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2018年 06月 25日

蝶鳥天国中部タイ撮影記(蝶編5)

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タテハチョウ科2
シリーズ「蝶・鳥天国 中部タイ撮影記」はこのタテハチョウ編で最後となる
個人的な印象かもしれないが、タテハチョウの仲間は群れを好まず一匹狼のものが多い(もちろん例外もあるが)
海外の蝶撮影はバードウォッチングの合間にしかチャンスがないので、その一匹狼との出会いは全くの運次第になる


キスジ属ダイトウキスジ Branded Yeomen
76年も生きていて今回初めて「キスジ」という蝶の存在を知った
漢字で書くと黄筋、翅表に黄色い帯のある蝶の種類のようだ
前編(蝶編4)最後のネッタイヒョウモンと英名(Yeomen)が共通なので近い仲間なのだと思う
この蝶も吸水中だったが集団吸水ではなく単独行動だった
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チャイロタテハ属チャイロタテハ Cruiser
英名のクルーザーからわかるように大型でカッコいいタテハ
このタテハは集団吸水の参加者で、仲間同士が群れあっているためグループとしての存在感があった
(日本でもオオムラサキなどの大型の蝶が群れて吸汁するシーンがあるが、彼らは餌に惹かれて集まるだけで群れ行動をとっているわけではない)
タイの蝶撮影では印象に残った蝶の一つである
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ビロードタテハ属カバシタビロードタテハ Assyrian
ビロードタテハの仲間(本種と次種)も今回初めて出会った
日本でも紫のタテハはいるのだが、このビロードタテハは翅表のほとんど全面が一様に紫色だった
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ビロードタテハ属ビロードタテハ
前掲のカバシタビロードタテハより少し大型で前翅端が突出し、後翅の黄色部(褐色部)が発達する
写真では識別が難しく分別に誤りがあるかもしれないが、両種をまとめて認識いただくことでご了解いただきたい
さて、ビロードタテハの英名Assyriaは紀元前にメソポタミアに存在した古代国家のことなのだが、この国家が英語圏の命名者にどのような意味を持つのかネットで調べてみたが判らなかった
(派手な紫色が大昔西アジアに繁栄した帝国を連想させただけなのだろうか)
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タテハモドキ属クロタテハモドキ Chocolate Soldier
タテハモドキはアジアに広く分布するタテハチョウの仲間
クロタテハモドキに初めて出会ったのは確かスリランカではなかったと思うが、その後いろいろな場所で対面している
chocolate soldierという英名はすっかり頭に入っていてどこで出会っても思い出すことができるのだ
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タテハモドキ属ハイイロタテハモドキ Grey Pansy
何故だかわからないが(クロタテハモドキを除いて)タテハモドキ類の英名をパンジーという(日本に定着しているタテハモドキはPeacock pansy、アオタテハモドキはblue pansyだ)
このハイイロタテハモドキは和名と同じGrey Pansyという
地味なタテハチョウで日本でいえばキマダラヒカゲによく似ている
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コノハチョウ属コノハチョウ Orange Oakleaf
沖縄など日本に棲むコノハチョウと共通種
擬態の対象である枯葉も日本とタイでは共通ということなのだろうか
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カバタテハ属フタオビカバタテハ Common Caster
リタイア後(プライベートでは)初めて沖縄を訪れて初めて出会った南方の蝶がカバタテハなので思い入れがある
フィールドで見た時は間違いなくカバタテハだと思っていたが、図鑑をチェックすると別種でフタオビカバタテハだった
(カバタテハは前翅に突出部があるがフタオビのほうは縁がフラットだ 斑紋の形状も異なる)
タイにはカバタテハも棲息するが(英名がCommonなので)フタオビのほうが普通種なのかもしれない
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キンミスジ属キンミスジ Common Lascar
日本の南西諸島にキミスジという蝶がいる
自分がリタイアして蝶の写真を始めた2003年にはいなかったのだが、その後定着して石垣島などで普通に見られるようになった
タイのフィールドで写真を撮った時はこの蝶はそのキミスジだと思い込んでいた
帰宅後図鑑を見ていて東南アジアにはキミスジのほかにキンミスジという別種の蝶がいることに気が付いたのだ
両者は色彩も形状も大きさも行動形態もそっくりなのだが、一つ大きな相違点があった
キミスジは後翅に尾状突起があるのにキンミスジは他のミスジチョウ同様突起がないのだ
蝶に興味のない方には全く価値のない知識(トリビア)だが、個人的には大発見であった
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イナズマチョウ属ヒメマエモンイナズマ (Small )White-tipped Baron
東南アジアには「イナズマ」と名がつくたタテハチョウが多い
大型で胴体が太くたくましい感じのタテハチョウだ
この蝶は日本の蝶でいえばスミナガシに近いイメージである(そのスミナガシだが、タイにもスミナガシが棲息することを図鑑で確認した)
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オビイナズマ属タイリクオビイナズマ Redtail Marquiss
こちらのイナズマはオビイナズマという仲間
イチモンジチョウによく似ている
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オビイナズマ属ホシオビイナズマ Great Marquiss
同じオビイナズマだがこちらは大きい
迫力のある大型の蝶なのだが残念ながら破損個体で迫力が表現できなかった
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オオイナズマ属サトオオイナズマ Archduke
オオムラサキのように大型で後翅表面が「半分青い」個性的な蝶だ
写真の出来がいまいちだがこれには訳がある
イナズマ類の写真はすべて野鳥撮影用のハイドから望遠レンズで撮影している
蝶を見つけても近寄ることもアングルを変えることもできない条件下の撮影なのだ
こちらは「鳥屋さんのツアーに特別参加させていただいている蝶屋」なので文句は言えない
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イシガキチョウ属キレバイシガキ Little Map
タイには日本でも見られるイシガキチョウも棲息するが、今回出会ったのは小型のイシガキチョウ2種だった
1種目のイシガキチョウはキレバイシガキ、英名Little Mapが示すように小さく黒の縁どりが印象的だった
集団吸水の写真の中では縁どりのある蝶がキレバイシガキだ
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イシガキチョウ属ウスイロイシガキ Marbled Map
もう1種のイシガキチョウがこちらのウスイロイシガキ
表面にマーブル状の模様があり全体としては蛾のように白く見える蝶だ
この蝶も集団吸水の常連で集まっている数は半端なかった
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アフリカフタオチョウ属ギンヘリチャイロフタオ Silver-edged Rajah
尾の部分が極めて小さいのでわかりにくいがフタオチョウの仲間のようだ
名前がわからないまま集団の中の個体を撮影したがアップで見ると美しい蝶だった
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フタオチョウ属キオビヒメフタオ Common Nawab
多少欠損しているがいかにもフタオチョウらしい蝶でわかりやすい
吸水中だが集団で固まらず仲間とは距離を置いて行動していた
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コノマチョウ属クロコノマチョウ Dark Evening Brown
クロコノマチョウは日本でも見ることができる
もともと南方系の蝶なのだが今では関東地方まで進出し完全に日本の蝶になってしまった
模様に変化が多く近似種のウスイロコノマチョウにもよく似ているので同定が難しいが、写真はクロコノマチョウということにしておく
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コジャノメ属ヒメジャノメ Chinese Bushbrown
ジャノメチョウの仲間は似たようなものが多く1枚の写真だけで種を判定するのは難しい
とりあえず(日本では)一番平凡なヒメジャノメということにしたが、もっと珍しい蝶かもしれない
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ウラナミジャノメ属コウラナミジャノメ Common Fivering
ウラナミジャノメの仲間は日本でも種類が多く(特に南西諸島では)同定に苦労することが多い
今回は翅の表裏の写真が撮れたので図鑑を入念にチェックしてみたが、写真の蝶は最も普通種のコウラナミジャノメのようだ
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以上で5回にわたった「タイの蝶」の連載は終わり
実質5日間の野鳥撮影の合間に副業的に撮影した蝶の写真の数が膨大で自分でも驚いている
タイは蝶の種類が多く今回撮影できたのはごく一部に過ぎない
できることならもう少し時間の余裕をもってタイを再訪したいと思っている



















