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2018年 06月 25日

蝶鳥天国中部タイ撮影記(蝶編5)

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タテハチョウ科2
シリーズ「蝶・鳥天国 中部タイ撮影記」はこのタテハチョウ編で最後となる
個人的な印象かもしれないが、タテハチョウの仲間は群れを好まず一匹狼のものが多い(もちろん例外もあるが)
海外の蝶撮影はバードウォッチングの合間にしかチャンスがないので、その一匹狼との出会いは全くの運次第になる


キスジ属ダイトウキスジ Branded Yeomen
76年も生きていて今回初めて「キスジ」という蝶の存在を知った
漢字で書くと黄筋、翅表に黄色い帯のある蝶の種類のようだ
前編(蝶編4)最後のネッタイヒョウモンと英名(Yeomen)が共通なので近い仲間なのだと思う
この蝶も吸水中だったが集団吸水ではなく単独行動だった
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チャイロタテハ属チャイロタテハ Cruiser
英名のクルーザーからわかるように大型でカッコいいタテハ
このタテハは集団吸水の参加者で、仲間同士が群れあっているためグループとしての存在感があった
(日本でもオオムラサキなどの大型の蝶が群れて吸汁するシーンがあるが、彼らは餌に惹かれて集まるだけで群れ行動をとっているわけではない)
タイの蝶撮影では印象に残った蝶の一つである
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ビロードタテハ属カバシタビロードタテハ Assyrian
ビロードタテハの仲間(本種と次種)も今回初めて出会った
日本でも紫のタテハはいるのだが、このビロードタテハは翅表のほとんど全面が一様に紫色だった
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ビロードタテハ属ビロードタテハ
前掲のカバシタビロードタテハより少し大型で前翅端が突出し、後翅の黄色部(褐色部)が発達する
写真では識別が難しく分別に誤りがあるかもしれないが、両種をまとめて認識いただくことでご了解いただきたい
さて、ビロードタテハの英名Assyriaは紀元前にメソポタミアに存在した古代国家のことなのだが、この国家が英語圏の命名者にどのような意味を持つのかネットで調べてみたが判らなかった
(派手な紫色が大昔西アジアに繁栄した帝国を連想させただけなのだろうか)
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タテハモドキ属クロタテハモドキ Chocolate Soldier
タテハモドキはアジアに広く分布するタテハチョウの仲間
クロタテハモドキに初めて出会ったのは確かスリランカではなかったと思うが、その後いろいろな場所で対面している
chocolate soldierという英名はすっかり頭に入っていてどこで出会っても思い出すことができるのだ
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タテハモドキ属ハイイロタテハモドキ Grey Pansy
何故だかわからないが(クロタテハモドキを除いて)タテハモドキ類の英名をパンジーという(日本に定着しているタテハモドキはPeacock pansy、アオタテハモドキはblue pansyだ)
このハイイロタテハモドキは和名と同じGrey Pansyという
地味なタテハチョウで日本でいえばキマダラヒカゲによく似ている
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コノハチョウ属コノハチョウ Orange Oakleaf
沖縄など日本に棲むコノハチョウと共通種
擬態の対象である枯葉も日本とタイでは共通ということなのだろうか
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カバタテハ属フタオビカバタテハ Common Caster
リタイア後(プライベートでは)初めて沖縄を訪れて初めて出会った南方の蝶がカバタテハなので思い入れがある
フィールドで見た時は間違いなくカバタテハだと思っていたが、図鑑をチェックすると別種でフタオビカバタテハだった
(カバタテハは前翅に突出部があるがフタオビのほうは縁がフラットだ 斑紋の形状も異なる)
タイにはカバタテハも棲息するが(英名がCommonなので)フタオビのほうが普通種なのかもしれない
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キンミスジ属キンミスジ Common Lascar
日本の南西諸島にキミスジという蝶がいる
自分がリタイアして蝶の写真を始めた2003年にはいなかったのだが、その後定着して石垣島などで普通に見られるようになった
タイのフィールドで写真を撮った時はこの蝶はそのキミスジだと思い込んでいた
帰宅後図鑑を見ていて東南アジアにはキミスジのほかにキンミスジという別種の蝶がいることに気が付いたのだ
両者は色彩も形状も大きさも行動形態もそっくりなのだが、一つ大きな相違点があった
キミスジは後翅に尾状突起があるのにキンミスジは他のミスジチョウ同様突起がないのだ
