2016年 04月 30日
動物(哺乳類)編 動物の宝庫というほどでもないが、ブータンは山国なのでそこそこに動物がいる ただ人間のほうが山に入っていくのが難しいので、動物との出会いは道路上に限定される シカなど大型動物はすぐ山の中に逃げ込んでしまうので、見やすいのは猿の仲間 彼らは人間の手が届かないのを知っているので、比較的近い距離にいても安心している ゴールデンラングール 顔が真っ黒で全身が金髪という個性的な尾長猿(顔つきは結構怖い) ブータンとインドのアッサム地方限定の希少種である 最後の2枚の写真は道路脇の崖によじ登り、岩塩をなめているところだ アッサム猿 こちらは普通の猿 というか、ニホンザルによく似た猿だ 英名をAssamese Macaque といい、ガイドは Macaque Monkey というがこの単語はすぐ覚えた お猿のお尻は「真っ赤っか」なのだ ヒマラヤシマリス たまたま木の実をかじっているのんびりした雰囲気の写真が撮れたが、実はこのリスはとても行動が素早い 木の葉の陰をチョロチョロ動き回るのでカメラのオートフォーカスが使いにくく、他にはまともな写真が撮れなかった ナキウサギ 標高が高いところでは結構数が多いのだが、人が近づくとすぐ巣穴に逃げ込んでしまう もう少しかわいい写真が欲しかったが、撮れたのは寝ぼけ眼のつまらない写真だけだった ヤク ヤクも高地限定 3500メートルクラスの峠付近では多数のヤクが草を食べているが、野生ではなく人間の管理下にあるものと思われる もっとも、リードをつけているわけでもないので野生と変わりはないが 植物編 ブータンの植物として頭に浮かぶのが「青いケシ」 もちろん青いケシが見られるとは思っていなかったが、標高3500メートルクラスの高地なので出発前は高山植物の咲き乱れるお花畑を勝手に想像していた 現実はだいぶ違った 標高が高くても緯度が低いので3500メートルでも森林限界に達しておらず普通に木(針葉樹)が生えている 空気が薄いので高山病のリスクはあるが日本(中部地方)の感覚でいうと1000メートル低い2500メートルくらいのイメージだ 生活圏が標高1500メートルから3500メートルと幅広いので植物は熱帯雨林から針葉樹林帯まで多岐にわたる つまり木本については変化があって楽しい ところが草本(野草)に関してはそうでもなかった シーズンがぴったり合ったのか標高2500~3500の地域ではサクラソウが道路脇の至る所に咲いていて目を楽しませてくれたのだが、他の花がほとんど見当たらないのだ 高い標高と低い緯度がキャンセルしてちょうど信州の春のような気候なのに、サクラソウ以外にこれといった春の野草が見つからないのである 結構苦労して、目についた花を撮影したのが次の写真である 野草に関しては「植物相は貧困」というのがブータンのイメージだ シャクナゲ ブータンの花として印象が強いのが草本のサクラソウと木本のシャクナゲだった ブータンのシャクナゲは赤と白(正確にはキバナシャクナゲのようなクリーム色のシャクナゲも少しあったが)の2種類がある 行程の前半は真っ赤なシャクナゲだけだったのでブータンのシャクナゲは赤いと思い込んでいたが、後半の東地区のシャクナゲは純白だった 日本のシャクナゲは6月がピークかと思うが、ブータンでは4月が最盛期のようであった デイゴ シャクナゲの次にデイゴ、というのはいかにも場違いなイメージだがブータンではデイゴの花も咲いていた 撮影日が4月10日なので撮影場所はティンティビ、つまりインドのマナス国立公園に近い南部である デイゴは沖縄県の県花で沖縄や小笠原に多いが、実は原産地がインドなのだ ハクモクレン ブータンには桜は見当たらなかった 山の中腹に咲く大きな白い花の塊は桜ではなくハクモクレン系の花である 正確にはコブシかハクモクレンかも判定できないが、ガイドがMagnoliaと説明していたのでどちらかだと思う 「コブシ咲くあの丘北国の」という世界がブータンにもあったのだ ピンク色の木の花 きれいな花を見つけたので写真を撮った 決して数多く咲いていたわけではない