写真のスミレは結構白っぽく雰囲気がアナマスミレに似ているのだ
葉の形状に特徴があるので意識して葉の写真を撮っておけばよかったのだが、撮影時に自覚がなかったのが残念である
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エゾノタチツボスミレ
スミレ類は見る機会がほとんどなかったが、その中でも数が多かったのがこのエゾノタチツボスミレである
日本では北海道を中心に北部日本に生育するが、朝鮮半島や中国ロシア東部にも分布する普通種である
特徴は側弁の基部に生える白いひげで、タチツボスミレやオオタチツボスミレにはこの白いひげがない
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ニョイスミレ(ツボスミレ)
日本では南西諸島以外全国で見られる小型で地味なスミレ
図鑑によれば東アジア全域に広く分布するようだ
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カキドオシ
この時期日本では林道わきにラショウモンカズラなどの美しいシソ科の花を見ることが多い
ロシアでも紫系の花を探してみたが残念ながら見かけたのは何の変哲もないカキドオシくらいだった
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クサフジ
葉の形状から判断してマメ科のクサフジで間違いないと思う
(ロシアにシベリアクサフジとかいう別の植物があるなら別だが)
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タニウツギ
別名ベニウツギともいい6月ごろ赤い花をつける木本の植物
日本では北海道西部と本州の日本海側に分布する
ウラジオストクも日本海を挟んだ向こう側なので同じ植物があっても全く不自然ではない
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種名不詳の赤い花
どこかで見たことがあるのだが思い出せない
名前の一部でもわかれば検索のしようがあるのだが、いろいろの図鑑を当たってみても日本の植物図鑑では該当種名不詳である
先の長くない後期高齢者になると無駄な時間を浪費したくないので「種名不詳」のままとしておく
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エゾキスゲ
森の中には黄色いキスゲが咲いていた
花の形状などからエゾキスゲではないかと推定するが日本では海岸に咲く植物なので別種かもしれない
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キンポウゲ
林道わきの黄色い花は普通のキンポウゲだった
いわゆるウマノアシガタである
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ミヤマキンポウゲ
黄色い花は普通のキンポウゲだけではない
日本では高山に咲くもっと花が大きくオレンジの強いミヤマキンポウゲのような花も見られた
行った場所はけして標高の高いところではなかったので高山植物があるとは思えないが、日本とロシアは事情が違うのだろう
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ヤマガラシ
森の中ではアブラナ科の黄色い花も見かけた
日本でもこの時期山村の道路脇などに多いヤマガラシの仲間である
日本のヤマガラシは外来種のハルザキヤマガラシが勢力をふるっているが、ロシアでは数も少なく自然の植物だと思う
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クサノオウ
クサノオウという名前からなんとなく日本固有の野草かと思っていたが、この植物はユーラシア大陸全般に分布し今では北アメリカまで生息域を拡大しているというグローバルな植物であった
(適応力の強さから判断すると中国が原産かもしれない)
沿海州ではいろいろな場所で目にしたが、生育環境などは日本と同じような状況であった
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ミヤマキケマン
谷筋にキケマンも見つけた
おそらくミヤマキケマンだと思う(亜種にエゾキケマンというのがあるようでそれに該当するのかもしれない)
いずれにしても外国で日本の花を見つけるのは日本人に出会ったようで楽しい
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タンポポ
日本ではタンポポの種類がやたら多い
カントウタンポポ、カンサイタンポポ、エゾタンポポなど地域によって種名が変わる
これに対して外来種のタンポポはセイヨウタンポポの一言で片づけられている
セイヨウタンポポは総苞の外片が反り返るので、写真のタンポポはセイヨウタンポポの仲間であることには間違いない
ただロシアなど外国でのタンポポの分類基準が分からないのでそれ以上はコメントのしようがない
(外国のタンポポはすべてセイヨウタンポポなのかもしれない)
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オオバナノエンレイソウ
白色系の花が残ったのでもう少し整理を続けたい  まずはわかりやすいユリ科の花から
どこかで見られるだろうと期待していたオオバナノエンレイソウは1度だけお目にかかった
花期が少し過ぎてきれいな個体ではなかったが証拠写真として撮影した
