還暦からのネイチャーフォト

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2018年 04月 16日

日影沢の野草

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昨年から今年にかけて「植物写真」を整理した
「日本野草図鑑/個人撮影の種類別植物写真集」というホームページも新設した

ネイチャーフォトのメインテーマは相変わらず蝶・野草・野鳥なのだが、国内では蝶の写真を(種類的には)ほとんど撮り終わって、これからは植物かなという流れになってきている(海外はツアーの都合もありメインテーマは野鳥になる)

というわけで久しぶりに花の写真を撮りに出かけることにした
行先は裏高尾の日影沢、交通手段はバスと電車の単独行である
日影沢は車で行けないこともないのだが、一人で行くときは車はもったいない
まして後期高齢者になると一人の運転はなんとなく不安で電車のほうが安心なのだ
大きな荷物はしんどいのでカメラは100ミリマクロ装着の1台に絞る

日影沢へのアプローチは高尾駅から小仏行きのバスを利用する方法と高尾山頂から小仏城山に抜けて沢に下っていく方法とが考えられるが、年齢も考慮して下りルートを選択することにした
10年以上前、リタイア後のウィークデイ撮影行に良く利用したルートである

タカオスミレ
タカオスミレはヒカゲスミレの仲間で葉の表面が焦げ茶色から黒紫色になるスミレ
高尾山周辺に分布し早春に紫の筋がある白い花をつける
日影沢探索のメインターゲットはこのタカオスミレだった
以前このスミレを撮影した時がいつだったか調べてみると14年前の2004年4月
カメラもデジ一眼では初期のキャノンEOS10Dのころだった
最近のフィールドの荒廃はひどく、タカオスミレはもう見られないのではないかと出かける前から懸念していたが、案ずるより産むが易し、以前見た場所でも他の場所でも白い花が見られ安心した
タイミングが良かったせいか14年前より数が多かったように思う
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ヒナスミレ
メインターゲットがタカオスミレだとすればセカンドターゲットはこのヒナスミレ
未体験のスミレではないが高尾山周辺で出会ったことはない
ただこのヒナスミレが高尾山で見られるという情報があり内心気にしていたのだ
ヒナスミレは淡紅紫色(薄いピンク色)の美しい花を咲かせるスミレで「スミレのプリンセス」の異名を持つ
小仏城山から日影沢に下りる林道わきでこのピンクを見つけることができた
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アカネスミレ
紫色の濃いこちらのスミレはアカネスミレ
側弁の基部には白い毛が密生する毛深いスミレだ
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エイザンスミレ
スミレ類は種類が多く同定が難しいので間違いがあるかもしれないのだが、絶対に間違えないのがこのスミレ
スミレの初心者でもエイザンスミレはすぐわかる
最近エイザンスミレを見る機会がなくなったと嘆いていたが今回の高尾山~日影沢ルートにはこのスミレが多かった
特に高尾山頂から小仏城山の間はエイザンスミレの宝庫である
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ナガバノスミレサイシン
このスミレも比較的識別しやすい
葉が比較的薄く光沢があり花期には葉の基部が展開していないことが多い
実は近似種にスミレサイシンというスミレがあって新潟や長野など日本海側の多雪地帯に多い
春、ギフチョウやヒメギフチョウの撮影をするフィールドに多いスミレだ
そのスミレサイシンの太平洋岸型がこのナガバノスミレサイシンで名前の通り葉が細く長い
今回のコースでは高尾山頂付近にこのスミレが多かった
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フモトスミレ
フモトスミレというスミレの同定にはあまり自信が持てない
葉が心形で光沢はなく紫色を帯びているのでフモトスミレと推定するのだが、唇弁が他の花弁より小さいという特徴が写真からは確認できない
小型で花が白いスミレはそう種類が多いわけではないのだが
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ケマルバスミレ
マルバスミレともいう
毛のないものもあるのでマルバスミレの名前が適切なのかもしれないが昔からケマルバスミレのほうが耳慣れている
唇弁の紫色の筋は少なく、側弁の内側は無毛のものが多いようだ
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ニオイタチツボスミレ
タチツボスミレの仲間は薄紫色の花が多いがこのニオイタチツボスミレの花の色は紫の色が濃く鮮やかである
名前のように良い香りがするものもあるがすべてとは限らない
タチツボスミレよりは小さいが目立つスミレではある
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タチツボスミレ
どこでも見られる普通のスミレで今回のコースでも数は最も多かったと思う
決して姿が醜いわけではなくではなく、いかにもスミレらしい清楚な薄紫の花を多数つける生命力にあふれた野草である
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アズマイチゲ
早春の花としてまずイメージするのがこのアズマイチゲの純白の花だ
カタクリのように集団をつくらず一人静かに咲くところがいかにも春を感じさせる
新潟や長野など春の蝶を探しに行くときに必ず出会う花だが、今回のコースではほとんど出会いがなく沢の下流のほうで一輪見つけただけであった
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ニリンソウ
アズマイチゲと同じキンポウゲ科の植物だがこちらは群落をつくる
逆に群落ではないニリンソウはほとんど記憶に残らない