なんとなくハイビスカスに似た雰囲気がある美しい花だった 針葉樹の白い花 針葉樹でも花が咲かないわけではないが茶色系の目立たない花が多い 外国に咲く花を日本の常識で判断するわけにはいかないが違和感のある植物だった キダチチョウセンアサガオ 俗にいうエンゼルトランペット 日本でもよく見かける花をブータンで何回か見つけた ブータンが原産地かと思い写真を撮ったが、帰国してから調べてみるとこの花の原産地は中南米でアジアではなかった つまりブータンでも外来種(栽培種)ということらしい ソケイ こちらのソケイはインド原産 つまりブータンの野生植物だと思う この花から香水の原料となるジャスミンが取れるのだ テリハノイバラ 和名は正確ではないかもしれないがバラ科の植物であることは間違いない 季節の関係からかイチゴ系のバラ科の白い花も道路脇に多く見られた ネコノメソウ ブータンは山国で、山の斜面から水がわき、いつも湿っている場所はやたら多い ネコノメソウはそのような場所に生育するので、たくさんあるかと思ったが、見つけたのは東南部の標高の低い場所1か所だけだった ゲンノショウコ この花は日本のものと同一のゲンノショウコだと思う 日本のゲンノショウコは地域によって赤い花と白い花に区分されるが、ブータンでは花がピンク色だった ピンクの小さな花 ゲンノショウコと同じくらいの大きさでピンク色の花 日本ではこれによく似た野生の花はないと思う 路傍で見つけた地味な花の一つだ ヒナスミレ 日本のスミレでいえばヒナスミレに近い種類だと思うが同一種かどうかは不明 側弁にはっきりと毛があるので別種かもしれない 東南部低地の道路わきに多かった 3枚目の写真はよく似ているが側弁に毛が生えていない マメ科の花 最初の黄色い花はまさにセンダイハギ 2枚目の青紫の花は背丈の小さい植物だった 日本には赤紫のマメ科植物は多いが、これだけ青いマメ科は見たことがない レックスベゴニア ベゴニアは種類が多く原産地も多岐にわたる そのうちのレックスベゴニアは原産地がインドのアッサム地方なので、この植物はベゴニアのオリジナルだろうと推定している 撮影場所もアッサムに近い南部の道路際だ 園芸種のオリジナル 小さな花が集まって球形の花序を構成している 個々の花はシンプルだが群落になるとピンクの絨毯のようで素晴らしい 家内の話によると最近日本の住宅地で園芸種としてこの花を見かけるという 自分では見た記憶がないので何とも言えないが、この花がオリジナルかもしれない シモツケ ブータンの中央部あたり、村落の近くにこの白い花が密集して咲いていた 遠目にはハルジオン、ヒメジョオンなどのキク科植物かと思ったが、近くで見るとシモツケの仲間らしい 植物図鑑によればシモツケ類はアジアに多いようなのでこちらが原産かもしれない ミツバツチグリ この花は日本のミツバツチグリと同じだと思う 日本ならこの系統の黄色い花はいくらでも見られるのにブータンでは数回確認した程度である リンドウ系の花 花弁の先が尖っていないので違うのかもしれないが、個人的にはリンドウ科の花のような気がする 色が紫で固まって咲く様子などハルリンドウやフデリンドウに雰囲気が似ている この花はやはり南部の標高の低いところに比較的数多く見ることができた サクラソウ サクラソウはブータンの国花、と言い切ってもいいのではないか とにかく、標高2500くらいのパロの河原から標高3500を超えまだ雪の残るペレーラ峠までどこの道路の脇でもサクラソウが咲いていた(標高の低い南部では見なかったが) 興味深いのは草丈で、標高の低い温暖な地域では草丈が高く、標高の高いところでは地面を這うように草丈が低い 基本的にはニホンサクラソウと同じピンク色なのだが、中には濃い紫色のサクラソウがあってインパクトがある ツアーの半分くらいはサクラソウに囲まれた旅だったので、ブータンはサクラソウの国というイメージが刷り込まれてしまった
by mustachio
| 2016-04-30 16:04
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