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2017年 10月 13日

群馬吾妻9月の花(第2部)

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群馬県吾妻地方は県内では西側の部分で、当然のことながら関東地方でも最西端に当たる
マイフィールドになっている野反湖は箱根よりもずっと西に位置することになり、そのまま南へ下がれば甲府を経て富士山にぶち当たる
9月中旬のある日家内とその野反湖を訪れたが、その日は視界が良くはるか南にその富士山を望むことができた(タイトルバックの写真)
新潟・長野・群馬3県の県境付近から富士山が見えるのは意外といえば意外なのだが、昔から富士を見る名所だったようで野反湖畔の南側の峠(上の写真)の名前は富士見峠という

「群馬吾妻9月の花」の第2部は第1部の積み残し、つまりキク科以外の花になる
標高の高いところでは9月はもう晩秋で冬が始まりつつある


マツムシソウ(マツムシソウ科マツムシソウ属)
このマツムシソウはその富士見峠で撮影したもの
標高が高い地域ではマツムシソウは8月の花で9月に残っている花は少なかった
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エゾリンドウ(リンドウ科リンドウ属)
この地域で見られるリンドウはオヤマリンドウかエゾリンドウのどちらかである
両者はよく似ているがオヤマリンドウのほうは花を開かず蕾のような状態で終わるのが特徴で、エゾリンドウのほうは太陽が出ていると少し花が開いて中を覗くことができる
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アケボノソウ(リンドウ科センブリ属)
こちらもリンドウ科だがセンブリ属でリンドウとはだいぶ雰囲気が異なる
わが山荘のすぐ近くにザゼンソウ公園という小さな自然公園があり9月にはこのアケボノソウが花を咲かせる
白い花弁に臙脂色と黄緑の模様があり上品なイメージの花なので毎年楽しみにしている
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シラネセンキュウ(セリ科シシウド属)
シシウドなどセリ科の花は夏のイメージが強いが、このシラネセンキュウは秋の花、それも晩秋まで咲く花のようだ
似た植物にヤマゼリがあるが花序の枝の本数が少なく全体的に小型である
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アカバナ(アカバナ科アカバナ属)
アカバナの名前はは花が赤いからではなく葉が紅葉で赤くなるからといわれるが、紅葉にはまだ早いようで葉は青く花も少し残っていた
写真で長く緑色の棒状部分は花の下の子房(下位子房)で、たいていの花は落ちてしまっている
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オオマツヨイグサ(アカバナ科マツヨイグサ属)
野反湖周辺にはアカバナ科の代表植物であるヤナギランが多いのだが、今回訪れた時はもう花が終わっていた
代わりに咲いていたアカバナ科はオオマツヨイグサだ
花は大きく見ごたえがあるがマツヨイグサの仲間はすべて外来種(帰化植物)である
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キツリフネとツリフネソウ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)
ツリフネソウの仲間は水辺など少し湿り気のあるところに生育するのでバラギ湖など山荘近くでいくらでも見ることができる
季節的には8月後半の花だが9月でも元気に咲いているので秋の花といって良いだろう
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ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)
ハクサンフウロは湯ノ丸高原など吾妻地方ではいろいろなところで見られるが基本的には夏の花だ
9月の野反湖畔では1輪だけ咲き残っているのを見つけた
花の後は葉が紅葉していわゆる「草紅葉」になるが、葉の一部はすでに赤くなりかけている
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ゲンノショウコ(フウロソウ科フウロソウ属)
漢字で書くと「現の証拠」
昔から下痢止めの薬草として知られている植物で、花の写真を撮り始めた頃はフウロソウの仲間と思っていなかった
この花は関東系が白色、西日本系が赤と大まかな棲み分けがあるようだが写真のように中間的なピンクもある
よく見るとピンクのゲンノショウコは同属のハクサンフウロにそっくりである
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ワレモコウ(バラ科ワレモコウ属)
秋の花というより晩夏の花か
花というイメージが全くない花だが間違いなく季節を感じさせる
絶滅危惧Ⅱ類のゴマシジミという蝶が8月に発生しこのワレモコウの花穂に産卵するせいかもしれない
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ウメバチソウ(ユキノシタ科ウメバチソウ属)
過去の経験からウメバチソウは日当たりの良い高山の尾根道に咲く高山植物だと思っていた
実際に野反湖周辺でこの花を見かけた記憶がないのだが、今回はあちらこちらで純白のウメバチソウが見られた
ここを訪れるのは春から夏のお盆ごろまでが多く、9月には訪れていないので今まで見つけられなかったのかもしれない
ウメバチソウが秋の花であることを今回改めて認識した
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サラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)
サラシナショウマの白い穂はあちこちで見かけた
時期的には少し早いのか花が開いている花穂と蕾の花穂が混在している
蕾の状態を見ると個々の花に花柄がついていることがはっきりとわかる(近似種のイヌショウマの花は花柄がない)
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ヤマトリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)
トリカブトの仲間は地域によって個別の名前が付けられていることが多く識別が難しい
外観では区別がつかないので種名表示が付けられていない野生のトリカブトは一律ヤマトリカブトにしてしまうことが多い
いずれにしてもこの花の紫色は魅力的で、種の識別よりどのように撮影するかのほうに興味が行ってしまう
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ミズヒキ(タデ科タデ属)
この花は写真にするのが難しい
たいてい暗いところに生えている上に個々の花が離れて付くのでピントの合う範囲が狭いのである
(生物的な記録写真より抽象的なイメージ写真になってしまう)
余談だが花が赤いミズヒキはタデ科、花が黄色いキンミズヒキはバラ科の植物である
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イヌタデ(タデ科タデ属)
昔からおなじみのアカマンマ
アカマンマの俗称とともにイヌタデという和名も小学生のころから知っていた
昔は(といっても65年前の話になるが)東京23区内でも通学路の路傍に普通にアカマンマが見られたものだ
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イブキトラノオ(タデ科タデ属)
イブキトラノオは山の植物で野反湖の北側湖畔には数が多い
ところが今年は8月も9月も数株しか目にしていない
おかしいと思って昨年のブログをチェックしてみるとどうもタイミングのずれ(思い込み)があるようで野反湖のイブキトラノオのハイシーズンは7月だったようだ
念のため昨年7月のブログにリンクを貼っておくが、9月中旬にまだ花が見られたことのほうがラッキーなのかもしれない