本州で見るエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)より花の大きい、北海道の花らしい植物である
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チゴユリ
チゴユリは日本、中国、朝鮮に分布する東アジアの植物のようだ
沿海州のチゴユリも日本のチゴユリと全く同じ純白で清楚な花だった
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ユキザサ
ユキザサもチゴユリ同様、中国、ロシア、朝鮮、日本に広く分布する東アジアの共通種のようだ
純白のかわいい花が東アジアの緊張緩和に貢献してくれればいいのだが
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スズラン
沿海州にはスズランも咲いていた
スズランは北欧・ドイツなどヨーロッパにも分布する有名な植物である
清楚で愛らしい植物なのだが「有毒」である点が少し気になる
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エゾオオヤマハコベ
最初にこの花を見たときはキク科の花かと思った
しかし、よく見ると舌状花と筒状花の組み合わせではなくどうもハコベの仲間のようだ
帰宅してからもすぐには名前がわからなかったが最終的にエゾオオヤマハコベの名前をネットで見つけた  不揃いの花弁などの特徴から間違いないと思う
名前がわかってから過去の自分の写真をチェックしてみると北海道の霧多布湿原や野付岬、オムサロ原生花園などで撮影していたことが分かった
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シラタマソウ
この花は北海道でよく見かける花
実はヨーロッパ原産の帰化植物なのでロシアで出会っても不思議ではない
マンテマの仲間で、個人的にはエゾマンテマなどと勝手に呼称していた
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カラマツソウ
北海道に限らず本州でも山へ行けば普通に見られるカラマツソウ
ただこの花は夏の花で普通は7~8月に咲く
5月末のタイミングで出会うのは意外だったが、内心うれしかった
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コンロンソウ
コンロンソウは日本では春の花だと思うので全く不自然さはない
個人的には(国内では)ヒロハコンロンソウを見る機会が多いように思うが、沿海州は普通のコンロンソウが多かった
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シャク
このセリ科の花はあちこちで咲いていた
正確な種名はわからないが、日本のセリ科の花で最も近いのがシャクだと思う
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オドリコソウ
オドリコソウは東アジアに広く分布する植物なので沿海州で出会うのは不思議ではない
日本ではピンクのオドリコソウと純白のオドリコソウがある
ロシアのオドリコソウは私の好きな白の方だった
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シロバナノヘビイチゴ
日本でも似たような花が多いので正確な同定はできないが、日本と同じ植物ならシロバナノヘビイチゴだと思う
ロシアに他のヘビイチゴがあるかどうかは調べようがない
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ヤマブキショウマ
バラ科のヤマブキショウマとユキノシタ科のトリアシショウマはよく似ていて日本国内でも判定が難しい
まして異国のロシアでは二者択一ではないので山勘で判断するしかないが、一応ヤマブキショウマとしておく
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ナズナ
昔から馴染みのナズナ(ペンペングサ)だと思う
ロシアに春の七草があるかどうかは知らない
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ワチガイソウ
おそらく日本のワチガイソウと同じ花だと思う
ただ日本では関東以西の植物なので疑問は残る
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スイカズラ
スイカズラは東アジアに広く分布する植物のようだ
木本だが懐かしい白い花なので撮影した
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種名不詳の白い花1
日本の植物図鑑をいろいろ調べてみたが該当する植物を見つけられなかった
花の感じがニリンソウに似ているのでキンポウゲ科の植物ではないかと思う
縁に赤みのある葉と赤い蕾が印象的だ
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種名不詳の白い花2
この花も日本には該当種がないと思う
ロシア人の白さをそのまま花にしたような印象的な花だった
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# by mustachio | 2017-06-23 14:00 | Comments(0)