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2015年 08月 09日

八方尾根高山植物図鑑vol.3

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八方尾根高山植物図鑑も本号(vol.3)で完結となる
蝶や鳥と違って植物は数が多い場所に行きさえすれば短時間で何種類もの撮影が可能である
八方尾根はわずか4時間程度の滞在だったが撮影枚数がやたら多く写真の整理には何日もかかってしまった
vol.3の構成要素はほとんどがバラ科かユリ科の植物である

バラ科
ヤマブキショウマ
何故バラ科なのかはよくわからないがヤマブキショウマはバラ科の植物である
若い花はユキノシタ科のチダケサシやトリアシショウマによく似ていて屋外では識別に苦労させられる
(2枚目の写真のように成熟した花は花穂が筒状になるのでチダケサシやトリアシショウマとは違ったイメージになる)
八方尾根にはヤマブキショウマが多く高原の雰囲気を出していた
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イワキンバイ
春に平地に咲くキジムシロやミツバツチグリと同じ仲間の高山植物である
撮影時はイワキンバイという意識がなくミツバツチグリのつもりだったが、帰宅後に改めてイワキンバイであることを認識した
ミツバツチグリのほうは花弁と花弁の間隔がこれほど開いていない
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ワレモコウ
花のイメージとは遠いがワレモコウは秋の花である
八方尾根にはワレモコウがたくさん咲いていた(咲いていたという感じはしないが)
この花はシルエットにしたほうが雰囲気が出る
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ハッポウワレモコウ
ワレモコウの中に少しイメージの違うものがあった
雄蕊が長く突き出している
調べてみるとワレモコウとカライトソウの交雑種のようでハッポウワレモコウという
確かに両方の植物に似ている
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チングルマ
八方尾根にはあのチングルマも少し残っていた
今年は旭岳で壮大なチングルマを見ており写真を撮る気にはならなかったが、一応シャッターを押しておいた
写真にはエゾノツガザクラも写っている
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カライトソウ
この花は八方尾根のイメージフラワーになる資格がある
山道の至る所で見られシモツケソウとの共演で周辺を鮮やかなピンク色に染めている
完ぺきな高山植物で白山でたくさん見たほかにはあまり記憶に残っていない
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シモツケソウ
シモツケソウは割とポピュラーな植物で低山でも見られるが八方尾根では数が多く存在感があった
タイトルバックのようにメインは濃厚なピンク色だが、若い花は淡いピンク色で、色に変化があって面白い
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イワシモツケ
今回初めて覚えた花
木本なので草本主体の野草図鑑には登場してこない
清楚な感じの白い花が印象的だ
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オニシモツケ
北海道の道路脇でいやというほど咲いている花
本州の高山でも咲いているのだがそれほど目立つことはない
自分的には北海道の花のイメージが強い
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ユキノシタ科
ミヤマダイモンジソウ
5枚の花弁のうち2枚だけが特に大きいため大文字草とか人字草とか呼ばれる植物がユキノシタ科にある
このミヤマダイモンジソウは大文字草の高山型で、花は名前の通り「大文字」を形成している
こういう変わった植物は見ているだけで楽しい
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コウメバチソウ
梅鉢紋に花の形が似ているので梅鉢草
登山道の脇などで見かける純白の清純なイメージの野草だ
八方尾根のウメバチソウは少し花が小さく看板の説明ではコウメバチソウとなっていた
花の構造や色遣いはウメバチソウとまったく同じである
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チダケサシ
ユキノシタ科の植物もバリエーションが多くこのチダケサシも同じ科に属する
チダケサシは乳茸というキノコを採って運ぶ時にチダケサシに刺したためこの名前がついたといわれている
特に高山植物というわけではなく東京近郊でも普通に見られる
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アブラナ科
ミヤマタネツケバナ
ナズナやタネツケバナ、ハタザオなどアブラナ科の植物も結構高地に進出して高山植物になっているものが多い
このミヤマタネツケバナもそのうちの一つで、高山蝶として人気の高いクモマツマキチョウもアブラナ科の高山植物を食草としている
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ナデシコ科
タカネナデシコ
今年、北海道のオホーツク海岸で全く同じ姿形のナデシコをたくさん見た
普通のカワラナデシコと比べると花弁の先が細く分裂していて糸状になっている
