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還暦からのネイチャーフォト

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2023年 10月 23日

群馬吾妻秋景色

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10月中旬、久しぶりに群馬県の山荘に1週間ほど滞在した
8月後半から10月前半まで東京で入院・通院生活だったので2か月ぶりの自然回帰である
この時期、天候は快晴続きだったので10月12~14日は毎日マイフィールドを歩いた
山荘の所在地は群馬県長野原町、周辺は草津町・中之条町・嬬恋村なのでこの吾妻地方一帯にマイフィールドが点在する
今回歩いたフィールドは次の3ヶ所になる

バラギ湖(嬬恋村)
  山荘から車で30分のマイフィールド
  今年は熊の出没により一部道路閉鎖があったが、この日は「熊出没注意」の看板だけだった
  湖畔の花はほとんどがピークを過ぎていたが、ススキを近景に置く浅間山の雄姿は素晴らしかった
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山の上庭園(中之条町)
  入場料無料で回れる庭園
  センター周辺では栽培種の園芸植物が咲き乱れ、山の上のほうでは野生植物が見られるフィールド
  9月であればフジバカマに集まるアサギマダラが撮影できたのだが、今年はタイミングを失してしまった

草津武具脱の池(草津町)
  山荘は長野原にあるのだが草津町との隣接エリアにあるので町の中心部までは車で15分程度である
  ただ中心部は温泉があるだけで自然観察のフィールドはもっと先までいかないと見つからない
  白根山に向かうロープウエイ(ゴンドラ)の乗り場近くにある湿地帯(武具脱の池)は(季節によって)シャクナゲなどが咲く素晴らしいフィール   
  ドだが、この時期は花が終わって紅葉が進んでいた
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タイアザミ
この時期花が残っているのはキク科植物が多い
バラギ湖でも中之条山の上庭園でも至る所に咲いていて秋の蝶を集めていたのがタイアザミ(トネアザミ)だ
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ゴマナ
野菊の仲間は似たような種類が多く識別が難しい
比較的わかりやすいのがこのゴマナで、株は背が高く、小さな花が密集して付く傾向がある
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シラヤマギク
シラヤマギクはわが山荘の庭にも咲く野菊 茎に赤みがあり花弁の付き方が不規則になる特徴がある
写真は中之条の山の上庭園で撮影したものだが、同定が間違っている可能性もある
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ハコネギク
こちらの野菊はバラギ湖の湖畔に咲いていた
葉の形状等からハコネギクと推定しているが花弁(正確には舌状花)が細く、数も少ないので少し違和感もある
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ユウガギク
同じくバラギ湖畔の野菊だが花に少し青みがある
数十年前に購入した「バラギの里の花たち」という小冊子にユウガギクが記載されており間違いないようだ
いかにも野菊らしいきれいな花だった
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ノコンギク
さらに花の青みが強いのがこちら
花弁(舌状花)はほとんど紫色に見えるので種名はノコンギク(野紺菊)だと思う
吸蜜している蛾はイカリモンガだ
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ハキダメギク
バラギ湖のへのアクセス途中に道路脇で撮影したハキダメギク
写真では表現が難しいが頭花は直径5ミリ程度の非常に小さい地味な植物だ
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ヤクシソウ
こちらもフィールドではなく普通の道路脇で撮影したもの
ヤクシソウは山荘の庭にも咲くのだが開花時期は8~9月で今年は出会いがなかった
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セイタカアワダチソウ
この花もキク科でアキノキリンソウに近い北アメリカ原産の帰化植物
最近は目にする機会が減ったが、40~50年前は全国的に広がって秋になると至る所で群落が見られた
中之条山の上庭園で撮影した
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ヒヨドリバナ
考えてみればヒヨドリバナもキク科植物だ
アサギマダラが集まる植物としてフジバカマが有名だが、同属(ヒヨドリバナ属)のヒヨドリバナにもアサギマダラが吸蜜する
中之条山の上庭園ではフジバカマは終わっていたがヒヨドリバナは残っていた
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ユーパトリウム・コエレスティナム
その山の上庭園では栽培種のユーパトリウム・コエレスティナムが満開だった
和名で青花フジバカマ、英名でミストフラワーと呼ばれるヒヨドリバナ属の多年草である
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リンドウ
菊の他に秋の花といえばリンドウ
季節的にピッタリだったようで吾妻地方ではどこでもリンドウが見られた
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エゾリンドウ
群馬に山荘を建てて50年、もともと東京出身の自分にとって群馬の吾妻地域は第二の故郷と思っている
昔はこの地域に多いリンドウ類はエゾリンドウで、リンドウは数が少なかったように記憶している
(両者の違いは明白でリンドウは花弁が開くのにエゾリンドウは開かない)
草津のスキー場(天狗平)などこの時期は至る所にエゾリンドウが咲いていたのに、最近では草刈りで整備されてしまい見る影もない
今年はタイミングが遅れたせいか全く見つからず、草津の武具脱の池で1株を確認しただけだった
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ムラサキツユクサ
最近見かけないといえばこのムラサキツユクサも同様
昔は東京の住宅地でも普通に見られたのに最近出会った記憶がなかった
久しぶりに撮影した場所は中之条山の上庭園
もともと栽培種として日本に入ってきて野生化した植物なのでわれわれ高齢者にはお馴染みなのに、最近の植物図鑑には掲載されていないことが多い
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ヤマトリカブト
どこででも見られるというほど数は多くないのだが、花を探して山のフィールドを歩くと目にする機会がかなりあるのがトリカブトの仲間
夏から秋にかけて花期も長い
地域によっていろいろ亜種名があり識別は難しいが一般に「ヤマトリカブト」としておけば許容されるはずだ
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マツムシソウ
松虫の名前から秋を連想するのだがマツムシソウは夏の花
