還暦からのネイチャーフォト

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2013年 06月 21日

草間台地のゼフィルス

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草間台地は岡山県西北部、現在では新見市に属する石灰岩でできた台地いわゆるカルスト台地である
30数年前仕事で倉敷に住んでいた頃、当時小学生だった子供たちを連れて家族で良く遊びに行った場所である
井倉洞や満奇洞などの鍾乳洞があり、当時は一面に桃畑が広がっていた
その草間台地で念願のウスイロヒョウモンモドキに対面したのは既にご報告済みだが、その前後にナラガシワ中心の林を探索し、ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)を探した

ヒロオビミドリシジミ
今回の旅行のターゲットは一にウスイロヒョウモンモドキ、二にヒロオビミドリシジミというところだった
ヒロオビミドリシジミはウスイロヒョウモンモドキほどの希少種ではないが中国山地固有種で他の地域では出会うことはない
リタイア後蝶の写真撮影を始めてから北海道や沖縄南西諸島などを巡り地域の固有種を探索してきたが、中国山地は後回しになってしまっていた
そのためヒロオビミドリシジミが未撮影で残ってしまい、今回が初対面ということになった
食樹はナラガシワ
表面は他のミドリシジミのように(オスは)金緑色に輝き、裏面は灰色でこれも他のミドリシジミのように白帯を持つがこれが幅広くしかもくっきりしている(白帯の内側の暗色帯がドロップシャドウ効果を発揮する)
発生の時期もピッタリだったようで当日はたくさんのヒロオビに出会うことができた
裏面が灰白色で明るく見えるのがオス、少し赤茶色がかかっているのがメスである
ただ残念なことがあって当日気温が高かったせいか開翅のシーンに出会えない
たまたま同行の家内がコンパクトデジカメで写した写真が1枚あり、自分の撮影写真限定という個人的ルールを破って掲載させてもらうことにした(4枚目の半開翅の写真がそれである)
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ウラジロミドリシジミ
そのヒロオビと同じナラガシワの林に棲むのがウラジロミドリシジミである
もっともこの蝶がナラガシワを食樹とするのは西日本で、東日本では普通のカシワが食樹となる
60年近く前、中学3年か高校1年のころ榛名高原のカシワ林でこのウラジロミドリを採集し、多数標本を持っていたのはまだ記憶に残っている
リタイア後はこの蝶をなかなか見つけることができず、たしか3年前に蝶写真ブロガーDさんのお伴で長野県へ遠征し初めて本種を撮影した時の感動も記憶に新しい
草間台地では両種が混在し、ツーショットの写真も撮れているが、数はヒロオビのほうが圧倒的に多く大きさもウラジロのほうがだいぶ小振りだった
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クロミドリシジミ
草間台地のもう一つのミドリシジミ類がこのクロミドリシジミ
ただこちらはオスの翅の表面がミドリ色ではなくメスと同じように黒褐色である
ネーミングに異論を唱えたいところだが、翅裏を見るとミドリシジミとクロミドリシジミはそっくりなのだ
個人としては山梨県韮崎でクロミドリシジミの写真を撮っており、ホームページにもアップしているのだが、撮影時にその個体の翅の表が確認できておらず、もしかして違うのではないかと一抹の不安を抱いていた(撮影場所がミドリシジミの棲息環境ではないので一応自信はあるのだが)
今回は間違いなくクロミドリシジミと確認できた蝶の写真が撮れたので、ホームページは一部差し替えを行いさっぱりした気持になることができる
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ウラナミアカシジミ
蝶に興味のない方はご存じないと思うが、タイトルに使ったゼフィルス(略してゼフ)はミドリシジミ属(亜属)の総称、もともと西風を意味する言葉である
ミドリシジミ属といってもすべてが金緑色に光るわけではなく、アカシジミのグループも、翅表が黒褐色のオナガシジミのグループもあるが、6,7月の梅雨の時期に発生し、林縁で生活する比較的大型のシジミチョウである点は共通項だ
草間台地はそれほど標高が高いわけではないので、平地性のゼフが多く、アカシジミの仲間ではこのウラナミアカシジミとアカシジミが見られた
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ウスイロオナガシジミ
草間台地でのこの蝶との出会いは全く予想外だった
分布域はほぼ全国的だが絶対数が少なく、今までに2度しか出会いがなかった蝶である
場所は2度とも群馬県側の浅間山麓で、不思議なことに食草のナラ系の植物が近くにない林であった
そのウスイロオナガシジミが数多くいて次項のミズイロオナガシジミと混在しているなどということは全くイメージできなかった
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ミズイロオナガシジミ
こちらは関東でも「平地性ゼフィルスの代表種」
中学生時代は梅雨時に小田急線の向ヶ丘遊園あたりまで繰り出すと雑木林にこの蝶が群れ飛んでいたものだ
東京近辺でも狭山湖周辺などに姿が見られるが、雑木林の激減に比例して平地性ゼフィルスが減っており、無神経な開発(自然破壊)行為の犠牲者となっている
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by mustachio | 2013-06-21 17:32 | Comments(0)


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