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還暦からのネイチャーフォト

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2016年 05月 18日

ブータン王国15日間野鳥編4/4~5

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すでにブログでご報告済みのように2016年4月4日から17日までブータンを旅してきた
例によってバードウォッチングツアーへ参加した次第である
同行者は日本人ばかりだが、現地ツアーへの直接参加でガイドとのやり取りはすべて英語だった
滞在期間も過去のツアーよりはかなり長く写真撮影枚数も多かったので、整理には時間がかかり帰国後1ヶ月が過ぎてしまった
今までの海外野鳥撮影レポートは生息地域別や鳥の種類(科・目)別だったが、今回は枚数が多すぎるので撮影日ごとのアップにさせていただく
(個人の記録としては撮影日ごとのファイルが整理しやすい反面、旅行に行かれていない読者/閲覧者の方にはわかりにくいと思うのだが)

4月4日の野鳥
羽田空港を深夜出発し現地時間午前10時ごろにはブータンのパロへ到着した
バンコクで乗継があり長いフライトだったがブータンとの間に3時間の時差があり、4日の午後は十分探鳥時間がある
といっても体力的な事情から無理はできず、身体慣らしが目的の観光兼お散歩程度のものでバードウォッチングも肩慣らしレベルだ
(パロ周辺でも標高が2300mあり、高地に身体を慣らす必要がある)

トキハシゲリ Ibisbill
ブータンは山国で平地がほとんど見当たらず国際空港ができるようなスペースはパロ周辺にしかない
パロ市街の近くでパロチュ(パロ川)とドチュ(ド川)が合流していて観光地のパロゾンも近くにある
その河原でまず探したのがトキハシゲリ
朱鷺色の嘴をもつ割と大型のケリだ
このケリは以前インドのアッサムで見たことがあるのだが、距離が遠く鳥の保護色(グレイと黒が河原の石と紛らわしい)もあってクリアな記憶がなかった(後で写真を拡大して確認した)
今回は赤く湾曲した嘴を肉眼でも確認できるような距離で観察することができた
(パロの川はさらに南へ流れインドのアッサム・バングラデシュを経由してベンガル湾に続く)
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カワビタキ Plumbeous Water Redstart
日本でも迷鳥としての記録があるジョウビタキの仲間
丸い石の多いような河原に棲息する
10年ほど前台湾の烏来で見たのが初めてだったが、その後東南アジアでは何回か出会いがある
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ハクセキレイ White Wagtail
主として河原を歩いたのでハクセキレイを見かけた
日本のハクセキレイと同一種だが地域によって亜種レベルの相違はかなりある
この個体はご覧のように黒い過眼線が見えず目の周辺が真っ白で「白面の貴公子」のように見える
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ビンズイ Olive-backed Pipit
河原で見たのでタヒバリ類かと思ったが、日本と同じビンズイだった
日本では夏の高山のイメージが強いが、アジアでは割とよく見かける普通の鳥だ
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クロヒヨドリ Black Bulbul
日本ではヒヨドリの仲間(Bulbul)は普通種のヒヨドリと南西諸島のシロガシラくらいしかいないのであまり興味がないが、アジアのヒヨドリ類はバリエーションが多く面白い
最初に出会ったヒヨドリは全身が真っ黒で嘴が真っ赤なクロヒヨドリだった
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ベニハシガラス Red-billed Chough
昨年モンゴルで慣れ親しんだベニハシガラスに再会した
日本ではカラスは全身黒と決まっているが海外に出てみると変化があって面白い
アジアでは嘴が赤いベニハシガラス、ヨーロッパでは嘴の黄色いキバシガラスがいる
中間の中近東にオレンジの嘴のカラスがいるかどうかは残念ながら未確認である(もちろんいないと思うが)
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4月5日の野鳥
起床4時  この日から本格的なバードウォッチングが始まる
文句を言うわけではないが探鳥旅行は朝が早い 真っ暗なうちに起きて夜明けまでに鳥の出るフィールドに着いていなければならない
目指すはパロの南に位置するチェレーラ峠、標高は3800m(道路としては最高地点)で富士山頂に匹敵する高さまでバスで登る
メインターゲットは高山雉の仲間で峠周辺で探鳥した後夕方パロへ戻り、さらに首都のティンプーまで移動する行程である

