2017年 07月 09日
今年の南関東は梅雨でもほとんど雨が降らないので、1、2回近郊へ出かけてみた リタイア直後は精力的に写真撮影に出かけたが、関東で出会える蝶も野草も野鳥もほとんど撮影できてしまったので、ここのところ新規フィールドも開拓していない 今回歩いたのは武蔵村山の野山北公園と埼玉の秋ヶ瀬公園、シーズン的にゼフィルス(ミドリシジミ類)が狙いだったが結果はさっぱりでわくわくするような出会いはなかった ブログも「記録」の意味で整理しておくことにしたい 野山北公園 スジグロシロチョウ 狭山湖に近い野山北公園は東京都の公園である 昔はアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ウスイロオナガシジミなどの平地性ゼフィルスの宝庫だったが今回はウスイロオナガシジミが撮影できただけであった 多かった蝶はスジグロシロチョウ この蝶は至る所に飛んでいて飽きるほど撮影した 興味深いのはオスとメスの絡みのシーンで、同じ蝶でもオスとメスのデザインの違いがはっきりわかる (黒っぽいほうがメス、モンシロチョウのように見えるほうがオスである) ミズイロオナガシジミは1頭だけ撮影できた 10年くらい前まではこのフィールドにも数十頭のオーダーでこの蝶がいたのだが、ここ数年この蝶を団体で見たことは一度もない この公園は大半が東京都の水道局管理で人が入れないようになっており、自然状態はしっかり保全されていると思われるのに何故数が減ってしまうのだろうか ベニシジミ アカシジミの撮影を狙って行ったのにベニシジミの写真では洒落にもならないがご容赦願いたい 撮影はできなかったが1頭は確認しているので棲息していないわけではない もともと東京近郊ではアカシジミの発生は早く基本的に5月末の蝶なので、こちらが悪いのだと思っている ウラナミアカシジミもこの日、このフィールドで確認できなかった ヒオドシチョウは新鮮な個体だった このフィールドでは定番のタテハである ヒメジョオンで吸蜜中のヒョウモンはメスグロヒョウモンのオスだった 翅表だけではミドリヒョウモンかなと思うが翅裏はウラギンスジヒョウモンに似ている 表裏両面を確認するとメスグロヒョウモンに到達する(真っ黒なメスと絡んでいればすぐメスグロヒョウモンとわかるのだが) 前にも同じようなコメントをしているが夏型のキタテハは存在感に欠ける この時期、他に派手で美しいタテハ類が活躍するので地味に見えてしまうのだろうか 秋型は体型がシャープになり色も鮮やかなオレンジ色に変わって存在感が増してくる 翅の傷んだイチモンジチョウが路上で吸水していた この蝶は樹冠にとまったり花で吸蜜しているのが自然体のように思う(当日は暑かったのでしょうがないか) 野山北公園はテングチョウの多い 時期によっては群れていることもある テングチョウとヒオドシチョウが多いのは食草のエノキ(ニレ科植物)が多いせいだろうか オオムラサキは見たことがない クロヒカゲはまあどこにでもいる普通種だ ブログリピーターの方はもうご存知と思うが、この近似種のクロヒカゲモドキが「未撮影」となっている(前翅裏面3個の蛇の目の一番下が一番大きいのがクロヒカゲモドキの特徴である) クロヒカゲモドキも「元普通種」で山梨くらいまで遠征すればいくらでも撮影できるはずだったのにどういうわけか本土(島しょ部を除く日本)産蝶類の中でこの蝶だけが残ってしまっている 今年は何とか、と期待しているのだが「モドキ」には巡り合えるのだろうか この蝶も東京近郊の普通種 少年時代から慣れ親しんでいるので見つけても感動がないが、昨今のペースで自然環境の劣化が進むとクロヒカゲモドキと同じ運命をたどるかもしれない (暗いところでいい加減に撮ったのでひどい写真だ 今度きれいな個体を見つけたらしっかり撮影しておこう) こちらも昔は掃いて捨てるほど多い蝶だったがこの日このフィールドで見たのは一度だけだった 公園内は生育環境が保全されているように思うのだが外部近郊の農薬等の影響があるのかもしれない