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ミゾソバ(タデ科タデ属)
この植物は山地性ではなく東京近郊などでも普通に見られる
もちろん標高1000mの山荘付近にも数が多くピンクと白の花が混在してなかなか美しい
名前がソバなのにタデ科タデ属なので、本家の蕎麦のほうは何科なのか調べてみたらタデ科ソバ属であった
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ススキ(イネ科ススキ属)
ススキという植物は6~70年前と比べても数が減ったようには思われない
もちろん完全な都会地からは姿を消してしまったが、東京近郊でもススキの茂るところは今でも多い
草原が林や森に変わっていく過程でススキのような植物が勢力を維持するステージがあるのだろうか
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アマドコロ(ユリ科アマドコロ属)の実
秋になると花が終わって実をつける植物が増えてくる
標高1000mの山荘周辺ではまだまだだがさらに標高の高い野反湖では植物の実が数多く観察された
写真の黒い実はアマドコロ
スズランのような白い花が黒い実に変わっていた
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イタドリ(タデ科タデ属)の実
白い花が白い実に変わるだけで変り映えしないがイタドリもカサカサしたイメージで湖畔の秋を感じさせる
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コケモモ(ツツジ科スノキ属)の実
亜高山帯の植物であるコケモモの花はドウダンツツジのような釣鐘状で薄いピンク色
その花が秋には真っ赤な実になる
果実酒にするとうまいと思うのだが何せ数が少なかった
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シラタマノキ(ツツジ科シラタマノキ属)の実
こちらはシラタマノキ
この植物も花は釣鐘状で白い
夏の山では何回も見ているので白い花がシラタマだと思い込んでいたが、今回実を確認して実がシラタマなのだと認識を新たにした