by mustachio | 2018-06-25 12:00 | Comments(0)
2018年 06月 23日

蝶鳥天国中部タイ撮影記(蝶編4)

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タテハチョウ科1
タテハチョウ科は撮影した種が36種にもなるので2回連載とする
第1回(蝶編4)はテングチョウ、マダラチョウ、ヒョウモンチョウ類が対象だ

テングチョウ属キオビテングチョウ Club Beak
国立公園管理センターの空き地の草むらにテングチョウを見つけ撮影した
日本国内では昔からテングチョウはテングチョウ科として独立し1科1種の存在だった(現在はタテハチョウ科)
日本で迷蝶として記録があるムラサキテングチョウはアジアの蝶であることを予備知識として承知していたのでてっきりムラサキテングチョウかと思っていたが、帰宅後調べてみるとキオビテングチョウだった
タイにはムラサキテングチョウもアジアテングチョウも棲息するようだ
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コモンマダラ属コモンマダラ Dark Blue Tiger
コモンマダラは迷蝶として南西諸島で採集記録が多いが日本の蝶ではない
南西諸島に定着しているリュウキュウアサギマダラによく似ているが見た目はずっと黒っぽい印象だ(コモンマダラはインドからインドネシア、台湾などに広く分布する)
フィールドでは判別が難しいが斑紋の形状が違うので写真をチェックすれば識別は可能である
と、大見得を切ったが写真の蝶の斑紋が図鑑と少し違うので内心不安に思っている
(もしかすると図鑑にない別種かもしれない)
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コモンマダラ属ウスコモンマダラ Blue Tiger
こちらも南アジアの普通種で日本では迷蝶
チョウ類保全協会のフィールドガイド「日本のチョウ」に載っているのでわがホームページ「還暦からの日本の蝶250種」にも載せている(撮影地はスリランカだが)
タイのウスコモンマダラは斑紋のブルーが強く英名のBlue Tigerの名称がピッタリだった
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アサギマダラ属ヒメアサギマダラ Glassy Tiger
蝶にあまり詳しくない方でもアサギマダラはたいていご存知だと思う
子供のころ(沖縄返還前)は確かにマダラチョウはアサギマダラ1種だけだったが、今では日本にもたくさんのマダラチョウ類がいる
このヒメアサギマダラも日本に定着していて自分も西表島で撮影している
どちらかというとタイのイメージではないおとなしい感じの蝶だ
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アサギマダラ属ヒメタイワンアサギマダラ Chocolate Tiger
この蝶の注目ポイントは派手なオレンジ色の腹部
日本のアサギマダラにそっくりで腹部がオレンジ色の蝶が日本でも迷蝶として記録されていて名前をタイワンアサギマダラという(わがホームページにも記載)
タイで見つけたアサギマダラも腹部が明るいオレンジ色で、フィールドではタイワンアサギマダラだと確信していた
が、図鑑を見るとタイワンアサギマダラはタイでは北部山地にしか棲息しておらず、中部で見られるのはヒメタイワンアサギマダラで少し小型だとのことだった
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ルリマダラ属シロオビマダラ Large Blue Crow
シロオビマダラも迷蝶として日本での採集記録が数多くあるようで前述のフィールドガイド「日本のチョウ」にも登場する
日本にやって来るのはフィリピン系のシロオビマダラのようで、後翅下端2列目の白斑列の個々の白斑が長く白帯のように見えるが、前翅表面の青紫はほとんど目立たない
今回見たタイのシロオビマダラは白斑が短かったが前翅表面の青紫は美しくルリマダラ属の蝶であることを主張していた
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ルリマダラ属ムツボシムラサキマダラ Long Branded Blue Crow
前掲のシロオビマダラとよく似た蝶だが後翅裏面の白斑(六星)に特徴があり、ムツボシムラサキマダラと判断した
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ルリマダラ属ルリマダラ Double-branded Blue Crow
ルリマダラという名前からしてルリマダラ属の本家本元なのだと思う
前翅表面の青紫は鮮やかで美しい
英名が示すように後翅下端の白斑列が二重になっているのが特徴のようだ

インドからオーストラリア北部まで分布域は広いが日本では完全な迷蝶である
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ルリマダラ属ツマムラサキマダラ Striped Blue Crow
この蝶は日本でお馴染み
もともと迷蝶なのだが20世紀末ごろに沖縄県に広く定着し普通種になってしまった
英名のstripedはメスの後翅裏面に多数の白線があることに由来するが、タイで見たのはオスばかりでメスとの出会いはなかった
しばらく沖縄方面に出かけていないので機会を見てツマムラサキマダラのメスに会いに行きたい
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ルリマダラ属シロモンルリマダラ Magpie Crow
日本では一例しか記録がないという希少な迷蝶
偶然ではあるがそのシロモンルリマダラを撮影することができた
飛翔写真のピントがもう少し良ければ最高だったが
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ウラベニヒョウモン属ヒメウラベニヒョウモン Small Leopard
関東地方にも定着してしまったツマグロヒョウモン(実はタイ北部の山岳地帯にも棲息する)が南方系なので南国にはヒョウモン類が多いと思い込みがちだが、実は東南アジアにはウラベニヒョウモン類とネッタイヒョウモン類くらいで種類が少ない
ウラベニヒョウモンは以前バリ島で出会っているのだが今回タイにいたのはヒメウラベニヒョウモンのほうだった
ただその数はやたら多く、まさに「半端ない」ヒメウラベニヒョウモンが集団吸水していた
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タイワンキマダラ属タイワンキマダラ Rustic
インドから台湾、インドネシアまで東南アジアに広く分布する蝶で日本でも西表島などにしっかり定着している
海外ではいろいろなところで出会うが、会うたびに日本の蝶に再会したような懐かしい思いがする
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オナガタテハ属オナガタテハ Vagrant
この蝶は全くの初対面
精悍なイメージで日本の蝶でいうとオオイチモンジくらいの迫力がある
チャンスは1回しかなかったがしっかり観察・撮影した
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ネッタイヒョウモン属ウスイロネッタイヒョウモン Common Yeomen
名前は熱帯豹紋だが模様のほうはとても「豹紋」とは縁がないイメージだ
それでも地色がオレンジなのでヒョウモン類の雰囲気は十分出していた
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ネッタイヒョウモン属コガタネッタイヒョウモン Little Yeomen
ウスイロネッタイヒョウモンに感じが似ているが大きさが少し小さい
翅の縁が黒っぽいので精悍なイメージは強い
英名のYeomenは郷士の意味だ
(3枚目の写真はウスイロネッタイヒョウモンの可能性がある)
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ネッタイヒョウモン属オオネッタイヒョウモン Large Yeomen
「蝶編4」の締めくくりはいかにも貫禄のある大型の蝶になった
ヒョウモンのイメージは全くないが、林道で出会った時はドキッとした
初対面だが忘れられない蝶である
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by mustachio | 2018-06-23 15:00 | Comments(0)
2018年 06月 22日

