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還暦からのネイチャーフォト

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2016年 12月 07日

北部オーストラリア探鳥旅行記02


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「探鳥旅行記録」で動物昆虫編というのはいささか矛盾があるが、vol.2は釣りでいえば「外道」に当たる野鳥以外の動物(哺乳類・爬虫類・昆虫)を整理したものである
海外の探鳥旅行に参加して蝶などの鳥以外の生物を撮影する手法は「野鳥が不得意」の自分の「得意技」である
時期のずれ等難点があるのだが、基本的には野鳥の多いフィールドでは哺乳類や昆虫など他の動物に遭遇するチャンスが多い
世の中にはバードウォッチングツアーと称して野鳥の専門家がフィールドを案内するツアーが数多く存在し、世界中にバードガイドという職業が存在する
ところがインセクトウォッチングツアーは参加希望者が少なすぎるためかまったく聞いたことがない(採集ツアーはあるのだが自然環境保護とは相容れず闇のツアーが多い)
自分がバードウォッチングツアーに参加する目的の一つが「外道狙い」であることは間違いないのだが、今回のオーストラリアは最初から外道(鳥以外の動物)を期待していなかった
その理由の一つはオーストラリアに有袋類(正確には哺乳類有袋目)以外の動物がほとんど見られずカンガルー以外の動物は期待できないからである
蝶に関しては、ニュージーランドと違って全くいないわけではないが、どちらかというと蝶の分布域はケアンズ付近など東海岸に偏っていて北部オーストラリアではあまり期待できないことが事前にわかっていた

これからご覧いただく外道シリーズ(動物昆虫編)は予想外に写真が撮影できたことの証なのだが、昆虫類に関しては残念なことに写真的によいものがない
ポイントはレンズ
特に昆虫の写真をとるにあたってマクロレンズを使わず野鳥用の望遠レンズ(150~450ミリ)を代用したため至近距離のピントがきわめて悪いのだ
(マクロレンズは携行していたが重いカメラとセットしてあるので体力的理由からフィールドに持ち出さなかった  重いカメラ2台を首から下げて野山を歩くのがきつくなってきている)
今回のブログはその点ご承知おきでご覧いただきたい

ワラビー/カンガルー

数はそれほど多くなかったが、ダーウィンでもカカドゥでもワラビー/カンガルーを何回か見かけた
どちらもカンガルー科の動物で大きさが異なる(ワラビーのほうがカンガルーより小さい)
写真は大きさが判らないので判定が難しいがダーウィンで撮影した1枚目と3枚目は間違いなくワラビーである
2枚目とタイトルバックの写真はアウトバックでの撮影だが、環境の厳しいアウトバックには体力的に優れたカンガルーが多いとされているのでこちらはカンガルーのほうだと思う
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オオクロコウモリ

もう1種、哺乳類との出会いがあった
ダーウィンの植物園に群れをなしてぶら下がっていたオオクロコウモリである
フルーツバットの仲間で超音波検知機能がなく昼間目視で餌をとるようだ
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イリエワニ

オーストラリアのNT(ノーザンテリトリー)はワニの天国である
とにかく、ダーウィンを除けば人間の数よりワニの数が多いというのは事実のようだ
基本的にはアリゲーター科ではなくクロコダイル科に属するワニで、海水に強く南アジアなどに広く分布する
カカドゥのリバークルーズでは何頭かのイリエワニを間近に観察したが、ワニは水中から岸にいる動物に狙いをつけ引き込む能力があるので野鳥観察時に夢中になって水辺に近づかないよう旅行中は厳重に注意されていた
3枚目の地上にいるワニの写真はリバークルーズのボートから望遠レンズで撮影したものである
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ギルバートトカゲ

現地をご案内いただいたOさんからこの蜥蜴の名前をお聞きしたのだが、年齢のせいで思い出せない
確か「ギルバートトカゲ」だったと思うのだが帰国後ネットで調べた限りではギルバートトカゲはアメリカ大陸の蜥蜴のようだ
いずれにしてもこの蜥蜴には野鳥観察中に何回かお目にかかった
オーストラリアには例の「エリマキトカゲ」もいるので探しに行ったが、一瞬目撃したものの残念ながら撮影の余裕はなかった
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ヤマトンボ

鳥を探して水辺を歩いたせいかトンボとの出会いは思ったより多かった
残念ながらオーストラリアのトンボに関するデータが全くないので類推しかできないが、このトンボは日本でいえばヤマトンボの中のコヤマトンボに近い種類ではないかと思う
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アカトンボ

アカトンボというトンボはいないとお叱りを受けそうだが日本の成熟したアキアカネによく似た普通の赤とんぼである
アキアカネはアジア北部の限定種なので別種であることは間違いないと思うが
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アカスジベッコウトンボ

日本では与那国・西表・石垣など先島諸島限定のアカスジベッコウトンボに間違いないと思う
インドや南アジアに棲息するトンボなのでオーストラリア北部にいてもおかしくはない
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チョウトンボ
こちらも日本のチョウトンボと同一種だと思う
色彩、飛び方など日本で見るチョウトンボとの違いは全く見つからなかった
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ベッコウチョウトンボ
亜種レベルで差異があるのかもしれないがこちらも沖縄地方でよく見るベッコウチョウトンボと見た目が変わらない
東南アジアと北部オーストラリアは距離的に近く、飛翔能力に優れたトンボにとっては通勤可能距離の範囲なのだと思う
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イトトンボの仲間
イトトンボの仲間は飛翔能力が劣るはずなのでオーストラリアのイトトンボと日本のイトトンボでは種のレベルで相違があるはずだ
ましてマクロレンズ不使用の遠距離からの撮影画像では図鑑があったとしても同定は難しいと思う
名前はただ「イトトンボの仲間」としておく
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Fuscous Swallowtail

