還暦からのネイチャーフォト

mustachio.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2014年 08月 08日

新穂高の花と蝶

b0144049_1011622.jpg


7月23日、乗鞍から平湯へ下りて新穂高へ廻った
こちらもマイカーとロープウエーで2000メートルの高地に立つことができる
年をとると歩かずに高山へ登れることはたいへんありがたいが、誰でも自然に接することができるということは反面自然破壊を促進するということでもあり複雑な気持ちになる

乗鞍と新穂高のセットは2年前と同じで、新穂高の林道ではフジミドリシジミの撮影に成功している
その時は若干時期遅れでオスの翅が傷んでいたため、今年はきれいなオスの開翅写真をブログのトップに飾る予定だった
ところが24日の早朝は現地は雨  さほどひどい雨ではなかったので林道を歩いたが現実は厳しくフジミドリシジミは1頭も出てくれなかった

写真は23日の午後に撮影したもの  特に珍しい蝶は出ていないがオカトラノオには標準的な7月の山の蝶が群れていた

マイヅルソウ
高山植物ではあるがお花畑の花ではなく、針葉樹の林床に普通に生える地味な植物である
群生することが多いので1株では全く目立たないが、よく見ると可愛い花をつけている
b0144049_10372971.jpg
b0144049_10374434.jpg


ゴゼンタチバナ
同様に林床に咲く花で登山道の脇に多く見られる
一見ドクダミに似た花だが、4弁(総苞葉)の配置が、長い方と短い方が直角にクロスしていて目立つ
橘の由来は花が似ているからではなく実が似ているかららしい
b0144049_1051982.jpg


キヌガサソウ
マイヅルソウやゴゼンタチバナと違って山に行けばどこででも見られる花ではない
小群落を形成することが多いので出会うとうれしくなって必ずシャッターを切る
この花は普通花弁(外花被片)8枚と思っていたが、写真の花はもっと数が多い
キヌガサソウは日の丸構図の写真にすると「旭日旗」になることに今気がついた
b0144049_1135698.jpg
b0144049_1142312.jpg


ミヤマキンポウゲ
こちらはお花畑の花
乗鞍岳では今回ミヤマキンバイばかりで、キンポウゲのほうの「ミヤキン」が見つからなかった
新穂高でもロープウエー山頂駅近くで少し見かけただけである
b0144049_1191610.jpg
b0144049_11102162.jpg


ミヤマダイコンソウ
丸い大きな葉が特徴のミヤマダイコンソウ
イメージとしては乗鞍のような岩礫地の植物だが、新穂高では林道脇に咲いていた
b0144049_11143448.jpg
b0144049_1114636.jpg


モミジカラマツ
今年はカラマツソウの仲間を良く見るような気がするが、モミジカラマツは今年初めてだと思う
花にいるハナカミキリは帰宅後チェックしたところクモマハナカミキリらしい
昭和30年発行の昆虫図鑑にもわが国では珍しいとあるので、もしかするとたいへんな希少種かもしれない
b0144049_11255768.jpg
b0144049_11265882.jpg


ヤグルマソウ
高山植物というより深山の植物である
花は小さく地味だが、植物全体としてはでかくて存在感のある大男のイメージだ
b0144049_11333223.jpg


ヤマオダマキ
今年、何回も撮影している花
造形的にもなかなか美しい花である
b0144049_1136536.jpg


タマガワホトトギス
こちらは今年初めてのタマガワホトトギス
翌日、フジミドリシジミを探しに行った林道でも見つけたが、雨でカメラを出す気がしなかった
b0144049_11383986.jpg
b0144049_11384711.jpg


ギンリョウソウ
銀龍草
色素を持たないイチヤクソウ科の腐生植物だ
小学校4年の林間学校で三峰山で見たのが個人的には初見  それ以来60年以上名前を忘れたことはない
特に高山の植物ということではないようで、最近では草津の山荘でも見かけるようになった
b0144049_11473889.jpg
b0144049_11483968.jpg


クルマユリ
面白みのない植物写真になってしまったが、自然の記録という意味では「図鑑写真」という写真の撮り方も必要である
要は、車のような葉の構造と花が写っていればよいのだ
b0144049_11522330.jpg


ヒオドシチョウ
タイトルを「新穂高の花と蝶」としたが、花のほうはすべてロープウエー山頂付近の標高が高いところのものだ
蝶のほうは2千メートルの高地では姿が見られず、見たのはこのヒオドシチョウだけであった
高山のお花畑というのは蝶にとって棲みやすい環境ではないようだ
b0144049_12231562.jpg


オオウラギンスジヒョウモン
ロープウエー中継駅周辺のオカトラノオに多くの蝶が集まっていた
大型のヒョウモンは最初ウラギンスジヒョウモンと思っていたが、良く観察すると前翅の形状や後翅の模様からオオウラギンスジヒョウモンのようだ
昔、高尾山あたりでも普通種だったウラギンスジヒョウモンは、最近急激に数を減らしているような気がする
b0144049_12371834.jpg
b0144049_12374985.jpg
b0144049_12373553.jpg
b0144049_1238863.jpg


ミドリヒョウモン
もう1種のヒョウモン蝶は、どこでも見られるミドリヒョウモン
ヒョウモン類の食草は一般に普通のスミレ類で生存条件は変わらないように思うのだが、数を増やしているものと減らしているものが2極に分かれてきているような気がする
b0144049_1244645.jpg


メスグロヒョウモン
この蝶の名前がすぐ分かる人は蝶に関しては上級者
「蝶屋」でない人は動植物に詳しい人でもこの蝶が覚えられない傾向があるようだ
オスはミドリヒョウモンによく似た普通のヒョウモンなのに、メスは全く異なるデザインである
b0144049_13443268.jpg


