還暦からのネイチャーフォト

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2013年 08月 07日

蝶ヶ岳の花たち(1)

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北アルプス「蝶ヶ岳」登山は、我々夫婦の今年の最大のターゲットテーマであった
実は、昨年も計画したのだがスキーで痛めた家内の脚が十分回復せず、見送ってしまった
登山の目的は高山蝶「タカネヒカゲ」の撮影である
タカネヒカゲは完璧な高山蝶で、車で登れるような簡単な山には棲息しない
逆に、北アルプスや八ヶ岳など特定のポイントに行けば普通に見られる蝶である
50年前の大学時代、友人たちと立山から槍ヶ岳まで北アルプスを縦走したが、その時は手づかみでタカネヒカゲを取り、写真(モノクロのフィルム)も撮影している

リタイア後、日本の蝶の写真200種(現在は239種まで撮影済み)を初めてから、2回ほど白馬大池に挑戦して連敗、次は確実に「蝶ヶ岳」を狙って撮影計画を立てていた
問題は自分と家内の体力  何分にも標高差が1100メートルあるので、ある程度トレーニングも必要である
特に70歳を過ぎてからは1年ごとに条件が厳しくなり、今年は最後のチャンスかと覚悟していた

そして今年の7月29日、家内と二人上高地の徳沢を出発し、1100メートルへの挑戦が開始された
ところがその日は朝から雨、東北地方に居座った梅雨前線に沿って雨雲が移動し、最悪のコンディションとなった (ちょうど韓国の登山パーティーが中央アルプスで遭難した「その日」である)
徳沢から蝶ヶ岳まで水平距離はわずか6.2キロ   平地なら1時間で歩ける距離であるが標高差1100メートルはきつい
特にこのコースは最初から急な登りが4.4キロ続く  雨で登山道は濁流が渦巻く「沢登り」状態
結局スタートからゴールまで飯も食わず座りもせず、ずぶぬれで歩き通してなんとか6時間の行程を無事走破し、標高2677メートルの蝶ヶ岳山頂に到達した

翌日7月30日、山小屋(蝶ヶ岳ヒュッテ)で夜明けを迎えたが雨は止んでいない
それでも7時ごろから降ったりやんだりの状態まで改善されてきたので、タカネヒカゲ探索に出かけた
ところがポイントのハイマツゾーンに姿を現さない
タカネヒカゲはハイマツにたまる水滴や地面で吸水する傾向があり、2時間ほどハイマツの周辺を探し回ったが、目撃は1回だけ    それもハイマツの連続した茂みの20メートルほど先ですぐ茂みに中に隠れてしまった
結局昨日からの大雨が原因でタカネヒカゲは吸水不要で活動休止状態、ハイマツの中に隠れたままらしい

もう1日待って天候が回復するのが確実なら連泊することも考えたが、山小屋のテレビの天気予報の情報もはっきりせず、今回は撤退ということで涙をのんで捲土重来を期すことにした

そんな訳でブログタイトルが「蝶ヶ岳のタカネヒカゲ」にはならなかったが、タイトルの通り高山植物だけは十分堪能することができた
そして最大の収穫は自分も家内も1100メートル標高差をクリアできたという達成感である
実をいうと下りの1100メートルは登りよりもきつかったが、来年も再挑戦というターゲットができたので、今回は高山植物の写真で我慢いただき1年後をご期待いただきたい

蝶ヶ岳の環境と鳥たち
蝶ヶ岳山頂のすぐ下にヒュッテがある
この山は常念岳のすぐ南側にあり、晴天ならば西側眼前に穂高連峰が見える
当日は雲の晴れ間から一部を覗くことができた
鳥は高山鳥の世界、重いのを覚悟で持って上がった望遠レンズでホシガラスとカヤクグリを撮影することができた
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タカネヤハズハハコ
掲載順は図鑑(分類)順としたい  トップバッターはキク科、この花はハハコグサの仲間で写真を撮るのは初めてではないかと思う
花が咲く少し前なのが残念だが、このピンクはなかなか魅力的である
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ウサギギク
こちらは高山植物の常連だ
この大きな黄色い花を見かけると自分が高山に来ていることを意識できる
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ミヤマコウゾリナ
黒色の筒状総苞と葉の形状からミヤマコウゾリナと判定した
ミヤマコウゾリナの仲間はグローバルだが日本では1種、固有種となっている
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イワギキョウ
前夜の大雨に痛めつけられて一見ホタルブクロ状態だが、イワギキョウである
良く似た仲間にチシマギキョウがあるがこちらはもう少し毛深い
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ヨツバシオガマ
ヒュッテの周りにはヨツバシオガマが多かった
数が多いと写真撮影がいい加減になってしまい、あまりいい写真が撮れなかった  反省
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エゾシオガマ
久しぶりに出会った黄色いシオガマ  名前はエゾシオガマだが北海道特産種ではなく、中部地方でも普通に見られる
同じ黄色いシオガマでもキバナシオガマは北海道大雪山限定だ
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ツマトリソウ
山頂ではなく山の中腹(厳密には行程半ばの長塀山の山頂付近)で見かけた
前回白根山にもたくさんあったのでカットも考えたが、蝶ヶ岳では他にサクラソウ科の花がなかったので載せることにした
高山ではたいていサクラソウを見かけるのだが.......
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ハクサンシャクナゲ
シャクナゲはキバナシャクナゲではなく、ハクサンシャクナゲのほうだった
穂高連峰をバックにいい写真と思ったが、前夜の雨でかなり花が傷んでいた
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アオノツガザクラ
同じツツジ科でも大きさが全く異なる小低木
確かに花はドウダンツツジに似ている
このアオノツガザクラは北海道(大雪山系)に多かったという印象が強い
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コケモモ
もう一つのツツジ科はコケモモ  タカネヒカゲを探した岩礫地にこのピンク色が目立った
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コイワカガミ
それほど高い山でなくとも出会える花  時期的には春の花だと思うが蝶ヶ岳では満開だった
雨上がりのせいか濃厚なピンクが印象的だった
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ハリブキ
フキという名前だがフキの仲間(キク科)ではなくウコギ科の植物
花は地味だが、葉に針を持つのが特徴で、人の目は普通針のほうへ行ってしまう
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オオバキスミレ
今年(5月)北海道の朱鞠内湖で群落に出会った黄色いスミレ
高山では2~3ヶ月遅れでシーズンを迎えていた
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オトギリソウ
高山植物であるシナノオトギリとオトギリソウは種が異なる
区別ポイントは葉や花弁の油点というが、どうもピンとこない
写真の花は低山で見るオトギリソウと同じように見えるので、オトギリソウと推定している
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ハクサンフウロ
山で見かける普通の花なのだが蝶ヶ岳では少なかった
数が少ないとローズピンクは良く目立つ
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ミヤマキンバイ
高山の黄色い花にはバラ科とキンポウゲ科に似たような花があって、なれないと区分が難しい
この花は葉の形状がミツバツチグリやキジムシロなどの仲間によく似ているので、バラ科のミヤマキンバイとわかる
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ミヤマダイコンソウ
こちらもバラ科の黄色い花  葉の形が丸いので識別は易しい (名前のダイコンのイメージはないが)
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ベニバナイチゴ
イチゴといっても木イチゴに近い木本の花だ
写真では深紅の花に見えるが、見た目の印象は黒い花である
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by mustachio | 2013-08-07 20:45 | Comments(0)


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