蝶鳥天国中部タイ撮影記(蝶編3)

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シロチョウ科
蝶編3はシロチョウ編
日本のシロチョウ類ではスジグロシロチョウなどが集団吸水をするが、花で吸蜜する姿のほうがイメージ的に自然である
タイでは花が少ないせいか花に来る蝶はほとんど見られず、地上の写真がほとんどだったような気がする

キチョウ属キチョウ Common Grass Yellow
和名をキチョウとしたが正確にはミナミキチョウとするべきかもしれない
昔キチョウといっていた蝶が日本ではキタキチョウとミナミキチョウにスプリットされている
タイではこのキチョウ類がやたら多かったが、実をいうとタイワンキチョウやレモンキチョウという類似種もいて写真からでは判定が難しい
学術的な資料ではないのでアバウトに「キチョウ」でお許し願いたい
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ウスキシロチョウ属ウスキシロチョウ Lemon Emigrant
英名のemigrantは「(他国に)移住する、移住者」の意味で、反対語がimmigrant「(他国から)移住する、移住者」
この蝶はおそらく他国移住志向が強いのだろう
ウスキシロチョウは子供のころ馴染みのない蝶だったが、リタイア後南西諸島に通うようになってから顔なじみになった
大型のシロチョウで薄い黄色から濃い黄色まで色彩はバラエティに富んでいる
(タイの集団吸水は色の薄いオスが多かったようだ)
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ツマベニチョウ属ツマベニチョウ Great Orange Tip
日本でも沖縄では普通に見られるし最近では九州まで進出してきているようだ
大きくて色も鮮やかなので存在感のある「南国の蝶」がタイでも幅を利かせていた
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アサギシロチョウ属タイリクアサギシロチョウ Common Wanderer
この蝶は全くの初対面
もちろん名前も知らなかった
日本の蝶ではエゾシロチョウが一番似ているような気がする
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メスシロキチョウ属メスシロキチョウ Yellow Orange Tip
この蝶に初めて出会ったのはたしかスリランカだったと思う
黄色と白と黒とオレンジの配色で初対面の印象は強烈だった
名前はメスシロキチョウだがオスのように褄がオレンジのメスもいるのでネーミングは問題があるような気がする
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クロテンシロチョウ属クロテンシロチョウ Psyche
東南アジアではどこでも見られる普通種
日本でも南西諸島には定着した
15年ほど前、蝶の写真を始めた頃は石垣島や西表島にはおらず、わざわざ与那国へ遠征してこの蝶を撮影したが、今では石垣島などで普通に見られるようになった
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トガリシロチョウ属タイワンシロチョウ Chocolate Albatross
名前はタイワンシロチョウだがインドからオーストラリアまで南アジアに広く分布する
日本でも数は少ないが南西諸島に定着しており立派な「日本の蝶」の一員だ
表面が白、裏面(後翅)が黄色のリバーシブルで、黒のエンブレムというしゃれたデザインの蝶である
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トガリシロチョウ属スジグロトガリシロチョウ
翅裏はスジグロ系のイメージだが表面はほとんど純白の清楚な蝶だ
タイでは数が多く吸水集団の中でも構成比率の高い蝶だった
英名は図鑑に載っておらず不明である
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トガリシロチョウ属ベニシロチョウ Orange Albatross
全身がオレンジ色のド派手な蝶
初対面ではなく前にフィリピンで出会っているがその時は静止状態の裏面しか見ていないのでそれほどのインパクトはなかった
今回は飛翔が撮れたのでわかりやすいが裏面に比べて表面のオレンジ色は格段に濃いのだ
数はけして多くなかったが、とにかく目立つので写真の数は結構多かった
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トガリシロチョウ属ナミエシロチョウ Lesser Albatross
ナミエシロチョウも広くアジアに分布するが日本でも南西諸島に定着し、西表島や与那国島で何回も出会っている
近似種にカワカミシロチョウという蝶がいて、ナミエシロチョウより少し大きく前翅の先が少し尖っている
写真の蝶はどちらなのか微妙だが、日本国内で考えるとカワカミシロチョウのほうが迷蝶扱いで希少価値があるようだ
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マルバネシロチョウ属タイワンスジグロチョウ Common Gull
こちらは名前の示すようにスジグロ蝶そのもの
日本でもスジグロシロチョウが地上で集団吸水をするのを見ることが多いが、タイでもこの蝶は絶対数が多く、特に日差しの強い場所の集団吸水には必ずといって良いほどこの蝶が参加していた
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マルバネシロチョウ属ウスムラサキシロチョウ Lesser Gull
少し小ぶりで地味なシロチョウ
他のシロチョウとイメージが違うのでフィールドでは記録用にしっかり写真を撮った
もちろん現場では名前が判らなかったが後で確認するとウスムラサキシロチョウとのことだった(ムラサキのイメージは感じられないが)
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マルバネシロチョウ属フトヘリキシタシロチョウ Orange Gull
前2種と同属の蝶だが非常に存在感のあるシロチョウだ
黄下の名前のように後翅裏面は黄色い
さらに後翅表面の下部が鮮やかなオレンジ色で飛翔中によく目立つ
数は少なかったが見つければ必ずレンズを向けた
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マダラシロチョウ属スジグロマダラシロチョウ Redspot Sawtooth
シロチョウ編のラストバッターはこの蝶
後翅裏面の付け根部分に真っ赤な部分がありわかりやすい
今回初対面なのだが以前香港で同様に根元部分の赤いアカネシロチョウを見ており、現場ではアカネシロチョウの仲間だと思っていた
英名のSawtoothは鋸の歯の意味で由来がわかりにくいが、翅表の黒い縁どりのギザギザを鋸歯に見立てたものだろうか
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by mustachio | 2018-06-22 17:00 | Comments(0)
2018年 06月 20日

蝶鳥天国中部タイ撮影記(蝶編2)

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アゲハチョウ科
蝶編2はアゲハチョウ
アゲハチョウは大型で行動力もあり、アジアでは共通種が多い
オナガタイマイやコモンタイマイなどはボルネオ以来の再会である