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ナナカマド(バラ科ナナカマド属)の実
締めくくりはナナカマドになった
この植物は紅葉する前に赤い実をつけるのでよく目立つ
北国へ行けば平地にも多いので馴染み深く、赤い実は冬の始まりを意識させる
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by mustachio | 2017-10-13 15:00 | Comments(0)
2017年 10月 09日

群馬吾妻9月の花(第1部)

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西パプアから帰宅した後、9月はかなりの期間を群馬の山荘で過ごした(今年の9月は結構雨が多く西パプアの写真整理には都合がよかった)
アウトドアの散策は数回周辺を歩いた程度だったが、秋の花を撮影しているので忘れないうちに整理しておきたい

小生の植物に関する知識は全くの自己流独学で図鑑だけを頼りに花の名前を調べる程度だが、それでも15年ほど続けていると結構データも蓄積されてくる
自分の頭を整理するため現在ホームページで個人撮影の種類別植物写真集「日本野草図鑑」を作成途中であるが、閲覧可能な状態なのでリンクを貼っておく
片手間仕事なので完成は1年先になるかもしれないが長い目で見ていただきたい

さて今回のブログだが「群馬吾妻8月の花」の続編で群馬県の嬬恋村、中之条町、草津町、長野原町の普通の野草を撮影したもので特に珍しいものはない
いろいろな図鑑を頼りに同定を行い科別属別に整理してあるが、自己流であることはあらかじめご容赦いただきたい
(写真の数が結構多いので植物分類順に第1部をキク科植物、第2部をその他に分けている さすがに秋なのでキク科の花が多い)


ヤクシソウ(キク科オニタビラコ属)
ヤクシソウは個人的には東京郊外の低山林道に多い花という印象が強い
舌状花だけで構成される花なのですっきりしたイメージで好感が持てる
わが山荘の庭にも自生していて毎年会うのが楽しみな花の一つである
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ヤナギタンポポ(キク科ヤナギタンポポ属)
ヤナギタンポポという植物名を今まで意識したことがなかったが、今回撮影した花をチェックした結果、ヤナギタンポポで間違いないようだ
花はタンポポそっくりで、葉は長楕円状披針形でヤナギの葉に似る
高原などの湿り気のあるところに生えるコウゾリナやミヤマコウゾリナに近いキク科植物である
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コウゾリナ(キク科コウゾリナ属)
茎や葉に剛毛が生えるキク科植物
群馬のマイフィールドでは普通に見られる(秋の花というより夏の花のイメージが強い)
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ノハラアザミ(キク科アザミ属)
アザミ類は似たような種類が多く写真だけの判定は難しいことが多い
ノハラアザミとノアザミはどちらも普通種のアザミだがよく似ている(総苞を触ってみて粘らないのがノハラアザミ)
開花時期が微妙にずれていてノアザミは春の花、ノハラアザミは秋の花なので、9月であればノハラアザミということにしている
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トネアザミ(キク科アザミ属)
ノハラアザミなどは草原にポツンと咲いていることが多く風情があるが、こちらのアザミはごちゃごちゃとまとまって咲くことが多い
トネアザミかナンブアザミなのだが区別点がよくわからないので関東地方のものはトネアザミと勝手に決めている(系統的にもナンブアザミはトネアザミの母種に当たる)
総苞片が反り返るのが特徴だ
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アメリカセンダングサ(キク科センダングサ属)
南西諸島にやたら数が多いオオバナセンダングサの仲間でどちらも帰化植物
オオバナセンダングサのほうは舌状花が大きく白いので目立つのだが、こちらはなぜか舌状花がなく地味な筒状花だけで構成される
花弁(舌状花)の代わりに総苞片が発達して花弁に見えないこともないが緑色なので遠くからでは全くわからない
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ハキダメギク(キク科コゴメグサ属)
こちらもアメリカ原産の帰化植物
東京の掃きだめで発見され牧野富太郎氏が命名者だという
非常に小さい植物で野草好きの人でなければ道路脇に咲いていても見逃してしまうだろうと思う
近づいてよく見ると花の形はとてもかわいい
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キオンとハンゴンソウ(キク科キオン属)
この季節、背が高くて上部に黄色い花をたくさんつけている植物はキオンかハンゴンソウだ
区別のポイントは葉の形状でハンゴンソウは葉が深く裂けるのに対しキオンは単葉である(写真では1.2枚目がキオン、3枚目がハンゴンソウ)
キオンの名前は黄色いシオンからきているというが定かでない
ハンゴンソウは反魂草で深く裂けたはの形状が幽霊の手のようで命名はなんとなく納得できる
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オタカラコウ(キク科メタカラコウ属)
オタカラコウとメタカラコウもよく似ている
オタカラコウは花びらが多く(5枚以上)、メタカラコウは1~3枚と花びらが少ないのでメタカラコウのほうが地味というかみすぼらしい
山荘近くのザゼンソウ公園にはオタカラコウが自生していて、この時期、雰囲気がすばらしい
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シラヤマギク(キク科シオン属)
ここから先はいわゆる野菊の仲間で類似種が多く同定が難しい
どちらかというと珍しい菊は西日本の海岸などに多いようで、関東の山岳地域ではそれほど種類も多くないのだが、それでも毎年判別に苦しんでいる
写真の菊は花が白で比較的大きく葉が単葉なのでシラヤマギクと推定している
花びらが不揃いなのも特徴の一つだ

