2016年 05月 19日
4月6日の野鳥 4月6日は移動日、といっても連泊がほとんどないツアーなので毎日が移動日である 朝首都ティンプーのホテルを出発し、ドチュラ峠(標高3150m)を越えてプナハへ向かう プナハは標高が1350mとティンプーに比べ1000mほど低い ブータンで標高が低いということは気温が高いということで、緯度の面から亜熱帯性気候の温暖な地域である 何年か前までブータンはダブル首都(王宮)体制をしいており夏はティンプー冬はプナハと国王が季節移動をしていたという(現在は経費節減で首都はティンプー限定である) この日は移動距離も長くはなく、市街地に近いところが多かったので高山性の野鳥は姿を見せずゆったりとした雰囲気での探鳥であった ミドリオタイヨウチョウ Green-tailed Sunbird タイヨウチョウというとどうしても南国の鳥というイメージがあり、東南アジアではどこへ行っても出会えるような気がするが、タイでもフィリピンでも出会った種類は少ない(インドアッサムでも見ていないのではないか) ブータンではタイヨウチョウとの出会いは多かったがほとんどがこのミドリオタイヨウチョウであった イスカ Red Crossbill 日本には冬鳥として渡来するイスカ 嘴が食い違う特異な野鳥で日本で出会えればうれしい鳥、その鳥にブータンで出会った 残念ながらシルエットになるような状況でクリアな写真は撮れなかったが、イスカの群れなどめったに見ることはできないので多少の興奮は覚えた 1枚目の写真は何となく赤い色が捕えられたし、3枚目のアップは嘴の形状をしっかり撮影できている ノドジロチメドリ White-browed Fulvetta チメドリの仲間は日本にいないのでなじみがないが東南アジアでは普通の鳥である ただ種類が非常に多く英語名のBabbler,Minla,Fulvetta,Yuhinaなどの鳥がみんなチメドリという日本名になるのでややこしい ブータンで出会ったチメドリはこのノドジロチメドリが最初のようだが、これから何種類ものチメドリが入れ替わり立ち代わり登場してくることになる ハイイロマシコ Plain Mountain Finch 前号で集団飛行の写真を掲載したハイイロマシコはこの日は道路脇で採餌中だった 地上にいるとこの鳥は茶色で灰色のイメージは全くない ノドグロヒタキ Rufous-gorgeted Flycatcher 日本名では喉黒、英名では喉赤というヒタキ 嘴のすぐ下の喉の部分は黒くその下の胸の上部が赤いのでどちらも正しいということになる 写真は逆光で色がわかりにくいが、それでも喉黒と喉赤が確認できる ヒマラヤダルマエナガ Brown Parrotbill ダルマエナガという鳥はエナガとは関係がなく日本の鳥ではない ただ朝鮮半島には普通にいるようで迷鳥としての記録はある そのダルマエナガの仲間がブータンにはたくさんいてなかなか面白い 最初に登場したヒマラヤダルマエナガは比較的地味な普通の鳥だが、胴体が丸く尾が長いという体型的な特徴は維持している オジロゴジュウカラ White-tailed Nuthatch 日本のゴジュウカラにそっくりなゴジュウカラ 少しお腹の茶色味が濃いような感じはする ブータンでは普通種のようであちこちで出会いがあった キバシサンジャク Yellow-billed Blue Magpie サンジャクというのはカササギやオナガの仲間 タイなどで見るただのサンジャクは嘴が赤いが、ヒマラヤ周辺のサンジャクは嘴が黄色でキバシサンジャクという プナハの近くにブータンでは珍しい公園があり(道路際ではない場所で)キバシサンジャクを撮影することができた 台湾のヤマムスメに似た大型の鳥で、こういう鳥を望遠レンズで追っていると時がたつのを忘れてしまう ハイバネツグミ Grey-winged Blackbird ツグミの仲間だがその中でもクロウタドリに近い種類だと思う 羽根の先端部分がライトグレーでチャームポイントになっているが他の部分はまさにクロウタドリそのものだ この鳥はこの日しか出会いがなかった ハイイロオウチュウ Ashy Drongo 日本ではなじみの薄いオウチュウだがアジアでは見る機会が多く、英名のDrongoは昔から頭に刻み込まれている ただブータンではオウチュウの種類が少なくこのハイイロオウチュウとヒメオウチュウくらいしか出てこなかった キゴシムシクイ Ashy-throated Warbler わかりにくいムシクイの中では比較的わかりやすい 頭が黒く顔(喉)がグレーで腰の部分(上部)が黄色い