ベニモンアゲハ属ベニモンアゲハ Common Rose
日本の南西諸島で見られるベニモンアゲハ
真っ赤な胴体(頭から腹部まで)の印象が強烈だ
シロオビアゲハ♀のベニモン型とよく似ているがシロオビのほうは胴体が赤くないので区別は容易である
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アゲハチョウ属マハデバオナシモンキアゲハ Burmese Raven
初対面のアゲハチョウ
英名の意味はビルマのカラス(ワタリガラス)でアジアの大陸部に多い蝶のようだ
色彩的にはモンキアゲハの仲間であることは理解できるが、体型は尾状突起もなくマダラチョウの仲間に見える
こちらも集団吸水の常連でモンキアゲハと同じ集団にいることが多かった
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アゲハチョウ属モンキアゲハ Yellow Helen
タイにはオオモンキアゲハやタイワンモンキアゲハなども棲息するようなので期待していたが、日本と同じモンキアゲハしか確認できなかった
大きさも斑紋も飛翔行動のパターンも関東で見られるモンキアゲハと全く同一である

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アゲハチョウ属シロオビアゲハ Common Mormon
シロオビアゲハも日本(南西諸島)との共通種
オスは後翅に白帯があり、メスは白帯タイプとベニモンアゲハに類似するタイプの2種がある
フィールドで見る場合は白帯があるものはすぐわかるが、ベニモンアゲハタイプはじっくり写真を見ないと判定が難しい
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アゲハチョウ属ナガサキアゲハ Great Mormon
ナガサキアゲハも日本との共通種  日本と全く同じ形状である
問題は今回出会わなかったクロアゲハのほうで、タイのクロアゲハは日本と異なり尾状突起がなくナガサキアゲハによく似ている
識別のポイントは翅裏付け根の赤斑、ナガサキアゲハには赤斑があってクロアゲハにはない
タイで出会ったナガサキアゲハはオスばかりで、後翅裏面に大きな白斑があるメスには一度もお目にかからなかった
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日本のクロアゲハと異なるためうっかりしていたが、2枚目の写真は無尾型のクロアゲハの可能性が高い

アゲハチョウ属ルリモンアゲハ Paris Peacock
ルリモンアゲハは東南アジアの蝶でインドからインドシナ、インドネシアと中国や台湾にも分布し、日本でも迷蝶として採集記録がある
明るく輝く緑の斑紋がチャーミングで、それ以外は形態的にカラスアゲハ(特に八重山系の緑色が濃いカラスアゲハ)そのものである
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アオスジアゲハ属ヒメシロオナガタイマイ Fourbar Swordtail
英名は「4本縞剣尾蝶」というそっけないものだが、実物は大変美しい
飛翔する姿などは天女の舞のようで感動する
もちろん今回初対面の蝶で、76年も生きてきたこととまだまだある新しい出会いに感謝したい気持ちになる
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アオスジアゲハ属アリステウスオナガタイマイ Chain Swordtail
こちらも初見参
裏面はミカドアゲハに尾状突起をつけたような地味なイメージだが、表面を見ると縞が縦縞で大型のギフチョウを見ているようだった
4枚目の写真にもう少しピンが来ていればと思うのだが、咄嗟のことなので撮影できただけでもラッキーと思うことにした
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アオスジアゲハ属オナガタイマイ Fivebar Swordtail
東南アジアのタイマイ(アオスジアゲハの仲間)としては正統派の蝶だと勝手に決めている
最初の出会いは7年前のボルネオ
今回は翅表が撮れていないが、表側は白が基調の美しい蝶だ
タイでは数が多く、シロチョウ類主体の吸水集団の中に良く見られた
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アオスジアゲハ属ミズアオマダラタイマイ Great Zebra
アゲハチョウの仲間にマダラタイマイというマダラチョウによく似た種類の蝶がいることを今回初めて知った
撮影したフィールドでは当然意識しておらず、帰宅後集団吸水の写真をチェックしていて見つけた次第である
たまたまシャッターを切ったところに写っていただけなのでピンボケなのは仕方ないが、一応種名の確認ができる程度の写真は結果的にゲットすることができた
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アオスジアゲハ属アオスジアゲハ Common Bluebottle
子供のころから慣れ親しんだアオスジアゲハ(隣家にクスノキがあるせいか今でも東京の自宅の庭に来てくれる)
タイでも最普通種とされ、あちこちの吸水集団にこのアオスジアゲハが参加していた
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アオスジアゲハ属ミカドアゲハ Common Jay
逆にこちらのミカドアゲハは少年時代の「高嶺の花」だった
日本では南九州や南四国(当時は沖縄が日本ではなかったので)まで行かなければ見られない「図鑑上の蝶」だったのだ
リタイア後蝶の写真を始めて南西諸島に通うようになってからは、個人的には普通種になってしまった感がある
ちなみにこのミカドアゲハなどアオスジアゲハの仲間は吸水行動はオス限定で、メスは吸蜜はするが吸水はしないという
(集団吸水は良き時代の酒場のように「男の世界」なのだ)
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アオスジアゲハ属ミナミミカドアゲハ Great Jay
フィールドでミカドアゲハを観察しているうちに微妙に形態の違う種類がいることに気が付いた
現場には蝶の図鑑は持って行っていないので意識的にその蝶を撮影し、後で図鑑をチェックした結果「ミナミミカドアゲハ」という別種であることが判明した
ミカドアゲハは後翅裏面中央の黒帯が途中で切れているが、こちらは下端までつながっている
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アオスジアゲハ属ギンスジミカドアゲハ Veined Jay
さらにもう1種
タイプの違うミカドアゲハがいた
前翅の形状はほとんど変わらないのだが、後翅の翅脈に沿って黒い筋がある
後に図鑑をチェックして「ギンスジミカドアゲハ」という名前がわかった
(写真3枚目の右側は普通のミカドアゲハである)
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アオスジアゲハ属コモンタイマイ Tailed Jay
アゲハチョウ科のトリはコモンタイマイ
インドからインドネシアまで東南アジアに広く分布するタイマイだ
アオスジアゲハの仲間は尾状突起を持たないのが普通だがこのコモンタイマイは英名の通り小さな尻尾を持つ
以前ボルネオでも撮影しているが今回は飛翔中の翅表までしっかり撮影することができた
黒と黄緑の2色構成でなかなか美しいアゲハである
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by mustachio | 2018-06-20 15:00 | Comments(0)
2018年 06月 19日

蝶鳥天国中部タイ撮影記(蝶編1)

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タイから帰って2か月が経過してしまった
ブログのタイトルを「蝶・鳥天国 中部タイ撮影記」としたのに、蝶が出てこないまま1か月が過ぎたのは誠に恐縮で、蝶の写真の枚数がやたら多かったことと、整理の時期がアウトドアのハイシーズンにぶつかったことを理由にまず「怠慢」をお詫びしておきたい

