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還暦からのネイチャーフォト

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2011年 07月 27日

上信/7月の蝶(その2)

上信/7月の蝶(その2)

前ページからの続きです
蝶のシーズンだけあって撮影した蝶の約半数がタテハチョウ科でした
ヒョウモンチョウやコムラサキなどを見ると少年時代の夏休みが思い出されます
(時代が変わったので「昆虫採集」はタブーにしたほうがよいと思いますが)

コヒョウモンモドキ
ヒョウモンモドキの仲間は日本に3種類いるが、いずれも絶滅危惧状態になってしまった
それでもコヒョウモンモドキは長野の特定の場所に行けばかなりの数を見ることができるが、ヒョウモンモドキとウスイロヒョウモンモドキは日本の特定の場所にしかいなくなってしまった(ヒョウモンモドキのほうは最近まで長野・山梨で記録があるようだ)
さて、写真の蝶だが、どう見てもヒョウモンモドキに似ている
どちらの蝶も模様に個体差があるようで断定はできないが、ヒョウモンモドキですといっても通用するのではないかと思う
正直なところ、同一個体で翅の裏面が写った写真があり、どちらかといえば普通種のほう(コヒョウモンモドキ)と判定した
翅表写真から両者を区分するポイントがあればご教示いただきたい
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_17124328.jpg

サカハチチョウ
サカハチチョウが夏型に衣替えをしていた
と書くと正確ではない 夏型が発生していたというのが正しい
歩いた林道ではまだサカハチチョウの春型が多く、傷んだ翅でけなげに飛び回っていた
2世代共存の時期である
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_17203755.jpg

アカタテハ
発生が年2~3回、成虫越冬するので冬以外は1年中見られる蝶のような気がするが、どうも5,6月にブランクがあるようで7月は新鮮な個体が見られる
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_17291412.jpg

シータテハ
都会の蝶キタテハに似た蝶でこちらは山地性
どの程度棲み分けがなされているかは定かでないが、信州の高原で見るのはまずシータテハのほうだ
もともとキタテハよりスリムな蝶だが、秋型になるともっとスリムになる
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_17371876.jpg

クジャクチョウ
林道で多くのクジャクチョウが遊んでいた
道路にとまるのだが比較的乾いた場所が多く、吸水しているようには見えない
7月になるとさすがに世代交代が済んで越冬個体はいないようだ
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_1741121.jpg

ルリタテハ
タテハチョウと名の付く蝶は何となく勇ましいイメージがあって男の子に好かれる
一番かっこいいのはキベリタテハくらいかと思うが、普通の男の子には手が届かない
都会でも見られる普通種のタテハチョウとしてはこのルリタテハがチャンピオンと勝手に想像している
この蝶も夏の林道に多い蝶だ
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_1815466.jpg

コヒョウモン
このコヒョウモンとヒョウモンチョウは非常によく似ている
大きさもほとんど同じで棲息地域も重なる
コヒョウモンのほうが前翅外縁が丸みを帯びるなどといわれても、比較対照しなければフィールドでは区別がつかない
写真で判断するときは前翅表面外縁下部の黒点の形状をチェックすることとしている
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_18243382.jpg

ミドリヒョウモン
ヒョウモンチョウの中では代表格
つまり一番数が多いのではないかと思う
林道のノリウツギなど木の花に集まるし、路面で吸水していることもある
佐久近くの林道で数十頭のミドリヒョウモンが夕陽を浴びながら遊んでいた
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_1829412.jpg

ギンボシヒョウモン
このギンボシヒョウモンと次のウラギンヒョウモンもよく似ていて、注意して見ないと識別できない
ポイントは裏面のギンボシ(白い斑点)でギンボシのほうが白点列が1列少ない
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_1834585.jpg

ウラギンヒョウモン
6月の北海道ではギンボシヒョウモンがやたら多かったが、信州ではウラギンヒョウモンが優勢だった
こちらは白点列が5列あるのが写真でおわかりだろうか
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_18372189.jpg

ホシミスジ
ミスジチョウの仲間(英語名はセーラー)ではコミスジやミスジチョウが普通種でホシミスジは比較的数が少ない
ところが今年はホシミスジとの出会いが多く、ミスジチョウにはまだ会っていない(コミスジは普通すぎて印象に残らない)
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_1845725.jpg

フタスジチョウ
ミスジチョウより白帯が1筋少ないのでフタスジチョウ
割と希少種である
本州と北海道のフタスジチョウは亜種のレベルでは異種のようで、北海道フタスジチョウの後翅の白帯は本州のものよりはるかに太く、一見別種のように見える
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_18515212.jpg

コムラサキ
林道で一番多く見かけた蝶はコムラサキかもしれない
コムラサキはある角度から見ると翅表の紫が光って輝く(上信/7月の蝶のタイトルに使った写真もきれいに輝いている)
ところがどの角度から見ても光らない個体がある
それはメス オオムラサキも同様だが、メスは美しくないのが昆虫界の常識になっている
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_22145774.jpg

クロヒカゲ
連続してブログに登場するのがクロヒカゲ
要するにクロヒカゲモドキの撮影を狙って類似のクロヒカゲの写真が撮れてしまうからだ
今年もクロヒカゲモドキの写真が撮れそうもないので、これからもクロヒカゲの登場が続くかもしれない
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_22194681.jpg

ヒメキマダラヒカゲ
上信蝶ツアーの最終出演者はヒメキマダラヒカゲ
高峰山の登山道にたくさん飛んでいた
どこにでもいる蝶ではないが、長野県の山に登ると必ず会えるし、会うと楽しい蝶だ
上信/7月の蝶(その2)_b0144049_22302857.jpg


by mustachio | 2011-07-27 17:44 | Comments(2)
Commented by ダンダラ at 2011-07-28 18:31 x
先日はお疲れ様でした。
コヒョウモンモドキの写真がヒョウモンモドキに似ていると言うことですが、実際に見てみるとかなり違います。
どこが明確に違うかというと、後翅の外側から2列目の茶色の部分がヒョウモンモドキでは明らかに他の部分より長くなって、この写真のように他の列と同じ位の大きさと言うことはありません。
また、形状もかなりちがって、四角の窓のようにはなりません。
また、♀では中に黒点を生じるので明らかに区別できます。
Commented by mustachio at 2011-07-29 16:52 x
ツマジロではたいへんお世話になりました ありがとうございました
ヒョウモンモドキは後翅外側から2列目が他の列より長いということですね(図鑑を確認しました)
ヒョウモンモドキのほうを見るチャンスが早く来ればいいと思っています


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