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ゴマナ(キク科シオン属)
同じ仲間で葉や茎の感じはよく似ているもののシラヤマギクより花が少し小さい
したがって花びらが短いような感じだがこれも感覚的なものだ
逆に花の数は多く塊としては大きく見える
野反湖周辺でも至る所で咲いていた
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シロヨメナ(キク科シオン属)
名前はシロヨメナだがヨメナ属ではなくシオン属
葉は細長く縁に鋸歯が見られる
花は白いがシラヤマギクのように乱れてはおらず比較的整然としている

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ユウガギク(キク科ヨメナ属)
こちらはヨメナ属だが花の色はヨメナのように薄紫ではなく純白である(したがって紛らわしい)
葉ははっきりと切れ込みが認められ、菊らしい雰囲気が感じられる
大きな花がたくさん付くので野草とは思えないほど存在感がある植物だ
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アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)

キリンソウはベンケイソウ科でキク科ではない
そのベンケイソウに似ていて秋に咲くのでアキノキリンソウという名前がついているが花の色が似ているだけで他はそれほど似ているとも思えない(ベンケイソウは花弁が尖っているがこちらは丸いので見た印象がだいぶ違うのだ)
この花は低地から高原まで分布が広く、日本の秋を代表するほど普遍的な植物なのでもう少しましな名前があればいいのにと思う
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ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)
感覚的には夏の山の花だと思うがピークを過ぎてもドライフラワーとして晩秋まで残っているので秋の花が正解なのかもしれない
高原の秋はそろそろ終わりですぐに冬を迎えることになりそうだ
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by mustachio | 2017-10-09 15:00 | Comments(0)
2017年 10月 01日

ワイゲオ島探訪記(昆虫編)





