還暦からのネイチャーフォト

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2014年 08月 01日

野反湖/ニッコウキスゲの頃

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1日おいて7月17日、今度は草津山荘から北へ向かった
目的地は新潟県との県境に近い野反湖、山荘から1時間ちょっとのマイフィールドの一つだ
7月中旬のこの時期はニッコウキスゲの季節
長野県、栃木県などニッコウキスゲの名所では、最近鹿の食害がひどくさんざんな状況のようだが、この野反湖では鹿の話はまったく聞かない

ニッコウキスゲ
地元の人はニッコウキスゲと呼ばずノゾリキスゲと呼ぶ  学術的にはゼンテイカと呼ぶのが正解だろうか
ユリ科のカンゾウの仲間で群生する傾向があり、草原が真っ黄色に染まる様子は感動的である
野反湖のニッコウキスゲは少し早すぎたかなというタイミングだったが、ピークを過ぎると枯れて茶色くなった花が目立つので写真を撮るには早い方がいいのだ
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ハクサンフウロ
湖の周辺にはハクサンフウロも多い
ニッコウキスゲが日光限定ではなくあちらこちらに群生地があるように、ハクサンフウロも白山限定ではなく
関東甲信越の高原では普通種である
フウロソウの仲間にはチシマフウロやアサマフウロなど地名を冠したものが多いが、勢力的にはハクサンフウロが圧倒的で、浅間山周辺でもアサマフウロを見る機会がまったくない
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イブキトラノオ
野反湖に多い植物で特徴的なのはこのイブキトラノオ
考えてみれば、この植物名も伊吹山に由来する訳で、日光・白山・伊吹山と「冠地名トリオ」が成立する
このイブキトラノオは湖の北側(新潟県寄り)に多く、ピンク色の花は清潔感があって群落がなかなか美しい(この花には花弁がなく、ピンク色は萼と雄しべの先端の色である)
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ノハラアザミ
草原にアザミが咲きだしている
花が直立するいわゆる普通のアザミとしては、ノアザミとノハラアザミが一般的であるがノアザミのほうは春から咲き始めるのにノハラアザミのほうは夏にならないと咲かない
夏になると両者が混在するので同定が厄介になるが、総苞に粘着性があるかどうかなどで識別する
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オニアザミ
不祥事を起こした企業の経営陣のように頭を低く下げているのがオニアザミ
この花は枯れた後でも同じ状態を保っているので、きれいな花より醜い花を見ることが多い
写真写りの悪い花の典型だ
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コマクサ
湖畔展望所の近くに囲いがあり少しだけコマクサが咲いている
何十年も前から変わらないので、人工的に植えたものではないと思うが、野反湖とコマクサはあまり相性が良くないようだ
(湖から少し離れた場所に地元の小学生が植えたコマクサ園もあったはずだが、最近では行ったこともない)
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ノハナショウブ
野反湖にはノハナショウブのほうが良く似合う
いかにも水辺の植物でシンプルな色彩が美しい
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ヒオウギアヤメ
花に綾の目があるのでアヤメ
葉が幅広く緋扇のように見えるのでヒオウギアヤメだ
高層湿原に多い植物である
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チダケサシとトリアシショマ
どちらもユキノシタ科で近似種
チダケサシのほうが茎がまっすぐに伸びて花序は太く見える
トリアシショウマは鳥の足のように茎の枝別れが多く花序は細い
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ネバリノギラン
写真を撮る時にはこの植物はネバリノギランであると思い込んでいた
おそらくそれで間違いないと思うのだが、普通この植物は茎が1本直立しているのに写真は途中から枝が分かれているのがどうも気になる
一応高山植物なのだが地味で普通種なので図鑑にも枝別れについての特別な記述はない
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カラマツソウ
カラマツソウの仲間には結構種類が多いのだが、これは標準タイプの「カラマツソウ」だった
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ヤグルマソウ
沢沿いなど湿り気のあるところに生える
結構背が高いので迫力があり、葉の形を見てすぐヤグルマソウだとわかる
そういえば子どもの頃、園芸種で矢車草という植物があり庭の花壇によく植えられていたのだが、最近では見かけたことがない
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ウスユキソウ
標高が高い場所なのにウスユキソウ、ハハコグサの仲間はあまり見られない
普通のウスユキソウが少しあっただけだった
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ニガナとシロバナニガナ
キク科ではハコネギクが多い場所だったと思うが、まだ時期が早いのか全く咲いていなかった
ニガナは黄色いニガナと白いシロバナニガナが咲いていた
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ヨツバヒヨドリ
ヒヨドリバナの仲間は結構識別に苦労する
ヨツバヒヨドリといっても必ずしも四葉ではないので、たいていヨツバヒヨドリと思っていていいと思う
(ヒヨドリバナやフジバカマ、サワヒヨドリなどは数が少ない)
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ヒロハコンロンソウ
沢沿いにある白い十字花植物はヒロハコンロンソウだった
コンロンソウ、マルバコンロンソウなど似たような植物が多いので、写真には葉の形状を写しこんで置かなければならない
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センジュガンピ
白いナデシコ
他に類似種がないので見つければすぐに名前がわかる
漢字は千手岩菲、日光中禅寺湖の千手ヶ浜に由来するようだ
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ヤマクワガタ
4弁花で葉が対生であることからゴマノハグサ科の花であることは間違いないが、正確な名称はわからない
花芯に白い球状の付属物がある植物をどこかの図鑑で見た記憶があるのだが、見つからない
クワガタソウの仲間としておけば間違いないだろう
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シモツケ
普通に見られる花
派手なピンクが遠くから目立つので、ついレンズを向けてしまう
形状的にもアップに耐えられる何かを持っている
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オトギリソウ
野草に興味がある人はこの花の名をすぐ覚える  薬草の秘密を漏らした弟を兄が切ったというので弟切草
いろいろな登山道の脇で良く見かける花だ
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オオバミゾホオズキ
久しぶりにオオバミゾホオズキに出会った
おぼろげな記憶では栂池の小屋に近い木道のあたりに多かったような気がする
年を重ねると記憶があいまいになるので、個人用野草写真図鑑を早く整備しなければ、と思っている
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クルマユリ
「野草編」の最後はクルマユリ
野反湖にはコオニユリが多いのでコオニユリと思い込んで撮影したが、同行の家内が「葉が輪生していること」を確認してくれていた
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引き続き「蝶編」に入る
野反湖はキベリタテハとベニヒカゲの好撮影地なのだが、いずれも8月がシーズン
7月にはあまり珍しい蝶は出ないが、花が多いので花に絡む蝶の写真は撮影しやすい


