還暦からのネイチャーフォト

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2012年 03月 02日

カナダの冬鳥(3)

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カモメ (Mew Gull)
水鳥としてはカモメとカモが残ったので、まずはカモメの仲間から入ることとしたい
トップバッターはカモメ
たくさんあるスミレの仲間の中に「スミレ」という種があるように、カモメの仲間にも「カモメ」という種類がある
カモメの仲間は種類が多いうえにお互いによく似ているので識別が難しい
標準的なカモメではカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメが識別できれば、一応バードウォッチャーを名乗ってもいいと思う(私個人としては自信がない)
さて、そのカモメだが背中の灰色が薄く尾は白い 脚は黄色 クチバシも黄色で目立った班がない
日本の「カモメ」とカナダの「カモメ」は亜種レベルで異なるようだが、その識別まではできない
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ワシカモメ (Glaucous-winged Gull)
現地では一番数が多かったのがこのワシカモメ
北アメリカの西海岸からシベリアの東部まで北太平洋の限定種だが、日本でも北海道・東北地方では普通に見られる
カモメは生まれてから少しずつ羽の色が変わっていき、1年目、2年目、3年目までは茶色で4年目位にいわゆるカモメらしい成鳥になることが多い
ワシカモメの特徴は翼の先(初列風切り羽)が黒くないことなのだが、幼鳥ではそれがわからない
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カナダカモメ (Thayer's Gull)
カナダに行けば普通にカナダカモメが見られるという先入観があったが、そんなことはなかった
多くのカモメの中からやっと見つけて撮った写真である
クチバシや脚の色などの特徴はセグロカモメに良く似ているが、小型で脚が短く、クチバシも小さく頭が丸いなどのはっきりしない(抽象的な)識別ポイントがある
日本でも千葉の銚子港には毎年来ているようだ
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クロワカモメ (Ring-Billed Gull)
クチバシに黒い輪の模様があるのでわかりやすい
北アメリカ全体に広く分布するようだが日本には記録がない
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シロカモメ (Glaucous Gull)
Glaucous というのは緑灰色(淡緑青色)を表す形容詞のようだ
北極圏のカモメだが、近い種類のワシカモメよりは棲息域が広くアメリカ以外にユーラシアの北部にも広く分布するらしい
冬には南下してくるための日本でも見ることができる
北の国には白い鳥が良く似合う
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マガモ (Mallard)
マガモは国際的普通種
さすがに熱帯地方では見かけないが、アジア・ヨーロッパ・アメリカやオーストラリアでも見ることができる
バンクーバーの公園にもたくさんのマガモがいた
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オナガガモ (Northern Pintail)
こちらのオナガガモもマガモと双璧をなす国際的普通種(それでもオナガガモは北半球限定のようだ)
ただ今回のカナダではあまり見かけなかったように思う
最近はだいぶ減ってしまったが昔は近所の石神井公園にウジャウジャといたので、シャッターを切る気がしなくなってしまっている
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アメリカオシ (Wood Duck)
オスのオシドリに関しては東洋のオシドリ (Mandarin Duck)とアメリカオシとは全く印象が違う
配色などは良く似ているのだが、顔つきが違うので西洋人と東洋人の差以上に別種の印象が強い(人間のほうは確かに両方とも同一種だ)
それでもメスは両種とも全く同じような顔をしているのが面白い
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アメリカヒドリ (American Wigeon)
アメリカつながりで次はアメリカヒドリ
こちらは新大陸(アメリカ)と旧大陸(ユーラシア)でヒドリガモと棲み分けている
ユーラシア系のヒドリガモ(オス)は顔が赤茶色だが、アメリカヒドリは目から後方にマガモと同色の緑色の帯が入る
それでも額から頭頂にかけてのクリーム色や灰色のクチバシは両種共通だ
日本でもヒドリガモの集団にアメリカヒドリが紛れ込んでいることもあり、両種の交雑種も増えてきているようだ
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アメリカコガモ (Green-winged Teal)
もう一つ名前にアメリカのつく鴨はアメリカコガモ
ただしこちらは亜種レベルの区分で日本(世界中)にいるコガモと同じ種である
ヒドリガモと同様、日本のコガモの中にアメリカコガモが紛れ込んでいることがあって、熱心なバードウォッチャーはコガモの群れを1羽1羽観察している
ところでコガモとアメリカコガモの相違点が面白い  形も色もそっくりなのに体の側面にある白線が、コガモは横(水平)、アメリカコガモは縦(垂直)なのだ 自然界にはジョークのような事象が起こるものだと感心してしまう