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ツアーの目的が極楽鳥撮影なので「昆虫編」は「番外編」
ただ個人的には極楽鳥が「番外編」でこちらが「本篇」なのかもしれない
リタイア後30回ほど海外の探鳥ツアーに出かけたが、野鳥を狙いながら野草や昆虫に出会えればそちらを優先するというスタンスは変わっていない
もともと昆虫(蝶)ファーストの写真屋なので同行される野鳥愛好家の方々にはご迷惑をおかけしていると思うが、それでも同行者の野鳥撮影の邪魔にならないように神経は使っているつもりではある
鳥が出て同行者が撮影中の時は昆虫は撮影できない(こちらも鳥を狙うのである意味当然だが)
鳥を待っている時や鳥を探している時も同行者からある程度離れていなければ昆虫の撮影はできないし、移動中も前へ出ることは許されない
このような制約条件の下で今回も何とか西パプアの蝶の写真を撮ることができて喜んでいる

さてその西パプア(主としてワイゲオ島)だが蝶の数は思ったより多かった
ただ花で吸蜜しているようなケースは少なくほとんどが飛んでいる蝶だったので撮影は難しかった
100ミリマクロなど扱いやすいレンズなら飛翔写真も狙えるが、野鳥撮影用の超望遠レンズでは重量もあり飛んでいる蝶を捉えるのはまず無理なのだ
トリバネアゲハやナガサキアゲハ系の大型アゲハは何回も目撃したのに写真撮影はできなかった

そして蝶の種類、西パプアはインドネシアなので当然東南アジアとの共通種が多いと予測していた
図鑑などの資料は現地へ持って行かないので帰宅後に判明したのだが、実際はほとんどがオーストラリアとの共通種で手持ちのタイやマレーシアの蝶の図鑑はほとんど参考にならなかった