イントロでもご紹介したようにタイは鳥も蝶も数が多かった
特に蝶に関しては「集団吸水」を見る機会が多く、ほとんどが複数種の混合集団だったため同時に撮影する蝶の種類が非常に多かった
もちろん集団吸水以外の撮影機会も多く、実質5日間の短期間で撮影した蝶の種類はシジミチョウ9種、シロチョウ14種、アゲハチョウ15種、タテハチョウ36種の74種に昇った
あくまでも野鳥撮影の合間を見ての蝶撮影なのだが、おそらくわが人生において過去にこれだけ密度の濃い蝶を見たことはないと思う

まさにタイは蝶・鳥天国なのだ

集団吸水
最初にご紹介したように今回のツアーはタイのケンガチャン国立公園を主体にした撮影ツアーだった
国立公園は普通の観光地で週末には一般観光客が多数集まる
蝶の集団吸水はそんな観光客のすぐ近くで行われるので、普通の人たちが普通にスマホで蝶を撮影している(子供たちも捕虫網など持たずに蝶と遊んでいる)

日本で蝶の集団吸水というと単一種の集団かせいぜい3種くらいの集団が多いのだが、タイの集団は5種から10種くらいの多種混合集団ばかりだった

まず写真を見ていただくことが先だろう
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セセリチョウ科の蝶
集団写真はお祭りの写真のようで見ていて楽しいが迫力には欠ける
タイの蝶に関しては「タイ国の蝶vol.1~vol.3」という日本語の図鑑があり、種名の選定のための強力な武器となっている
ここからは従来通り、科別、種別で写真とコメントを掲載していきたい
その図鑑によればトップはセセリチョウ科なのだが、不思議なことに今回はセセリチョウとの出会いがほとんどなかった
撮影できた写真は下記の1種(撮影機会2回)だけでご覧のように全体が暗黒褐色で翅の縁に白斑がある蝶、翅型からムモンショウガセセリかアカオビセセリの無紋型あたりが候補だが特定するに至らない
タイには300種ものセセリチョウが棲息するのに、今回、何故セセリチョウとの出会いがなかったのか今でも不思議でならない
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シジミチョウ科
ニセキララシジミ属ニセキララシジミ Ciliate
Blue

このシジミチョウはタイでは極めて普通種でどこにでもいるという
日本の蝶でもツバメシジミなどは集団吸水をするが、こちらも同一種が集まって吸水するシーンが多かった
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ニセキララシジミ属クロテンニセキララシジミ
 Pointed
Ciliate
Blue
全種とほとんど同じ形態だが、後翅裏面の付け根部分に黒点があるのが識別のポイント
アップで見ると後翅に白い尾状突起のような繊毛が確認できる
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ヒメウラナミシジミ属ヒメウラナミシジミ Common Lineblue
この蝶はヒメウラナミシジミのメスだと思う
日本でも南西諸島に行くとヒメウラナミシジミが見られるが、日本のヒメウラナミは尾状突起がない
ところがタイのヒメウラナミは尾状突起があり、ないものはオナシヒメウラナミシジミといって別種になる
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ヒメウラナミシジミ属オナシヒメウラナミシジミ Tailless Lineblue
そのオナシヒメウラナミシジミがこちら
この蝶も集団吸水愛好者で大群で地面に集まっている
前出のニセキララシジミによく似ていて翅の形状(丸み)と前翅裏面の斑紋が付け根まであるかどうかの違いで判別するしかないようだ
集団は単一種に限られるわけではなく両種混在型の集団もあるようなのでクローズアップでないと識別は難しい
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ムラサキサカハチシジミ属ムラサキサカハチシジミ Banded Blue Pierrot
日本ではなじみのないかなり大型のシジミチョウ
基本的に白と黒のモノトーンで翅表に「逆八」の白帯がある
このムラサキサカハチにはその白帯の周囲に紫の部分があり、この部分が光ってとても美しい
アップの写真がないのが残念だが集団の中に青紫に光る部分があるのはお判りいただけると思う
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シロサカハチシジミ属シロサカハチシジミ Straight Pierrot
全種とよく似た蝶で紛らわしいが裏面の黒斑の形状は明らかに違う
(翅表の紫斑もなく全身がモノトーンだ)
水場の吸水集団の常連だが、野鳥撮影のため待機中のわれわれの足元にも飛来してきて望遠レンズに着いた汗からも吸水していた
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オナガウラナミシジミ属ムラサキオナガウラナミシジミ Forget-me-not
英名のForget-me-not(ワスレナグサ)の意味はよく分からないが、日本の蝶でいうとオジロシジミによく似た蝶だった(オジロシジミはタイにも棲息する)
図鑑チェックの結果ではムラサキオナガウラナミシジミのようだ
タイ全土に普通に見られるという
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ドウケシジミ属ドウケシジミ Common Pierrot
東南アジアには何回も旅行しているのでこのドウケシジミは顔なじみである
と、思っていたが、今までのドウケシジミは英名Straight Pierrotという別種のようだ
つまり Common Pierrot のほうは初対面である
翅表は全く違うのだが翅裏はムラサキサカハチシジミによく似ていて、よほど注意して見ないと集団の中から区別して見つけ出すのは難しい
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ヤクシマルリシジミ属ヤクシマルリシジミ Common Hedge Blue
シジミチョウのラストは日本でも見られるヤクシマルリシジミ(けして屋久島特産種ではない)
日本の図鑑もチェックしてみたが斑紋は全く同じだった
シジミチョウの吸水集団の中では大きく白いので目立つ存在だった
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by mustachio | 2018-06-19 17:00 | Comments(0)
2018年 06月 05日

チゴモズとブッポウソウ(松之山の自然)

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箱根から戻った翌々日、今度は新潟の松之山地区へ出かけた
(こちらは以前から計画していたものでBWツアーへの参加である)
国内のツアー参加は珍しいのだが、チゴモズとブッポウソウのきれいな写真が撮りたいという家内の意向を忖度したわが家の企画である
昨近は関東近県の自然観察フィールドの劣化が急速に進み、昔からの経験の範囲ではよいフィールドが見つからないのでツアー会社の専門情報も必要になってきている
個人的にも新潟県あたりにマイフィールドを開拓したいので、地域情報取得(ロケハン)もツアー参加の目的だった

松之山地区
松之山は新潟県十日町市に属するようで、その十日町には今年の春ギフチョウの観察に出かけている
棚田が有名な地域で温泉もあり、長野県栄村にも隣接して自然が豊かな地域だ
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松之山地区には美しいブナ林も多い
次の写真のブナ林は看板でわかるように「美人林」の名前がついている
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ターゲットバードであるチゴモズとブッポウソウは一応観察することができた
ただ鳥とカメラの間の距離が遠く、海外ツアーのようにシャープな写真は撮れなかったのは残念である
(他の鳥の写真も「電線止まり」がほとんどである)