イチモンジセセリ
今年は夏の前から見る機会が多いのでコメントが重なってしまうが、不思議と出会いが多い
過去の経験だと秋口からはやたら数が増えるが夏にはあまり見かけない蝶、ということになるが、それは都市近郊での話ということだろうか
b0144049_134897.jpg
b0144049_13472785.jpg


コチャバネセセリ
逆に夏の山で出会うケースが多いのがこのコチャバネセセリというのが例年の傾向ということになるが、今年は見かける数が少ないように思う
b0144049_13514244.jpg


ヒメキマダラセセリ
ヒメキマダラセセリと次のコキマダラセセリは良く似ている
写真はヒメキマダラのオスだが、オス同士を比較すると前翅の黒縁の幅が広いのがヒメキマダラである
b0144049_13584811.jpg


コキマダラセセリ
メス同士の比較では前翅表の模様が異なるので、開翅写真は識別がしやすい
2枚目の側面写真は難しいが、前翅裏の橙色斑からコキマダラのほうだと判断した
b0144049_1472869.jpg
b0144049_1473324.jpg


キバネセセリ
アオバセセリほどではないが、セセリの仲間では風格を感じる蝶
地上で吸水したり獣糞に集まったりする
花に集まるのはヒヨドリバナかイケマと思っていたがここでは他の蝶と同じようにオカトラノオで吸蜜していた
b0144049_14164927.jpg
b0144049_14162872.jpg


スジグロシロチョウ
蝶のレストラン「オカトラノオ」にはシロチョウ科の蝶も来ていた
都会地では幅を利かせているスジグロシロチョウも、山ではおとなしく静かに食事をしていた
b0144049_14234195.jpg


スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウは山の蝶では目立つ存在
翅の裏側は表側ほど派手ではないが、シンプルな黄色は山の緑によく映える
b0144049_14264722.jpg

b0144049_14291262.jpg


アサギマダラ
新穂高最後の蝶はご存じアサギマダラ
最近はコンパクトデジカメや携帯写真が普及したせいで路傍の花にとまるアサギマダラを撮影している若い女性を良く見かけるようになった
吸蜜中は割とじっとしているので蝶写真入門コースには最適かもしれない
b0144049_14344531.jpg
b0144049_14345814.jpg


寄り道・韮崎の「花と蝶」
新穂高から東京へ戻る途中中央高速韮崎ICで降りて寄り道をした
この時期、関東地方の梅雨明け宣言はあったのに長野県(岐阜県)北部は天候がすっきりしないケースが多い(昨年は蝶ヶ岳で大雨に会った)
韮崎下車の目的はいうまでもなくクロヒカゲモドキの今年3回目の挑戦だったが、武運つたなく同一カード3連敗の結果に終わった
ブログでは触れずにおくつもりだったが、ホソバセセリなどしっかり撮影できたので新穂高の補追版として韮崎編を追加しておく

ユウスゲ
ユウスゲ、キスゲの類は群生するという先入観があったが、このユウスゲはひっそりと咲いていた
「そんな夕子に惚れました」という歌の文句ではないが、哀愁が漂う花であった
b0144049_1553415.jpg


フジカンゾウ
路傍にピンクの可愛いマメ科の花を見つけた
名前がわからず帰ってから図鑑をいろいろチェックしたところ、どうもフジカンゾウ(藤甘草)のようだ
おそらく初めて見るのだと思う
b0144049_151071.jpg


トモエソウ
今年2度目のトモエソウ
トモエソウは少し古くなると赤茶けて写真向きではなくなる
林道に1株だけ咲いていたが、若くて美しい「巴草」らしい花だった
b0144049_15132338.jpg


キキョウ
数十年前までは山野に普通にあったキキョウは花屋に移転してしまい野生のキキョウを見ることが少なくなった
クロヒカゲモドキを探し回ったフィールドにキキョウが一株、凛とした姿勢で咲いていた
花屋で見るキキョウと同じ花だが自然の中で見るキキョウは全く違った花に見える
b0144049_1520022.jpg


オオムラサキ
オオムラサキの様子を見にいったが今年は何故か数が少ない
去年はウジャウジャといた樹液にも数頭が見られる程度で翅がボロボロ
あまり写真を撮る気にもなれず早々に引き揚げた
今年は全般的に樹液の出が悪いという話も聞くが.....
b0144049_15253659.jpg
b0144049_15251783.jpg


ジャノメチョウ
クロヒカゲモドキが見られないのはクヌギ類の樹液が少ないせいかもしれない
ネット屋(採集家)のベテランの方から間違いないというフィールド情報をもらっているのにブッシュを叩いても飛び出す黒い蝶はこのジャノメチョウばかりだ
b0144049_1532143.jpg
b0144049_15311449.jpg


クロアゲハ
最近都内ではあまり見かけなくなったクロアゲハ
カラスザンショウに絡んで産卵行動をしているように見えたのでメスだと思う
たまたま木陰に休止したのでシャッターを押した
b0144049_15354164.jpg


ホソバセセリ
この日最大の収穫はホソバセセリ
比較的珍しい蝶で個人的には4回目くらいの出会いか?
過去3回の出会いはいずれも山梨県で、群馬県や長野県では見たことがない
この蝶は近寄ってもあまり逃げないのでマクロでしっかりアップを撮ることができる
b0144049_15413228.jpg
b0144049_15414012.jpg


by mustachio | 2014-08-08 10:38 | Comments(0)


<< 蝶ヶ岳2014      雷鳥探しに乗鞍へ >>