写真の掲載順はオーストラリアの図鑑(Butterflies of Australia)に準拠してセセリチョウ(Skippers)からスタートすることとしたい

Dingy Swift
セセリチョウの総称はSkipperだが、チャバネセセリ系はSwiftと呼ばれる
日本のチャバネセセリのように後翅表面に白斑のない本種はDingy Swiftと推定している
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Rice Swift
よく似ているが見た感じが微妙に違う
こちらはRice Swiftのようだ
日本名はユウレイセセリ、数は少ないが南西諸島で見られる日本の蝶だ
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Scrub Darter
同じセセリチョウでもキマダラ系は英語でDarterという
日本のキマダラセセリやネッタイアカセセリによく似ているが斑紋の形状が微妙に違う
図鑑を詳細にチェックして本種はScrub Darterという結論になった
オーストラリア東北部(ヨーク半島)に多いセセリらしい
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Papuan Snow Flat / Pied Flat
ダイミョウセセリのように翅を平らに拡げて止まるセセリチョウは英語でFlatという
日本の南西諸島で見られるコウトウシロシタセセリによく似た蝶なので同一種と思って撮影したが、どちらも違うらしい
検討の結果1枚目はPapuan Snow Flat、2枚目はPied Flatと判定した
両者はよく似ているが後翅表面後縁の黒斑が微妙に異なる
Piedのほうはオーストラリア大陸の蝶、Papuan Snowは名前の通りパプア地方の蝶のようだ
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Large Grass-yellow
シロチョウ科の英語はわかりやすい
シロチョウはWhite、キチョウはYellowでいい
道路脇にはキチョウが飛んでいたが日本のミナミキチョウと同一種のようだった
(別種としてPapuan Grass-yellowというキチョウもいるようだがLarge Grass-yellowとの差異がよくわからない)
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Blue Albatros
海外の自然探訪(蝶探索)はいろいろな想定外があって楽しい
今までシロチョウ科の蝶の色彩といえば白と黒、黄色と黒の組み合わせがメインで、たまにアクセントとしてオレンジや赤が使われる程度との思い込みがあったが、オーストラリアの蝶図鑑にはライトブルーのシロチョウが載っていた
そして今回その青いシロチョウBlue Albatrosに出会ったのである
派手さは全くないのだが、翅表のメタリックライトブルーの輝きは目に焼き付いている
(余談だがその後いろいろ調べてみてアフリカにウスアオシロチョウBlue Vagrantという蝶が生息することが判明した
機会があれば見てみたいと思っている)
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Pearl Owl
そのまま和訳すれば「真珠フクロウ」ということになるが、後翅裏面の二つの蛇の目が大きく印象的なジャノメチョウである
オーストラリア蝶図鑑のPearl Owlはもう少し白色部分が広いのでもしかすると別種かもしれないが、近似種であることは間違いない
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Red Lacewing
タイやインドなどに広く分布するハレギチョウLacewingはオーストラリアにもいる
北部のダーウィン周辺にはOrange Lacewing、東北部のヨーク半島にはRed Lacewingと棲み分けがなされているようだが、西パプアのハレギチョウはRed Lacewingのほうだった
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Bordered Rustic
Rusticをそのまま和訳すると「田舎者」ということになるが、蝶の名前では日本の蝶でもあるタイワンキマダラの英訳がこのRusticになる
タイワンキマダラはアジアに広く分布するがオーストラリアにはいないようだ
写真のRusticは近似種ではあるが翅表に太い黒縁のある別種である(西パプアの蝶はオーストラリアとの共通が多い)
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Small Leopard ヒメウラベニヒョウモン
オーストラリアの蝶図鑑に該当種が見つけられなかったが、ヒメウラベニヒョウモンで間違いないと思う
インドからインドシナに広く分布するアジアの蝶だ
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イチモンジ系の蝶2種
翅の中央に白帯があるのでわかりやすいはずなのだがオーストラリアの蝶図鑑に該当種が見つからない
タイの蝶図鑑も当たってみたがぴったりの蝶が見つからないので種名不詳で通させていただく
2枚目のほうはメスアカムラサキ♂ではないかという気もするが、それにしては白帯の幅が細いので自信が持てない
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Meadow Argus
アジアに多いタテハモドキによく似た蝶ではあるが斑紋は明らかに異なる
こちらの学名はJunonia villidaでタテハモドキのほうはJunonia almanaなので明らかに別種だ
和名はわからないがオーストラリアでは全域に生息する普通種のようで、西パプアの生物はアジア系ではなくオーストラリア系であることがこの点からも推測できる
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イシガケチョウの仲間?
この蝶は数が多く普通の道路脇に飛んでいた
最初はシロチョウの仲間かと思ったがよく見ると尾状突起がありイシガケチョウに感じが似ている(タテハチョウ科の蝶であることは間違いない)
残念ながらオーストラリアの蝶図鑑にもタイの蝶図鑑にも該当種は見つからず「種名不詳」となった
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Mournful Crow
オーストラリアの図鑑で写真の蝶に一番近いのがMournful Crow、別名ではLong-branded Blue Crowともいうらしい
ぶれた飛翔写真のため判定が難しいがルリマダラ系の蝶であることは間違いない
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Spotted Crow Eggfly
Crow Eggflyは日本の南西諸島でも見られるヤエヤマムラサキのこと
1枚目の写真はオーストラリアの図鑑の写真とぴったり一致するのでSpotted Crow Eggflyで間違いないと思う
2,3枚目はヤエヤマムラサキそのものかも知れない
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Blue Tiger
リュウキュウアサギマダラのように水色ベースのマダラチョウがいた
図鑑によればBlue Tigerだ
日本の蝶ではウスコモンマダラに似ているがこの蝶は英名がOriental Blue Tigerで近似種ではあるが別種らしい
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Swamp Tiger
日本では迷蝶になるコウトウマダラに似たマダラチョウも見つけた
英名をSwamp Tigerというのだが和名はわからない
鳥と違って昆虫は種類が多いので外国の種類の和名は統一整備されていないようだ
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オオゴマダラの仲間
オオゴマダラによく似た蝶が高い木の花で吸蜜しているのをよく見かけた
高いところで動きの少ない蝶を撮るのに野鳥撮影用の望遠レンズは都合がいい
したがってこの蝶の写真は数が多いのだがどうしても名前がわからない
習性も大きさもオオゴマダラそっくりなのだが翅の模様が少し違う(写真のように黒い部分が少し多い)
オーストラリアの図鑑にもマレーシアやタイなど東南アジアの図鑑にも該当種が見つからないので、勝手にパプアオオゴマダラということにしておきたい
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Spotted Pea-blue(オジロシジミ)
この蝶は日本の南西諸島にも生息するオジロシジミ
13年前リタイアして個人的に南西諸島に通いだした頃は数が多かったが、最近はほとんど見られなくなってしまった
(逆に南西諸島に増えたのがこの蝶によく似たクロマダラソテツシジミである)
もともと東南アジアの蝶で、海外へ出かけてオジロシジミの生存を確認すると安心感を覚える
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Long-tailed Pea-blue(ウラナミシジミ)
こちらはもっと普通種のウラナミシジミ
最近は確認していないが今でも豆の畑があれば東京近郊でも見られるはずである
もともと南方系の蝶で日本では九州や四国の太平洋岸で越冬し、世代交代をしながら北上し秋には関東に到達するといわれていたが、温暖化の進んだ今では関東でも越冬可能のような気がする(マメ科植物の畑に農薬が使われなければという前提だが)
ワイゲオ島には数が多かった
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Orange-tipped Pea-blue(タイワンツバメシジミ)
撮影時には気が付かずツバメシジミによく似た蝶だと思っていたが、帰宅後Orange-tipped Pea-blueであることが判明した
さらに学名などをチェックしてみるとこの蝶は日本で絶滅危惧Ⅰ類に指定されているタイワンツバメシジミ (Everes lacturnus)のようだ
ちょうど3年前に九州の長崎へ遠征してこの蝶を撮影した時のブログへリンクを貼るので比較していただきたい
(日本で絶滅危惧種に指定されている生物が、海外へ行けば割と簡単に見られることに複雑な思いは否定できない)
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Purple Oak-blue
この蝶も日本のムラサキツバメによく似ているが、斑紋の形状が異なり学名も異なるので別種のようだ
したがって和名は不詳である オセアニアムラサキツバメとでもいうのだろうか
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Large Moonbeam
翅裏がウラギンシジミのように純白で翅表がブルー(青紫)のシジミチョウに初めて出会った
図鑑によると日本には近似種がいないMoonbeamという蝶のようである
とにかく鮮烈な印象だった

