還暦からのネイチャーフォト

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2014年 12月 10日

秋の八重山蝶探索(蝶編3)

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八重山の蝶を紹介して最後に残ったのがタテハチョウ系
タテハチョウ系の蝶は昔はタテハチョウ科、マダラチョウ科、ジャノメチョウ科などに分かれていたのに最近はタテハチョウ科に一本化されてしまって古い蝶屋(蝶愛好家)にとっては面白くない
今回八重山訪問の目的の一つは未撮影のイワサキタテハモドキの撮影、もう一つはピンボケの写真しか撮れていなかったシロオビヒカゲの鑑賞に堪える作品をものにすることであったが、どちらも目的を達成することができた

シロオビヒカゲ
シロオビヒカゲとの最初の出会いは八重山へ通い始めた初期の頃
場所は石垣のある薄暗い竹林、シャッターの盲押しで飛行中の「それらしきもの」を撮影してから8年くらいになる
とりあえずホームページ「日本の蝶240種」(当時タイトルは200種だった)にそのピンボケの写真を載せ、その後石垣島を訪れるたびにその場所へ出かけるのだが一向に再会できなかった
今回の出会いは西表島、いくつか竹林チェックして振られあきらめかけていたところに、偶然下草に止まっているシロオビヒカゲを見つけた
しかも新鮮なはっきり白帯の見える個体である
まずは遠くから望遠で撮り、次に近づいてマクロで撮り、次に向きの違う写真がほしくて裏へ回ったが今度は飛ばれてしまった
しばらく後に別の個体も見つけたがこちらは後翅を鳥に食い破られたのか一部が破損していた
ジャノメチョウの仲間は地味なものばかりなのだが、このシロオビヒカゲは例外でデザイン的にも美しく、アップで実物を見た感動は忘れられない
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リュウキュウヒメジャノメ
本土にいるヒメジャノメによく似たジャノメチョウだが、蛇の目は少し大きく白帯は真っ白で少し太い
地域的に棲み分けているので混同はないが、もし仮に関東地方にこのリュウキュウジャノメが飛んでいても誰もわからないと思う
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マサキウラナミジャノメ
本土にはヒメウラナミジャノメとウラナミジャノメがいてヒメのほうは普通種、ウラナミジャノメは絶滅危惧種となっている
八重山にはマサキウラナミジャノメとヤエヤマウラナミジャノメがいて本土のウラナミジャノメのほうによく似ている
マサキとヤエヤマは非常によく似ていて後翅裏面の白帯がはっきりしているのがマサキ、後翅裏面が全体的に白く蛇の目より外側に白い部分が広がるのがヤエヤマである
両者の比較写真を狙って数多く撮影したが今回はマサキウラナミジャノメばかりでヤエヤマウラナミジャノメには会えなかった
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イワサキタテハモドキ
この蝶は迷蝶で本来の日本の蝶ではない
ただ石垣島の公園に定着し4年冬を越して世代交代をしているので定義としては立派な「日本の蝶」になっている
この蝶の存在は有名なので最初から撮影できるものとカウントしていたが、わが「撮影済日本の蝶」はこれで244種となった
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タテハモドキ
こちらは九州以南だが昔から日本に定着しているタテハモドキ
もともとは東南アジアの蝶で、スリランカではこの蝶や仲間たちをいやというほど見ている
今回この蝶を撮影してびっくりしたのは季節による前翅の形状の違いだ  今までこの蝶を見たのは春から夏にかけてで前翅の外縁は滑らかだった
ところが今回出会ったのは秋型のタテハモドキで非常に外縁の凹凸が強く別種のような印象だった
おまけに裏面の模様はコノハチョウのように木の葉に擬態している(夏型の裏面は蛇の目があり、けして木の葉状ではない)
同じ場所でも季節が変わると蝶の形が変わる  新鮮な発見であった
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キタテハ
八重山には普通のキタテハもいた
本土のキタテハも夏型と秋型で翅の形状が変わる典型的な蝶だが、今回見たキタテハは普通の夏型で秋型の鋭角的な翅ではなかった
寒い地域に住むキタテハにとって八重山の11月は秋ではなく夏なのかもしれない
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イシガケチョウ
もともと南国の蝶なのだが日本国内では北上中で岡山、兵庫あたりまで生息域を拡大している
八重山ではあまり数が多くないようで西表の林道で数頭見かけた程度だった
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ヤエヤマムラサキ
ヤエヤマムラサキやリュウキュウムラサキなどは夏から秋にかけての蝶と認識している
実際に行ってみてその認識に疑問を抱くようになった
できればメスアカムラサキなどもと期待していたがムラサキ系のタテハチョウが全くいないのである
西表の林道でヤエヤマムラサキを撮影したが、南国の蝶らしいこれらの蝶に会えなかったのは寂しい
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ヤエヤマイチモンジ

数が多くない蝶なので期待しなかったがこれも西表の林道にいた(石垣はほとんど雨模様でチャンスがなかった)
最初の写真はオスで見た目のとおりイチモンジなのだが、この蝶のメスはまさにミスジチョウの仲間に見える
2番目の写真がそれで(翅が少し破損しているのが残念)普通2枚の写真が同種の蝶であると思う人はいない
メスの写真と次項のリュウキュウミスジの写真とをじっくり見比べていただきたい
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リュウキュウミスジ
そのリュウキュウミスジ
八重山の至る所に飛んでいる
本土のコミスジそっくりの蝶で地域的に棲み分けていなければ識別に苦労すると思う
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オオゴマダラ
最後になってしまったが、八重山の蝶といえばマダラチョウの仲間を外すわけにはいかない
オオゴマダラは何回か見かけたが写真にはならず、以下の写真は石垣島バンナ公園のケージで撮影したものである
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アサギマダラ
西表の林道には本土と共通のアサギマダラがいた
最初に見たときはタイワンアサギマダラかと期待したが、腹部が橙色ではなく普通のアサギマダラであった
長距離移動で有名なアサギマダラだがこの個体が本土から渡ったものかどうかは不明である
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リュウキュウアサギマダラ
アサギマダラは1回しか見なかったが、リュウキュウアサギマダラはたくさん飛んでいた
この蝶は全体的に水色がベースで色彩感覚的にはなかなかのものだと思う
似た種類にウスコモンマダラやミナミコモンマダラなどの珍蝶がいるのだが今回は出会いがなかった
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ヒメアサギマダラ
前項のリュウキュウアサギマダラやコモンマダラ類は前翅中室の青白斑帯がコミスジと同じように分断されるのが特徴だが、こちらのヒメアサギマダラはその部分が分断されない
全体的なイメージではリュウキュウアサギマダラより水色部分が薄く明るい感じである
こちらも数が多く、中に珍蝶が混じっている可能性もあるので撮った写真の枚数は2種合わせると大変な数になった
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スジグロカバマダラ
今回の探索行最後の蝶はスジグロカバマダラとなった
繁殖力の強いグローバルバタフライでインドからオーストラリアまで東アジアに広く分布する
もともと日本の蝶ではなかったが八重山地方には完全に定着し昨今では九州にも進出している
オレンジと黒のジャイアンツカラーなため個人的には好きなデザインではないが、何となく写真写りがよいので海外でも八重山でも繰り返し写真を撮ることになる
(ちなみに近似種のカバマダラについては今回1度も見かけなかった)
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by mustachio | 2014-12-10 17:42 | Comments(0)


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