還暦からのネイチャーフォト

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2011年 07月 09日

北海道の「花と蝶」(4)

北海道の蝶

今回撮影した北海道の蝶を披露するに当たり、過去4回の北海道東部遠征記録を整理してみた
2005、2007、2008、2010年の4回が主として蝶の撮影を目的とした遠征で、2007年は6月中旬、ほかは7月となっている
各年ごとに成果(初対面の北海道特産種など)を整理してみると
2004年以前(札幌周辺):エゾシロチョウ、フタスジチョウ
2005年:シロオビヒメヒカゲ、ヒメウスバシロチョウ、カラフトタカネキマダラセセリ、ホソバヒョウモン、オオモンシロチョウ、カラスシジミ、アイノミドリシジミ
2007年:ジョウザンシジミ、アカマダラ、カラフトヒョウモン、エゾヒメシロチョウ、チャマダラセセリ、コヒオドシ
2008年:ウスバキチョウ、ダイセツタカネヒカゲ、アサヒヒョウモン、カバイロシジミ、オオイチモンジ、ウラジャノメ
2010年:カラフトルリシジミ、カラフトセセリ、アカマダラ(夏型)
といった具合で回を追うごとに着実に種類が増えていること、6月と7月では発生する種類が微妙に異なることなどが判る

蝶に詳しい方はお気づきと思うが北海道固有種で抜けているのはリンゴシジミとヒメチャマダラセセリくらいなものだと思う(固有種ではないがキタアカシジミも北海道系の蝶で未撮影)

そのリンゴシジミだが4回とも狙って行って振られている
最初は帯広近辺のウワミズザクラ(食樹)を探せば楽勝とタカをくくっていた
3回目以降はスモモ(こちらも食樹)に焦点を絞り、文献などでポイントも調べて行ったがどういうわけか見つからない
おそらく3回目、4回目は遠征が7月になったので発生時期に間に合わなかったものと推定した
そして今年、叩き棒も用意してスモモの木を叩いた結果、念願のリンゴシジミにお目にかかることができた

今年は6月の遠征だったためオオイチモンジには早すぎたが、新鮮なカバイロシジミが撮影できたり、一部傷んではいたもののジョウザンシジミに出会ったりと十分な成果が得られ満足して帰途に着くことができた