イチモンジセセリ
低地では秋の蝶のイメージが強いイチモンジセセリ
標高が高いせいか数は多かった
この辺りはオオチャバネセセリが多い所なのだが、出会ったのはイチモンジばかりだった
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コチャバネセセリ
セセリはもう1種
このコチャバネセセリもこの季節の山の蝶だ
獣糞にも来るし地面で吸水もするのだがあまり撮影意欲が湧くような蝶ではない
それでもイブキトラノオなどに絡んでいると、花につられて何回もシャッターを押してしまう
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クロヒカゲ
山にも平地にもいる普通の蝶
棲息環境は悪化しているはずなのに数が減っている様子はない
近似種のクロヒカゲモドキは絶滅危惧指定だというのに
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ヒメキマダラヒカゲ
こちらは完全に山地性の蝶だが数は多い
普通ジャノメチョウ科の蝶は花を訪れることはないのだが、このヒメキマダラヒカゲだけは訪花性がある
最初の写真は蝶のほうが逆さにとまっているのであって貼り付けの天地を間違えたわけではない
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シジミチョウ類
この地域では珍しいシジミチョウはいない
この湖から北側(下流側)は秋山郷に繋がっており、オオゴマシジミの産地なのだが、まともな道がないので挑戦したことはない
写真はルリシジミ、ベニシジミ、ヒメシジミ、トラフシジミ
トラフシジミは虎斑が濃淡差のない夏型に変わっていた
そういえば最近のタイガースのユニホームも変わってしまったようだ
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モンシロチョウ
ハクサンフウロに来ていた白い蝶はスジグロチョウ系ではなくモンシロチョウだった
群馬県西北部はキャベツ畑の農薬でモンシロチョウが住みにくいため、こんな高地まで移住してきたのだろうか
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クジャクチョウ
タテハ類もキベリタテハやルリタテハ、エルタテハなどは見られなかったが、クジャクチョウは健在で、ポーズをとってくれた
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ウラギンヒョウモン
ヒョウモン類はウラギンとギンボシがメインだった
この2種は外観が良く似ていて裏面の白斑の並びを確認しないと識別が難しい
ウラギンヒョウモンは後翅付け根の白斑がきちんと並んでいて、後翅上端の白斑数は5個である
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ギンボシヒョウモン
ウラギンヒョウモンによく似たギンボシヒョウモンは関東近辺ではどんどん数を減らしているようだ(北海道では相変わらず多いのだが)
ちなみにウラギンヒョウモンとの違いは付け根の白斑が不規則で、後翅上端の白斑数は4個である
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コヒョウモン
蝶のラストはコヒョウモン
少し小型のヒョウモンで「ヒョウモンチョウ」というヒョウモン蝶とよく似ている
模様の形状が微妙に違うので、帰ってから図鑑をチェックすれば識別は可能なのだが、フィールドでの区分は難しい
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by mustachio | 2014-08-01 13:45 | Comments(0)


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