いわれてみれば確かに「大名」のイメージがあるセセリチョウ こちらも子供のころからの馴染みなのでレンズを向ける頻度は少ない ただこの蝶に関しては「関東型」と「関西型」があり、関東では後翅表面の白紋がないのに関西では前翅と同じような白紋が後翅にもあるらしい 機会があれば関西型にお目にかかりたいと思っているがまだ実現していない 好き嫌いはあると思うがデザインのはっきりした個性的なセセリチョウ 山梨県の韮崎や朝霧高原などで多く見かけるが東京都内での出会はやや意外だった 念のため過去の写真を調べてみると2003年の6月にこのフィールドで撮影した記録があった 東京では14年ぶりの対面である 最強の昆虫といわれるオオスズメバチが路傍の草の茂みで這いまわっていた 樹液に来ているところを遠くから望遠レンズで撮ることはよくあるのだが、近くでアップを撮影するのは勇気がいる まあ都立の公園の中なので刺されても誰かが助けてくれるだろうと高を括って撮ったのが次の写真だ 公園の道路沿いで一番目立った植物がドクダミ この花は意識的に植栽したわけではなく自然に生えているものだと思う 子供のころは名前のように毒があるのかと思っていたが、清楚な割に生命力があり最近では親しみさえ感じる 数では圧倒的に負けるが所々にオカトラノオが咲き始めていた この花は咲き始めのころが美しい ヒルガオ けして派手な花ではないのだが、この時期花が少なくあっても白系の花が多いのでピンクのヒルガオが目立つ 中国原産の外来種 最近の事情はよく分からないが、東京近辺では普通に見られるのに他の地域ではほとんど見られないという(植物図鑑にも載っていないことが多い) ベンケイソウ科の植物 この時期黄色い花はよく目立つのだがこの花は種子を結実せず繁殖はムカゴに依存するらしい 谷筋の湿ったところにユキノシタを見つけた この花は近似種のダイモンジソウによく似ていて小さな花弁3枚と大きな花弁2枚で「大」の字を形成している ダイモンジソウは5弁すべて白色なのでわかりやすいが、ユキノシタのほうは小さな花弁に赤色斑があって周囲と紛れてしまい、一見花弁が2枚だけのように見える さいたま市の秋ヶ瀬公園は家から近いので冬場は野鳥観察に出かけることが多い 野鳥観察者(撮影者)は年々増えているのだがそれに反比例して野鳥の数が年々減っているように思う 今回出かけた目的はハンノキ林のミドリシジミだったが、残念ながら全く出会いがなかった この公園はミドリシジミの公園として売り出していたはずなのにどうなっているのだろうか (ハンノキが大きくなりすぎて観察しにくくなっているのかもしれない) キタテハ 他の蝶もほとんど見かけなかった 日差しが強かったせいか草の中に潜り込んでいるキタテハを見つけて撮影した 後はルリシジミくらい スジグロシロチョウとベニシジミもいたが前半と重なるので省略する 「ミドリシジミの森」と呼ばれるハンノキ林周辺は公園の中でも池が多いところだ 何年か前のこの時期には道路にまで水があふれて長靴がなければ歩けないような時もあった ところが今年は完全な水不足、いくつかの池は干上がってしまって底が見えている 数が多いはずのトンボ類も産卵場所に苦労しているようだった 普通のクサフジと思われる植物があった 葉が細いのでなんとなく違和感があるのだが、葉が若く展開する前の状態だろうと推測している 林縁にオオバジャノヒゲが咲いていた 山地にはユリ科の白い花が多いが都会の近郊で見られるのはこの花くらいだろうか 秋にこの花がつける実は紺色でなかなか美しい 最後はスイレン 干上がった池の中でけなげに咲いていた 本来水面に浮いているはずの花も葉もハスのように立ち上がっている 何十年かして日本の人口が減れば自然は復活するのだろうか?
by mustachio
| 2017-07-09 16:00
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