3枚目の写真は同じ蝶のメスだと推定したが確証はない(裏面も確認できていない)
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Large Green-banded Blue
この蝶とは12年ぶりに再会した
リタイアして間もないころオーストラリアに撮影旅行(グループでの個人旅行)に出かけたときに撮影しているのでまずその時のブログにリンクを貼っておく

さて、一見ミスジチョウのように見える美しい蝶だが、実はこの蝶はシジミチョウの仲間だ
12年前は全く知識がなかったが、その後海外の蝶についてもある程度名前がわかるようになった(英語でブルーというのはシジミチョウのことだ)
個人的に納得がいかないのがこの蝶の英名で、どう見てもGreen-bandedではなく、Blue-bandedだと思う
英国人は色の名前がわからないのだろうか
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ワイゲオ島の昆虫たち
野鳥撮影の合間に昆虫の写真も撮った
しかしながら図鑑など資料が全くないので種名などわかるはずもない
蜂、直翅目、トンボとだけ表現しておく
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赤トンボ・黄トンボ
ワイゲオ島シリーズの締めくくりは赤トンボとする
この島の赤トンボは翅まで赤い正真正銘の赤トンボだった
おそらくアカスジベッコウトンボだと思う(日本では最近与那国や石垣・西表にも確認されているようだ)
そして最後の黄色いトンボだが同じアカスジベッコウトンボの未成熟個体ではないかと推定している
全身黄色いところもインパクトがあるが、頭の部分が人間の笑い顔のようで忘れられないほど可愛い
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by mustachio | 2017-10-01 15:00 | Comments(2)