チゴモズ
留鳥または漂鳥として日本に常駐するモズと異なり、チゴモズは渡り鳥で日本には夏鳥として飛来する
もともと数が多かったわけではないが近年個体数が激減し「幻の鳥」に近くなっているようだ
特徴は「頭が灰白色」「過眼線が太い」「腹部が白い」などがモズとの相違点
望遠レンズで何とか撮影できたが、かなり拡大しているので画質はお粗末である
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ブッポウソウ
こちらも数が激減しているという夏鳥
BW歴が長い家内などは「昔は東京でも観察できた」とうるさいのだが、今ではかなり山奥(それも高山ではなく民家のあるような場所)に行かないとお目にかかれないようだ(巣箱を設置して保護育成する地域も多い)
現地では、遠く離れた電線の上ではあったがカップルの求愛給餌なども観察でき、楽しい時間を過ごすことができた
海外のブッポウソウ(ニシブッポウソウなど)は色彩の派手なものが多いが、日本の(東アジアの)ブッポウソウは地味な色彩のため逆光では嘴と脚以外は真っ黒に写ってしまう
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ホオジロ
ホオジロは留鳥(または漂鳥)として普通に見られる鳥だと思うが、最近は数が減っているように思える
今回もはるか遠い「電線止まり」しか撮影のチャンスがなかった
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ノジコ
ノジコもホオジロの仲間
アオジとよく似ているがノジコは渡り鳥(夏鳥)である
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オオアカゲラ
ブナ林のキツツキはアカゲラではなく頭のてっぺんが赤いオオアカゲラだった
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サシバ
信濃川を横切る電線の上に猛禽がいた
サシバである
この鳥も夏鳥で冬は東南アジアへ渡っていくが、急速なアジアの開発で数が減ってきているようだ
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タニウツギ
植物ではタニウツギがまさにハイシーズンを迎えていた
ハコネウツギのように花の色が時系列的に変わることはないようであるが、基本的に花は淡いピンクで蕾は濃いピンクである
この植物は北海道から本州の日本海側に分布するようで、この季節の新潟の里山の美しさを実感することができた
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タムシバ
季節感に多少ずれを感じるのがこちらのタムシバ
個人的なイメージでは初春の花で4月のギフチョウシーズンに開花する
松之山地区は多少標高が高く、冬の積雪も多いので、今頃が開花時期になるのだろうか
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クロモジ
爪楊枝の原材料になるクロモジ
こちらも季節的違和感のある花が咲いていた
代表的な「初春の花」だと思うが、雪深い松之山は5月が初春ということなのだと思う
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ホオノキ
ホオノキにも花が咲いていた
こちらはイメージ的に初夏の花、昔から春の蝶を探して歩く林道でよく出会う大木の花だ
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ムシカリ
別名のオオカメノキのほうがわかりやすい
小さな花の集合体の周囲を大きな装飾花が取り巻くところが面白い
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ヤマボウシ
箱根でも出会ったようにこのシーズンの花
5~6月は木の花が一斉に咲く素晴らしい季節である
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スミレ
葉の先が尖っているので撮影時はノジスミレだと思っていた
写真を良く見るとどうも側弁に毛があるように見えるので「スミレ」としておく
広義のスミレには間違いないので
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タチツボスミレとツボスミレ
今年はスミレ類を観察する機会が多かったが、松之山ではほとんどスミレ類が見られなかった
1か所にタチツボスミレとツボスミレが隣り合わせに群落を形成しているのを見つけたが、他のスミレ類は見ていない
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ハナニガナとオオジシバリ
キク科ニガナ属の黄色い花はハナニガナとオオジシバリ
ハナニガナは5弁のニガナより花弁の数が多いが、オオジシバリはもっと多い
ハナニガナのほうは茎の先が枝分かれして多数の花をつけるが、オオジシバリのほうは1輪もしくは数輪である
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ノアザミ
アザミは似たような種類が多く識別に苦労するが、それは夏から秋の話
日本では春のアザミはノアザミとしておけばまず間違いはない
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オオイワカガミ
ちょうど1か月前、松之山と同じ十日町に出かけ、オオイワカガミに絡むギフチョウの写真を撮った
そのオオイワカガミが松之山ではちょうど見ごろだったので同じ十日町でもだいぶ気候の差を感じる(いずれにしてもオオイワカガミは日本海側の多雪地帯の植物だ)
葉の大きいイワカガミはオオイワカガミだとすぐわかるが、写真2枚目の葉の小さい方は普通のイワカガミではないかと思っている
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ツルフジバカマ
草原の中にピンク色のマメ科の花を見つけた
クサフジに似ているが花の大きさは倍くらいある
帰宅後、図鑑をいろいろ調べた結果「ツルフジバカマ」に行き当たった
花の色も大きさもぴったりなのだが花期が8~10月というのがひっかっかる
さらにインターネットを調べまくったところ「早いものは6月から咲き始める」との記述を見つけやっと確信が得られた
生まれて初めて見る花である
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マムシグサ
数が減っていく植物が多い中でこのマムシグサは元気が良い
今年の春もいろいろな場所で出会っている
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カキツバタ
美人林というブナ林の入り口に咲いていた
花のほうも「美人」を意識しているのだろうか
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ミズタビラコ
スギナが一面に生えているような水っぽい湿り気のある草原でキュウリグサのような小さな青い花の写真を何気なく撮影した
帰宅後、図鑑を調べるとキュウリグサは道端など普通の場所に生え、山地の水辺に生えるのはミズタビラコだという
花に花柄がなく茎に直接花がついているようなのでミズタビラコで間違いないと思う
もしそうだとすればこの花もライファー(初めて見る植物)になる
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チゴユリとナルコユリ
こちらはこの季節の常連
そろそろ梅雨入りの情報が入るころだ
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サイハイラン
フィールドで見かければすぐ名前が浮かんでくる采配蘭
過去に写真を撮影したのは1度くらいだが、今回もすぐ名前がわかった
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ニホンアマガエル
最近でこそあまり出かけなくなったが、6月になるとチョウセンアカシジミやウラキンシジミの写真に新潟の燕・三条方面へ遠征した
梅雨のころはフィールドにこのアマガエルが多く季節を感じたものである
松之山も棚田が多いせいかアマガエルの数は多かった
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ニホンカワトンボ
こちらも日本つながりのニホンカワトンボ
最近TVによく登場する大学もニッポンではなくニホンが正しいようだ
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アオバセセリ
BWツアーで蝶の写真を撮るのは自分の得意技なのだが、今回はウスバシロチョウが少しいたくらいであまり蝶を見なかった
ただ、東京へ戻る直前のフィールドでアオバセセリに巡り合った
少年時代のあこがれだったアオバセセリは、リタイア直後裏高尾などに撮影に通ったものだがここ数年は全くご無沙汰していたのだ
ヒメジョオンに絡む光沢のある青緑が「大昔の感動」を思い出させてくれた
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by mustachio | 2018-06-05 11:00 | Comments(0)
2018年 06月 02日

5月の箱根・湿生花園

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今日はすでに6月に入ってしまったが、先週の土日、家内と箱根へ出かけた
長男一家が予約した熱海伊豆山のリゾートホテルが孫の都合で行けなくなり、こちらが肩代わりする形になったためだ
リタイアした後は土日の旅行を極力回避していたのだが、今回は渋滞覚悟で土日の1泊温泉旅行となった次第である