ネパール・ブータンなどヒマラヤ地域のムシクイのようだ オナガベニサンショウクイ Long-tailed Minivet ブータンの道路脇にはベニサンショウクイが数多く見られる ご存知のようにオスは赤と黒、メスは黄色と黒のデザインで遠くからも目立つ ただ似たようなベニサンショウクイが3種類いてどの種類かを判定するのは非常に難しい チャバラアカゲラ Rufous-bellied Woodpecker 前日に登場したチャバラアカゲラにまた出会った 今回はメスなので頭頂は赤ではなくロマンスグレー(黒に白い斑点)である 顔から胴体にかけてはオスメス共通の赤茶色なので色彩的なバランスはメスのほうが良いように思う キバラアカゲラ Darjeeling Woodpecker 続いてキバラアカゲラ こちらも今日の個体はメス アカゲラの仲間は腰の部分はオスメス共通で赤いが、頭部の赤はオス限定でメスの頭部は黒い どういうわけか(チャバラもキバラも)オスよりもメスのほうが近くに寄れてきれいな写真を撮ることができた カワビタキ Plumbeous Water Redstart こちらも連日登場のカワビタキ ブータンは大きな川が少ないが沢のような流れは数多いのでカワビタキなどは毎日登場ということになる 川が小さければ鳥とカメラの距離が近くなりクリアな写真が撮れるようになる オオルリチョウ Blue Whistling Thrush 連日登板という点ではこのオオルリチョウもすごい 初日を除いて毎日目撃されている 濃い紺色に白い斑点がありよく見ると大型で美しい鳥なのだが、一見カラスに似ていて慣れると見向きもされなくなる ただカラスと違って群れをつくらないようで常に1羽で単独行動をしている シロボウシカワビタキ White-capped Water Redstart カワビタキよりはるかに大きく色彩的にも美しいのだが、今年は北部タイで十分よい写真が撮れているのであまりカメラを向けなかった こちらも小さな沢筋に棲息しているのでブータンではほとんど毎日見ることができた カワガラス Brown Dipper 日本と同じカワガラス 名前の通り川などに生活するが小さな流れよりはある程度大きな川を好むようだ プナハ周辺は比較的低地で大きな川があるため何カ所かで見ることができた アオショウビン White-throated Kingfisher 広くアジアに分布する普通のカワセミ 北部タイのツアーでは遠い距離のアオショウビンしか撮れなかったがプナハの近くではまあまあのアップが撮影できた カタグロツメバゲリ River Lapwing プナハ周辺は標高が低いので亜熱帯性気候 河原ではインドアッサムと同じような種類の鳥が見られる カタグロツメバゲリはいたのだがインドトサカゲリは見られなかった キガシラウミワシ Palla's Fish Eagle 海のないブータンでウミワシに遭遇するとは思っていなかった 日本名でウミワシといっても英語名にするとSea EagleとFish Eagleの2種類がいてキガシラウミワシはFish Eagleのほうである つまり魚を食う鷲というわけで川があればウミワシがいてもおかしくない 余談だがブータン人は殺生を嫌うので絶対に釣りをしないが魚は普通に食べるという 人が殺したものを食べるのは悪いことではないという理屈のようだ 魚はインドから冷凍で入ってくる カノコバト Spotted Dove 迷鳥として西表島で記録があるので最近では日本の図鑑にも登場する キジバトによく似ているが首の後ろの鹿の子模様はずっと大きい タカサゴモズ Long-tailed Shrike ブータンのモズはタカサゴモズとチベットモズの2種類だった プナハ周辺では市街地が広がっておりタカサゴモズが多かった クロヒヨドリ Black Bulbul ヒヨドリはクロヒヨドリとシリアカヒヨドリがメイン 日本のヒヨドリと同じように市街地でも普通に見られる シリアカヒヨドリ Red-vented Bulbul 同じように黒っぽいヒヨドリだが、クロヒヨドリは嘴が赤くシリアカは黒い イメージ的にはシリアカヒヨドリのほうが精悍である カバイロハッカ Common Myna こちらも人家に近いところに多いアジアの鳥 海外にバードウォッチングに行くとまず写真を撮るのがこの鳥だろう そのうち見向きもしなくなる人が多いが、表情が豊かで写真の被写体としては魅力的な鳥だと思う
by mustachio
| 2016-05-19 17:59
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