10月になるときれいに咲き残っている株はほとんど見当たらず今回は中之条で1株見つけただけだった
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カワミドリ
シソ科植物も夏から秋に咲くものが多い
こちらはカワミドリのようだが少しピークが過ぎていてあまりきれいではない
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ナギナタコウジュ
カワミドリに似ていて花が穂の片側だけに付くのがナギナタコウジュ
薙刀のような構造が写真ではっきり確認できる
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イヌタデ
子供のころからお馴染みのアカマンマ
昔は東京の住宅街でも普通に見られた
地方に来ればまだ出会いのチャンスは十分あるようだ
撮影はバラギ湖畔
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ミゾソバ
湿気のある場所なら普通に見られるミゾソバ
近似種にママコノシリヌグイ(茎が赤く棘が目立つ)があるのだが、こちらは最近出会った記憶がない
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ヤマラッキョウ
バラギ湖畔で見つけた
ネギ科の植物でどちらかというと秋の花だ
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クサフジ
クサフジは花期が長く春から秋まで見ることができる
同じ仲間にツルフジバカマという植物がありこちらは秋から花が咲き始める
写真は花の色が青いので普通のクサフジだと思う
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キンミズヒキ
ミズヒキはタデ科の植物だがキンミズヒキはバラ科
花序が細長いので水引の名前がつけられているようだが、花が結構大きいので少しイメージが違うような気がしている
撮影はバラギ湖畔
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メマツヨイグサ
マツヨイグサの仲間は基本的に外来種(帰化植物)なので普段はあまり興味がない
それでも「月見草」の異名を持つ植物なので秋の花として記録に残すことにした
全体的に花が少ないこの時期でも結構元気に花を咲かせていることが多い
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コスモス
秋の花といえばコスモス
園芸植物なので植物図鑑には登場しない
中之条山の上庭園にはコスモスが多く青空をバックに咲き乱れていた
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ススキ
ススキは植物図鑑に記載されるイネ科植物
青空バックのススキは美しいが、生物写真(ネイチャーフォト)というより風景写真になってしまう
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ムラサキシキブ
吾妻地方では10月中旬にもなると花よりも実が目立つようになる
写真は中之条山の上庭園で撮影したが、わが山荘の庭にもムラサキシキブは自生している
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ガマズミ
バラギ湖畔には赤い実が多い
こちらはガマズミ系の植物の実、ガマズミかコバノガマズミかの識別は難しいが葉は特に小さくはないのでガマズミとしておく
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チョウセンゴミシ
チョウセンゴミシの実はガマズミの実より鮮やかさが目立つ
つる性落葉樹で他の植物に絡まって伸びる
真っ赤な実は果実酒に適しているようだがまだ試していない
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アキアカネ
赤とんぼはこの地域のどこのフィールドでもまだ飛んでいるが、数は減ってしまった
アキアカネの♂は成熟すると腹部が赤化するが、♀は赤くなるものとならないものがいるらしい
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モンシロチョウ
蝶の季節はそろそろ終わりに近づいている
それでも日当たりの良いタイアザミの花にはいろいろな蝶が集まっていてモンシロチョウも元気だった
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ベニシジミ
ベニシジミも元気だった
彼らは幼虫越冬なので成虫のベニシジミは終活中なのだろうか
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ウラナミシジミ
どちらかというと南方系の蝶で吾妻地方では秋になると目立つようになる
食草(マメ科)の生育状況と関係があるのか、彼らは世代交代を繰り返しながら毎年北上してくるが、晩秋には死滅してしまう
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ミドリヒョウモン
ヒョウモン類も結構翔んでいたが、たいていミドリヒョウモンの♀
越冬は1齢幼虫なのでまだ産卵が残っているのだろうか
生殖に用済みの♂はほとんど見当たらなかった
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ヒメアカタテハ
ブッドレアで吸蜜していたのはヒメアカタテハ
最近アカタテハはよく見るのだがヒメアカとは久しぶりの対面だった
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キタテハ
数が多くて目立つのはキタテハ
秋型のキタテハは表が明るいオレンジ色で翅の外縁の切れ込みが大きくなる
こちらは成虫越冬なので吸蜜して冬を越すエネルギーの補給中といったところか
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イチモンジセセリ
イチモンジセセリも感覚的には秋の蝶のイメージ
発生は6月ごろなのだが世代交代もあって秋になると数が増えるのだ
栽培種の大型サフランで吸蜜する姿はとてもかわいい
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ヒメクロホウジャク
秋景色のファイナリストはホウジャク
中之条山の上庭園で見つけた
帰宅後図鑑を確認してみるとヒメクロホウジャクのようだ
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補追
群馬吾妻でのヒメクロホウジャクとの出会いは10月14日だったが、その9日後の10月23日にそのお仲間のホウジャクに再会した
再会場所は何と東京の自宅のベランダである
プランターのアメジストセージにホウジャクが来てくれたのである
図鑑をチェックしてみるとこちらはより普通種のホシホウジャクのようだが背中や翅の模様が少し違う程度でよく似ている
蛾に関しては全くの素人なのでピント外れかもしれないが、この再会は感動的だったので特記しておく
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# by mustachio | 2023-10-23 18:00 | 生態写真 | Comments(0)