知り尽くしているといえば大袈裟だが、75年以上前から東京に住んでいるので箱根についてはだいたいのことがわかっている
観光地としてはトップクラスなのだが、自然環境という点ではいまいちで昆虫も植物も普通種ばかりで固有種のようなものは少ない
最近では整備が進みすぎて人工的なイメージが強くはっきり言って楽しくない

このシーズンは野草もほとんど見られないので今回はハイシーズンを迎えた木の花を楽しむことを主目的とし、自然観察については仙石原にある箱根湿生花園を訪ねてみることにした

箱根に咲く木の花

サンショウバラ
この時期、箱根の花(木本の花)といえばサンショウバラのようだ
とにかく箱根の「町の花」に指定されている特別な植物である
花は白からピンク系、葉が山椒に似ているので山椒薔薇というらしい
湿生花園でもあちこちで美しい花が見られた
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ミズキ
この時期街路樹としてピンクや白の花を咲かせるハナミズキについてはほとんどの方が名前をご存知だと思うが、こちらのミズキがわかる方は少ないと思う
同じミズキ科ミズキ属の植物だがミズキのほうは個々の花が小さく散房花序としてまとまらないと存在感がない
箱根はこの時期木の花が最盛期で、ミズキも所々で見ることができた
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ヤマボウシ
そのハナミズキに近縁なのがこのヤマボウシ(ハナミズキは北米原産の外来種で別名をアメリカヤマボウシという)
ヤマボウシは北海道を除く各地の山野に生え、6月ごろに白い4弁の花を咲かせる
(正確には花弁ではなく総苞片だが)
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カンボク
今回、湿生花園で初めて出会った植物
オオカメノキ(ムシカリ)によく似た花で、同じスイカズラ科なのだが葉が3中裂するのでイメージは全く違う
漢字だと「肝木」で北日本に生えるという
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ヤブデマリ
こちらは箱根では普通の植物のようだが個人的には今回初めて勉強した
スイカズラ科ガマズミ属なのでオオカメノキ(ムシカリ)の近縁種、周囲の装飾花は純白だが中心の花は赤っぽく直径5~6ミリと小さい
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ドウダンツツジ
ドウダンツツジは園芸植物として個人の庭(垣根)などにも植えられるので子供の頃から慣れ親しんでいる
最近の東京の住宅事情ではドウダンツツジの植栽など考えにくくなってしまったが
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サラサドウダン
こちらのドウダンは山の花で(標高にもよるが)普通7月ごろに咲く
湿生花園ではもう花が咲いていた
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ムラサキツリガネツツジ
こちらは箱根や丹沢など神奈川県の山岳部でしか見られないツツジ、山地に生えるウラジオヨウラクの仲間である
撮影したのは湿生花園の中だが、赤紫のツリガネはなかなか印象的だった
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ウツギ
「夏は来ぬ」の歌詞にある「卯の花」はこのウツギのこと
旧暦4月が卯月なのでウツギはまさにこの時期の花だ
分類的にはユキノシタ科ウツギ属の植物である
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ミツバウツギ
湿生花園ではミツバウツギという植物に出会った
ウツギと同じ仲間かと思ったが独立種でミツバウツギ科だという
花は純白で完全には開かない個性的な形だった
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ハコネウツギ
こちらもウツギという名前でしかもご当地の箱根を冠に戴くのだがウツギとは種類が異なりタニウツギ(スイカズラ科)の仲間だという
花の色が白から赤に変わる珍しい植物で箱根のあちこちでこの花を観察することができた
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箱根湿生花園の植物

湿生花園は昔から仙石原にある植物園
何十年か前に何回か訪れたことがあるが定かな記憶はない
基本的には劣化しつつある仙石原湿原の植生を保護するために設立されたようで、現在では各地から湿地を好む植物を収集し育成しているので、箱根には本来生息しない植物を見ることができる

写真掲載はわかりやすく水生植物から始めることとしたい

アサザ
まずはアサザ
昔は池や沼に普通に見られた植物だと思うが、一時期、生活排水による富栄養化のために危機に瀕したこともある
アサザはリンドウ科で、同じ科のガガブタやミツガシワのように花弁の縁が糸状に裂けるところが面白い
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コウホネ
コウホネなどの植物を見る機会がほとんどなくなったのは、われわれが住む周辺から池や小川などが消失したからに他ならない
用水池などがあっても周囲に柵が設けられ、植物は排除されている
これは普通のコウホネ(スイレン科)だが、希少価値でネームバリューのあるオゼコウホネなどより普通のコウホネのほうが先になくなってしまうのではないか
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ヒツジグサ
未の刻(午後2時)に咲くからヒツジグサというがそんなことはない
撮影は午前中だったがちゃんと花が咲いていた
この花はなぜか一般的な人気があり、観賞用として長く種族維持ができそうな感じがする
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ヒオウギアヤメ
アヤメ科の植物は似たようなものが多いが、最近ではある程度識別ができるようになってきた
まず花弁に綾の目があるのがアヤメ科ヒオウギアヤメ
アヤメのほうは予想に反して水辺の植物ではなく草原の植物なので、湿生花園にあるのはヒオウギアヤメのほうである
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カキツバタ
「いずれがアヤメ、カキツバタ」といわれるようによく似ているが、こちらは花弁に綾目がなく1本の白い筋がある
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ノハナショウブ
ノハナショウブは葉の中央に盛り上がった筋があるのが特徴だが、花でも区別ができる
こちらは花弁の筋が黄色いのだ
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園の中は高層/低層湿原の植物とかヌマガヤ草原の植物とか湿生林の植物とかで区画が分けられているのだが、観察順路も一定でないため撮影順では整理がつかない
今、花が咲いているものに限定されるが、とにかく数が多いので、一応分類順に整理してみることにした
スタートはキク科でラストはユリ科である

ハヤチネウスユキソウ(キク科)
ハヤチネウスユキソウが箱根で見られるなんて「想定外」だが、動物園でアフリカゾウやライオンが見られることを思えば不自然ではない
この花は20年ほど前の仕事現役のころ休暇を取って早池峰山に登り野生の姿を見ている
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ミヤマヨメナ(キク科)
ヨメナの仲間も種類が多くややこしい
図鑑をチェックしていて気が付いたのだが一般的にヨメナ系は秋の花でミヤマヨメナだけが4~7月に咲く春の花だという
時期が異なれば識別の必要がなくなるので外形的な特徴を記憶するのをやめた
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ハンカイソウ(キク科)
「半開草」ではなく「樊噲草」がまさに半開だった
この花は大きさや色の感じがマルバダケブキによく似ているが、東日本には生育しない西日本の植物だ(葉の形状はマルバダケブキと全く違う)
最近この花を見たのは大分九重のタデ原湿原  鮮やかな黄色の花がまだ目に焼き付いている
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ムシャリンドウ(リンドウ科)
この花は北海道原生花園の花
オホーツク海岸で何回も出会っている
ただ北海道のムシャリンドウは7月の花で5月に見られるのはピンとこない
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オカタツナミソウ
青紫の花がかたまって咲くので存在感がある
過去の出会いをチェックしてみたがタツナミソウやコバノタツナミソウは見ていてもオカタツナミソウは初見のようだ
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ワスレナグサ(ムラサキ科)
いかにも日本の花らしいネーミングだがワスレナグサは帰化植物
山里の湿った場所などに繁茂していることが多い
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エゾルリソウ(ムラサキ科)
エゾルリソウは北海道の高山に生えるムラサキ科ハマベンケイソウ属の植物で、ベンケイソウ科ではない
もちろん今まで見たこともない花でブルーが美しかった
今後フィールドで自然のエゾルリソウを見るのは難しいかもしれない

