還暦からのネイチャーフォト

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2018年 10月 05日

「平成」最後の夏・箱根湿生花園

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全くプライベートな話だが8月上旬に箱根で開催されるゴルフ会があり、毎年家内と二人で参加している
わが家から箱根までは慢性渋滞の環状8号を使って東名に乗る必要があり、東京を脱出するだけで1時間以上かかるので、体力的な事情からここ数年「前日泊」策をとっている
今年は8月5日が前日泊の日となったので午後の1時間ほどを「箱根湿生花園」で過ごした

下記にリンクを貼ったが、今年の5月にこの湿生花園を訪ねており、8月の様子も見てみたかったからである
この湿生花園は箱根仙石原湿原を利用した植物園であり、箱根の自然のままの植物も多いのだが、全く別の環境から移植栽培されたものもありナチュラリストを自負する自分にとって抵抗を感じる面も少なくない

タイトルバックのレンゲショウマなど本来の箱根にはない植物だが、こちらも齢をとって行動領域が狭くなってきているので植物園を利用するという多少の「不自然」には目をつぶっていただきたい

ハコネギク/キク科
例によってスタートは分類順にキク科から
ハコネギクはご当地植物
この時期白い菊が多く識別に苦労するが、植物園では名札もあり、場所が箱根でもあるので同定に間違いはないと思う
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カセンソウ/キク科
植物園では名札があれば種名の識別を意識しないで写真を撮る
後で気が付いたのだが、このカセンソウは同じキク科のオグルマと生育環境も花の形状もそっくりでフィールドでは識別が難しい
識別のポイントは葉の裏に見られる葉脈で、カセンソウは葉脈がくっきり隆起しているというのだが、今回は葉裏など確かめもしなかった(反省)
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キキョウ/キキョウ科
キキョウが湿原の植物だというイメージは全くないが、仙石原湿原(湿生花園の中の自然を生かしたスペース)にはキキョウがたくさん見られた
湿原が乾燥化しているためだろうか
考えてみれば30年くらい前まで山地のススキ野原にはキキョウが普通に生え「桔梗ヶ原」などというポイントがあちこちにあったものだが、今ではほとんど姿を消してしまっている
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サワギキョウ/キキョウ科
名前に沢がつくようにこちらのキキョウは完璧な湿生植物
湖や池の湖畔に群生し一面に紫色が展開する光景が懐かしいが、今ではどこへ行っても数が減って「群生」のイメージは消滅してしまった
仙石原湿原でも数株が点在する程度である
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ツリガネニンジン/キキョウ科
山地性ではあるがどこにでもある普通種
箱根湿生花園でも人工的な移植種ではなく自然の植物だと思う
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オミナエシ/オミナエシ科
仙石原湿原(自然のままのスペース)には秋の花のオミナエシが咲き始めていた
キキョウ同様けして湿地性の植物ではないのだが、湿原の乾燥化進行によるものと考えざるを得ない
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イヌゴマ/シソ科
イヌゴマは湿り気のあるところを好むようで8月の湿生花園にはぴったりの植物
茎が四角で下向きに刺のような毛が生える(葉は対生)のが特徴で、写真にはそれが明確に現れている
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ジャコウソウ/シソ科
暗い森の湿った場所に生えるジャコウソウ
過去にどこで出会ったか調べてみると2002年上高地、2016年玉原の記録があった
箱根では自生でなくどこかから移植されたものだと推定される
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クサレダマ/サクラソウ科
夏の水辺の植物としては定番
湿生花園にも当然のように咲いていた
マイフィールドの群馬県嬬恋村バラギ湖にもあるが、8月5日の箱根のクサレダマは咲き始めたばかりで新鮮だった
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ヌマトラノオ/サクラソウ科
園内には後述のミソハギとこのヌマトラノオが群生していた
近似種のオカトラノオは至る所で見られる普通種なのだが、湿地に多く花穂が直立するヌマトラノオはめったにお目にかかれない植物だ
前回撮影の記録を調べてみると2001年で場所は埼玉県の見沼田んぼだった
自分が仕事現役のころの話である
17年経過して今でも見沼田んぼにヌマトラノオが咲くだろうか 興味はある
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ホツツジ/ツツジ科
園内に咲いていたので撮影したがホツツジは普通に山野に見られる木本で水辺の植物ではないと思う
たまたま自生していたのだろうか
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シシウド/セリ科
背景に青空や白い雲を入れると写真が生える夏のシンボル
春に種子から目を出してここまで大きくなる生命力の強い植物のようだ
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エゾミソハギ/ミソハギ科
ミソハギは禊萩   山野の湿り気のある場所に群生する
15年前に栃木の「花之江の郷」でミソハギの群生を撮影しているが、箱根に群生していたのはエゾミソハギだった
両者の相違点は花茎や萼が有毛か無毛かといったところ、名前は蝦夷だが北海道限定ではなく本州にも九州にも分布するようだ
個人的には初対面のエゾミソハギのピンク色の群落が広がるさまは感動的だった
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キツリフネ/ツリフネソウ科
群馬県などでは多少湿ったところがあれば普通に見られるツリフネソウの仲間だが、湿生花園ではキツリフネが数株目についただけだった
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マツカゼソウ/ミカン科
このマツカゼソウも初対面
カラマツソウに雰囲気がよく似た純白の花だった