日影沢も昔からニリンソウの群落で有名なポイントだったがある時期花が激減し懸命な保護活動が行われたようだ
10年もブランクがあるので経年比較ができないが、現地では思ったより元気に群落を維持していた
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ミヤマカタバミ
カタバミという植物は太陽の当たる地表で花を咲かせるイメージが強いがこのミヤマカタバミは日陰の花だ
谷筋などどちらかというと湿り気のある土地を好むので日影沢には数が多かった
近似種にコミヤマカタバミがあって識別がややこしいが、コミヤマカタバミのほうは葉に丸みがあり開花時期も少し遅い
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ユリワサビ
齢のせいかフィールドで植物の名前を思い出せないことがある
実はこのユリワサビも撮影時に名前が浮かんでこなかった
花が4弁なのでアブラナ科までは推定できたのだがワサビまでは思いが至らなかった
本物のワサビのほうは水中(水流)に生えて葉も大きいのでイメージが湧かなかったのである
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コハコベ
小仏城山から日影沢に下りる林道の脇にハコベがあった
ハコベも識別が面倒なのだがこれは平凡なコハコベだと思う
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センボンヤリ
センボンヤリは高尾山頂から小仏城山への尾根筋で見つけた
この植物は春と秋に花を咲かせ秋の花は外部から見えない閉鎖花だというが、この閉鎖花を意識してみたことがない(槍のような形で名前の由来だという)
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ヒトリシズカ
名前は一人静だが普通は10本くらいで群生していることが多い
この日見かけた個体は名実ともに「一人静」だった
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クサイチゴ
バラ科オランダイチゴ属の植物も似たようなものが多い
日当たりの良い林道脇に白い花をたくさん見かけたがクサイチゴだと思う
シロバナノヘビイチゴの可能性も否定できない
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セントウソウ
セリ科植物も花が小さく識別が難しいのだが夏に咲くものが多いので4月上旬であればセントウソウとみてよいと思っている
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チャルメルソウ
チャルメルは夜鳴き蕎麦屋が使う笛(チャルメラ)から来ているという
植物写真を撮り始めたのは20年くらい前になるがこの名前はすぐ覚えた
10年ほど前にこのチャルメルソウを撮影した場所もしっかり覚えていて、今回も全く同じ場所にこの花があった
花といっても観察には老眼鏡が必要な小さくて地味な花である
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ヨゴレネコノメ
湿った渓流沿いに多い植物で日影沢ではあちこちで見かける
花自体は小さいが周囲の葉の色合いが面白く味わい深い植物である
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マムシグサ
このマムシグサも今回のルートではいろいろなところで見られた
花(苞)の部分が緑色のタイプもあるが、この日見たマムシグサはすべて紫褐色のタイプだった
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イカリソウ
イカリソウもピンクの花と白い花の2タイプがある
関東地方のイカリソウはピンク系が多いような印象があるが正確な記憶ではない
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ムラサキケマン
こちらは60年以上前からの馴染みの花
春(~初夏)に出るウスバシロチョウの食草なのだ
当時は小仏峠周辺にウスバシロチョウがいくらでもいたものなのだが
最近はどうなっているのだろうか
ここのところウスバシロの発生時期に裏高尾方面に来ていない
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ミヤマキケマン
ムラサキケマンとは色違いのキケマン
数はムラサキケマンの方が多いのだが黄色い花の塊は遠くからでも目立つので存在感はある
名前に「深山」がつくが高山植物ではなく東京近郊でも普通に見られる(キケマンの方は海岸地帯に多いようだ)
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ミツバツチグリ
野原などでよく見かける普通の黄色い花
似たような花に同属(バラ科キジムシロ属)のキジムシロがあり、葉の構成枚数が異なる(ミツバツチグリは三つ葉だがキジムシロは奇数羽状複葉で5、7、9枚など)
キジムシロのほうは最近見た記憶がない
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ヤマルリソウ
帰化植物であるワスレナグサに似た植物
小さいので目につきにくいがよく見るとなかなか美しい
日影沢の下流(バス停に近いほう)で見つけた
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クサボケ
尾根道(高尾山頂から小仏城山)に濃いオレンジ色の目立つ花が咲いていた
庭木のボケのようだが幹は地面を這っている
図鑑を調べてみると「クサボケ」のようだ
本号(日影沢の野草)の締めくくりはこの派手な花としたい
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by mustachio | 2018-04-16 18:00 | Comments(0)


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