還暦からのネイチャーフォト

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2015年 09月 27日

乗鞍岳のライチョウ

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「9月5連休」の前日、家内と二人車で乗鞍岳へ出かけた  目的はライチョウの撮影である
一昨年、昨年と二人で夏の乗鞍岳に挑戦し2回とも振られたことはこのブログの過去の記事を見ていただければすぐわかる
学生時代の北アルプス縦走の時に何回もライチョウを見かけているし、その後立山でも間近に観察しているのだが残念ながら写真が撮れていなかった
家内がどうしてもライチョウを撮りたくて夏のライチョウに挑戦したが、最近は個体数が減ってしまって登山客の多いシーズンにはなかなか姿を見せてくれない
秋になれば登山客も減ってくるのでチャンスがあるかと乗鞍岳(畳平)の旅館に当たってみると連休前なら宿泊可能という
その連休前は長雨が続き、9月18日も東京は雨だったがとにかく出かけることにした
途中で雨は止んだものの長雨の影響でシャトルバスが動かずアクセスに苦労したが、畳平に何とかたどり着き、登山客が全くいない魔王岳の周辺を二人で探し回った
夏の乗鞍岳は高山植物が豊富でライチョウが出なくても楽しい時を過ごすことができるが、9月中旬では花は終わり、写真に示すようにコマクサ、イワギキョウ、イワツメクサなどがわずかに残っていたものの、とても絵になるような状態ではなかった
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ライチョウ
探索1時間、周辺に霧が出てきて写真撮影が難しくなりかけたころ、なんとか念願のライチョウが登場した
今年生まれの幼鳥と見られる個体が5羽、登山道の周辺の草の実を食べているのを見つけたのである
ライチョウは繁殖前の求愛時期以外は、天気の良い日はハイマツの茂みに隠れてなかなか姿を現さない
(高山には天敵が少ないが空を飛ぶ猛禽は最大の敵のようだ)
一人も登山客がいない霧の登山道で、ライチョウたちは全くの無防備で草の実などのエサを漁っていた
秋のライチョウはまだ夏姿だが腹や脚などの下半身は白く、羽根を拡げるとこちらも真っ白で目立つ
霧が深かったものの彼らは警戒心が希薄で30分ほど撮影を堪能することができた
アップで見て目の上が赤いのがオス、そうでないのがメスのようだ
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ちなみにライチョウは英語でPtermigan、けしてThunderbirdではない
Thunderbirdはオーストラリアに住むモズヒタキ科の小鳥である
関西と北陸を結ぶJRの特急にサンダーバード号があるが、あれは「雷鳥」の勝手な誤訳だと思う