ミカンや山椒などミカン科の木本は多数あるが、ミカン科の草本はこのマツカゼソウだけだという
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クサフジ/マメ科
普通種のクサフジ
意図的に植栽されたものかどうかは不明だが園内に咲いていた
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シモツケ/バラ科
草本のシモツケソウではなく木本のシモツケ
今年は野反湖などで何回か見ているがピンク色の濃いタイプのものが多かったような気がする
箱根のシモツケは花弁が白く清楚なイメージだった
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キンミズヒキ/バラ科
平成最後の夏・マイフィールド植物編にも登場したキンミズヒキ
どちらかというと「秋の花」のイメージだが、8月にはしっかり咲き始めている
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ナガボノシロワレモコウ/バラ科
今まで見たことがない初対面の植物
過去に見た範囲での近似種は高山植物のシロバナトウチソウだが、こちらのほうが名前通り穂が長い
一見サラシナショウマのようでワレモコウとは少し違う植物のように感じた
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キンロバイ/バラ科
高山の岩場に生える落葉低木で移植されたものである
南アルプスの北岳など高山に登らなければ見られないキンロバイを箱根で見ることができた
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ダイコンソウ/バラ科
それほど多くはないがダイコンソウはマイフィールドのバラギ湖周辺でも見ることができる
どちらかというと高山植物のミヤマダイコンソウのほうがポピュラーかもしれない
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ギンバイソウ/ユキノシタ科
この花も今まで見たことがない
キンバイソウは金杯のようだがギンバイソウは銀杯ではなく銀梅、つまり銀色の梅のような草である
湿り気のある樹林下に群生するが西日本限定の植物のようだ
写真の左上のほうにも写っているが葉の先端が二股に分かれるのも特徴だという
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チダケサシ/ユキノシタ科
今まで意識しなったがチダケサシも湿り気のある場所を好む植物のようだ
ピンク色の濃いものから白いものまで色彩的な変化があるが、箱根湿生花園のチダケサシは白く清潔なイメージだった
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レンゲショウマ/キンポウゲ科
ブログのイントロでも触れたがレンゲショウマは箱根には咲かない
わが家に近いところでは御岳山のレンゲショウマ群生地が有名で写真を撮りに行ったことがあるが、チェックしてみると15年前のことだった
比較的栽培しやすい野草のようで友人の家などフィールド以外でも何回も見ている
この花は写真にすると幻想的で美しい
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コウホネ/スイレン科
5月に同じ池で咲いていたコウホネがまだ咲いていた
コウホネと一緒に咲いていたアサザやヒツジグサは見られなかったので、このコウホネは花期が特別に長いようだ
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カワラナデシコ/ナデシコ科
ナデシコは秋の七草の一つだが実態は夏の花である
名前に河原がつくが特に湿った地を好むわけではなく、普通の草原にも生えているように思う
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フシグロセンノウ/ナデシコ科
同じナデシコ科だがこちらのフシグロセンノウのほうが湿地を好む性向が強い
マイフィールドのバラギ湖や野反湖のこの季節の常連だが、箱根の湿生花園でも存在感があった
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ホトトギス/ユリ科
ホトトギスは我が家の庭にも咲くが季節は秋のはずだ
8月初旬のホトトギスは意外感があるが湿生花園ではもう咲き始めていた
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コバギボウシ/ユリ科
コバギボウシは夏の花
生育地は日当たりの良い湿地でこの時期箱根に咲くのは順当である
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ツルボ/ユリ科
山野というよりは田園の周辺によく見かけるツルボ
季節的には夏から初秋にかけての花だと思う
湿原に咲いていたが花穂の下部はすでに枯れていてあまり美しくはなかった
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コオニユリ/ユリ科
山荘に近いマイフィールドに多いコオニユリは箱根でも咲いていた
この花は全国区のようで意図的に移植されたものではないと思う
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ナツエビネ/ラン科
エビネは春の花だがこのエビネは夏に咲くのでナツエビネというらしい
湿り気のある暖地の林下に生える植物のようだ
白とピンクの色使いで栽培種のようなイメージだった
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サギソウ/ラン科
過去に何度も見ているのだがおそらく自然の状態ではなかったと思う
湿地の植物だが激減してしまって野生状態を見るのは至難といわれている
造形の美をストレートに感じる花で、写真を撮るたびに「自然の力」を意識してしまう
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ミドリシジミ
ラストは植物ではなく蝶
湿生花園の池の傍のシシウドで吸蜜しているミドリシジミを見つけた
8月で、近くに食草となるハンノキもあるから全く不思議ではないが、シシウドにとまるミドリシジミを見たのは生まれて初めてである
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by mustachio | 2018-10-05 14:00 | Comments(0)


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