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還暦からのネイチャーフォト

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2013年 07月 10日

中越散策2013

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ここ5~6年の話ではあるが、毎年一定の時期に一定の場所を散策する習慣がついてしまっている
もともと蝶や鳥の写真撮影に出かけた場所が、自然豊かなフィールドで特定の種類の蝶や鳥以外に季節の自然を楽しめるからだと思う
たとえば4月の国上山、5月の白馬などがそのパターンなのだが、6月に新潟の中越地方を散策するのもここ数年定着した習慣になったようだ
去年は6月26日、今年は6月24日と同じような時期に同じような場所を歩いている
もともとはチョウセンアカシジミのポイントで、過去にウラキンシジミも撮影し、ウラクロシジミを撮影しそこなった場所なので、本心はこれらの蝶に会いに行くわけだが、他にトンボの種類が多く、鳥もアカショウビンの声が良く聞こえる素晴らしいフィールドである
ただウラクロシジミのタイミングには2週間ほど遅いようで、今年もウラクロシジミとの再会はなかった
(この蝶は場所によっては6月初旬から発生し、逆に7月下旬ごろが最適のフィールドもあってタイミングを合わせるのが難しい)


チョウセンアカシジミ
チョウセンアカシジミは比較的寿命(成虫生存期間)が長い蝶のようで、今年もいつものデワトネリコの木に何頭かの姿が見られた
翅もそれほど傷んでおらず元気な姿を見せてくれたので今年も一安心というところである
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オオチャバネセセリ
中越のサイトでこの時期必ず出会うのが、オオチャバネセセリだ
イチモンジセセリのように後翅裏面の白点列が整然と並んでおらず、多少バラバラ感があるところが気に入っている
羽化したばかりの新鮮な個体で美しい毛並み(麟粉並み)が魅力的だ
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ウラギンヒョウモン
栗の花にウラギンヒョウモンが集まっていた
オオウラギン、ウラギン、ギンボシとウラギンヒョウモン三兄弟のうち、もっとも普通なのがこのウラギンヒョウモンで沖縄は別として日本全国どこでも見られる
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ウラギンスジヒョウモン
こちらもヒョウモン類の中では代表的な普通種
さすがに都会地にはいないようだが、子供の頃高尾山方面に遠征すると必ず採集できた(今では都会地でもかっての希少種ツマグロヒョウモンがいくらでも採集できるが)
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キアゲハ
キアゲハはアゲハチョウとともに全国区の蝶
ただ、われわれが子供の頃は都内の住宅地にも普通だったのに、今では農村や高原の蝶になってしまった
(アゲハチョウのほうは今でも我が庭の定期訪問者であるが)
キアゲハの幼虫は黄緑と黒の縞模様でインパクトが強く、子供の頃庭のウイキョウ(フェンネル)の葉を食べていたのを覚えている
そういえばこの幼虫の食草はセリ、ミツバ、パセリ、セロリ、ニンジンなどサラダの材料ばかり
都会的なセンスがあるのに都会から消えてしまったのはなぜだろうか
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ルリシジミ
蝶の写真を撮りに出かけると必ずといってもいいほど良く出会うシジミチョウ
数が多いわけではないが、いろいろなところに飛んでいて、1~2回はなんとなくシャッターを押しているから不思議だ
(南のほうへ行くと珍しいルリシジミの仲間がいるので必ず写真を撮ることにしているが、東のほうでは近似種はスギタニルリシジミくらいしかいない)
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テングチョウ
そういえばこのテングチョウも全国区だ
東京でも武蔵村山など狭山湖周辺には数が多く、時によっては群れをなしている
食草のエノキが健在である限り、今後も数は減らないような気がする
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イナゴ
見附市のチョウセンアカシジミのフィールドは5年通ったことになるが、少しずつ環境が変わってきている
年を追うごとに休耕田が増えているのだ
自分自身も年をとってきているので、農作業従事者の方は相変わらず同年輩に見えるが、水を入れる田のほうは着実に減って来ているのがよくわかる
フィールドにはまだたくさんのイナゴがいるが、田んぼが消えてしまったら彼らはどうなるのだろうか
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ムカシヤンマ
トンボは好きな昆虫の一つだが、さすがに名前はごく一部しか覚えきれていない
帰宅してから図鑑をチェックして、写真を撮ったヤンマがムカシヤンマという比較的珍しい種類であることが判明した(形態に原始的特徴が残されているのでムカシヤンマというそうだ)
その希少種のヤンマが同行の家内の腕にとまって遊んでくれた