ここから「蝶編」
オーストラリアの蝶に関しては図鑑を持っている  10年前初めてケアンズを訪れた時に記念として購入したものだ
ただあくまでも英語の図鑑であって日本語訳がない
インターネットで調べればいいといわれるかもしれないが、専門的な用語に関してはネットは全く無能で基本的なSwallowtailという訳語がアゲハではなく「ツバメの尾」となって出てくる
この写真の蝶は英語をそのまま訳せば暗褐色のアゲハ、まあコゲチャアゲハとでも訳すのだろうが正確なところはわからない
見た目はシロオビアゲハ(英名Common Mormon)によく似ているが、前翅の白帯が外縁ギリギリにあるのではなく内側に入っている
オーストラリア固有のアゲハらしい
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Small Pearl-white

図鑑から英語での種名は同定できるが日本名はわからない
キチョウの黄色いところを白く変えたような蝶でモンシロチョウ(Cabage-white)とは明らかに異なる
オーストラリアにモンシロチョウはいるのだが南部海岸地方限定でヨーロッパなどから持ち込まれたものと推測する
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Caper Gull

オーストラリア限定ではないが南アジアを含む周辺に固有のシロチョウのようだ
日本のミヤマモンキチョウと同じようなデザインだがミヤマモンキの黒帯は翅裏には出てこない
「黄色と黒は勇気のしるし」というコマーシャルソングがかって流行したことがあるが、色彩的に目立つ蝶である
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Caper White

日本のゴマダラチョウによく似ているがタテハチョウ科ではなくシロチョウ科の蝶
色使いは単純だがデザイン的には魅力的な蝶だと思う
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Yellow Albatross

アルバトロスはアホウドリ、蝶に関していうならばトガリシロチョウの仲間を指す
日本産蝶類ではカワカミシロチョウ(Common Albatross)やナミエシロチョウ(Lesser Albatross)がこれに該当する
この蝶の正確な和名はわからないが直訳すればキイロトガリシロチョウといったところだろうか
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White Emigrant

日本のウスキシロチョウは英名Lemon EmigrantでオーストラリアにはWhite EmigrantもLemon Emigrantも生息するのだが、写真の蝶は翅型から判断してWhiteのほうらしい
どちらも南アジアに広く分布する共通種のようだ  Emigrantの名前通り各地に移住して勢力範囲を拡げているたくましい蝶である
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Dingy Swift

最初に見た時は日本のチャバネセセリだと思った
チャバネセセリの学名はPelopidas mathias、こちらの学名はPelopidas agnaなので完全な同一種ではないようだ


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Spotted Opal

ちょっと見ではウラゴマダラシジミを思い起させるシジミチョウだが全く別種である
地上で撮影したが、図鑑によると地表に近いところで活動する習性があるらしい
近寄りすぎてピントの良い写真が撮れなかったのは残念である
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Dark Ciliate-blue

写真1枚目はかなり汚損した個体なので判定が難しいがどうも2枚目と同一種でウラナミシジミの仲間のようである
日本で見る普通のウラナミシジミとの相違点は尾状突起で、写真の蝶には長い尻尾がなく後翅端3ヶ所にちょび髭のような小さな突起がある
英語のciliateは繊毛があるという意味なので、この突起のことを意味しているのではないかと勝手に考えている
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Common Grass-blue

日本のヤマトシジミと同一種のように思うがヤマトシジミの分布は南アジアから東アジアまでだ
オーストラリアの蝶類図鑑によるとこの蝶はCommon Grass-blueであるがこれに該当する日本名はわからない
ちなみにヤマトシジミの英名はPale Grass-blue、ハマヤマトシジミはDark Grass-blue、ヒメシルビアシジミはLesser Grass-blue、ホリイコシジミはTiny Grass-blueで英名Common Grass-blueに該当する日本の蝶はいない
まあ「オーストラリアのヤマトシジミ」と思っていればいいのだろう
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Orange Ringlet

Ringletは小さな輪 蝶の名前なら蛇の目を意味する
オレンジ色が目立つ蝶で見た瞬間は日本のヒメヒカゲかと思った
ヒメヒカゲの英名はFalse Ringletなので近似種であることは間違いない
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Swamp Tiger

蝶の英名でTigerはアサギマダラなどマダラチョウの仲間のことを指す
スジグロカバマダラ(Orange Tiger)からオレンジ色を抜いたようなイメージの蝶である
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Common Crow

ルリマダラの仲間 日本の蝶ではシロオビマダラに近い
別名Austrarian Common Crowということからオーストラリアの普通種なのだと思う
実際にカカドゥ国立公園ではあちこちの林で見かけている
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Meadow Argus

日本で見るタテハモドキそっくりだが微妙に斑紋が異なる
学名をチェックしてみるとこちらはJunonia villidaでタテハモドキはJunonia almana
要するに種は違うようだ
今回は見かけなかったがオーストラリアにはアオタテハモドキ(Blue Argus)もいて、こちらは日本のアオタテハモドキと同一種である
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Chocolate Argus

蝶編の最期はChocolate Argus
こちらは日本のイワサキタテハモドキと同じ蝶で学名はJunonia hedonia
日本国内ではわざわざ石垣島まで遠征して撮影した蝶だがカカドゥの草原(荒地)には普通に飛んでいた
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by mustachio | 2016-12-07 16:05 | Comments(0)


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