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還暦からのネイチャーフォト

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2019年 06月 08日

初夏のフィールド散策1(バラギ湖・扇沢)

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5月24日~6月2日、群馬の山荘に久しぶりで長逗留した
春から夏にかけては「軸足を群馬に置いての2拠点居住」をイメージしているのだが、現実は東京での雑用が多く、月に1週間滞在できれば良い方である

ネイチャーフォトグラファーを自負するわれわれ夫婦は天気さえよければ(ゴルフをするか)フィールドへ出かける
今回のネイチャーレポートは日付ごとに整理しておきたい

5月25日 バラギ湖
バラギ湖は山荘から30分の地点にあるマイフィールド
30年くらい前まではまさに「自然の宝庫」で野鳥や希少種の野草をいくらでも観察できたのだが、オートキャンプ施設ができてからは自然劣化が進み珍しい動植物は期待できなくなってしまった

それでも昨年は熊が出没して山道閉鎖があり、今年はどうなったか興味があったので出かけてみた
熊対策としては電気柵が設置され周回路の散策は可能だったが、自然の回復はそこそこだった

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ホオジロ
土曜日のせいもありキャンパーが多く鳥は少なかった
写真のホオジロのほかオオヨシキリも来ていたが撮影はできなかった
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ミヤマセセリ
春の蝶ミヤマセセリが路上吸水していた
写真が後ピンで恥ずかしいが、記録として残しておきたい
(この地域では昔はミヤマセセリが見られなかった 最近姿が見られるのは開発の影響だろうか)
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ウスバシロチョウ
平地だとウスバシロチョウは春の蝶になるが、このあたりは標高が高いので初夏の出現となる
数はあまり多くない
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タチツボスミレ
タイトルを「初夏のフィールド散策」としてしまったが、標高が高いバラギ湖周辺は春の花が咲きだしたばかりである
スミレはやはりタチツボスミレが多い
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ツボスミレ
ツボスミレはザゼンソウが見られる湿地(湿原跡)に多い
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スミレ
「スミレ」という名前のスミレ
グループ全体を表す名前と個別の種を表す名前が同一なのでややこしい
(格好つけたがる人は学名のマンジュリカを使って区別する)
標準的なスミレのはずなのだが、自然の状態でこのスミレを見つけるのは結構難しくなっている
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アカネスミレ
日当たりの良い丘陵地に生えるといわれるが、自分の経験では湖など水場近くに多いような気がする
花の色は赤紫で夕焼けなどの茜色とはだいぶイメージが違う
全身が毛深く、距(花の後ろの尻尾)にまで毛が生えている
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サクラスミレ
こちらも色彩的には桜色(薄いピンク)ではなく、アカネスミレとあまり変わらない
全体的は花が大きくフワッとした感じがあるので桜のイメージは十分あって、別名の「スミレの女王」に対して名前負けはしていない
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サクラソウ
同じサクラでもサクラソウのほうは桜のイメージをそのまま保持している
このバラギ湖畔は昔からサクラソウの名所でこの季節にはあたり一面にピンクが見られる
さいたま市の田島ヶ原がサクラソウの群生地だが、一面に群生するよりは林下にピンクの塊が点在する方が雰囲気が感じられて好ましい
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クリンソウ
昔は何十株も咲いていたクリンソウがここ数年で姿を消してしまった
今回見つけたのはたった1株である
こちらも車で行くので文句は言えないが、車でアクセスできるフィールドは「盗掘」の被害を避けることはまず無理のようだ
来年もこの場所でクリンソウが見られることを願っている
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フデリンドウ
春咲きのリンドウはフデリンドウのようだ
根生葉の有無がハルリンドウとフデリンドウの識別ポイントなのだが、周辺に落ち葉などが多く結構根生葉の確認は難しい

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ミツバツチグリ
今年はミツバツチグリとの出会いが多い
というか、どこにでも咲いているというイメージだ
色が派手な黄色で群生する傾向があり、見た目には華やかな植物である
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ヤマガラシ
ミツバツチグリは地表を黄色く染める程度だが、ヤマガラシの群落は高さもあるので周囲全体が真っ黄色になる
昔は目立たなかった植物なのでもしかすると外来種のハルサキヤマガラシ(セイヨウヤマガラシ)かもしれない
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5月26日 扇沢
翌日の日曜日は高速を利用して大町の扇沢へ出かけた
狙いはクモツキ、雄の翅がオレンジのクモマツマキチョウ撮影が目的である
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ツマキチョウ
結果は惨敗
目的を同じくする撮影者が5~6人もおられたが、皆さんの話を聞いても当日はクモツキの登場は全くなかったようだ
とにかくその日は下界が猛暑日で、高山蝶であるクモツキは高温のため活動休止状態だったと推測している
撮影したのはただのツマキチョウ、クモツキならぬタダツキのしかもメスである
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ニリンソウ
蝶の撮影は不本意な結果となったので、この日のレポートも周辺の野草が主役となる
もっとも多かった花といえばまずニリンソウ
キンポウゲ科イチリンソウ属の植物は清楚で一人静かに咲くのが基本的なイメージだが、このニリンソウは例外で群生し繁華街に集まる若者のようだ
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キジムシロ
写真を見ただけでまたミツバツチグリかと思ってしまうが、この花はキジムシロ
花や個々の葉の形はそっくりだが、ミツバツチグリは3枚複葉でキジムシロは5枚復葉(または7枚複葉)なので識別ポイントは葉の構成である
このフィールドでキジムシロが見られたが、世の中一般ではミツバツチグリのほうが優勢である
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タチツボスミレとツボスミレ
標高が高いせいだろうか、スミレは平凡な普通種だけで、この2種以外は見つからなかった
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ユキザサ
自分の感覚ではユキザサは深山の植物だと思う
高い山に登り開けたお花畑に出る前の薄暗い森の下に咲いていることが多い
この日はまだ花が咲いておらず蕾状態だった
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ヤマエンゴサク
一応ヤマエンゴサクのタイトルにしたのだが、花の色が青くエゾエンゴサクではないかと思っている
エゾエンゴサクは北海道の定番だが本州にも見られるようだ
図鑑によれば苞が全縁か切れ込みありかで識別するとのことだが、予習していなかったのでチェックができなかった
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ヤマルリソウ
ヤマルリソウに久しぶりで出会った
特に高山の植物というわけではなく東京近郊の低い山でも見られるのだが、最近は東京近郊の山を歩いていない
外来種(ヨーロッパ原産)のワスレナグサによく似た花だが、こちらのほうが色が薄く地味な印象である
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サンカヨウ
この日の最大の収穫はサンカヨウとの出会いだと思う
(蝶のほうは完璧に振られたので、この花との出会いがなければみじめな1日になってしまうところだった)
サンカヨウは深山の花、6~7月ごろ2cmほどの純白の花を咲かせる
花弁は5枚ではなく6枚構成である(雌蕊の緑、雄蕊の黄色との対比も美しい)
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by mustachio | 2019-06-08 15:00 | Comments(0)


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