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コサナエ
サナエトンボは5月の早苗の時期(つまり田植えの時期)に出現する比較的小型のヤンマの総称だと思っている
結構種類が多くて識別が難しく、とても覚えられない
毎年同じ場所でであうこのサナエトンボは図鑑によればコサナエのようだ
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シオカラトンボ
このトンボはすぐ名前がわかる
子供の頃の遊び仲間だからだ
子供たちはオスをシオカラトンボ、メスをシオカラトンボと区別していたが、種名はオスの名前に統一されている
そういえば、昔東京の街中を飛び回っていたトンボたちが都会から完全に姿を消してしまった
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ハラビロトンボ
オスもメスもシオカラトンボに似ているが胴体の太さは変わらないのに小型化しているためスタイルは良くない
おそらくハラビロトンボだろうと思うが、トンボの同定には今一つ自信がないので間違っていたらご指摘いただきたい
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アキアカネ
いわゆる赤とんぼのことだが、この時期は赤みが少なく、暑さを避けて山里などでひっそりと暮らしている
アキアカネはけして秋に発生するトンボではない
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ノシメトンボ
早とちりというか、翅の先端が黒褐色の赤とんぼはすべてノシメトンボだと思い込んでいたが、図鑑によればコノシメトンボやリスアカネも同じような翅なのだ
下の写真からは判定が不可能だが、たまたま今回は別の写真からノシメトンボであることが確認できた
写真を撮るときは顔面の様子、胸の部分の模様などはっきり写しておかないと同定ができない
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ニホンカワトンボ
カワトンボの仲間は以前ニシカワトンボ、ヒガシカワトンボに区分されていたが、ヒガシカワトンボがニホンカワトンボに昇格したようだ
同じ種類でも翅が透明なものと褐色のものがあって紛らわしい
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オオイトトンボ
イトトンボは種類が多くてなかなか覚えられないが、このトンボは比較的大型で色彩も鮮明なためわかりやすい
今回のフィールドにも健在であるが、これから田んぼが休耕田化すると彼らの運命はどうなるのだろうか
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ドクダミ
毎年この時期にこの場所へ行くと必ずドクダミが咲いている
昨年の中越散策というブログにはドクダミをアップしていないが、結構きれいな花なので今年は写真を撮った
(写真にはちょっと気になる臭いは表現されないので)
植物に詳しい方はご存じだが、白い4枚の花びらは花弁ではなく、ミズバショウと同じように苞である
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ケキツネノボタン
特徴のある実の形が飾りボタンをイメージするので「キツネのボタン」だと思っていたら、葉の形が牡丹に似ているので「キツネの牡丹」だそうだ
茎に毛が生えているのがケキツネノボタン、無毛のほうがキツネノボタンである
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トウバナ
現地で撮影して時はシソ科の花であることはわかっていたが名前を思い出せなかった
帰宅後の確認ではトウバナ(塔花)である
年をとると記憶力が低下するので、リマインドの繰り返しが必要になる
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ハハコグサ
ご存じの方もいらっしゃるはずだが、春の七草のひとつ「ゴギョウ」(別名オギョウ)である
全体に白い毛が覆っていてホオコグサがハハコグサに変わったといわれるが、このネーミングは納得がいかない
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ミゾカクシ
溝を覆い隠してしまうほど広がるのでミゾカクシというが、実際にはそれほど群生するのを見たことがない
ただ毎年このフィールドに咲いているのは事実で、昨年も写真を撮っている
この植物は休耕田に生えるのが特長だそうで、毎年数が増えて本当に「溝隠し」になってしまうかもしれない
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シモツケ
シモツケは普通野草図鑑に載っていない
草本でなく、木本植物だからだ
5年前のまだ田んぼに苗がある頃から同じ畦道に毎年姿を見せる花なのだが、今年は休耕田の畦の花になってしまっていた
この鮮やかなピンクだけはこれからも毎年再現し続けてくれると思うが......
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by mustachio | 2013-07-10 20:55 | Comments(0)


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