つまり写真のタカネナデシコとまったく同じ形状なのだ
カワラナデシコは北海道には分布しないので高山植物のタカネナデシコが海岸に生育するのかと思ったが、エゾカワラナデシコという別種があることが判明し納得した
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ホソバツメクサ
ハコベの仲間も分類としてはナデシコ科
高山植物としてポピュラーなハコベ類も多い
このホソバツメクサもその一つで星形の白い小さな花は人気がある
写真2枚目の群落などまさに満天の星の様相だ
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クモマミミナグサ
ミミナグサは平地の植物で5枚の花弁の先が小さく二つに割れる
このクモマミミナグサは花弁の割れ方が大きく、花弁が10枚あるように見える
さらにすごいミヤマミミナグサというのがあって、10枚の花弁の先がさらに割れるのでなんと花弁が20枚に見えるのだ
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タデ科
オヤマソバ
人類が主食とする穀物は基本的にイネ科の植物である
一つの例外が蕎麦でソバはタデ科の植物なのだ  そのソバによく似た高山植物がオヤマソバである
同じような環境にオンタデやウラジロタデも生えているので紛らわしいがオヤマソバは花が淡紅色を帯び、茎が紅紫色なので区別できる
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ラン科
トキソウ
トキソウは基本的に湿原の植物だが湿り気さえあれば高山にも生育する
八方尾根の山道脇の茂みの中に小さなトキソウを見つけた
何年かぶりの再会である  ちゃんと朱鷺の色をして、小さいながら立派な蘭の形をしていた
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ハクサンチドリ
高山植物の女王とまでは言い切れないが、48総選挙があればセンターに近い人気者である
北海道では結構普通に咲いているが、八方尾根では数株しか見つけられなかった
高山には紅紫色系の花が多いがハクサンチドリの紅紫色は重厚なイメージがある
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ユリ科
ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲは高山植物というより高原植物だ
日光に限らず中部以北の高原には広く分布する(といいたいところだが最近は鹿の食害で急激に数を減らしているという)
群落が保たれていれば問題ないが、個々の花は1日花なので撮影のタイミングは難しい
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クルマユリ
こちらも高原植物だが、ニッコウキスゲよりは少し標高の高い針葉樹林帯レベルに多いような気がする
以前にも述べたがコオニユリと区別するため写真には輪生の葉を写しこまないといけない
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オオバギボウシ
ギボウシも高山植物のイメージではない  草津のわが山荘の玄関前にもオオバギボウシが数株咲いている
ただ高原の霧の中ではなかなか雰囲気が出るので、八方尾根では何枚も撮影してしまった
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ネバリノギラン
花のイメージとは程遠い地味な植物だがたいていの高山植物図鑑には載っている
九州から北海道まで広く分布しているが我が国の固有種だそうだ
写真を撮って面白い対象ではないのだが生物学の観点からシャッターを押すことは多い
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タカネアオヤギソウ
数が多いわけではないが山歩きの途中、鞍部などの明るい草地で出会うことが多い
形状がよく似た植物にタカネシュロソウがあるが、こちらは全身が黒褐色で色彩的に全くイメージが異なる
地味だが立派な高山植物だ
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キンコウカ
正確な記憶ではないが10年ほど前、東北地方の湿原であたり一面のキンコウカに出会ったような覚えがある
歳のせいか最近ではキンコウカの名前もすぐに思い出せなくなってしまった
撮影した野草のデータの整理はどうしても必要のようだ
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イワショウブ
高山植物というよりは湿原の植物
低地の酸性土壌の湿地も多いというが低地で出会ったことはない
白い花弁と雄蕊の赤褐色の対比がなかなか可愛い
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カヤツリグサ科
ワタスゲ
アイウエオ順に並べても結果は同じような気がするが八方尾根高山植物図鑑のアンカーはワタスゲになった
ワタスゲの茎の先につく小穂は1個のはずなので多数の小穂が見える最終写真はちょっと気になるところだが、他の茎からの穂が飛んで絡んだものと勝手に解釈している
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by mustachio | 2015-08-09 21:42 | Comments(0)


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