2017年 11月 25日
結果としてvol.2はマガン以外の鳥となってしまったが、マガンよりレアな鳥も多いので内容的にはこちらがメインになるかもしれない カリガネ マガンは英語でGreater White-fronted Gooseだが、こちらのカリガネはLesser White-fronted Gooseという つまりカリガネはマガンの小型版なのだ 大きさ以外、外見はほとんど変わらず、額の白色部分が少し大きく目の周りに黄色いアイリングがあるのがカリガネの特徴である マガンに比べると圧倒的に数が少なく、しかもマガンの群に交じって同一行動をとっているため探し出すのは大変だ 以下の写真でもマガンの群と同居しているが3羽だけ目の可愛いカリガネがいるのがお分かりいただけると思う こちらのハクガンもマガンの群に交じって同一行動をとる カリガネと違って外見が純白なのですぐ見分けることができるのだが残念ながらか数が少なくマガンと一緒に飛んでいるところを2、3回見かけただけだった (地上に下りている群れの中にハクガンがいないか必死に探したが1度も見つからなかった) 実は2年前このハクガン(幼鳥)が東京に現れて冬の間滞在している その時のブログにリンクを貼るのでご参照ありたい 個人的にシジュウカラガンは初対面ではないかと思う(7年前に伊豆沼を訪れた時には1羽も見なかった) この鳥によく似たカナダガンのほうはカナダなどで何回も見ているが両者は微妙に違う(シジュカラガンは黒い首と茶色の胸の間に白い輪があるのだがカナダガンにはこの輪がない) もともと冬鳥として日本に渡来する数は多かったようだが、繁殖地のカムチャツカ地方で数が激減し一時期日本ではほとんど見られなくなってしまった ところがロシアでシジュウカラガンを保護再生する活動が功を奏して最近では数が増え日本にもかなりの数がやってくるようになったという(キツネの食害を避けるためキツネのいない島に繁殖地を移したと聞いている) そのシジュウカラガンもマガンの群と同一行動をとっていたが、数が多いのでグループ内小グループを構成しかなり存在感があった ヒシクイは亜種のレベルでオオヒシクイとヒシクイに分かれる オオヒシクイのほうが個体数が多くヒシクイは探しても見つからなかった この鳥もマガンと大きさがほぼ同じで全体の色も似ているが、嘴が黒と黄色(オレンジ)の2色構成で額の白色部もないことから見た目はだいぶ異なる こちらはマガンと同一行動はとらず群れも全く分離していて生活場所も別だ 現地で観察した限りでは、昼間でも田んぼのほうに移動せず池の中でじっとしていることが多かった オオヒシクイの群の近くに1羽のヘラサギがいた 英名Eurasian Spoonbillが示すようにユーラシア大陸の鳥で嘴がスプーンのように平たい個性的なサギである 海外で見る機会は多いが日本では数が少なく、鳥屋さんには人気がある鳥だ こちらもユーラシア・アフリカ系の鳥だがいわゆる普通種で日本でもたいていの地域で見られる(我が家に近い石神井公園でも見ることができる) たまたま小魚を捉えたところだったのでシャッターを押した 普通種といえばこのマガモも典型的な普通種なのだが3日間で見かけたのは1、2度しかない マガンの勢力にマガモが圧倒されてしまったのだろうか 7年前の伊豆沼訪問時にはマガモと同じくらい数が多かったオナガガモも数えるほどしか姿が見えなかった 激変である 観光客の餌やり規制が原因ではないかと思われるがここまで数が減ってしまうと規制緩和も必要ではないかという気がしてくる (我が家近くの石神井公園など東京の公園でも同様の現象が起きている) 蕪栗沼にオオホシハジロがいた 近似種のホシハジロは旧大陸(ユーラシア・アフリカ)の鳥なので日本では見る機会が多いが、オオホシハジロは主として北アメリカに生息するため日本ではめったに見られない 嘴が黒く頭頂から嘴先端へのラインがなだらかなことがホシハジロとの識別ポイントのようだ こちらも珍しい鳥 というか、カンムリカイツブリ自体は最近数が増えていて冬の茨城の海では成鳥が普通に見られる 写真の鳥はなぜ珍しいかというと顔や首の斑紋からわかるように幼鳥なのだ カンムリカイツブリの繁殖地はユーラシア大陸の内部で日本で繁殖するケースは少ない つまり日本国内で幼鳥を見るチャンスがめったにないということである オオヒシクイの群の中でツルシギが3羽泳ぎながら魚を取っていた 冬羽なのでぱっとしないがこの鳥の夏羽は背中に白斑のある黒装束でチャーミングだ(黒い顔に白いアイリングがある) 旅鳥として日本に来るが渡来数は激減しているという ブログタイトルを「初冬の鳥たち」としたがエナガは留鳥(または漂鳥)で渡り鳥ではない それなのに寒くなりかけた頃の出会いが多く個人的には「初冬の鳥」のイメージなのだ 可愛い小鳥だが動きに落ち着きがないので撮影は結構難しい ムクドリ
こちらも留鳥で夏でも周辺に見られるのだが、寒い季節に目立つような気がする マガンのように集団行動をとることが多いのだが一匹狼的な個体もいる ハシブトガラスやハシボソガラスもいるのだが1度もレンズを向けなかった こちらのカラスはミヤマガラス 渡り鳥(冬鳥)でハシボソガラスより少し小さく嘴の基部が白っぽい ホバリングしている小型の猛禽がいた チョウゲンボウである どちらかというと国内では北国の鳥のようだが繁殖地を南のほうに拡大中と聞く マガンの群が採餌している刈り取り済の田んぼにはノスリが多かった 猛禽らしい精悍な表情を比較的近い距離から捉えることができた 最後の鳥は「白鳥」 伊豆沼・蕪栗沼(登米市)周辺ではコハクチョウが全く見られなかった 帰路、古川市の周辺でマガンと混在するコハクチョウの群を見つけた オオハクチョウと比べると嘴の黄色い部分の割合が小さい コハクチョウはオオハクチョウより南で越冬するといわれるが、それほどシビアな棲み分けが行われているのだろうか マガンの里でマガンの次に存在感があったのはやはりオオハクチョウである 雁よりも大きく純白なので飛翔中でも採餌中でも目立つ まだ日本へ来たばかりだろうと思うがすでに求愛活動を始めている個体もいた 春になって北へ帰るときはカップルを固定して出発するのだろうか
by mustachio
| 2017-11-25 15:00
|
Comments(0)
|
アバウト
ホームページ
カテゴリ
以前の記事
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 03月 フォロー中のブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||