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ホオジロガモ (Common Goldeneye)
どちらかというと海の鴨の印象が強いが、日本でも普通に見られるグローバルな鴨である
特徴はクチバシの付け根にある大きな白い円形斑でこれが「頬白」の由来だ
英名では目の色がテーマでゴールデンアイと名付けられている
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キタホオジロガモ(Barrow's Goldeneye)
極めてまれな迷鳥として日本の図鑑にも登場するが、こちらは北米限定種だ
金色の目以外は白と黒の2色刷りである点はホオジロガモと共通だが、「頬白」の部分が円形ではなく縦長である
バンクーバーではキタホオジロガモの群れが海に浮かんでいて、外国に来ていることを強く意識させてくれる
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スズガモ (Greater Scaup)
日本でも大群が海に浮かんでいるのを見ることができるスズガモ
北半球限定だがヨーロッパ、アジア、アメリカ共通の普通の海鴨である
良く見るとスズガモもホオジロガモのようにゴールデンアイなので感じが似ているが、スズガモのほうは頭から胸まで真っ黒で、嘴は灰色である(もちろん頬は白くない)
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コスズガモ (Lesser Scaup)
コスズガモは北アメリカ特産種  夏はカナダなどで繁殖し、冬は中央アメリカ方面へ渡る
日本でも記録があり、家内の話では6~7年前に上野の不忍池で撮影できたという
スズガモにそっくりな鳥で、いることがわかっていれば話は別だが、最初の発見者はどうして判別できたのだろうか不思議に思う
ちなみにスズガモとの識別ポイントは頭の形で、スズガモのほうは頭が丸く額も前に突出する感じだが、コスズガモのほうは後頭部に断崖絶壁のような角ばった感じのする部分がある
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オオホシハジロ (Canvasback)
茶と黒とグレイの3色からなるホシハジロも旧大陸と新大陸を棲み分けている
日本にいるのはもちろんユーラシア系のホシハジロ
アメリカ大陸にはアメリカホシハジロとオオホシハジロが棲んでいるが、今回の撮影行ではアメリカホシハジロとの出会いはなかった
オオホシハジロは大きく顔もクチバシも長いので見た目がホシハジロとはだいぶ違う
ホシハジロとオオホシハジロの共通点は目が赤いことで、今回見られなかったアメリカホシハジロはホシハジロによく似ているが目が黄色い
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ヒメハジロ (Bufflehead)
ヒメハジロも基本的にはアメリカのカモだが冬鳥として日本に飛来することもあり、特定の場所に行けば日本でも見ることができる
顔(頭部の前面)、胸、背中が黒で頭とお腹が白というデザインで遠目にもよlく目立つが、実は顔の部分は真っ黒ではなく緑と紫の光沢を持つ
この光沢は順光でないと確認できないが1枚目の写真はきれいに色が表現されていて美しい
メス(3枚目の写真)はホオジロガモに似たデザインで、これもまた面白い
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ビロードキンクロ (White-winged Scoter)
Scoter はクロガモのことで羽に白色部分のあるキンクロハジロ
Velvet Scoter という英名もあるようで日本名はこちらから来ているようだ
日本でも結構姿が見られるがたいてい沖合に浮かんでいるのでアップの写真は撮れない
特徴は目の周りにある白斑で、吊目状に後方が跳ね上がっているため我が家ではツリメキンクロの異名を持っている
今回はツリメ君に間近でお目にかかり、アップの写真を撮ることができた
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クビワキンクロ (Ring-necked Duck)
真っ黒な頭と胸の境に褐色の首輪があるというがほとんど目立たない
これも北アメリカの鳥でユーラシアのキンクロハジロと棲み分けている
日本にも普通のキンクロハジロは後頭部にちょん髷(冠羽)があるが、クビワキンクロにはなく、特徴はクチバシの基部と先端にある白線である(それ以外の黒と白の羽模様は両者全く同じである)
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アラナミキンクロ(Surf Scoter)
英名は波乗りクロガモでまさにサーファーそのものである
ビロードキンクロによく似ているが白斑がクチバシの周り、額、首の後と身体の中央部に配置されているので印象は全く違う
こちらはアメリカのカモだが日本にも飛来することがあるようで日本の図鑑には載っている
もちろん日本では見たことがなくて今回のバンクーバーで初対面
群れをなして海に浮かぶ姿はキタホオジロガモとともに忘れることができない
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by mustachio | 2012-03-02 12:02 | Comments(0)


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