リンゴシジミ
カラスシジミに似たこげ茶色のシジミチョウ
予想より幾分小さめの蝶だった(飛ぶスピードも意外に速く、注意して見ないと見逃してしまう)
前回も前々回もチェックしたスモモの木で見つけたもので、7月では遅すぎたということなのだろう
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カバイロシジミ
撮影済みの蝶ではあったが、今回の大きなターゲットの一つであった
前回は2008年に帯広に近い長流枝内の草原で撮影したのだがかなり傷んだ個体で、正直に言って撮影時点でカバイロシジミという認識がなかった
カバイロシジミは海岸沿いの草原という固定観念があって帯広近辺と結び付かなかった次第である(その後最終案内にその地点がカバイロの産地であることを確認したが、前回も今回もそこでは発見できなかった)
今回の撮影はサロマ湖に近い海岸である
ハマエンドウで吸蜜するところを長い間待機した後、ゲットすることができた
特に飛び立つところを400ミリの望遠で捉えた2枚目の写真はナイスショットと思っている
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ジョウザンシジミ
ジョウザンシジミは北海道固有の蝶
発生は基本的には5月でキリンソウなどの食草がある岩場で見られる
2007年6月が初対面だが、それまでにあちこちの林道の岩場を探して回った
今回、丸瀬布の林道を歩いている時にこのジョウザンシジミと再会した
北海道にはヤマトシジミがいないので飛んでいる時はヒメシジミかアサマシジミと思ったが、地面に降りてくれたのでジョウザンシジミと確認することができた(裏面は後翅に鮮明なオレンジの亜外縁があり、前翅にはほとんどオレンジがない)
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アカマダラ
生態写真の欠点は対象物の大きさが表現できないことである
このアカマダラ、関東近辺にも多い普通種のサカハチチョウのそっくりさん(小型版)で写真ではなかなか見わけができない(白斑の位置・大きさなど微妙に差があるが)
北海道には両種が混在するので最初のうちは戸惑ったが、大きさがはっきり違うので目視では見た瞬間に識別できるようになった
昨年は7月中旬の遠征で夏型の写真を撮ったが、今年はアカマダラもサカハチチョウも春型だった
(2枚の写真は同じフィールドで撮影したものだが、上がアカマダラ、下がサカハチチョウだ)
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カラフトタカネキマダラセセリ
確か日本の蝶の和名で一番長い名前と記憶している(ふつうは略してカラタカと呼ぶ)
このカラタカには最初の北海道(東部)遠征で出会っており、その後あちこちで写真を撮っている
上高地など本州中部山岳に棲む希少種タカネキマダラセセリとよく似ており、カラタカのほうがはるかに小型だが、アカマダラのケースとは逆で北海道固有種(カラタカ)のほうがポピュラーで、北海道ならどこでも会える印象である
(2枚の写真は最初がオス、後がメス)
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カラフトヒョウモン
北海道には固有の豹紋蝶が3種類いる
アサヒヒョウモンだけは大雪山周辺の地域限定だが、カラフトヒョウモンとホソバヒョウモンの2種はかなり広い範囲で見ることができる
ただこの2種は発生時期がずれており、カラフトのほうが6月、ホソバは7月が最盛期となる
昨年はカラフトヒョウモンに出会わなかったが、今年はホソバヒョウモンを見かけなかった
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エゾシロチョウ
エゾシロチョウもれっきとした北海道特産種である
ただ、北海道では普通種で札幌の大通公園にも飛んでいる
2008年丸瀬布の林道を歩いた時は道路脇のアザミの花にエゾシロチョウが群がっていて、写真撮り放題でもうたくさんという感じだったが、今年は1頭しか見かけなかった
蝶の発生や植物の開花に関する限り、本州も北海道も今年は季節の進行が10日くらい遅いような気がする(梅雨入り、梅雨明けは早かったが)
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シロオビヒメヒカゲ
こちらも北海道限定版
最初の北海道遠征で出会った時は、裏面のオレンジ帯と白帯の色のバランスに魅入られてしまった
そのうち、この蝶も北海道内では普通種である事を認識したが、昨年(7月中旬)の北海道ではこの蝶に会うことができず、北海道の環境破壊を心から心配した
今年はあちらこちらで元気なシロオビに出会えたので、時期の問題だと解釈している
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フタスジチョウ
フタスジチョウは本州にも棲息しており、日光戦場ヶ原などではかなりの数を見ることができる
ただ北海道産のフタスジチョウは本州中部のものと比べて後翅の白帯の幅が著しく太いので、別種であるような錯覚を覚える
北海道では群れにならず1頭だけで単独行動をしているようなイメージがある
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ギンボシヒョウモン
こちらも北海道特産ではなく、本州の山岳地帯でも見られる
ただ北海道は数が多いので、個人的には北海道のイメージが強い
よく似ているウラギンヒョウモンも北海道では普通だが、発生の時期がギンボシヒョウモンより遅いせいか今年は見かけなかった
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コチャバネセセリ
これは全国区のセセリチョウ
ただ北海道の林道ではやたら数が多く、どこへ行ってもセセリチョウは(カラタカを除いて)本種ばかりだった
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ミヤマカラスアゲハ
丸瀬布の林道でミヤマカラスアゲハの集団吸水に何回か出会った
本州ではなかなか出会いのチャンスがないので最後の写真としてアップしておく
(クジャクチョウ、キベリタテハなど写真は撮影したが損傷した越冬個体ばかりで今年の蝶はまだ出ていないようだった)
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by mustachio | 2011-07-09 16:38 | Comments(0)


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