ベニキジ Blood Pheasant
日本の国鳥が雉であるようにキジの仲間は大型で色彩的に美しいものが多い
ヒマラヤ周辺にも3大高山雉と称されるキジ類がいてツアーのターゲットとなっている
この日は早起きの甲斐があって峠周辺の道路脇にオスメスのベニキジを見ることができた
早朝なので採餌中が観察のチャンスなのだが人の気配があると藪の中へ退避してしまうため撮影は結構難しい
写真のようにオスメスのツーショットを撮ることができたのは幸運というしかない
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マミジロマシコ White-browed Rosefinch
ネパールからブータンにかけて、つまりヒマラヤ周辺に棲むマシコ
日本のベニマシコによく似ているが黒い過眼線があり眉がピンクに見える
その眉の後方に白い斑点があるのでマミジロ(White-browed)の名前があるようだが、はっきり言って白は目立たない
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アカチャイワヒバリ Rufous-breasted Accentor
標高が高いので当たり前といえば当たり前なのだが道路の脇にイワヒバリが出てくる
ヒマラヤから中国南部にかけて生息するようだ
成鳥は胸が赤茶色になるが写真の個体は若鳥で胸の茶色が目立たない
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ヒマラヤルリビタキ Himalayan Bluetail
日本のルリビタキによく似ているが白い眉班はなく頭全体が瑠璃色である(目の下は黒っぽい)
名前のようにヒマラヤ周辺には多いようだが今回のツアーではこの日しか出現しなかった
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ビンズイ Olive-Backed Pipit
同じブログに再登場となるが撮影日ごとに整理をしたのでご容赦願いたい
自分にとってビンズイは高山の鳥で、標高の高いチェレーラ峠で見るほうが雰囲気にあっていると思う
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ルリビタイジョウビタキ Blue-fronted Redstart
ジョウビタキの仲間は黒・白・グレイの無彩色にオレンジ色という固定観念があったが、今回初めてブルー系のジョウビタキに出会った
ヒマラヤ周辺に棲息する鳥のようでこれから先も何回か出会いがあった
一目見ただけではジョウビタキの仲間と思えないミステリアスな鳥である
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ヒガラ Coal Tit
日本のシジュウカラ類では冠羽のある鳥が少ないのでヒガラはすぐわかるが、ブータンには同じヒガラがいた
ブータンではカンムリシジュウカラなど冠羽のあるカラ類が多いので、ヒガラとの識別はかなり難しい
どうもお腹が白い(灰白色)というのがポイントのようだ
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アカバネムシクイ Buff-barred Warbler
Warbler(ムシクイ)の仲間は似たような種類が多く識別が難しい はっきり言ってお手上げである
たまたま同行者の中に詳しい方がおられたので同定はお任せということになった
Buffというのは水牛などの皮(もみ皮)のことで色彩的には鈍黄色のこと  つまり翼帯が鈍黄色のムシクイということのようだ
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クマタカ Mountain Hawk Eagle
猛禽類ではクマタカを見つけた
鷹と鷲の区別は基本的には大きさのようだが、Hawk Eagle というのは中間的な大きさということだろうか
冠羽が目立って比較的わかりやすい鳥だった
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チョウゲンボウ Common Kestrel
もう1種の猛禽はチョウゲンボウ
尾羽の先端が黒いのでわかりやすい
チョウゲンボウはユーラシアからアフリカまで分布域が広く海外で見かけることが多い
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ハイイロマシコ Plain Mountain Finch
集団で飛ぶマシコの群れに遭遇した
これから先何回も出会いがある普通種だがスズメのように茶色っぽい小鳥である
ただ空を飛んでいる時はまさに灰色で日本名がピッタリだと思う
2枚目の写真など海の中の魚の群れのようでなかなか幻想的なシーンだ
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ホシガラス Spotted Nutcracker
日本では高山の鳥の代表のようなホシガラスがブータンにもいた
もちろん同一種なので日本のホシガラスによく似ているが、ブータンのホシガラスは腹の部分に白斑がなくこげ茶色が目立つ
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ヒマラヤキバシリ Hodgson's Treecreeper
日本にいるキバシリとよく似た鳥
ブータンにはキバシリも生息するのでガイドも悩んでいたようだが、結局ヒマラヤキバシリに落ち着いたようだった
判定には尾の模様が決め手になるようだが、残念ながらこの写真には尾が写っていない
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シロエリツグミ White-collared Blackbird
首にショールを巻いた貴婦人を思わせるようなデザインのツグミ
ブータンの北寄りの地域で何回か見かけた
英語名のWhite-collaredもわかりやすい
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キバラアカゲラ Darjeeling (Pied) Woodpecker
ネパールやブータンなどヒマラヤ周辺はキツツキの種類が多彩で面白い
最初に見たアカゲラはインドのダージリンの名前がついているが分布図から見るとダージリンには棲息していないようだ
(このアカゲラは後日登場するヒムネアカゲラとよく似ている)
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チャバラアカゲラ Rufous-bellied Woodpecker
茶腹というのは飯が食えずお茶で腹を一杯にしたと負う意味ではなく、腹の色が赤茶色だという意味
腹に限らず首回りまで完全に赤茶色なので頭頂の赤が目立たないというのがデザイン的な弱みである
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ヤツガシラ Common Hoopoe
ここから先は峠周辺の高地から下りて市街地に近い平地・河原の鳥になる
ヤツガシラはユーラシア・アフリカに広く生息し、日本でも与那国などで見られる人気者である
昨年モンゴルでもヤツガシラを撮影したがあまり近くには寄れなかった
ブータンのヤツガシラは民家の近くで採餌していて表情をアップで捕えることができた
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キンクロハジロ Tufted Duck
日本では冬鳥として数多く飛来するキンクロがブータンでも泳いでいた
場所は首都ティンプー近くの川
ブータンは大きな川や湖がないのでカモ類は少ない
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イソシギ Common Sandpiper
カモと同様、シギ類も少ない
このイソシギもユーラシア大陸全域に棲息する普通種といってよい鳥だと思う
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カワビタキ Plumbeous Water Redstart
こちらも2回登場となったが撮影地は4/4がパロの川、4/5はティンプーの川である
地味だが可愛い鳥だ
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カタグロツメバゲリ River Lapwing
このツメバゲリも以前インドのアッサムで出会っている
漢字で書くと爪羽鳧で羽根の前側に爪があるのが特徴だ
インドから東南アジアまで割と普通に見られるケリである
撮影したティンプーの河原はシロハラサギというレアなサギを狙って行ったのだが、こちらは不調に終わった
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by mustachio | 2016-05-18 15:47 | Comments(0)


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