学名はLagopus mutusというが、これはウサギの脚という意味だそうで、写真を見ると納得がいく

乗鞍高原
ライチョウ撮影の翌朝は連休の初日
人混みでライチョウは期待できないため朝早いシャトルバスで乗鞍高原まで下り、三本滝周辺などで山の秋を楽しんだ
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ゴマナ
ゴマナは高原に多いキク科の白い花
至る所に咲いていて「高原の秋」のシンボルフラワーになっている
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ノコンギク
菊らしい菊がもう1種  ノコンギクだ
花が紫色でいかにも野菊らしい
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ナンブアザミ
アザミを撮影した
撮影した時は意識しなかったが、帰宅してから画像を見るとこのアザミは葉が披針形で全く切れ込みがない
複数の植物図鑑を比較検討した結果、ナンブアザミは全縁の葉を持つものがあるようで、総苞片の反り返り等からナンブアザミと推定するに至った
その後さらに検討の結果、切れ込みのない葉と反り返りの強い総苞片を持つアザミにノリクラアザミという種(亜種)があるのがわかった
このアザミがノリクラアザミである可能性は高い
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カニコウモリ
あまりキク科らしくないキク科植物だが、葉の形が個性的で識別には苦労しない
夏の上高地などで群生を見かけるが、乗鞍高原では9月後半になっても元気だった
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ヒヨドリバナとヨツバヒヨドリ
よく似た植物で花だけ見たのでは判定不能だ
葉のつき方が互生のほうがヒヨドリバナ、輪生(ほとんど4枚)のほうはヨツバヒヨドリである
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ヤマハハコ
夏山の植物の常連だが、ヤマハハコは花期が長い
というか、いつ枯れたのかはっきりしないまま冬を迎えドライフラワーになっていくようだ
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シシウド
3本滝の近くにセリ科の植物があった
セリ科の植物は似たようなものが多く図鑑でもなかなか差異が見つけられない
最近では花以外に葉の形状やつき方(葉序)を記録するようにしているので、帰宅してから(2枚目の写真で)
シシウドであることが確認できた
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ゲンノショウコ
この花も晩秋まで咲き続ける
紅紫色から白色に近いものまで花の色に変化があり、関東は白色系、関西は濃色系と理解しているが、乗鞍高原のゲンノショウコは白に近い薄紫だった
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サラシナショウマ
一目見てわかるサラシナショウマ
この花の写真はなぜかアップが多い
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ダイモンジソウ
三本滝の滝つぼの近くにダイモンジソウを見つけた
地味で清楚な花で、おそらく10年振りくらいの久々のご対面である
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ムシカリ
駐車場から滝までのアプローチは徒歩30分程度だったが、秋のせいか周囲に赤い実をつけた植物が非常に多かった (ここから先は花ではなく実の特集になる)
まずはあちこちで見られるムシカリ、別名オオカメノキで、赤い実はやがて熟すと黒くなる
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マユミ
ピンク色の実は蒴果で、果皮はいずれ裂開し、赤い種が除くようになる
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クロツリバナ
マユミに近いニシキギ科の植物
こちらの蒴果は角ばっていてマユミより個性的である
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ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナは夏に4弁の白い花(正確には白い総苞片)をつける深山の植物
今年も北海道など何カ所かで撮影している
乗鞍高原ではそのゴゼンタチバナが真っ赤な実をつけていた
滝へ向かう山道の路傍にはやたら数が多く、ほとんどの花が終わってしまった山道を華やかに彩っていた
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マイヅルソウ
ゴゼンタチバナと同じように深山に白い花を咲かせるが、花が非常に小さいので非常に地味な印象の植物である
正直言ってこの花が秋になると真っ赤な実をつけるという認識は全くなかった
葉の形に特徴があるのでマイヅルソウであることはすぐわかるのだが、そのマイヅルソウに予想もしなかったきれいな実がなっているのを見てある意味で感動を覚えた
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タケシマラン
こちらもマイヅルソウ同様ユリ科の植物で深山に生える
昨年の蝶ヶ岳への登山道で(オオバタケシマランだったかもしれないが)出会った記憶がある
花は小さくて地味な白い花なのだが、乗鞍高原で出会った実のほうは鮮烈な赤い色をしていた
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ヤブコウジ
木本だが小低木
撮影時はセンリョウかマンリョウだと思っていたが、図鑑を確認するとどちらでもなくヤブコウジのようだ
よく似た赤い実が多いので判定が難しい
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イチモンジセセリ
蝶に関してはもうシーズンが終わってしまっているので期待していなかったが、その予想通り平凡な種しか見られなかった
多かったのがイチモンジセセリであちこちの花に飛来し吸蜜していたが、今年最後の世代だと思われる
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モンシロチョウ
普通モンシロチョウでシャッターを切ることはないのだが、蝶が少ないと普通種でも写真を撮りたくなる
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ミドリヒョウモン
ヒョウモン類ではミドリヒョウモンが多かった
ただどの個体もボロボロで全く写真向きではない
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マユタテアカネ
予想に反して元気だったのはトンボ
乗鞍高原の池では多くのトンボが飛び回り産卵していた
連接飛行の赤とんぼはアキアカネよりはるかに色が赤く同定が難しいが、マユタテアカネではないかと思っている
遠くから100ミリマクロで撮っているので、肝心の顔の部分が不明瞭で間違っているかもしれない
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ムツアカネ
高層湿原に多いカオジロトンボに雰囲気が似ているが顔は白くないので違う
図鑑を検討した結果、ムツアカネだろうと推定した
今まで出会ったことがない全くの初対面である
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ルリボシヤンマ
大型のヤンマが池で産卵していた
ルリボシヤンマだと思う
トンボに関しては全く事前準備ができていなかったので良い写真を撮りそこなったが、来シーズンからは蝶以外の昆虫にも注意を払っていきたいと思う
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タヌキ
乗鞍の写真は雷鳥で始まって狸で終わる
三本滝のバス停に5匹ほどのタヌキが遊んでいた もちろん野生のタヌキなのだが今年生まれた子供で人に慣れて道路脇に出てくるようだ
以前アナグマの写真を撮っているがタヌキのアップを撮影したのは初めてだと思う
よく見れば精悍な顔をしていて犬に近い動物であることがわかる
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by mustachio | 2015-09-27 18:36 | Comments(0)


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