還暦からのネイチャーフォト

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2014年 07月 06日

会津のキマダラルリツバメ

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7月1、2日と東北道・磐越道ルートで福島県西会津地方へ出かけた
東京から距離にして300キロ、撮影ターゲットはキマダラルリツバメという蝶である
この蝶の幼虫はハリブトシリアゲアリという蟻と共生(蟻から餌をもらい、蟻は幼虫から分泌する蜜をなめる)するという特異な習性があり、この蟻は桜、松、桑、柏、桐などの古木に巣をつくる
西会津の柳津、三島などの町は伝統的に桐たんすや桐下駄などを作る桐の町で集落周辺には桐林が多いため、そのキマダラルリツバメが棲息する

この蝶の主な活動時間帯は夕方なので深夜の帰宅を許容すれば十分日帰りも可能なのだが、何分70歳を超えると往復600キロの運転はきつい
夜は柳津温泉にとまり日本旅館で郷土料理と酒を楽しんで、翌日は新潟の小出(魚沼市)までの一般道100キロをゆっくりドライブして関越道経由の帰宅となった

柳津~小出ルート
会津坂下から新潟・小出までのルートは国道252号線
只見川沿いに上流方向へ走り、田子倉ダムからは新潟に入って破間川沿いに小出へ下る
このルートと並行してJR只見線が走っているのだが2011年7月の豪雨被害で不通となった後、会津川口と只見の間が復旧していない(もともと赤字路線で利用者が少ないため高額な復旧費用が負担できないようだ)
道路のほうは良く整備されていて走りやすかったが、これは気候の良い時期だけの話で豪雪の冬場は通行困難になるようだ
柳津には日本三大虚空藏尊の一つである福満虚空藏尊圓藏寺があり、途中金山の沼沢湖や只見川に造られたいくつもの大型ダムなど見どころの多い楽しいドライブウエイである

植物のほうは初夏に入って花は目立たなくなってしまったが、ヤマブキショウマやシモツケソウなどが見られた
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キマダラルリツバメ
後翅1枚に2本、合計4本の尾状突起を持つ不思議なシジミチョウは、中学・高校時代、一つのあこがれであった
このキマダラルリツバメに初めて出会ったのは9年前、会社生活をリタイアして蝶の写真を撮り始めてから比較的早い時期であった
当時長男家族が勤務の都合で京都にいてそこを足場に京都観光をしたものであるが、6月下旬南禅寺近くの「哲学の道」という観光客の多い小道の脇のヒメジョオンの花でこの珍蝶を発見したのである
もともと南禅寺には桐(もしかして桜だったかもしれない)の古木があり、そこにキマダラルリツバメが発生するという記録を情報としてインプットしてあったのでマクロレンズは持っていたが、もちろん南禅寺境内で見つけることはできなかった
その後京都観光散策の途中での出会いは全くの偶然で、日没直前の悪条件の中、何枚かの写真をものにすることができた
それから9年、日本の蝶の写真もだいぶ整備されてきたので、関東近辺では出会いの可能性が高い西会津地区にチャレンジすることにした次第である

情報はしっかり入手するが人の案内に従うのでなく自分で探すことを原則(もちろん例外もあり、過去にサイトをご案内いただいた方には十分感謝しております)としているので、全く初めての地域であったが、今回は空振りではなく無事にキマダラルリツバメと再会した
この地域には候補地がいくつもあるのだが「桐の木があってヒメジョオンなどが咲き乱れる空間」を根気よく探せば見つけることができる
ただ時間帯としては夕方4~5時がベストで午前中は全く見つけることができなかった

もう一つ残念なことは(本来7月上旬でもまにあうはずなのに)今年は発生が速かったようで若干破損が進行して尾状突起4本がそろっている個体が見つけられなかったことである
(採集者が入ってごっそり採って行ってしまったことも十分考えられる 三島町では天然記念物指定であり周辺も含め「採集禁止」を徹底すべきだ)
何年か後に再挑戦も考えているが、それまでキマダラルリツバメが生きながらえてくれることを願うばかりだ
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ヒメジャノメ
けして珍しい蝶ではないのだが個人的には縁が薄く、栃木県のあるポイント以外では初めて出会ったような気がする
類似種のコジャノメは完全に普通種で数も多いため確認不十分で見落としているのかもしれない
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ダイミョウセセリ
ごく普通種のセセリチョウ
東京の我が家にも来ることがある
見た感じも分類も全く異なるがススキの葉にとまってテリトリーを張る行動などキマダラルリツバメによく似ている
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オオチャバネセセリ
もう1種のセセリチョウは普通種のイチモンジセセリではなくオオチャバネセセリのほうだった
イチモンジセセリはやはり「秋の蝶」なのだろうか
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キアゲハ
キマダラルリツバメを探した部落周辺では全くアゲハ蝶を見かけなかった
このキアゲハは帰路、沼尻湖畔で見かけた
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ヤマトスジグロシロチョウ
スジグロ蝶もヤマトスジグロシロチョウだった
東京近郊から離れるとスジグロシロチョウより多いのかもしれない
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キタテハ
キマダラルリのいそうな草原にはキタテハが多かった
シャッターはほとんど押していない
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クジャクチョウ
タテハの仲間ではクジャクチョウがいた
ちょっと意外だったのが栗の花で吸蜜していたこと
この蝶は高原の蝶のイメージが強く高山植物での吸蜜シーンは絵になるが、栗の花はミスマッチの印象である
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ミドリヒョウモン
金沢の医王山でやたら多かったミドリヒョウモンも数多く見られた
ここではカップルの写真だけをアップしておく
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ウラギンヒョウモン
この仲間はギンボシヒョウモンではなくウラギンヒョウモンだった
長野県や北海道ではギンボシヒョウモンが多いのだが、分布地図を見ると福島県はウラギンヒョウモンの天下のようだ
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メスグロヒョウモン
もう1種の豹紋はメスグロヒョウモン
東京でも武蔵村山などでは見られるが数が多い蝶ではない
最初に見つけたのは栗の花で吸密するメスのほう、ヒメジョオンに来ているオスは最初ウラギンスジヒョウモンかと思ったが良く見るとメスグロのオスだった
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ヒメシジミ
今回のツアーで最も数多く撮影した蝶がこのヒメシジミだった
キマダラルリツバメのいそうな桐林に近い草原には必ずといっていいほどヒメシジミが群れていた
日本の蝶の種類の30%が絶滅危惧といわれているが、逆に環境に適応して数を増やしている蝶も結構多い
このヒメシジミなどもその一例でいるところにはうじゃうじゃといるものだ
(蝶に詳しい方には余計な説明になるがブルーのほうがオス、ダークブラウンがメスである)
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by mustachio | 2014-07-06 12:36 | Comments(0)


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