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クサタチバナ(ガガイモ科)
初めて見るような気はしないが、わがホームページ「日本野草図鑑」に乗っていないので初見なのだろう
このように大きくて純白な花がフィールドで見られたら感動すると思う
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チョウジソウ(キョウチクトウ科)
こちらも初対面の花
湿った草地に生える植物なのだが最近はほとんど見られないようだ
20世紀に発行された植物図鑑にはちゃんと載っているのに、最近の図鑑には名前が出てこない
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サクラソウ(サクラソウ科)
我が家からも近いさいたま市の田島ヶ原に自生するサクラソウ
保護が行き届いているのでしばらくは健在だと思うが、群馬県のフィールドであるバラギ湖などでは激減している
考えてみればサクラソウも明らかに湿地植物であるが、この時期に平地性のサクラソウに出会えるとは思っていなかった
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クリンソウ(サクラソウ科)
こちらのクリンソウも群馬のマイフィールドから消滅しつつある花
山岳部では鹿の食害による危機もあるようだ
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ツルコケモモ(ツツジ科)
ツルコケモモは高山植物、というか高層湿原の植物である
今まであちこちで見ているのだがどういうわけか写真が少ない(唯一北海道の湿原で撮ったものが残っている)
確か志賀高原などにも多かったように思うので近いうちに撮りなおしたい
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ハクサンタイゲキ(トウダイグサ科)
こちらも高山植物
名前の通り白山でも、栂池でも、八方尾根でもいろいろなところで出会っている
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カキノハグサ(ヒメハギ科)
名前は聞いたことがあるが見たことはない(カキノハズシを食べたことはある)
中部から近畿にかけて地域限定の植物のようだ
写真はまだ蕾の状態で、先がオレンジ色の黄色い花を是非見てみたいと思っている
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エゾノレンリソウ(マメ科)
レンリソウは湿った草地に生えるマメ科植物なのだが残念ながらまだ出会ったことがない
看板表示によれば写真はエゾノレンリソウだそうだが詳細は不明である
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マルバシモツケ(バラ科)
マルバシモツケといえば夏の那須岳を思い出すほど印象が強い
というか他の場所でこの植物を(意識して)見たことがない
まだ5月なのに箱根ではもう咲き始めているのが不思議だ
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ハマナス(バラ科)
こちらも夏の花なので「5月の箱根でハマナス」というのはミスマッチ感が強い
「網走番外地」の影響もあってオホーツクの花のイメージが強く、箱根のハマナスにはどうしても違和感が残る
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ヤグルマソウ(ユキノシタ科)
登山道でよく出会う植物なので最近では図鑑に頼らず名前がわかるようになっている
確かに沢筋に多い湿地を好む植物のようだ
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エゾノキリンソウ(ベンケイソウ科)
北海道に生えるキリンソウの仲間
普通のキリンソウは葯の色が黄色で目立たないが、エゾノキリンソウは葯の色が赤いので全体的な感じがだいぶ違う
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ヤマブキソウ(ケシ科)
花の色はヤマブキそのものだが花弁が4枚でヤマブキとは印象が違う
同じケシ科なので当然といえば当然だがクサノオウによく似ている
(クサノオウも花弁は4枚だ)
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カザグルマ(キンポウゲ科)
カザグルマは栽培種クレマチスの原種に当たるキンポウゲ科の花
大輪で野生の花とは思えない精緻な美しさがある
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センジュガンピ(ナデシコ科)
マイフィールドである群馬県の野反湖の沢沿いで毎年確実に会うことができる白いナデシコ
現地では数が増えてきているような感じがする
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シナノナデシコ(ナデシコ科)
こちらは初対面のナデシコ
普通のナデシコ(カワラナデシコ)と異なり花弁の先の切れ込みが少ない
花の中心部を囲む環状道のような濃色の斑紋があり華やかな印象のナデシコだった
長野県の高山の砂礫地に咲く高山植物のようで、湿生花園とはどのようなご縁があるのか不明である
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エビネ(ラン科)
感覚的にはどこにもありそうなエビネだが、今頃自然状態のエビネを見つけることは難題かも知れない
車でどこへでも行ける時代なので珍しい植物はあっという間に盗掘されてしまう
(実をいうと東京の我が家の庭にも何十年も前に友人からもらったエビネが毎年咲き続けているのであまり厳しいことは言えないが)
考えてみれば、今までに全く自然のままの野生のエビネは見たことがないかもしれない
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ハクサンチドリ(ラン科)
高山植物だが北海道などでは平地にも数が多い
最近、高山に上る機会が少ないので最新事情は分からないが、数は減っていないような気がする
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シラン(ラン科)
山岳部の湿地などでよく見かけるシラン(紫蘭)
チェックしてみたらわがホームページ(日本野草図鑑)にシランの項がないことに気が付いた
暇ができたら整理改修を、と思っているがなかなか手が回らない
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シライトソウ(ユリ科)
この花は今まで見たことがないと思う
白い花穂がまっすぐ伸びてリング状にたくさんの小花をつけている
湿り気の多い崖などに生えるというが、インターネットをチェックしてみたら武蔵丘陵森林公園に多数の株が植えられているとのことだった
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ナルコユリ(ユリ科)
こちらはこの季節の花
ナルコユリとアマドコロがよく似ていて見わけが難しいが、茎が丸いのがナルコユリで角ばっているのがアマドコロである
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クロユリ(ユリ科)
高山植物なので自然状態の花期は7月だと思う
箱根のようにそれほど標高が高くないところでは5月に花が咲くのだろうか
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ニッコウキスゲ(ユリ科)
昔はいろいろな場所で群落が見られたが、昨近は鹿の食害で激減している
箱根湿生花園ではちょうど咲き始めたころ合いで蕾が数多く残っていた
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ヒメサユリ(ユリ科)
仕事からリタイアする前の話なので15年以上前だということはわかっていたのだが
福島の高清水高原に日帰りでヒメサユリの写真を撮りに行った記憶がある
わがホームページ(日本野草図鑑)にヒメサユリの項がないので古いハードディスクのデータなどを調べてみるとその撮影日は1997年6月21日だった
写真もアナログの時代だが、よく撮れたものはディジタル化してあったので、ホームページを作る際、データを落としてしまったのだと思う
今回箱根でヒメサユリに再会したのでこれを機会にホームページのほうも改訂(項目追加)していきたい
考えてみると福島での最初のヒメサユリとの出会いは20年以上前のことだったが、箱根のヒメサユリも清楚で美しかった
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by mustachio | 2018-06-02 18:00 | Comments(0)