蝶に興味のない方には全く価値のない知識(トリビア)だが、個人的には大発見であった
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イナズマチョウ属ヒメマエモンイナズマ (Small )White-tipped Baron
東南アジアには「イナズマ」と名がつくたタテハチョウが多い
大型で胴体が太くたくましい感じのタテハチョウだ
この蝶は日本の蝶でいえばスミナガシに近いイメージである(そのスミナガシだが、タイにもスミナガシが棲息することを図鑑で確認した)
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オビイナズマ属タイリクオビイナズマ Redtail Marquiss
こちらのイナズマはオビイナズマという仲間
イチモンジチョウによく似ている
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オビイナズマ属ホシオビイナズマ Great Marquiss
同じオビイナズマだがこちらは大きい
迫力のある大型の蝶なのだが残念ながら破損個体で迫力が表現できなかった
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オオイナズマ属サトオオイナズマ Archduke
オオムラサキのように大型で後翅表面が「半分青い」個性的な蝶だ
写真の出来がいまいちだがこれには訳がある
イナズマ類の写真はすべて野鳥撮影用のハイドから望遠レンズで撮影している
蝶を見つけても近寄ることもアングルを変えることもできない条件下の撮影なのだ
こちらは「鳥屋さんのツアーに特別参加させていただいている蝶屋」なので文句は言えない
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イシガキチョウ属キレバイシガキ Little Map
タイには日本でも見られるイシガキチョウも棲息するが、今回出会ったのは小型のイシガキチョウ2種だった
1種目のイシガキチョウはキレバイシガキ、英名Little Mapが示すように小さく黒の縁どりが印象的だった
集団吸水の写真の中では縁どりのある蝶がキレバイシガキだ
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イシガキチョウ属ウスイロイシガキ Marbled Map
もう1種のイシガキチョウがこちらのウスイロイシガキ
表面にマーブル状の模様があり全体としては蛾のように白く見える蝶だ
この蝶も集団吸水の常連で集まっている数は半端なかった
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アフリカフタオチョウ属ギンヘリチャイロフタオ Silver-edged Rajah
尾の部分が極めて小さいのでわかりにくいがフタオチョウの仲間のようだ
名前がわからないまま集団の中の個体を撮影したがアップで見ると美しい蝶だった
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フタオチョウ属キオビヒメフタオ Common Nawab
多少欠損しているがいかにもフタオチョウらしい蝶でわかりやすい
吸水中だが集団で固まらず仲間とは距離を置いて行動していた
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コノマチョウ属クロコノマチョウ Dark Evening Brown
クロコノマチョウは日本でも見ることができる
もともと南方系の蝶なのだが今では関東地方まで進出し完全に日本の蝶になってしまった
模様に変化が多く近似種のウスイロコノマチョウにもよく似ているので同定が難しいが、写真はクロコノマチョウということにしておく
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コジャノメ属ヒメジャノメ Chinese Bushbrown
ジャノメチョウの仲間は似たようなものが多く1枚の写真だけで種を判定するのは難しい
とりあえず(日本では)一番平凡なヒメジャノメということにしたが、もっと珍しい蝶かもしれない
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ウラナミジャノメ属コウラナミジャノメ Common Fivering
ウラナミジャノメの仲間は日本でも種類が多く(特に南西諸島では)同定に苦労することが多い
今回は翅の表裏の写真が撮れたので図鑑を入念にチェックしてみたが、写真の蝶は最も普通種のコウラナミジャノメのようだ
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以上で5回にわたった「タイの蝶」の連載は終わり
実質5日間の野鳥撮影の合間に副業的に撮影した蝶の写真の数が膨大で自分でも驚いている
タイは蝶の種類が多く今回撮影できたのはごく一部に過ぎない
できることならもう少し時間の余裕をもってタイを再訪したいと思っている



















by mustachio | 2018-06-25 12:00 | Comments(0)


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